イソチオシアネートといえば、強力な抗酸化作用によるがん予防の効果をはじめ、動脈硬化の予防、免疫力アップ、有害物質の解毒・排出といったずば抜けた健康効果の高さから注目されている成分。
ストレスの多い人、多忙で外食がちな人、生活習慣病が心配な人などにぜひ摂ってほしい栄養素なのですが・・・
ご存じですか?
どんな野菜に多く含まれているのか。どんな食べ方がいいのか。
これを読めば、「どの野菜」を「どうやって食べる」と効率的に摂ることができるのか、すぐにわかります。イソチオシアネートを積極的に摂って、健康的な毎日を過ごしましょう!
イソチオシアネートとは?
アブラナ科の野菜に含まれる
イソチオシアネートとは、アブラナ科の野菜に含まれるフィトケミカルの一種。「辛味」や「ツンとした香り」のもとになっている成分です。
アブラナ科の野菜といえば、大根、キャベツ、ブロッコリー、水菜、チンゲン菜、わさびなどですね。
ここではわかりやすく「イソチオシアネートの多い野菜」という言い方をしていますが・・・
厳密には、アブラナ科の野菜にイソチオシアネートがそのまま含まれているのではなく、「イソチオシアネートの元となる成分が含まれている」のです。
切る、おろす、噛む、でイソチオシアネートが作られる
わさびはすりおろすことで独特の辛味が出てきますよね?
大根も、大根サラダはそれほど辛くないですが、大根おろしにすると辛味が強くなる。
このように、野菜そのものに辛味成分でもある「イソチオシアネート」が含まれているのではありません。切ったり、すりおろしたり、よく噛むことで、野菜に含まれていた成分がイソチオシアネートに変化するのです。
「野菜の細胞が壊された時にイソチオシアネートができるのね」
と覚えていただければ大丈夫。細かく切る、すりおろす、よく噛む。野菜の細胞が壊れれば壊れるほど、イソチオシアネートはたくさん作られるということです。
ちなみに、もうちょっと細かく説明しますね。
アブラナ科の野菜の中には、「グルコシノレート」という成分と、「ミロシナーゼ」という酵素がいます。ただ、一緒にいるのではなく、別々の場所にいるんです。
グルコシノレートは辛くありません。でも・・・
切ったり、おろしたり、噛むことで、野菜の細胞壁がこわれると、細胞の中にいた「ミロシナーゼ」が「グルコシノレート」と出会います。そこで、酵素のミロシナーゼがグルコシノレートをイソチオシアネートに変化させるのですね。
酵素のミロちゃんは、グル君と出会うとイソチオ君へと変身させる。細かく切れば切るほど、細かくおろせばおろすほど、たくさんのグル君がイソチオ君へと変身して、辛味が強くなると同時に健康効果も高くなる、ということです。
生がおすすめ!加熱は短時間で!
イソチオシアネートをしっかり摂り入れたいなら、野菜を「生で食べる」のが一番。
「イソチオシアネートは熱に強い」と書かれているものもありますが、イソチオシアネートが作られるためには、酵素の「ミロシナーゼ」が必要。
酵素は熱に弱いので、加熱すればするほどはたらきも弱くなって、イソチオシアネートを十分に作れなくなることが考えられます。
加熱するなら短時間。さっと茹でたり蒸したり、という調理法がおすすめです。
イソチオシアネートは揮発性!早めに食べよう!
イソチオシアネートは揮発性。ほおっておくと空気中にどんどん逃げてしまいます。大根おろしなど、15分たつと成分は50%に減ってしまうとも。
切ったりすりおろした野菜をそのまま置いておくのはNG!なるべく早めに食べましょう。
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- 細かく切る(繊維を断ち切る方向で)
- すりおろす(繊維を断ち切る方向で)
- 生で食べる
- 加熱するなら短時間に
- 切ったら(おろしたら)早めに食べる
- よく噛んで食べる
これがイソチオシアネートをしっかりと摂るための秘訣ですね。
では、イソチオシアネートが注目されているスゴい効果をご紹介します。
イソチオシアネートのスゴい効果
イソチオシアネートにはたくさんの効果が期待されています。
- がん予防
- 動脈硬化の予防
- 血管の老化の予防
- 活性酸素を除去する(強力な抗酸化力)
- 免疫力を高める
- 肝臓の機能を高める
- 有害物質の解毒・排出
- ピロリ菌や大腸菌から体を守る
- インフルエンザの予防
- 風邪の予防
- 口内炎、虫歯、歯肉炎など口の中の炎症をおさえる
- ダイエット
イソチオシアネートにもっとも期待されている効果はがん予防ではないでしょうか。
また活性酸素を除去するはたらきによる血液サラサラ効果から、動脈硬化の予防や血管の老化を予防すると考えられています。
さらに殺菌作用も高いため、風邪やインフルエンザの予防、解毒、ピロリ菌や大腸菌を減らす、炎症をおさえる、といった点でも期待できますね。
イソチオシアネートのはたらきについては別の記事でまとめていますので、あわせてご覧ください。
→ イソチオシアネートがすごい!12の効果とは?
では、イソチオシアネートの元となる成分はどんな野菜に多く含まれていて、どうやって食べるのが効率的なのか、についてお伝えします。
イソチオシアネートの多い野菜と効果的な食べ方

