ゆでたまごにはどんな栄養が豊富なのか、ご存じですか?
完全栄養食と呼ばれるほど栄養も健康効果もぎっしりなゆでたまご。
- ゆでたまごはどの栄養素が多い?
- ゆでたまご1個で1日の栄養の何%が摂れる?
- どんな健康効果がある?
- 食べるといいのはどんな人?
についてじっくりお伝えします。ゆでたまごを毎日食べずにはいられなくなりますよ。
ゆでたまご1個の栄養価
ゆでたまごにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
ここでは「ゆでたまご100gあたりの栄養価」ではなく、
ゆでたまごを1個食べると、
1日の栄養素の何%が摂れる?
ゆでたまごに多い栄養素は?
どんな効能が期待できる?
といったかたちでお伝えします。
Lサイズのたまご:64~70g。
Mサイズのたまご:58~64g。
※殻を含めた重さです
Lサイズのたまごの殻をむくと、
正味の重さは60gほど。
茹でても重さはほぼ同じです。

ゆでたまごに多いビタミンは?
まずはビタミン。
ゆでたまご1個で女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。

多く含まれるビタミンはこちら。
ビオチン | 30% |
ビタミンB12 | 25% |
ビタミンD | 18% |
ナイアシン | 17% |
ビタミンB2 | 16% |
このうち4つはビタミンB群。疲労回復や美肌のビタミンですね。ビタミンAやEも多く含まれています。
次はゆでたまごにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
ゆでたまごに多いミネラルは?
次はミネラル。
ゆでたまごLサイズ1個(正味60g)で、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?

ミネラルで多いものは……
セレン | 60% |
鉄分 | 14% |
リン | 13% |
ヨウ素 | 9% |
亜鉛 | 8% |
抗酸化力の高いセレンがダントツ。免疫力を高める鉄分や亜鉛もしっかり補えます。
ゆでたまごのたんぱく質は?
たまごたんぱく質も豊富。Lサイズ1個(正味60g)あたりに6.7gも含まれています。
アミノ酸スコアが100!
たんぱく質はアミノ酸が結合して作られていて、そのアミノ酸は必須アミノ酸と非必須アミノ酸に区別されています。
必須アミノ酸は9種類。体内では作られないので食べ物から摂る必要があります。さらにどんなバランスで食べ物に含まれているかがとても大切。
そのバランスを点数であらわしたものがアミノ酸スコア。たまごはアミノ酸スコアが100!理想的なバランスです。
ゆでたまごに食物繊維は?
ゆでたまごには食物繊維は含まれていません。
食物繊維は炭水化物の一部。たまごだけでなく肉や魚のような動物性食品にはほとんど含まれていなくて、植物性食品に多く含まれています。
では、
私たちに不足しがちな栄養素の中で、
ゆでたまごでしっかり補えるものは?
その栄養素をどれくらい補える?
どんな健康効果が期待できる?
ゆでたまごで私たちの不足分を補える栄養素は?

ゆでたまごに多い栄養素をお伝えしてきました。その中で……
1位:セレン
不足することはまずありません
※いろんな食べ物に含まれています
2位:ビオチン
不足することはまずありません
※いろんな食べ物に含まれていて体内でも作られます
3位:ビタミンB12
目標量の238%も摂れています
この3つはどれも私たちが十分に摂れている栄養素。ゆでたまごが体にいいのは、
「不足しがち栄養素が補えるから」
そこでゆでたまごを1個食べると、私たちに不足しがちな栄養素をどう補えるかというと……
ビタミンD | 75% →93% |
ビタミンB2 | 93% →107% |
ビタミンA | 74% →89% |
パントテン酸 | 106% →120% |
鉄分 | 112% →126% |
※パーセンテージは女性の1日に必要な栄養素に対する割合です。
ではこれらの栄養素のはたらき、そしてゆでたまごの効果効能をお伝えします。
ビタミンD
ゆでたまごで私たちの不足分が補える栄養素。1つめはビタミンDです。
ビタミンDの効果は?
- 骨を丈夫にする(カルシウムの吸収を促進)
- 筋肉の動きをスムーズにする
- 免疫を高めて風邪やインフルエンザから守る
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「栄養素等摂取量」、「ビタミンD解説」、厚生労働省 eJIM「ビタミンD」
ゆでたまごのビタミンDの量は?
さて、ゆでたまご1個でビタミンDをどのくらい補えるのでしょうか?

ビタミンDの1日の目安量は、
女性も男性も8.5μg。
ゆでたまご1個には1.5μg。
1日の目安量の18%を補えます。
女性の平均摂取量=目標の75%
ゆでたまご1個=18%
合計=93%
男性の平均摂取量=目標の87%
ゆでたまご1個=18%
合計=105%
ビタミンD不足になると骨や筋肉が弱くなりがち。とくに閉経後の女性は骨粗しょう症のリスクが高まります。
ビタミンDの多い食べ物(鮭、サバ缶、いわし、アジ、ぶり、しらす、たまごなど)を積極的に食べましょう。
ビタミンB2
ゆでたまごで不足分を補える栄養素。2つめはビタミンB2です。
ビタミンB2の効果は?
- 疲労回復
- 生活習慣病予防
- 便秘予防
- ダイエット
- デトックス
- 子供の発育促進
- 美肌・美髪
糖質、脂質、たんぱく質を分解してエネルギーに変えるはたらきで、疲労回復、ダイエット、生活習慣病の予防に効果を発揮します。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB2解説」
ゆでたまごのビタミンB2の量は?
では、ゆでたまごで不足分をどのくらい補えるかというと……

