小学生になると生活環境も大きく変化しますよね?
子供たちだけで学校へ向かうこと、1時間目、2時間目というリズム、45分間もイスに座り続けなければいけない苦痛、などなど。
そんな小学生がストレスを感じる原因はなに?どんな症状が出る?解消するにはどうしたらいい?などについてお伝えします。
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小学生のストレスの原因
小学校に入学したばかりのお子さんは、幼稚園や保育園での生活からの変化が大きく、ストレスをかかえやすくなります。
また、2年生、3年生、4年生と進級するにつれて、社会生活・団体生活の時間も増えてきます。勉強やスポーツでも能力の差があらわれだす時期ですね。
そんな小学生にとって、小学校でのストレス、家庭でのストレス、そのほか生活全般でのストレスをお伝えします。
小学校でのストレス
まずは、小学校での生活でどんなことがストレスの原因となっているのでしょうか?
- 重たいランドセルを毎日背負うこと
- 学校までママのいない道のりを歩いて行くこと
- 電車に乗って学校まで行くこと
- 1クラスの人数が増えること
※幼稚園などと比べて - 45分間イスにじっと座って勉強しなければいけない
- 友達との関係
- 先生との関係
- いじめ
- 勉強しても成績が上がらない
- スポーツが苦手で、体育が憂うつ
- 学校行事
※運動会、遠足、合宿など - 給食
※食べ物の好き嫌い - 転校
- 卒業
勉強に、運動に、集団行動に、時間厳守に。「ルール」と「頑張らなければいけないこと」だらけの環境で頑張っているのが小学生。
特に低学年のお子さんは慣れない環境でストレスを感じていることでしょう。
家庭でのストレス
次は家庭においてのストレスの原因。
- 通学に勉強に部活にと疲れて帰ってきたのに親に「あれしなさい、これしなさい」とせかされる
- 幼稚園の頃と比べてママやパパとゆっくり遊ぶ時間がない
- ほかの子と比べられる
- できることや得意なことをほめてくれない
- できないことや苦手なことで叱られる
- パパとママの仲が悪い(両親の不仲)
- ママとおばあちゃんの仲が悪い
- パパやママが話を聞いてくれない
- 両親との関係
- 両親の教育方針
- 共働きなどで親がいない時間が多い
共働きの家庭は平日に子供とじっくりかかわる時間が少ないでしょう。
小学生といっても、学校や学童から帰ったら、習い事に行って、宿題をして、ご飯食べて、お風呂入って……。習い事を2つも3つもやっている子も多いでしょう。子供自身も忙しい毎日でヘトヘトです。
そんな中で「早く食べなさい!」「さっさとお風呂に入って!」と言われるのは酷。家庭がちっとも安心できる場所ではなくなります。
学年があがっていくと、勉強や運動の成績が気になります。「頑張っているのに成績が上がらない、スポーツが上達しない」というストレスも多くなるでしょう。
そのほか生活全般でのストレス
- 学童保育でいろんな年の子供と一緒にいること
- 習い事ばかりさせられる(習い事がイヤだ、友達と遊ぶ時間がない)
- 練習してもレギュラーになれない(サッカークラブなど)
小学生も高学年になってくると、同級生との人間関係のストレスも増えていきます。
また、学校での授業、放課後のクラブ活動、塾などで忙しくなって、帰宅するのが遅くなる子供も増えています。
忙しいこと自体もストレスですが、食事の時間(リズム)が乱れたり、睡眠時間が十分にとれなかったりということもストレスになります。
「塾なんかよりサッカーをもっとやりたいのに!」など、親の考えと子供本人の意志との違いからくるストレスも少なくないでしょう。
どちらが正しいかという話ではなく、子供は「僕のやりたいことをさせてくれない!」ということにストレスを感じるようになります。
では、ストレスによって小学生にはどんな症状があらわれるのでしょうか?
