いちじくはその効能の高さから不老不死の果物とも呼ばれています。
栄養価が非常に高く、特に私たちにかなり不足している栄養素がたっぷりと含まれています。
このページを読むと、
- いちじくはどんな栄養素が多い?
- いちじくを2個食べると1日に必要な栄養素の何%が摂れる?
- いちじくの効果効能は?
- どんな人が食べるといいの?
といったことが手に取るようにわかります。いちじくの栄養を上手に摂って元気な毎日を過ごしましょう。
なおドライいちじくの栄養価と効能はこちらで紹介しています。
ドライいちじくの栄養価がスゴい!どの栄養素が多い?8つの効果効能は?
いちじくの栄養価
いちじくにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
栄養価のページで「いちじく100g中に葉酸が22μg……」と書かれていたりしますが、
- いちじく100gってどのくらいの量なの?
- 葉酸が22μgってどのくらい多いの?
そこで「いちじく100gあたいの栄養価」ではなく、
いちじくを2個食べると、1日に必要な栄養素の何%を摂れる?どんな効能が期待できる?
というかたちで、ビタミン→ミネラル→食物繊維の順にお伝えしていきます。
▼ 1日に食べる量は?
いちじく2個(153g)。
いちじく1個は90gほど。皮をむいた可食部は76.5g。1日に食べる量を2個153gとしました。

いちじくに多いビタミンは?
いちじくはどのビタミンが多いのでしょうか?
ちなみに栄養素ごとに「健康でいるためには1日に摂りたい栄養素の量」があります。たとえばビタミンEなら……
ビタミンEの1日の目安量(目標量)
30~49歳なら、
女性:5.5mg、男性:6.0mg
50~64歳なら、
女性:6.0mg、男性:7.0mg
1日に必要な栄養素の量は、男性と女性とで違ったり年齢によって違ったりします。
では、いちじくを2個を食べると、女性にとって1日に必要なビタミンの何%が摂れるのでしょうか?

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
いちじく2個に多いビタミンは……
葉酸 | 14.0% |
ビタミンE | 10.2% |
ビタミンB6 | 9.7% |
パントテン酸 | 7.0% |
葉酸もパントテン酸もビタミンB群のひとつ。いちじくに多いビタミンはB群とEですね。
では、男性にとって1日に必要なビタミンの何%が摂れるのでしょうか?

男性にとっても、いちじくを2個食べるとビタミンB群とEを補うことができますね。
では次に、いちじくにはどんなミネラルが多いのかをお伝えします。
いちじくに多いミネラルは?
いちじくを2個を食べると、女性にとって1日に必要なミネラルの何%が摂れるのでしょうか?

いちじくはビタミンよりもミネラルの方がやや豊富。いちじく2個分の多いミネラルはこちら。
モリブデン | 30.6% |
銅 | 13.1% |
カリウム | 13.0% |
マグネシウム | 7.4% |
鉄 | 7.1% |
ダントツに多いミネラルはモリブデン。食べ物をエネルギーに変えたり、有害なものを分解・排出するはたらきがあります。
男性の場合はこちら。

最後にいちじくにはどのくらい食物繊維が含まれているのかをお伝えしてから、いちじくの8つの効果効能を紹介します。
いちじくに食物繊維は多い?

食物繊維には2種類あってそれぞれはたらきが違います。
▼水溶性食物繊維:
がごめ昆布など海藻のトロッとした部分や果物に多い。血圧・血糖値・中性脂肪・コレステロールなどをおさえる効果や、固い便をやわらかくして便秘を解消する効果など。
▼不溶性食物繊維:
玄米・ごぼう・れんこん・さつまいもなど、ポソポソした繊維質のもの。有害な物質を排出したり、便のカサを増やして便秘を解消する効果など。
では、いちじくを2個を食べると、女性にとって1日に必要な食物繊維の何%が摂れるのでしょうか?

