牡蠣はビタミンB群、亜鉛や鉄分などのミネラル、タウリンなど栄養が詰まった美味しい食材。
そんな牡蠣に多い栄養素にはどんな効果が期待できるのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- 牡蠣はどの栄養素が多いの?
- 生ガキ3個で1日に必要な栄養の何%が摂れる?
- どんな健康効果がある?
- 食べるといいのはどんな人?
といったことが手に取るようにわかります。牡蠣の栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
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牡蠣3個分の栄養価
牡蠣にはどんな栄養素が多いのでしょうか?
100gあたりの栄養価が紹介されることも多いですが、牡蠣100gの量って、イメージわきますか?
このページでは、牡蠣100gあたりの栄養価ではなく、一度に食べる量を生ガキ3個と仮定して、
生ガキを3個食べると、
1日に必要な栄養素の何%が摂れる?
牡蠣に多い栄養素は?
どんな効能が期待できる?
といったかたちでお伝えします。
生の牡蠣3個=60g
牡蠣(カキ)のむき身1個は約20gです。

牡蠣に多いビタミンは?
生ガキを3個食べると、女性が1日に必要なビタミンの何%を摂れるのでしょうか?

女性の1日の目標量に対して、生ガキ3個に多いビタミンは……
ビタミンB12 | 575% |
ビタミンE | 13% |
ナイアシン | 13% |
葉酸 | 10% |
牡蠣には貧血予防や脂肪をエネルギーに変えるビタミンB12がぎっしり。反対に、ビタミンA、C、D、Kはほとんど含まれていません。
次は牡蠣にはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
牡蠣に多いミネラルは?
生ガキ3個で、女性にとって1日に必要なミネラルの何%が摂れるでしょうか?

女性の1日の目標量に対して、生ガキ3個に多いミネラルは……
セレン | 110% |
亜鉛 | 105% |
銅 | 89% |
ヨウ素 | 31% |
鉄分 | 19% |
抗酸化作用がバツグンに高いセレンがたっぷり。免疫力を高める亜鉛や銅も豊富です。
最後に、生ガキ3個で食物繊維をどのくらい摂れるのかをお伝えしてから、牡蠣の健康効果を紹介します。
牡蠣に食物繊維は多い?
生ガキ3個に含まれる食物繊維の量は……
牡蠣に食物繊維はありません。魚介類全般には食物繊維はほとんど含まれていないのです。
では、
牡蠣に多い栄養素には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養素が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
牡蠣に多い栄養素の効果は?

生ガキ3個に含まれている栄養素の中で、女性の1日の目標量に対して多い順に、
ビタミンB12 | 575% |
セレン | 110% |
亜鉛 | 105% |
銅 | 89% |
ヨウ素 | 31% |
鉄分 | 19% |
では、私たちはこれらの栄養素が足りているのか、生ガキ3個でどのくらい補えるのか、どんな効果があるのか、見てみましょう。
ビタミンB12
牡蠣にもっとも多い栄養素はビタミンB12。貧血予防、脂肪を燃やす、寝つきをよくするなどの効果があります。
牡蠣のビタミンB12の量は?
ビタミンB12の1日の目標量は
女性も男性も2.4μg。
生ガキ3個の
ビタミンB12は13.8μg。
1日の目標量の75%です。
さて私たちはビタミンB12がちゃんと摂れている?
生ガキを3個食べるとどのくらい補える?

ふだんの食生活に生ガキ3個をプラスすると……
女性:
平均摂取量=238%
生ガキ3個=575%
合計=813%
男性:
平均摂取量=288%
生ガキ3個=575%
合計=863%
ビタミンB12の効果は?
- 貧血を予防する
- 神経の伝達をスムーズにする
- 脂肪を代謝してエネルギーに変える
- タンパク質やDNAと合成して健康な細胞をつくる
- 寝つきや眠りを良くする
幸せホルモン「セロトニン」の材料にもなるビタミンB12。感情を安定させて集中力をたかめる効果も期待できます。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「栄養素等摂取量」、「ビタミンB12解説」
セレン
牡蠣に2番目に多い栄養素はセレン。抗酸化作用がバツグンに高い必須ミネラルです。
牡蠣のセレンの量は?

