あなたは毎日運動していますか?どこへ行くにもすぐ車を使ったり自転車に乗っていませんか?
普段から体を動かしていない人は自律神経が乱れがち。デスクワークの人はなおさらです。肩こり、首こり、足のむくみ、体が重たい、冷え、などを感じていませんか?
運動には自律神経を整える効果があります。
でも、運動の種類、おこなうタイミング、運動する時間などによって効果も変わりますし、逆効果になる場合もあるんです。
そこで、運動にはどのように自律神経を整える効果があるのか、効果的な運動とNGな運動、おこなうタイミングなどについて、わかりやすくお伝えします。
運動は自律神経にどんな効果があるの?
運動は自律神経を整える効果的な方法と言えます。
そもそも私たち日本人にとって「自律神経が乱れている」とはどういう状態かというと、ストレスによって交感神経ばかりがはたらいていて、体を回復して心をリラックスさせる副交感神経があまりはたらけていない状態、ですね。
運動はこの副交感神経のはたらきを高めてくれるので、自律神経を整えるのに効果的なのです。
ではどのように効果的なのかというと・・・
体がほぐれて流れがよくなって副交感神経へ
ストレスが多い人は交感神経ばかり優位になるので、体(筋肉)が固くなっています。
特にデスクワークの人は筋肉が固くなりがち。運動をすることで普段あまり動いていない筋肉も動かすことができるので、筋肉がほぐれて体の流れが良くなります。
筋肉がほぐれれば、体のはたらきも活発になります。
便秘の解消に運動が効果的なことはご存じですよね?これは運動すると胃腸のはたらきも活発になるから。そして胃腸が活発にはたらくのは副交感神経がしっかりとはたらいている時。つまり、運動は副交感神経のはたらきを活発にして自律神経を整える効果がある、ということです。
幸せホルモンの分泌で気分爽快、ストレスも解消
運動のメリットは体の面だけではありません。
運動していて「気持ちいいなぁ~」と感じている時、幸せホルモンと呼ばれている「セロトニン」が分泌しています。
セロトニンが分泌されると・・・
- 幸せな気持ち、おだやかな気持ちになる。
- 感情がコントロールできる(落ち込まない、キレない)
- やる気や自発性が高まる
- ストレスに強くなる
- 元気に活動できる
- 体内時計が整う
- 寝つきや眠りがよくなる
といったメリットがたくさん。
気持ちよく運動することで、幸せホルモン「セロトニン」をはじめとした神経伝達物質が活性化するので、気分も爽快になり、ストレスも解消されるのです。
効果的な運動とNGな運動とは?
運動は自律神経を整えるのに効果的。でも、なにが効果的でなにがNGなのでしょうか?
はげしい運動はNG!
はげしい運動をすると交感神経のほうがはたらきすぎてしまって、かえって副交感神経が十分にはたらけなくなる傾向があります。
どの程度の運動を「激しい」とするかは個人差があります。
いつも1時間ジョギングしている人にとっては、1時間のサッカーが激しい運動になるでしょうし、普段まったく運動していない人にとっては、30分のジョギングでも激しい運動になるかもしれません。
今のあなたにとって「はぁはぁ」と息切れするほどの運動は自律神経を整えるためには逆効果、ということになりそうです。
ではどの程度の運動がいいのかというと・・・
軽いリズム運動が効果的
自律神経を整えるためには、軽いリズム運動が効果的です。

「リズム運動」とは、決まったリズムのくり返しの運動のこと。
「てくてくてくてく」と歩くウォーキング。「タッタッタッタッ」と走るジョギング。「スィースィースィー」と泳ぐ水泳、といったものがリズム運動ですね。
リズム運動のメリットは・・・
- 自分のペースでできる
- 自分の好きなタイミングでできる
- 左右均等の動きなので、体がゆがまない
- セロトニンの分泌がより活発になる
体のゆがみも自律神経の乱れの原因のひとつ。
何も持たずに30分間散歩すると体のゆがみがとれる、とも言われています。なので左右均等のリズム運動はとてもおすすめ。
さらに、いろんな運動のなかでも特に「リズム運動」は幸せホルモン「セロトニン」の分泌をより活発にしてくれるので、とても気持ちよい気分でできるというメリットも。自律神経を整えるには最適ですね。
気持ちよくできるからこそ、つい「もうちょっと走ろう!」なんてしがち。無理して筋肉痛になって2~3日休んでいるうちに運動しなくなってしまったり。
最初は軽く汗をかく程度、気持ちいいなぁと感じる程度にして、少しずつ運動量を増やしていきましょう。
まずは散歩から
ふだん運動をしていない人は、散歩から始めてみてはいかがでしょうか?

いきなり運動を始めるのはちょっとハードルが高いもの。でも「ちょっと離れたスーパーに歩いて行ってみよう」など、楽しみの中に散歩を取り入れるのがおすすめです。
太陽の光を浴びれば体内時計も整いますし、幸せホルモン「セロトニン」も分泌されます。散歩をするのも気持ちがいいなぁと感じたら、ウォーキングやジョギングを始めてみるのもいいですね。
では、自律神経を整える運動とは具体的にどんな運動なのか、あらためてお伝えします。
自律神経を整える効果的な運動とは?
自律神経を整える運動として効果的なものはこちら。
- 散歩
- ウォーキング
- ジョギング
- サイクリング
- 水泳
- ストレッチ
- ヨガ
リズム運動
リズム運動は、自分のペースでできる、左右均等の動きで体のゆがみが改善する、セロトニンの分泌が促進される、といった効果から自律神経を整える運動としてとてもおすすめ。
散歩、ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳などですね。
ただし、目的は「フルマラソンに出ること」ではなく「自律神経を整える」なので、あくまでも「軽い運動」がおすすめ。早めのペースでのジョギングよりは、深い呼吸ができる程度のスロージョギングやウォーキングが効果的です。
リズム運動のほかに、ストレッチやヨガも自律神経を整える効果的な方法です。
ストレッチ

