セロトニン増やす食べ物や方法、ご存じですか?
セロトニンは心を安定させてくれたり、心地よい眠りをもたらしてくれたり。
私たちの体の中にあって、健康的に生きていく上でとても大切なはたらきをしている神経伝達物質です。
では、セロトニンとは何?どんなはたらき?不足したら?セロトニンを増やす方法は?セロトニンを増やす食べ物は?などについてお伝えします。
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セロトニンとは?
セロトニンは体の中で作られるもの。食べ物や飲み物に含まれる「トリプトファン」という成分をおもな材料として、セロトニンが作られます。
幸せホルモンとも呼ばれているセロトニン。落ち込みすぎないようにしてくれたり、ストレスに負けないようにしてくれたり、幸せな気分にしてくれたり。精神的に安定させてくれる大切なものです。
でもほかにもたくさんのはたらきがあります。
セロトニンは私たちの体の中のどこにいるのかというと……
- 腸管に体内のセロトニンのほとんど
(約90%くらい?) - 血小板に少し
(約8%とか約9%くらい?) - 脳にほんのわずか
(約1%とか約2%くらい?)
セロトニンのほとんどはお腹の中に、少しが血液の中に、ほんの少しが頭の中に、ということですね。
ではセロトニンはどんなはたらきをしているのでしょうか?
セロトニンの効果効能とは?
セロトニンは「幸せホルモン」というイメージが強く、その幸せ効果について伝えられることも多いですね。ストレスの多い現代人にとって精神面の安定というはたらきは大きいのでしょう。
でもセロトニンの効果効能はそれだけではありません。
お腹の中ではどんな効果が?
お腹のなかでは 腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進。便がスムーズに出てくれるように、よいしょっ、よいしょっ、と便を押し出してくれています。
「あぁ、便秘の解消効果ね」で済む話ではありません。腸は第2の脳とも呼ばれることもあり、免疫細胞のほとんどが腸に集中しているのです。
体の健康においても、心の健康においても、とても大きな影響をおよぼしている腸。腸内環境を整えるという点で、セロトニンは大切な効果を発揮しているのです。
血液の中ではどんな効果が?
セロトニンは血液のなかの「血小板」のなかにいて、出血をしたときに血をとめる効果を発揮しています。
頭の中ではどんな効果が?
ここでのはたらきが幸せホルモンと呼ばれるゆえん。
頭(脳)の中には体内のセロトニンのほんの一部しかないのですが、精神面の安定を助けてくれるはたらきで私たち現代人をおおいにサポートしてくれています。
- 体内時計を整える
- 元気に活動できる状態にする
- 理性をもって社会的な行動ができるようにする
- 記憶力がよくなる
- やる気や自発性が高まる
- 勉強や仕事の効率があがる
さらには……
- 感情をコントロールする(キレない、落ち込みすぎないなど)
- ストレスに強くなる
- 依存症にならないようにする
- 痛みがやわらぐ
- 寝つきや眠りがよくなる
体の面では、健康で元気に活動できる状態にする効果。
心の面では、不安になりすぎないように、落ち込みすぎないように、キレないように、精神面を安定させる効果。
頭の面では、仕事や勉強へのやる気を引き出して、能率を高める効果。
仕事でうまくいかないことが続いたり上司にひどく怒られたりすると、誰だって落ち込みますよね?私ってどうしてダメなんだろう、仕事を失ったらどうしよう、なんて。
セロトニンが十分にあれば、落ち込みすぎないように気持ちを落ち着かせてくれます。
やる気を出してくれて、前向きな気分にしてくれて、仕事の能率を高めてくれるのです。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「セロトニン」
セロトニンはいろんなはたらきで私たちの心身の健康をサポートしてくれます。
このセロトニンが不足してしまうと……
セロトニンが不足すると?