ビタミンB2の1日の推奨量は、
女性が1.2mg、男性が1.6mg。
ゆでたまご1個に0.2mg。これは、
女性:1日の推奨量の16%
男性:1日の推奨量の12%
女性の平均摂取量=目標の93%
ゆでたまご1個=16%
合計=109%
男性の平均摂取量=目標の76%
ゆでたまご1個=12%
合計=88%
男性はかなりのビタミンB2不足。たまごのほか、レバー、サバ缶、ぶり、いわし、鮭、豚肉、納豆など、ビタミンB2の多い食べ物を取り入れてみてください。
ビタミンA
3つめの栄養素はビタミンA。
ビタミンAの効果は?
- 風邪などの感染症の予防
- さまざまな病気や老化の予防
- 美肌・美髪
- 夜盲症の予防
- 子供の成長を促進
粘膜を健康的に維持してウイルスをブロックしたり、抗酸化作用でいろんな病気や老化を予防する栄養素です。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンA解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「抗酸化ビタミン」
ゆでたまごのビタミンAの量は?
ではゆでたまご1個でビタミンAをどう補えるかというと……

ビタミンAの1日の推奨量は、
女性が700μgRAE、男性が900μgRAE。
ゆでたまご1個に102μgRAE。これは、
女性:1日の推奨量の15%
男性:1日の推奨量の11%
女性の平均摂取量=目標の74%
ゆでたまご1個=15%
合計=89%
男性の平均摂取量=目標の61%
ゆでたまご1個=11%
合計=72%
私たちにはまったく足りていません。たまご、にんじん、春菊、かぼちゃ、ほうれんそう、サニーレタスなどで意識して補いましょう。
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パントテン酸

4つめはパントテン酸。シャンプーに配合されることもある栄養素です。
パントテン酸の効果は?
- エネルギーを作る
- 免疫力を高める
- ストレスへの抵抗力を高める
- 肌や髪を美しく整える
- 生活習慣病の予防
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「パントテン酸解説」
ゆでたまごのパントテン酸の量は?
ゆでたまご1個でパントテン酸をどのくらい補えるでしょうか?

パントテン酸の1日の目標量は
女性も男性も同じ5.0mg。
ゆでたまご1個には0.7mg。
1日の目標量の14%を補えます。
女性の平均摂取量=目標の106%
ゆでたまご1個=14%
合計=120%
男性の平均摂取量=目標の121%
ゆでたまご1個=14%
合計=135%
ストレスが多い、コーヒーをよく飲む、お酒をよく飲む、といった人は不足しがち。
納豆、エリンギ、えのきたけ、鮭、ぶり、豚肉、里芋、さつまいもなど パントテン酸の多い食べ物を意識して食べてみてはいかがでしょうか。
鉄分
5つめの栄養素は鉄分。その効果は貧血予防だけではありません。
鉄分の効果は?
- 貧血の予防・改善
- 骨を強くする
- ウイルスや細菌から守る
- しなやかで動きやすい体に
- 肌を美しくする
※参考サイト:NHK健康チャンネル「鉄分不足による症状「鉄欠乏性貧血」とは?」、厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」、国立健康・栄養研究所「鉄解説」
ゆでたまごの鉄分の量は?

鉄の1日の推奨量は、
女性が6.5mg、男性が7.5mg。
ゆでたまご1個に0.9mg。これは、
女性:1日の推奨量の14%
男性:1日の推奨量の12%
ゆでたまごを1個食べると……
女性の平均摂取量=目標の112%
ゆでたまご1個=14%
合計=126%
男性の平均摂取量=目標の107%
ゆでたまご1個=12%
合計=119%
ゆでたまごが私たちの不足分を補ってくれる栄養素のはたらきを紹介しました。
では最後に、これらのはたらきをまとめて、ゆでたまごに期待される効果効能についてお伝えします。
ゆでたまごの7の効果効能

ゆでたまごは、良質のたんぱく質、ビタミン、ミネラル、レシチンなどいろんな栄養素が豊富。
これらの栄養素のはたらきから、ゆでたまごに期待される効能は……
- 疲労回復
糖質・脂質・たんぱく質をエネルギーに変える - 免疫力を高める
粘膜を維持し、白血球のはたらきを助けて感染症を予防する - 貧血予防
血液(赤血球やヘモグロビン)を作る - ストレスへの抵抗力を高める
ストレスに対抗する「副腎皮質ホルモン」の分泌を促進する - 骨を丈夫にする
主成分であるコラーゲンとカルシウムの吸収を助ける - 生活習慣病の予防
善玉コレステロールを増やしてサラサラ効果 - 肌や髪を美しくする
新陳代謝を促進して傷んだ髪や肌荒れを改善する
40歳を超えて忙しくがんばる方にこそぜひ食べてもらいたいのがゆでたまごなのです。
ゆでたまごに多い栄養素:まとめ
ゆでたまごに多い栄養素や健康効果についてお伝えしました。
ゆでたまごでふだんの不足を補える栄養素:ビタミンA、B2、D、パントテン酸、鉄分
ゆでたまごの効能:疲労回復、免疫力アップ、貧血予防、ストレスに負けない、骨を丈夫に、生活習慣病の予防、肌や髪を美しく
お値段も手頃で手軽に食べることのできるゆでたまご。毎日の食生活に取り入れてみてください。