イソチオシアネートが含まれているのは、アブラナ科の野菜。
大根、キャベツ、水菜、ブロッコリー、カリフラワー、白菜、小松菜、チンゲンサイ、かぶ、ルッコラ、クレソン、からし、わさび、などですね。
「どの部分を食べるか」や「どうやって食べるか」について大事なポイントがあります。すこしくわしく見てみましょう。
大根

まず最初の野菜は大根。イソチオシアネートをしっかりと摂るには大根おろしが一番。繊維を断ち切る方向でおろすのがいいですね。
イソチオシアネートをより多く摂りたいなら、大根の根に近い部分の大根おろしがおすすめ。辛味が強いですがそれだけ成分も多くより多く、大根の葉に近い部分の10倍とも!
そして、大根おろしの「汁」にこそイソチオシアネートは豊富。捨てずに飲みましょう。ただ辛いので、飲み方や飲むタイミングには注意が必要。
大根おろしも、大根おろしの汁も、空腹時に摂るのはNG!胃への刺激が強すぎて、胃痛、吐き気、下痢の原因になることもあります。ご飯を食べながら合い間に大根おろしや汁を食べましょう。
また大根おろしの汁はかなり辛いので、果汁100%ジュースやハチミツを混ぜるなどし工夫してみてくださいね。
大根おろしの汁の食べ方について別の記事でまとめていますので、あわせてご覧ください。
→ 大根おろしの汁は捨てないで!12の効果と正しい飲み方・タイミング
キャベツ

キャベツもイソチオシアネートの元となる成分が豊富な野菜の1つ。
「生」のキャベツを「千切り」にして食べるのがおすすめ。繊維を断ち切る方向で千切りしましょう。
千切りした後に水にさらすとキャベツに豊富なビタミンCが逃げてしまうので、
水洗いする → 千切りにする → なるべく早めに食べる
というのがいいですね。
水菜

水菜もイソチオシアネートを効果的に摂ることができる野菜のひとつ。細かめに切ってサラダとして生で食べるのが一番です。
鍋料理に入れる方も多いですよね。ただ、グツグツ煮込んでしまうと酵素のはたらきが弱くなるので、イソチオシアネートがあまり作られなくなってしまいます。
水菜はすぐに火が通るので、お鍋にサッとくぐらせて食べるのであれば、酵素もさほど影響を受けることもなく、イソチオシアネートをしっかり補給できるでしょう。
ブロッコリー

ブロッコリーのイソチオシアネートをたっぷり摂取できる野菜。
しかしやはり、ブロッコリーといえばブロッコリー・スプラウト。スルフォラファンが豊富なことはCMなどでもご存じでしょう。(スプラウト=新芽のこと)
イソチオシアネートは1つの成分のことではなく、ある共通の分子構造をもった成分の総称。「イソチオシアネート類」といったもので、100種類ほどあるんです。
スルフォラファンも「イソチオシアネート類」のひとつ。
スルフォラファンは、成熟したブロッコリーと比べてスプラウト(新芽)のほうが、7倍とも10倍とも言われています(品種、栽培方法、生長度によって違いがあります)。
食べ方は生。しっかりと良く噛んで食べましょう。
※ 厳密には、ブロッコリー・スプラウトの中にスルフォラファンが存在するのではなく、切ったりよく噛んだりすることで、酵素「ミロシナーゼ」のはたらきによってスルフォラファンが作られます。
カリフラワー

カリフラワーも栄養豊富な野菜。ビタミンC、K、B6、カリウム、食物繊維たっぷり含まれてます。
生では食べられませんが火の通りは早いので、サッと茹でる、蒸す、という調理法でイソチオシアネートもしっかり摂ることができます。
また、カリフラワーのビタミンCは茹でても流れ出にくいのが特徴。ビタミンCもしっかり摂れますね。
白菜
白菜もイソチオシアネートを摂ることができる野菜です。
ただ、生で食べるとなるとお漬物くらいでしょうが、それでは食べるまでに時間がたってしまってイソチオシアネートが揮発してしまう。
火の通りの早さを利用して、お鍋やスープとしてさっと茹でて食べるか、蒸して食べるのがいいですね。
ルッコラやクレソン
ルッコラやクレソンもおすすめ。サラダなどで生で食べましょう。
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そのほか、小松菜、チンゲンサイ、かぶなど生で食べられない野菜は、サッと茹でたり蒸したりして食べるのがおすすめです。
イソチオシアネートの多い野菜:まとめ
イソチオシアネートの多い野菜、調理のしかたや食べ方のコツについてお伝えしました。
多い野菜:大根、キャベツ、水菜、ブロッコリー、カリフラワー、白菜、小松菜、チンゲンサイ、かぶ、ルッコラ、クレソン、からし、わさび
調理法と食べ方:細かく切る、すりおろす、生で食べる、加熱するなら短時間、切ったら(おろしたら)早めに食べる、よく噛んで食べる
効果:がん予防、動脈硬化の予防、血管の老化の予防、活性酸素を除去する、免疫力を高める、肝臓の機能を高める、有害物質の解毒・排出、ピロリ菌や大腸菌から守る、インフルエンザの予防、風邪の予防、炎症をおさえる、ダイエットなど。
身近な野菜も食べ方を工夫することで、たくさんの健康効果を発揮してくれます。イソチオシアネートをしっかりと摂り入れて、健康的な毎日を過ごしましょう!
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