セレンの1日の推奨量は、
女性が25μg、男性が30μg。
生ガキ3個(60g)に
セレンは27.6μg。これは、
女性:1日の推奨量の110%
男性:1日の推奨量の92%
セレンは「私たちがふだんの食生活でどのくらい摂れているか」の調査がありません。
ただ、いろいろな食べ物に含まれているので、一般的な食生活なら十分に摂れているでしょう。
セレンの摂りすぎに注意
セレンは不足よりも摂りすぎ注意の栄養素。
女性の1日の上限は350μg。生ガキ3個なら約28μg。一般的な食生活なら摂りすぎも心配ありませんが、サプリメントを摂るときは注意しましょう。
セレンの1日の目安量、上限、セレンの多い食べ物については、セレンの多い食べ物は?【1食分あたり】30位までランキング!で紹介していますのでご参考に。
セレンの効果は?
- アンチエイジング
- 動脈硬化の予防
- 有害ミネラルから守る
- 脳血栓や心筋梗塞の予防
- 男性不妊の改善への期待
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「セレン解説」、厚生労働省 eJIM「セレニウム」
セレンの抗酸化作用はビタミンEの60倍とも。活性酸素を強力に除去して、若々しく元気な体をサポートしてくれます。
亜鉛
牡蠣に3番目に多い栄養素は亜鉛。味覚、免疫アップ、子供の成長に欠かせないミネラルです。
牡蠣の亜鉛の量は?
亜鉛の1日の推奨量は、
女性が8mg、男性が11mg。
生ガキ3個に
亜鉛は8.4mg。これは、
女性:1日の推奨量の105%
男性:1日の推奨量の76%
私たちは亜鉛不足。生ガキ3個でどこまで補えるかというと……

女性:
平均摂取量=96%
生ガキ3個=105%
合計=201%
男性:
平均摂取量=84%
生ガキ3個=76%
合計=160%
生ガキ3個には1日に必要な亜鉛がほぼ含まれています。私たちの不足分をしっかり補ってくれますね。
亜鉛の効果は?
- 味覚を正常に保つ
- 感染症を予防する
- 生活習慣病の予防
- 糖尿病の予防
- 有害物質の排出
- 弾力のある白い肌へ
- 抜け毛の予防
- 生殖機能を高める
免疫を高めて感染症を予防する効果がある亜鉛。牡蠣をはじめ、いか、さば缶、レバー、豚肉、厚揚げ、高野豆腐、アーモンドなど、亜鉛の多い食べ物を意識して食べたいですね。
※参考サイト:厚生労働省 eJIM「亜鉛」、国立健康・栄養研究所「亜鉛解説」
銅

牡蠣に4番目に多い栄養素は銅。貧血予防や骨粗しょう症の予防にも役立つ必須ミネラルです。
牡蠣の銅の量は?
銅の1日の推奨量は、
女性が0.7mg、男性が0.9mg。
生ガキ3個に
銅は0.6mg。これは、
女性:1日の推奨量の89%
男性:1日の推奨量の69%
さて、私たちの銅の摂取量と生ガキ3個あたりの含有量を見てみると……

女性:
平均摂取量=149%
生ガキ3個=89%
合計=238%
男性:
平均摂取量=133%
生ガキ3個=69%
合計=202%
銅の効果は?
- 風邪など感染症から守る
- 貧血を予防する
- 骨粗鬆症や動脈硬化を予防する
- いろんな病気や老化を予防する
- 健康な黒い髪や弾力のある肌をつくる
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「銅解説」
鉄分不足ではなく銅不足からくる「銅欠乏性貧血」があります。銅は不足しにくい栄養素ですが、こんな人は銅不足に注意が必要。
- ストレスが多い
→ 体から銅が排出される量が多くなる - 亜鉛のサプリメントを飲んでいる
→ 銅や鉄の吸収がさまたげられる
レバー、ナッツ類、さといも、枝豆、豆腐、納豆、豆乳など、銅の多い食べ物を積極的に食べましょう。
ヨウ素
牡蠣に5番目に多い栄養素はヨウ素。
牡蠣のヨウ素の量は?

