たまごはいろんな食べ物と合わせやすくさまざまな調理法で活躍する健康食材。
そんな生たまごにはどんな栄養素が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- 生たまごはどの栄養素が多い?
- 生たまご1個で1日の栄養の何%が摂れる?
- どんな健康効果がある?
- 食べるといいのはどんな人?
といったことが手に取るようにわかります。その高い健康効果から毎日たまごを食べずにはいられなくなりますよ。
【関連記事】ゆでたまごの栄養がすごい!1個あたりの栄養価と7つの効果とは?
生たまご1個の栄養価

生たまごにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
ここでは、
Lサイズの生たまご1個で、
1日の栄養素の何%が摂れる?
生たまごに多い栄養素は?
どんな効能が期待できる?
といったかたちでお伝えします。
Lサイズのたまごは64~70g。
Mサイズのたまごは58~64g。
※殻を含めた重さです
Lサイズのたまごの殻を除くと、
正味の重さは60gほどです。

生たまごに多いビタミンは?
まずはビタミン。
生たまごを1個食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。

生たまご1個に多いビタミンは……
ビオチン | 29% |
ビタミンB12 | 28% |
ビタミンD | 27% |
ビタミンB2 | 19% |
ビタミンA | 18% |
ビタミンA、B群、Dが豊富。ビタミンEも女性の1日分の13%を補えます。
次は生たまごにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
生たまごに多いミネラルは?
次はミネラル。
生たまごLサイズ1個(正味60g)で、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?

生たまご1個に多いミネラルは……
セレン | 58% |
ヨウ素 | 15% |
鉄分 | 14% |
リン | 13% |
モリブデン | 12% |
セレンの抗酸化作用はビタミンEの60倍ともいわれるほどの高さ。鉄分やモリブデンは血液を作るミネラルです。
生たまごのたんぱく質は?
生たまごには良質のたんぱく質がたっぷり!Lサイズ1個(正味60g)にたんぱく質は6.8gも含まれています。
アミノ酸スコアが100!
たんぱく質はアミノ酸が結合して作られていて、そのアミノ酸は必須アミノ酸と非必須アミノ酸に区別されています。
必須アミノ酸は「体内で作れないから食べ物から摂ってね!」というもので9種類あります。食べ物にどんなバランスで含まれているかがとても大切。
そのバランスを点数であらわしたものがアミノ酸スコア。生たまごはアミノ酸スコアが100!理想的なバランスで含まれているのです。
生たまごに食物繊維は?
生たまごには食物繊維は含まれていません。
食物繊維は炭水化物の一部。たまごだけでなく肉や魚のような動物性食品にはほとんど含まれず、植物性食品に多く含まれています。
では、生たまごに多い栄養素には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養素が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
生たまごに多い栄養素の効果は?

生たまごLサイズ1個(60g)に含まれている栄養素の中で、女性の1日の目標量に対して多い順に、
セレン | 58% |
ビオチン | 29% |
ビタミンB12 | 28% |
ビタミンD | 27% |
ビタミンB2 | 19% |
ビタミンA | 18% |
では、私たちはこれらの栄養素が足りているのか、生たまご1個でどのくらい補えるのか、どんな効果があるのか、見てみましょう。
セレン
生たまごにもっとも多い栄養素はセレン。抗酸化作用がバツグンに高い必須ミネラルです。
生たまごのセレンの量は?

セレンの1日の推奨量は、
女性が25μg、男性が30μg。
生たまご1個に14.4μg。これは、
女性:1日の推奨量の58%
男性:1日の推奨量の48%
セレンの摂取量の調査はないのですが、いろいろな食べ物に含まれているので不足することはまずないでしょう。
セレンの摂りすぎに注意
セレンは不足よりも摂りすぎに注意が必要な栄養素。
とはいえ女性の1日の上限は350μg。生たまご1個には14.4μg。通常の食生活では心配ないですが、サプリメントで摂る場合は十分に注意しましょう。
セレンの1日の上限、セレンの多い食べ物は、セレンの多い食べ物は?【1食分あたり】30位までランキング! で紹介しています。参考になさってください。
セレンの効果は?
- アンチエイジング
- 動脈硬化の予防
- 有害ミネラルから守る
- 脳血栓や心筋梗塞の予防
- 男性不妊の改善への期待
高い抗酸化力によるサラサラ効果や活性酸素を除去する効果が期待できます。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「セレン解説」、厚生労働省 eJIM「セレニウム」
ビオチン
2番目に多いビオチンはビタミンB群のひとつ。疲労回復や美肌効果があります。
生たまごのビオチンの量は?

ビオチンの1日の目標量は
女性も男性も同じ50μg。
生たまご1個に14.4μg。
1日の目標量の29%です。
ビオチンも摂取量の調査はありませんが、いろんな食べ物に含まれていて体内でも作ることができるので、不足することはまずないでしょう。
ビオチンの効果は?
- 皮膚、爪、粘膜、髪を健康に
- エネルギーを作る
- アトピー性皮膚炎の症状をやわらげる効果への期待
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビオチン解説」
ビタミンB12
生たまごに3番目に多い栄養素はビタミンB12。貧血予防、脂肪燃焼、寝つきをよくするなどの効果があります。
生たまごのビタミンB12の量は?
ビタミンB12の1日の目標量は
女性も男性も2.4μg。
生たまご1個には0.7μg。
1日の目標量の28%です。
では、生たまごを食べるとビタミンB12の摂取量は……

