入浴はたくさんの健康効果にあふれています。
ゆったりと湯船につかって入浴する人と、シャワーだけで済ます人とでは雲泥の差。ゆったりと入浴することでおもに6つの健康効果を得ることができます。
「入浴は自宅での治療タイム」とも思えるほど体の治癒力を高めてくれる入浴の効果について、わかりやすくお伝えします。
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夜シャワーだけの生活が疲れや不眠の原因
「疲れがとれない、寝つきが悪い、ぐっすり眠れない……」
そんなお客様と話すとき、必ずこんな質問をします。
「毎日ちゃんと湯船に入ります?」
「いえ、シャワーだけで済ますことが多いです。」
「それが疲れの取れない大きな原因です。湯船にゆったりつかると副交感神経になるので、体は回復モードに切りかわって、眠りも深くなって疲れも取れます。
でもシャワーだけで済ますのはその正反対。シャワーは交感神経にするので、体は活動モードになります。だから、寝つきが悪い、眠りが浅い、疲れが取れない、ということになるのですね。」
「え、そうなんですか?」
「そう、だからシャワーも朝ならOK!シャキッと目が覚めて、頭もスッキリ。サクサク活動できるモードになるでしょう。でも夜は湯船につからないと疲れはとれません。」
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入浴の効果(1)副交感神経に
入浴の時間、湯船にゆったりつかっている時間は、一日の疲れダメージから回復してくれる最高の治療時間。それだけ湯船につかることは、健康面でのメリットがたくさんあるのです。
入浴は副交感神経を活性化させて、体がじんわりと深くほぐれて血行が良くなります。
体がほぐれるというのは副交感神経がはたらいている証拠。マッサージされて眠たくなるのも「ほぐれる → 副交感神経がはたらく → 眠たくなる」という流れです。
「体がほぐれる」というのは、回復するための「根幹」とでも言うべき重要なこと。ほぐすことなくして、健康は望めません。
シャワーではじんわりと芯までほぐすことができません。湯船につかる入浴ならしっかりほぐれて血行がよくなります。栄養や酸素が全身に運ばれるだけでなく、疲労物質や老廃物もスムーズに排出されるようになるでしょう。
入浴の効果(2)体内酵素が活性化
入浴は体内酵素のはたらきも活性化してくれます。
私たちが生きていく上で必要なすべての活動には「酵素」がかかわっています。
手足を動かすにも、頭で考えるにも、胃で食べ物を分解するにも、血液が酸素を運ぶにも、腸が栄養を吸収するにも、すべて「酵素」がかかわっています。逆に言えば、酵素がなくなった瞬間、私たちの命は終わりをむかえます。
これほど重要な酵素。体温によってはたらきが大きく変わります。
体温の低い人は酵素のはたらきが弱いですし、体温の高い人は酵素が元気にしっかりはたらきます。
ビタミン・ミネラル・炭水化物などは「材料や道具」。酵素が「作業員」です。
あなたの体が工場だとしますね。同じ道具や材料を与えられたとして……
- 作業員さんがみんな元気モリモリはたらく工場
- 作業員さんがみんなダラダラはたらく工場
どちらがいいですか?
元気モリモリの工場は体温が高い人のこと。
ダラダラな工場は体温の低い人のこと。
湯船に10分ほどつかると、体温は1度から1.5度ほど上昇します。このとき体内酵素も活性化。パフォーマンスが高くなります。シャワーだけで済ますとこうはいきません。
じっくりと湯船に入浴して体温を上げれば、体内酵素が活性化!
疲労回復、新陳代謝、体の修復、免疫アップ、基礎代謝のアップ、などたくさんの効果が期待できるのです。
入浴の効果(3)水の浮力で体の負担が軽くなる
湯船の中では浮力がはたらきます。浮力によって体重も普段の10分の1ほどに感じます。つまり体重が60キロの人は、お湯の中では6キロに感じるということ。
そんな軽い体を支えるのはとてもラクですよね?
特に毎日60キロの体重をささえる足腰にとって、たった6キロを支えればいい瞬間はほっと一息つける貴重な時間。
ズシッと体重が重たく乗っかっている時と違って、入浴中はフワッと軽やか。その中で筋肉はほぐれて、関節は本来あるべき場所へと戻って、ゆがみも解消されていきます。
いつも体重や活動を支えるために固く緊張している筋肉にとって、入浴は貴重なリラックスタイムなのです。
入浴の効果(4)リラックス効果
体だけでなく気分もリラックスできるのが入浴の大きな効果。
朝から忙しく過ごして、夜もシャワーだけで済ます。これではゆっくりする時間がありません。
湯船にゆったりと入浴して深呼吸。これだけでもすいぶんとリラックスできます。
ストレスはあらゆる体調不良の元凶。気分がゆったりできる時間を過ごしてストレスを解消して、回復を促進させましょう。
入浴の効果(5)眠りが深くなる
入浴と関係が深いのが睡眠。シャワーだけで済ますと眠りは浅くなりますが、お風呂につかって芯まで温まる入浴なら眠りは深くなります。
湯船でゆったり温まれば、入浴後は体温がすこしずつゆっくりと下がります。この体温が下がっていくタイミングに眠気があらわれます。
このタイミングで眠りにつけば、寝つきもよくなりますし眠りも深くなります。入浴後、ちょうど1時間たった頃でしょうか。
お風呂でしっかり副交感神経に切り替えて、その流れで眠りにつく。これなら睡眠中の疲労回復や新陳代謝がとても高まって、朝には疲れの消えたフレッシュな体になるでしょう。
入浴の効果(6)その他にも効果いろいろ
入浴の効果はまだまだたくさんあります。
すこし熱めのお風呂に10分間でジョギング20分に匹敵するカロリー消費。ダイエット効果もあるということです。
また、体の汚れも落ちやすくなります。10分間湯船に入浴するだけで汚れの8割は落ちるとか。キレイになるだけでなく体臭予防にも効果的です。
お風呂での体温上昇は、酵素の活性化というメリットだけではありません。免疫力アップにも効果を発揮。体温が1度上がれば免疫力は6倍になるとも!
平熱を1度上げるのは一朝一夕にはできませんが、毎日ゆったりと入浴して体温を上げることで、体温が上がりやすい体へと変化していきます。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「自律神経失調症」、「快眠と生活習慣」
入浴で得られる6つの効果:まとめ
入浴で得られる6つの効果をお伝えしました。
- 副交感神経(=回復モード)に切りかえる
- 体内酵素を活性化
- 水の浮力で体の負担を軽くしてほぐす
- リラックス効果
- 眠りが深くなる
- ダイエットや免疫力アップも
寒い冬はもちろんですが、暑い夏こそ疲れがたまりやすいもの。シャワーだけで済ますのではなく、しっかりと入浴して体をいたわってあげましょう。