自律神経が乱れることが原因で、1つ2つといろいろな症状をかかえる人が増えています。
その症状は、疲れがとれない、体が重い、ぐっすり眠れない、ひどい肩こり、首こり、動悸、息苦しい、便秘、下痢、ほてり、多汗、微熱、イライラ、不安感、などさまざま。
でも自律神経が乱れる原因がわかれば、対処のしようがありますよね。そこで、
- そもそも自律神経はどんなはたらきをしているのか
- どうして自律神経が乱れるのか
についてわかりやすくお伝えします。
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自律神経とは?
自律神経は私たちが「意識してもできないこと」のすべてをコントロールしています。
自律神経のはたらき
意識してもできないことって、どんなことでしょう?
右手をあげる、しゃべる、呼吸する、食べ物を食べる……、どれも「やろうと思えばできること」ですね。
でも……
血液を流す、食べたものを消化する、寝ている間に呼吸する、体内の不要物でうんちを作る、体温を調節する……、「やろうと思ってもできないこと」ですよね。
このように、意識してもできないことをコントロールしているのが自律神経。このおかげで私たちの健康も維持できているのです。
さて、自律神経は次の2つから成り立っています。
・交感神経:
活動している時、緊張している時、ストレスを感じている時にはたらく
・副交感神経:
休息している時、リラックスしている時、眠っている時にはたらく
交感神経では、筋肉は固くなり、鼓動は早くなる。副交感神経では、筋肉は柔らかくなり、鼓動はゆっくりになる。正反対のはたらきをしているのです。
そして、両方とも100%はたらくとか、両方とも20%しかはたらかない、というのではなく、どちらかが多くてどちらかが少ないという仕組み。
交感神経と副交感神経がどのくらいの割合になるかというと……
- いつも責められる営業会議
=90%と10% - 苦手なママ友との時間
=80%と20% - 親友とのランチ
=30%と70%
といったイメージですね。行動や感情が変化するたびに、この2つのバランスも刻々と変化しています。
交感神経が優位になると?
交感神経が優位になるのは、仕事や運動などの活動中、ストレスを感じている時、緊張している時。おもに昼間です。
まわりの変化に反応してすばやく行動できるようにしている状態。名前を呼ばれてスッと立ち上がれるのも、投げられたボールをキャッチできるのも交感神経のおかげですね。
筋肉はかたく緊張して、脈拍は早くなり、血圧はあがり、頭もフル回転しています。
副交感神経が優位になると?
副交感神経が優位になるのは、リラックスしている時、眠っている時、体を回復している時。おもに夜間です。
まわりの変化も少なく、自分のペースでゆったりすごせる状態。昼間の疲れを回復するのも、ころんだ時のすり傷が治るのも、副交感神経のおかげです。
筋肉はやわらかくほぐれて、脈拍はゆったりになり、血圧は下がり、頭の中もリラックスしています。
胃腸がはたらくのも副交感神経の時。逆に食欲がなくなったり胃が痛くなったり便秘になったりするのは、交感神経の時間が多くて胃腸が十分にはたらけないから、ですね。
2つのバランスが大事
健康でいるためにはこの2つのバランスが良いことが大切。どちらかに偏っていることで自律神経が乱れると、心や体に症状があらわれます。
私たち日本人は自律神経が乱れる傾向があり、疲れがとれない、体が重い、なかなか寝つけない、動悸、ほてり、多汗、焦燥感といった症状にあらわれているのです。
では なぜ自律神経が乱れるのか、その原因についてお伝えします。
自律神経が乱れる原因とは?
自律神経がなぜ乱れるのでしょうか?
私たちとって「自律神経の乱れ」とは「交感神経ばかりがはたらいて、副交感神経が十分にはたらけていない状態」です。
そしてその原因が……
自律神経が乱れる原因はストレス
会社での人間関係、仕事のプレッシャー、長時間の通勤、ママ友との人間関係、夫婦や子供との関係など、あらゆるストレスに囲まれていませんか?
ストレスが多ければ多いほど、交感神経が高まっている時間が長くなります。その反面、副交感神経がはたらく時間が短くなる。
このようにストレスが原因となって自律神経が乱れることで、症状があらわれているのです。
ここで、あなたが自覚していないのにストレスとなっているものたくさんあります。あらためて見つめなおすことはとても大切ですね。
そこで精神的にも肉体的にもどんなストレスがあるのか、その具体例を紹介します。
精神的ストレスには何がある?