女性の平均摂取量=目標の238%
生たまご1個=28%
合計=266%
男性の平均摂取量=目標の288%
生たまご1個=28%
合計=316%
ビタミンB12は動物性食品に豊富。肉や魚をあまり食べない人は不足しないよう気をつけましょう。
【関連記事】ビタミンB12の多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
ビタミンB12の効果は?
- 貧血を予防する
- 神経の伝達をスムーズにする
- 脂肪を燃焼してエネルギーに変えて疲労を回復する
- タンパク質やDNAと合成して健康な細胞をつくる
- 寝つきや眠りを良くする
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB12解説」
ビタミンD

4番目はビタミンD。骨を丈夫にしたり、感染症を予防する栄養素です。
生たまごのビタミンDの量は?
ビタミンDの1日の目安量は、
女性も男性も8.5μg。
生たまご1個には2.3μg。
1日の目安量の27%です。
さて、生たまごでビタミンDをどう補えるのかというと……

女性の平均摂取量=目標の75%
生たまご1個=27%
合計=102%
男性の平均摂取量=目標の87%
生たまご1個=27%
合計=114%
不足しがちなビタミンD。生たまご1個食べると目標量まで補うことができます。
ビタミンDの効果は?
- 骨を丈夫にする(カルシウムの吸収を促進)
- 筋肉の動きをスムーズにする
- 免疫を高めて風邪やインフルエンザから守る
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンD解説」、厚生労働省 eJIM「ビタミンD」
ビタミンD不足では骨や筋肉が弱くなります。
体内で作るために太陽の光を浴びたり、たまごをはじめ、サバ缶、いわし、アジ、ぶり、しらすなどビタミンDの多い食べ物を食べるようにしましょう。
ビタミンB2
5番目に多い栄養素はビタミンB2。疲労回復、生活習慣病の予防、便秘解消などの効果があります。
生たまごのビタミンB2の量は?
ビタミンB2の1日の推奨量は、
女性が1.2mg、男性が1.6mg。
生たまご1個に0.2mg。これは、
女性:1日の推奨量の19%
男性:1日の推奨量の14%
では、生たまご1個でビタミンB2をどう補えるのかというと……

女性の平均摂取量=目標の93%
生たまご1個=19%
合計=112%
男性の平均摂取量=目標の76%
生たまご1個=14%
合計=90%
男性はかなり不足。ビタミンB2はたまごのほかには、レバー、さば缶、ぶり、いわし、鮭、豚肉、納豆などに多く含まれます。
ビタミンB2の効果は?
- 疲労回復
- 生活習慣病予防
- 便秘予防
- ダイエット
- デトックス
- 子供の発育促進
- 美肌・美髪
ビタミンB2は代謝のビタミン。よく食べる人は生活習慣病の予防のためにも意識して摂ることが大切です。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB2解説」
ビタミンA
6番目はビタミンA。粘膜を健康にする、免疫を高める、そして目の健康にも大切なビタミンですね。
生たまごのビタミンAの量は?
ビタミンAの1日の推奨量は、
女性が700μgRAE、男性が900μgRAE。
生たまご1個に126μgRAE。これは、
女性:1日の推奨量の18%
男性:1日の推奨量の14%
では、私たちはビタミンAがちゃんと摂れている?生たまご1個で摂取量はどう増える?

女性の平均摂取量=目標の74%
生たまご1個=18%
合計=92%
男性の平均摂取量=目標の61%
生たまご1個=14%
合計=75%
男女ともにかなりの不足。にんじん、春菊、かぼちゃ、大根の葉、ほうれんそう、サニーレタス、すいかなどビタミンAの多い食べ物を食べるよう心がけましょう。
ビタミンAの効果は?
- 風邪などの感染症の予防
- さまざまな病気や老化の予防
- 美肌・美髪
- 夜盲症の予防
- 子供の成長を促進
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンA解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「抗酸化ビタミン」
生たまごに多い栄養素のはたらきを紹介しました。
では最後に、これらのはたらきをまとめて、生たまごを食べるとどんな効能が期待できるの?についてお伝えします。
生たまごの6つの効果効能

生たまごには良質のたんぱく質をはじめビタミンもミネラルも豊富。
これらの栄養素のはたらきから、生たまごに期待される効能をまとめてみました。
- 疲労回復
糖質・脂質・たんぱく質をエネルギーに変える - 免疫力を高める
粘膜を正常に維持してウイルス守って感染症を予防する - 心筋梗塞・脳梗塞・動脈硬化の予防
悪玉コレステロールをおさえて、流れを良くする - アンチエイジング
老化や病気のもとである活性酸素を除去する - 貧血予防
血液(赤血球やヘモグロビン)を作る - 美肌・美髪
新陳代謝を促進して肌・髪・爪・粘膜を健康に
以前はたまごのコレステロールを気にして「1日1個まで」と考える方も多かったでしょう。
今ではその考え方はなくなっただけでなく、むしろたまごに含まれるレシチンが悪玉コレステロールを減らす効果も。
健康な方にとってはぜひ食べたい栄養食品と言えそうですね。
生たまごに多い栄養素:まとめ
生たまごに多い栄養素や健康効果についてお伝えしました。
生たまごに多い栄養素:1日の目標量に対して多いものは、ビタミンA、B2、B12、ナイアシン、ビオチン、ビタミンD、セレン、ヨウ素など
生たまごの効能:疲労回復、免疫力アップ、生活習慣病の予防、アンチエイジング、貧血予防、美肌・美髪
さまざまな栄養素がぎっしり詰まった健康食材たまご。毎日の食生活にぜひ取り入れてみてください。
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