セロトニンが不足するといろんな弊害があります。
たとえば、体内時計が整わなければ朝になっても活動モードに切りかわらないので……
- シャキッとしない
- 朝ごはんの食欲がでない
- 頭がはたらかない
- やる気がでない
- 勉強や仕事の能率が下がる
- 疲れやすい
- 疲れがとれない
- 体がだるくなる
ストレスに弱くなって感情のコントロールも十分にできないので……
- キレやすくなる
- ずっと落ち込む
- いつまでもクヨクヨする
- 自分を責めてしまう
- うつ傾向になる
眠りの面でも……
- なかなか寝つけない
- ぐっすり眠れない
- 夜中に目が覚めてからなかなか眠れない
セロトニンが不足すると、体の面でも心の面でも仕事や勉強といった頭の面でも、困った状態になってしまいます。
そこで毎日の生活の中でセロトニンを増やすための方法をお伝えします。
セロトニンを増やす5つの方法とは?
いつまでもクヨクヨしてしまう人、すぐに怒ってしまう人、いつもストレスを感じている人、うつ傾向の人などは、セロトニン不足の大きな原因のひとつかもしれません。
では、毎日の生活のなかでセロトニンを増やす次の5つの方法についてお伝えします。
- 日光を浴びる
- 適度な運動をする
- 睡眠をしっかりとる
- ストレスを受けない、解消する
- その他スキンシップや呼吸法など
日光を浴びる(特に朝起きた時)

日光を浴びるとセロトニンを作る作業が活発になります。言いかえると……
朝起きて日光を浴びてはじめて、体の中でのセロトニン作りがスタートします。
朝、目が覚めたらまず日光を浴びましょう。体内時計が整って活動モードに切りかわり、やる気が出て仕事や勉強の能率がアップします。
また、朝に日光を浴びてから14~16時間後に、セロトニンは「メラトニン」という眠りのホルモンに変化します。メラトニンは、寝つきをよくしてくれたり眠りを深くしてくれます。
朝目覚めて7時頃に日光を浴びれば、夜の10時11時には気持ちよく寝つきやすい状態に。
でも、朝目覚めても日光を浴びずに家を出る9時頃に日光を浴びた人は、夜中の1時頃になってやっとメラトニンが作られて眠りにつくようになります。
セロトニン不足は睡眠不足の大きな原因。セロトニンを増やすためには、朝目覚めたらまず日光をあびて、昼間は元気に活動し、夜はぐっすり眠れるようにしましょう。
メラトニンについてくわしくはこちらをご覧ください↓
適度な運動をする
セロトニンを増やす運動として効果的なのが単純なリズム運動。たとえば……
- ウォーキング
- ジョギング
- サイクリング
- スクワット
どれも、てくてくてく、タッタッタッ、といった同じリズムをくりかえす運動ですね。長時間おこなう必要はないので、近所を散歩したり自転車でくるっとひとまわりするだけでもいいでしょう。
体に負担のない程度で朝の時間帯におこなうのもおすすめ。セロトニンがたくさん作られるのは朝だという考えもありますし、朝に日光を浴びれば体内時計も整います。
睡眠をしっかりとる
睡眠不足の生活は体内時計の乱れの原因となるので、セロトニンが十分に作られなくなります。
また、睡眠不足では疲労回復が追いつかず、疲れが残ったまま朝をむかえます。これは体のストレスとなって、そのストレスに対抗するためにセロトニンを消費してしまいます。
睡眠不足にならないようにしっかりと睡眠をとること。それもなるべく決まった時間に寝て、きまった時間に起きるようにしましょう。
規則ただしい睡眠は体内時計を整える効果も高めてくれて、セロトニンを増やすはたらきが高まるでしょう。
ストレスを受けない、解消する
ストレスを受けたとき、セロトニンを使ってストレスから守ってくれます。
逆に言えばストレスが多ければ多いほど、セロトニンを消費する量も多くなってしまうということ。
セロトニンは体内で作ることができますが、たくさん消費されてしまえば作るのも追いつかなくなります。