ストレスが多く交感神経ばかりがはたらいている人は、筋肉がガチガチに固くなっています。なかでもデスクワークの人は筋肉が硬直しがち。
固くなった筋肉を伸ばしてほぐすストレッチは、自律神経を整える効果大。正しいストレッチにこだわらずに、体を伸ばしたりひねったりして、固くなった筋肉をほぐしてあげましょう。
ヨガ

ヨガも自律神経を整えるのにとても効果的。
- 呼吸を整える
- 全身の筋肉を使う(ふだん使わない筋肉も鍛える)
- 筋肉の緊張をやわらげる
- 姿勢がよくなる(体のゆがみが改善する)
といった効果から、自律神経を整える効果が期待できます。
ではこれらの運動、いつのタイミングでおこなうのが効果的なのか、についてお伝えします。
いつのタイミングが効果的?
自律神経を整える運動、いつのタイミングでおこなうのが効果的なのでしょうか?
夕食後がおすすめ
それは・・・「夜」。
夕食後のタイミングで運動するのが効果的です。
もちろん、激しいランニングでも、激しい水泳でもありません。散歩、ウォーキング、ゆっくりのジョギング、プールの中を歩く、といった軽い運動です。
夕食後は副交感神経が優位に向かっていくタイミング。筋肉もほぐれやすい時なので、ケガもしにくく、血流も良くなります。
デスクワークの人の疲れは、体の疲れではなく体を使わなかったことによる疲れ。
エコノミークラス症候群の予防法(対処法)が歩くことや足をほぐすことであるのと同じように、デスクワークでの疲労回復には軽い運動で足を動かすことが効果的なのです。
ストレッチやヨガも夜(夕食後)の時間帯がおすすめ。呼吸を整えて筋肉がほぐれて血流が良くなるので、昼間の疲れがとれて寝つきや眠りも良くなります。
どれも寝る直前でなく、寝る1時間前までには終わるようにおこないましょう。
朝の散歩もセロトニン分泌を促進

朝、太陽の光を浴びると幸せホルモン「セロトニン」作りがスタートします。そしてその約15時間後には、セロトニンが眠りのホルモン「メラトニン」に変化して、心地よい寝つきや深い眠りをサポートしてくれます。
なので、朝太陽の光を浴びることはとても大切。このタイミングでの散歩やウォーキングも気持ちがいいものです。
朝の軽い運動が体のはたらきを活発に
朝は交感神経へ向かうタイミングなので筋肉も固くケガもしやすい、という見方もあります。でも、朝のタイミングで軽い運動をして体温を上げておくことは、その日一日の体のはたらきをスムーズに活性化してくれるので、決して悪いことではありません。
ただ、気温が低い朝ですので、急な運動やはげしい運動は体の負担になります。
起きてすぐに運動するのではなく、水を飲んだり、軽くストレッチして体をほぐしたりしてから、無理ない程度に軽いウォーキングや散歩をするのがいいですね。
どのくらい運動するのが効果的?
自律神経を整える運動も、何分くらいおこなうのが良いのでしょうか?
目安は20分程度。ですが「あなたが気持ちがいいと感じる時間」でいいと思います。逆に「体はキツいけど我慢してあと10分運動しなきゃ!」は逆効果です。
体は人それぞれ。今日のあなたの体と1年後のあなたの体も違います。
「何時頃に走るのがいいの?」「何分歩くのがいいの?」ということだけで判断せずに、「あなたが気持ちいいと感じるタイミング」で「気持ちがいいと感じる時間だけ」運動するのが一番ではないでしょうか。
あなたの体の声に耳を傾けてみてくださいね。
自律神経を整える運動:まとめ
- 運動で体がほぐれ、幸せホルモンでストレスも解消
- 激しい運動はNG!リズム運動が効果的
- 夕食後の運動で疲労回復効果UP!
- 朝の運動なら幸せホルモン分泌でストレスに強く!
- 20分程度がおすすめ!基準は気持ちいいかどうか
- バスや自転車を徒歩に変えたり、隣駅の商店街へ歩いて行くのもおすすめ
自律神経を整えるためにはどんな運動が効果的なのか、NGな運動はなにか、タイミングはいつが効果的なのか、などについてお伝えしました。
私たち現代人の不調の大きな原因のひとつは ストレスによる自律神経の乱れ。
交感神経ばかりはたらいて、体はかたく緊張して流れが悪くなり、首こり、肩こり、体が重い、ぐっすり眠れない、疲れがとれない、などさまざまな不調をかかえてしまいます。
副交感神経をはたらかせる工夫はいろいろありますが、マッサージで軽くなったりつい眠ってしまうように、体をほぐすことはとても効果的。
ストレッチしたり、軽い運動をしたり、深呼吸したり、41度以下のお風呂に15分ゆったりと入ったり、自分でもんであげたり。こまめにほぐしてくださいね。
また 自分でより深く体をほぐす方法もあります。自宅で簡単、誰でもすぐできる方法ですので、あわせてご覧ください。
→ 簡単に自宅で体をほぐす方法 ~しっかりほぐれてラクラク~