ヨウ素の1日の推奨量は
女性も男性も130μg。
生ガキ3個に
ヨウ素は40μg。
1日の目安量の31%です。
私たちがヨウ素をどのくらい摂れているか、の調査がありません。
ヨウ素は魚介類や海藻に多いミネラル。魚や海藻をあまり食べない人はヨウ素不足に気をつけましょう。
また、ヨウ素は長期間にわたる摂りすぎも心配な栄養素です。
- うがい薬で毎日うがいしている
(ポピドンヨード) - 昆布など海藻をよく食べる
- ヨウ素のサプリメントを摂っている
といった人はヨウ素の摂りすぎに注意が必要。
ヨウ素の上限は3,000μg。生ガキ3個は40μgで上限のわずか100分の1。まったく心配ありませんが、例えば1日に……
昆布茶を1杯 | 780μg |
昆布の佃煮を10g | 1100μg |
ひじきを小皿1皿 | 520μg |
わかめのお味噌汁 | 150μg |
これで合計2550μg。昆布茶をもう1杯飲んだら上限オーバーです。
1日や2日オーバーしたところでなんの問題もありませんが、このような生活を続けると……
- 甲状腺機能低下症
- 体重の減少
- 筋力の低下
- ほてり
といった悪影響があらわれることがあります。
ヨウ素を摂りすぎていないか、こちらでチェックしてみてください。
ヨウ素の摂りすぎに注意-1食分あたりでヨウ素の多い食べ物30選
ヨウ素の効果は?
- 新陳代謝を促進する
- たんぱく質の代謝を促進する
- 美肌・美髪
- 子どもの成長を促進する
- 強い殺菌作用
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ヨウ素解説」、厚生労働省 eJIM「ヨウ素」
鉄分
牡蠣に6番目に多い栄養素は鉄分。貧血予防、骨を強くする、感染症予防などの効果があります。
牡蠣の鉄分の量は?
鉄の1日の推奨量は、
女性が6.5mg、男性が7.5mg。
生ガキ3個に
鉄分は1.3mg。これは、
女性:1日の推奨量の19%
男性:1日の推奨量の17%
生ガキ3個で鉄分をどこまで補えるかというと……

女性:
平均摂取量=112%
生ガキ3個=19%
合計=131%
男性:
平均摂取量=107%
生ガキ3個=17%
合計=124%
鉄分の効果は?
- 貧血の予防・改善
- 骨を強くする
- 免疫を高めてウイルスや細菌から守る
- しなやかで動きやすい体に
- 肌を美しくする
ウイルスや細菌と戦う白血球のはたらきをサポートする鉄分。銅や亜鉛も多いカキは免疫力を高める効果が期待できます。
※参考サイト:NHK健康チャンネル「鉄分不足による症状「鉄欠乏性貧血」とは?」、厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」、国立健康・栄養研究所「鉄解説」
牡蠣に多い栄養素のはたらきを紹介しました。
では最後に、これらのはたらきをまとめて、牡蠣を食べるとどんな効能が期待できるの?についてお伝えします。
牡蠣の7つの効果効能

牡蠣にはビタミンB群、鉄分・亜鉛・銅・セレンなどのミネラル、そして肝臓のはたらきを高めてデトックスを促進するタウリンなどの栄養素が豊富。
これらの栄養素のはたらきから、牡蠣に期待される効能をまとめてみました。
- 血液を作って貧血を予防する
- 感染症を予防する
- 骨を強くして骨粗鬆症を予防する
- 高い抗酸化作用によるアンチエイジング
- 動脈硬化を予防する
- 美肌・美髪
- 肝機能を高めて有害物質を排出する
ということで、牡蠣をぜひ食べてもらいたいのはどんな人かというと……
こんな人こそ牡蠣を食べて!
牡蠣をぜひ食べてほしいのは……
- 貧血ぎみ
- 疲れやすい
- 風邪をひきやすい
- シミ、肌荒れ、髪のパサつきが気になる
- 生活習慣病が気になる世代
- 子供を授かりたい(特に男性)
いつまでも若若しく元気でいたい方にぜひ食べてもらいたいのが牡蠣なのです。
牡蠣に多い栄養素:まとめ
牡蠣に多い栄養素や健康効果についてお伝えしました。
牡蠣に多い栄養素:1日の目標量に対して多い順番に、ビタミン12、セレン、亜鉛、銅、ヨウ素、鉄分、クロム、マグネシウムなど
牡蠣の効能:貧血予防、感染症予防、骨を強くする、アンチエイジング、動脈硬化の予防、美肌・美髪、デトックス
こんな人こそ食べてほしい:貧血気味、疲れやすい、風邪をひきやすい、肌荒れや髪のパサつきが気になる、生活習慣量が気になる、子供を授かりたい
生ガキの栄養価を紹介しましたが、牡蠣はフライや鍋など楽しみもいろいろ。ぜひ食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。