水溶性食物繊維 | 17.9% |
不溶性食物繊維 | 15.3% |
男性の場合はこちら

いちじくの一番のメリットはこの食物繊維の多さではないでしょうか?
私たち日本人は食物繊維不足。
不溶性食物繊維は1日の目標の85%しか、水溶性食物繊維にいたっては50%ほどしか摂れていません。
わずか目標の半分しか摂れていない水溶性食物繊維を、いちじく2個で15%以上も補うことができるのです。
いちじくは、血圧、血糖値、中性脂肪、コレステロール、便秘が気になる方にとってうれしい効果を発揮してくれる果物なのです。
では、あらためて、
いちじくに多い栄養素の効果効能は?
私たちはその栄養素をちゃんと摂れている?
いちじくに多い栄養素とその効果効能

女性の1日の目標量に対して、いちじく2個に多い栄養素の上位4つがこちら。
モリブデン | 30.6% |
水溶性食物繊維 | 17.9% |
不溶性食物繊維 | 15.3% |
葉酸 | 14.0% |
では順番に、その栄養素をどのくらい補えるのか、どんな効果があるのか、についてお伝えしていきます。
モリブデン
いちじくにもっとも多い栄養素はモリブデン。
食べた物の消化・代謝や、有害なものを排出するモリブデン。必須ミネラルのひとつです。
いちじくのモリブデンの量は?
いちじく2個(153g)の
モリブデンの量は6μg。これは、
- 女性:1日の目標量の31%
- 男性:1日の目標量の20%
モリブデンは、私たちがふだんどのくらい摂れているかの調査がありません。
ただ、普通の食生活で不足することも摂りすぎて悪影響が出ることも、まずないと考えられています。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「モリブデン解説」
モリブデンの効果は?
モリブデンのおもな効果は次の6つ。
- 血液をつくる
(鉄分のはたらきを促進) - 糖質、脂質の代謝を助ける
- 尿酸の代謝を助ける
- 体に有毒な物を分解する
- 食べ物の消化を促進する
(消化酵素のはたらきをサポート) - 余分な銅を排出する
食べた物を分解・代謝してエネルギーに変えて、いらないものは排出する。これがモリブデンのおもなはたらきですね。
【関連記事】モリブデンの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
水溶性食物繊維

いちじくに2番目に多いのが水溶性食物繊維。
私たちにとってまったく足りていない水溶性食物繊維がぎっしり入っています。
いちじくの水溶性食物繊維の量は?
いちじく2個(153g)の
水溶性食物繊維は1.1g。これは、
- 女性:1日の目標量の18%
- 男性:1日の目標量の15%
では、私たちは水溶性食物繊維がどのくらい不足している?いちじくを2個食べるとどのくらい補える?

女性:
平均摂取量=58%
いちじく2個=18%
合計=76%

男性:
平均摂取量=51%
いちじく2個=15%
合計=66%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」
いちじくでしっかり補えるとはいえ、まだまだ大幅に足りていない水溶性食物繊維。
寒天、干しいちじく、とろろ昆布、もち麦(お米にまぜて炊くだけ)、豆腐、納豆、枝豆など、料理不要ですぐ食べられるものにも多く含まれています。
水溶性食物繊維の多い食べ物を意識して食べてみてくださいね。
水溶性食物繊維の効果は?
40歳を過ぎた世代にうれしい効果が満載なのが水溶性食物繊維。おもな効果は次の6つです。
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 便秘を解消して腸内環境を整える
- 血圧を下げる
- ダイエット
逆に、血圧・中性脂肪・コレステロールなどが気になる人は水溶性食物繊維が足りていない証拠かも。しっかり摂ればきっと変わっていきますよ。
不溶性食物繊維
3番目に多いのは不溶性食物繊維。
水溶性だけでなく不溶性の食物繊維も多いいちじく。こちらもうれしい効果を発揮してくれます。
いちじくの不溶性食物繊維の量は?
いちじく2個(153g)の
不溶性食物繊維は1.8g。これは、
- 女性:1日の目標量の15%
- 男性:1日の目標量の13%
では、私たちは不溶性食物繊維がどのくらい不足している?