小学生のストレス症状
小学生もストレスがたまると心と体の不調を感じるようになります。
どんな不調があらわれるのか、体・精神面・行動面のそれぞれの症状をお伝えします。
小学生の体の症状
- 吐き気、嘔吐
- お腹が痛い
- 便秘
- 下痢
- 頭痛
- 発熱
- アトピーが悪化する
- ぜんそくが悪化する
- 過呼吸(過換気症候群)
小学生の精神的な症状
- イライラすることが多くなる
- 不機嫌になることが多くなる
- やる気がなくなる
- 落ち込むことが増える
- おねしょをする
- チック(まぶたがピクピク、頻繁なまばたきなど)
- どもり
小学生の行動面の症状
- 集中力が続かない
- 落ち着きがない
- 爪をかむ
- 歯ぎしりをする(眠っている時)
- 兄弟にあたることが増える
- 友達とケンカする
- 反抗期のように親につっかかる
- うそをつく
- 自分の髪の毛を抜く
※参考サイト:国立精神・神経医療研究センター~こころの情報サイト「ストレスとセルフケア」、厚生労働省 e-ヘルスネット「ストレス」
体の症状だけでなく、爪をかんだりケンカが増えたりチックがあらわれたり、という兆候もあります。日頃からお子さんの様子をしっかり見てあげてください。
※小学生のころから成績だけを強く重視する環境に育つと、大人になってからその影響が強くあらわれます。仕事で業績不振になると「自分は存在価値がない」と悩んだり、ノルマに対して強いプレッシャーとストレスを感じる傾向があります。
では最後に小学生のストレスへの対策について紹介します。
家庭でできる対策とは
最後に、小学生のお子さんがストレスをためないために、家庭でできる対策についてお伝えします。
家庭でできる8つの対策
- 家では何でも話せる雰囲気を日頃から作る
- 家族で旅行する
- 友達とおもいきり遊ぶ
- スポーツをする
- 子供の話をじっくりと聞く
- スキンシップをする
- パパとママが仲良くする
- パパとママがイライラしないようにする
解決法を探すより話をしっかり聞こう
まずお子さんの話を「聞くこと」が大切。「子供の目線での解決法」と「親の目線での解決法」は違います。
子供の話を十分に聞かずに解決法を提示すると、子供は「パパやママはどうせ大人の意見しか言わないから」と親に相談しなくなります。
親御さんも忙しいかもしれません。でもお子さんの話はしっかり聞いてあげてください。それだけでお子さんは重要感と愛情を感じることができます。
話を聞くときは途中で口をはさまないこと。子供がぜんぶ話し終わるまで、ただただ聞いてあげてください。
話をじっくり聞いて、子供の気持ちに寄り添って、一緒に解決法を考える。そうやってお子さんの気持ちやストレスをやわらげてあげましょう。
親の不安やイライラは子供にうつる
子供はご両親のイライラ、ストレス、不安、といった感情を敏感に感じ取ります。
パパとママのケンカはその最たるものですが、パパの仕事のストレス、ママのママ友へのストレスなども敏感に感じ取ります。
お子さんの食欲がない、食べても吐いてしまう、落ち着かない、夜中に起きる、といった場合はご両親に問題があるのかもしれません。
ご両親が自分自身のストレスケアを上手にすることがお子さんの気持ちの安定につながります。
パパやママとのスキンシップも大切
低学年のお子さんの場合は特に、スキンシップでストレスが非常にやわらぐ傾向があります。
「おかえりー!」って言いながらギューと抱きしめる。ひざの上に座って一緒に本を読む。
スキンシップの多い子供はママやパパの愛情が蓄積されて、自立心がめばえると言われています。ぜひ愛情をもってお子さんとたくさんスキンシップしてください。
以上、小学生のストレスの原因、症状、対策についてお伝えしました。
あなたのお子さんとはいえ一人の人間です。親の立場で決めつけるのではなく、お子さんの意見や気持ちを尊重しながら一緒に考えていくことが大切なのですね。