まずは精神的なストレス。会社で、学校で、家庭で、政治や社会に対して、将来について、などいろいろあります。
仕事に関するもの
就職、転職、部署の異動、転勤、上司との人間関係、同僚や部下との人間関係、得意先やお客様との人間関係、仕事のプレッシャーや責任、ノルマ、上司からの評価、仕事内容、昇進、左遷、失業、多忙な長時間労働など
学校に関するもの
入学、新学年、卒業、転校、クラス替え、席替え、休み明けの新学期、担任との関係、友達との関係、異性との関係、勉強の成績、部活動でのレギュラー争い、いじめ、学校での役割(クラス委員、班長)、学校行事(運動会、文化祭、発表会)、給食、宿題、苦手な授業など
家庭(家族)に関するもの
親との関係、兄弟姉妹との関係、引越、自分が独立しての生活、結婚、夫(妻)との関係、夫(妻)の親族との関係、子供の入学・卒業、子供の反抗期、子供の学校生活や進学などへの心配、家事・育児での多忙な生活、子供のクラブの練習や試合での忙しさ、家計の心配、子供が独立した寂しさ、親との同居、親や夫(妻)の介護、別居、離婚など
社会関係
ご近所との関係、ママ友との関係、PTA、趣味のサークル、子供のクラブチームの親同士の関係など
喪失体験
愛する家族を失う、友人を失う、ペットを失う
その他
健康面やお金の面など老後の生活への不安、政治への不満、社会への怒り、子供の将来への不安、失恋、失敗、挫折
肉体的ストレスには何がある?
疲れ、睡眠不足、運動不足、不規則な生活、体内時計の乱れ、お酒、たばこ、食品添加物、化学物質(食器洗剤・衣類の洗剤・シャンプー・ハミガキ粉など)、薬、体調不良、病気、けが、生理の周期、妊娠、出産、老化など。
一般的な食器洗剤を使っても食品添加物が使われたものを食べても、特になにも感じないかもしれませんが、体にとってはストレスとなっています。
適度なお酒は楽しい気分にさせてくれたりストレス発散になったりとプラスの面もありますが、飲みすぎたアルコールを分解する体にとってはストレスとなるのです。
次は自律神経が乱れるとどんな症状があらわれるのか、おもな12の症状についてお伝えします。
自律神経が乱れることくる12の症状
自律神経が乱れることが原因でさまざまな症状があらわれます。その中からおもな12の症状を紹介します。
- 疲れやすい、疲れが取れない
- いつも体が重い、だるい、倦怠感
- 肩こり、首こり、背中がガチガチ
- 寝つきが悪い、眠りが浅い
- 胃痛、吐き気、食欲不振
- 便秘、下痢、便秘と下痢を繰り返す
- 動悸、息切れ、胸痛、息苦しい
- めまい、ふらつき
- 微熱が続く
- 顔がほてる、のぼせる
- 冷え、寒気(さむけ)
- 精神的な症状(焦燥感・不安感・イライラ)
自律神経が乱れると、これらの症状が2つ、3つと同時に現れることもあります。症状が消えたと思ったら別の症状があらわれたり、ということもあります。
症状を改善するには、根本的な原因である「自律神経の乱れ」を整えること。
食べ物、お風呂、運動、ストレッチ、呼吸法など、今スグにできる方法もたくさんありますので、毎日の生活の中で取り入れてみてはいかがでしょうか。
自律神経を整える方法については別の記事でまとめていますので、あわせてご覧ください。
→ 自律神経を整える方法6選!食べ物、飲み物、お風呂、呼吸法など
また自律神経が乱れることからくる12の症状については別の記事でくわしく紹介していますので、あわせてご覧ください。
→ 自律神経の乱れが原因で起こるおもな12の症状とは?
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「自律神経失調症」、「ストレス」
自律神経が乱れる原因と12の症状:まとめ
自律神経が乱れる原因やおもな12の症状についてお伝えしました。
(1)自律神経のはたらき:意識してもできないすべてのことをコントロールして私たちの体を守っている
(2)自律神経が乱れる原因:あらゆるストレスで交感神経ばかりがはたらくこと
(3)自律神経が乱れることからくる症状:疲れ、倦怠感、肩こり、不眠、胃痛、便秘や下痢、動悸、めまい、微熱、ほてり、冷え、焦燥感や不安感など
ストレスからくる症状は数多くあります。毎日の生活のなかで改善できるところから始めてみてください。