女性:
平均摂取量=93%
いちじく2個=15%
合計=108%

男性:
平均摂取量=84%
いちじく2個=13%
合計=97%
不溶性食物繊維の効果は?
不溶性食物繊維のおもな効果は次の3つ。
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- 有害物質を排出する
- ダイエット
水溶性食物繊維も不溶性食物繊維も、便秘を解消する効果があります。
ただしどんな便秘なのかによって、水溶性が効果的なのか、不溶性が効果的なのか、に分かれます。
いちじくは両方の食物繊維がたっぷりなので、どんなタイプの便秘でも効果を発揮してくれるのではないでしょうか。
ちなみに、便秘のタイプによってどちらの食物繊維が効果的なのか、こちらでくわしく紹介しています。
便秘に食物繊維は逆効果?便秘のタイプ別、摂るべき食物繊維とは
葉酸

いちじくに4番目に多い栄養素は葉酸。
葉酸はほうれん草から見つかった栄養素。葉物野菜に多い栄養素ですがいちじくにも豊富です。
いちじくの葉酸の量は?
1日に必要な葉酸の量は
女性も男性も240μg。
いちじく2個に葉酸は34μg。
1日の目標量の14%です。
では、私たちは葉酸が足りている?

女性:
平均摂取量=118%
いちじく2個=14%
合計=132%

男性:
平均摂取量=123%
いちじく2個=14%
合計=137%
ただ、子供を授かりたい女性、妊婦さん、授乳中のママは、通常の目標量の1.5倍~2倍を目標に摂ることが大切。
いちじくのほか、枝豆、ほうれん草、ブロッコリー、サニーレタス、キャベツ、いちご、豆乳など葉酸の多い食べ物を意識して食べるといいですね。
葉酸の効果は?
葉酸のおもな効果は次の4つ。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんを正常に成長させる
- 血液(赤血球)を作るサポート
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
葉酸といえばお腹の赤ちゃんの成長に大切な栄養素、というイメージでしょうか。
でも血液づくりにも大きく関わっているので、貧血ぎみの人にとっても大切な栄養素です。
いちじくの8つの効果効能

いちじくは2種類の食物繊維をはじめ、いろんな栄養素が豊富。
これらの栄養素のはたらきから、いちじくに期待される効果効能をまとめてみました。
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 血圧を下げる
- 便秘を解消して腸内環境を整える
- 有害物質を排出する
- 疲労回復
- 貧血予防
いちじくで得られる効能というのは、
「ふだんの食生活では不足しているけれど、いちじくを食べることでしっかり補える栄養素のはたらき」
が大きいのではないでしょうか。
となると、いちじくの効能は不足分をしっかりと補える水溶性食物繊維と不溶性食物繊維による効能が大きい、ということになりますね。
そんないちじくをぜひ食べてもらいたいのはどんな人かというと……
いちじくを食べてほしい人とは?
いちじくをぜひ食べてほしいのはこちら!
- 血圧が高い
- 血糖値が気になる
- お腹まわりが気になる
- 便秘がち
- 貧血ぎみ
- 疲れやすい
- 食品添加物や洗剤の成分をあまり気にしてこなかった
いちじくは2個で83kcalほど。白いごはんお茶碗1杯が240kcalなので、いちじくのカロリーを気にする必要はありません。
40代からの生活習慣病を予防したい人、ぽっちゃりしている人、脂っこいものや味の濃いものが好きな人などにぜひ食べてほしいのがいちじくなのです。
いちじくに多い栄養素:まとめ
いちじくに多い栄養素と効果効能を紹介しました。
いちじくに多い栄養素:女性の1日の目標量に対して15%以上含まれる栄養素は、モリブデン、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維。10%以上では、葉酸、銅、カリウム、ビタミンE。
いちじくの効果効能:中性脂肪やコレステロールを減らす、血糖値をおさえる、血圧を下げる、便秘の解消、有害物質の排出、疲労回復、貧血予防
どんな人に食べてほしい?:血圧が高い、血糖値が気になる、お腹まわりが気になる、便秘がち、貧血ぎみ、疲れやすい
その効能の高さから不老不死の果物とも呼ばれるいちじく。
旬は夏と秋。1年じゅう食べられる果物ではないですが、旬の時期にはぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。