またストレスの多い生活がずっと続いている人はセロトニンを作るチカラが弱くなってしまうことも。これではセロトニンを増やすことが難しくなって、不足しがちな状態になってしまいます。
ストレスを受けないのは難しいでしょうから、ストレスを抱えたままにしないで早めに解消しましょう。
そのほかのセロトニンを増やす方法
そのほかにもセロトニンを増やす方法があります。
- スキンシップやコミュニケーション:
触れ合う、マッサージする、おしゃべりするなど。恋人でも家族でもワンちゃん猫ちゃんでも。 - 呼吸:
鼻から吸って、口からゆっくり吐く。吐くことに意識をむけよう。 - 腸内環境を整える:
発酵食品、キノコ類、野菜、海藻などバランスよい食生活を。 - よく笑う:
大笑いしたりウキウキ楽しくて笑顔になるのが効果的。 - 泣く:
感動的な映画や悲しい映画で泣くなど。
では最後にセロトニンを増やすのに効果的な食べ物を紹介します。
セロトニンを増やす効果的な食べ物
ではセロトニンを増やす食べ物を紹介します。
セロトニンは体内で作られます。その原材料となる栄養素はおもに次の3つ。
- トリプトファン
- ビタミンB6
- 炭水化物
セロトニンを増やす食べ物はこの3つの栄養素の多い食べ物、ということになりますね。
炭水化物は説明するまでもないでしょうから、トリプトファンの多い食べ物とビタミンB6の多い食べ物について紹介していきます。
トリプトファンの多い食べ物

トリプトファンは「必須アミノ酸」のうちの1つ。
必須アミノ酸とは、私たちが生きていくために必要なアミノ酸であって、体のなかで作ることができないアミノ酸のこと。
つまりは「生きていくために必要だけど、体の中で作れないから食べてね!」というアミノ酸のことです。
トリプトファンは食べ物や飲み物からとらなければいけない栄養素です。
そんなトリプトファンの多い食べ物はこちら。
肉類:牛のレバー、豚のロース、鶏のムネ肉、鶏のもも肉など
魚類:かつお、まぐろ、いわし、ブリなど
魚卵類:すじこ、いくら、明太子など
大豆類:納豆、枝豆、豆乳、とうふ、味噌、しょうゆなど
乳製品:牛乳、チーズなど
果物:バナナ、アボカド、キウイフルーツなど
トリプトファンの多い食べ物についてはこちらでくわしく紹介しています。
トリプトファンの多い食べ物・飲み物、その効果とは?
ビタミンB6の多い食べ物

ビタミンB6は、肉類、魚類、豆類、精製していない穀物類などに多く含まれています。
肉類:牛のレバー、鶏のひき肉、鶏のムネ肉、牛のもも肉、豚のヒレ肉など
魚類:まぐろ、かつお、さけ、サバ、さんま、ブリ、アジなど
豆類:きなこ、大豆、納豆、厚揚げ、油揚げ、豆腐など
果物類:バナナ、アボカド、プルーン、干しブドウ、キウイフルーツなど
精製していない穀物類:玄米、ぬか、小麦胚芽など
※参考サイト:厚生労働省 eJIM「ビタミンB6」、国立健康・栄養研究所「ビタミンB6解説」、文部科学省「食品成分データベース」
ビタミンB6の多い食べ物についてはこちらで具体的に紹介しています。
ビタミンB6の多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
セロトニンのはたらきと増やす方法:まとめ
セロトニンのはたらき、増やす方法、セロトニンを増やす食べ物などについてお伝えしました。
(1)セロトニンのはたらき:不安や落ち込みやキレたりしないように気分を穏やかにする、やる気や効率を高める、ストレスに強くなる、体内時計を整える、眠りを深くする、腸内環境を整える。
(2)増やす方法:朝起きたら太陽の光を浴びる、リズム運動、決まった時間に寝たり起きたりする、ストレスを受けない
(3)セロトニンを増やす食べ物:トリプトファンの多い物、ビタミンB6の多い物、炭水化物。
ストレスから守って気分を安定させてくれる幸せホルモン「セロトニン」。
毎日の生活でのちょっとした工夫でセロトニンをしっかり分泌して、心地よい毎日を過ごしていきましょう。