酵素はどんな食品に多いのか、ご存じですか?
呼吸をする、体を動かす、食べた物をエネルギーに変える、体を回復する、考える……。私たちが日々でおこなっているすべての生命活動に「酵素」がかかわっています。
酵素は体内でも作られますが限度があります。食品から酵素をしっかりと補給したいものですが……
食べるタイミングや生活習慣によっては、貴重な酵素がムダになっているかもしれません。そこで、
- そもそも酵素とはどんなもの?
- どんなはたらきをするの?
- ムダに消費されるのはどんな時?
- 酵素の多い食品は?
- いつ食べるのが効果的?
などについてわかりやすくお伝えします。酵素の多い食べ物を上手に食べて若々しく元気な毎日を過ごしましょう。
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そもそも酵素とは?
生きるためのすべての活動には酵素が必要
あなたの体のひとつひとつの細胞は、あなたが食べた物で作られています。
もっとも寿命の長い細胞でも、新陳代謝によって6ヶ月で生まれ変わります。
あなたの体の中ではさまざまな化学反応によって、動くためのエネルギーが作られたり、細胞が生まれ変わったり、傷や不調を治したりして、生命を維持しています。
そんな生きるうえで必要なすべての化学反応には酵素が不可欠。
ビタミンも、ミネラルも、食物繊維も、たんぱく質ももちろん大切なのですが、栄養素をいくらたくさんとっても、酵素がなければエネルギーに変わることはありません。
栄養は材料や道具、酵素は作業員
酵素とはどんなはたらきをしているのか、ちょっとわかりやすく説明しますね。
あなたを工場にたとえると……
- 炭水化物、たんぱく質、脂肪
= 原材料 - ビタミン、ミネラル
= 道具や機械 - 酵素
= 作業員
工場のなかに原材料がたくさんあっても、道具や機械がたくさんあっても、作業員が足りなければ作業はなかなか進みません。製品ができあがらないだけでなく、次々に入荷する原材料が工場の中にたまってしまいます。
これがあなたの体だったら?
食ベ物が体に入ってくるのに作業員である酵素が不足していれば、食べた物の消化吸収も代謝も進みません。
酵素がなければエネルギーが作られずに疲労や不調をかかえるだけでなく、次々に入ってくる食品が中性脂肪(ぜい肉)となってどんどんたまってしまいます。
酵素は私たちが健康な状態で生きていくために必要なすべての作業に、かかわっているのです。
酵素のはたらきとは?
酵素のはたらきは消化と代謝
酵素のおもなはたらきは「食べたものの消化」と「新陳代謝」の2つ。
風邪をひいたり、体調が悪い時、食欲がなくなりますよね?
これは酵素を「新陳代謝=体の回復」のためだけに使いたいから。
なのにたくさん食べてしまうと、体の中の酵素は食べた物を消化することに使われてしまう。
すると回復する作業に使える酵素が少なくなって回復が遅くなる。
そこで酵素を「食べた物の消化」ではなく「体を回復する作業」に使うために、食欲をなくさせているのです。
空腹と発熱は世界でたった2人の名医だ
「空腹と発熱は世界でたった2人の名医だ」と断言するのは、自然療法を実践しているドイツの医科大学のイセルス教授。これも酵素のはたらきがポイントなのです。
・空腹=酵素を食べた物の消化に使わず新陳代謝(体の回復・再生)に専念させる
・発熱=酵素のはたらきが高まる環境(温度)にして回復作業を進ませる
「食欲が出てきたからもう大丈夫ね」というのは正解。
「無理してでもちゃんと食べないと良くならないわよ」というのは間違いです。
体内で作られる酵素には限度がある
酵素は私たちの体内でも作られています。
ただし一生で作られる酵素の量には限度があります。酵素がなくなった時、命は終わりをむかえます。
ということは、元気で長生きするために大切なことは……
- 酵素をムダに消費しないこと
- 酵素を食品から補給すること
そこで次は、酵素をムダに消費しているのはどんな時?酵素の多い食品は?についてお伝えします。
酵素をムダに消費している時とは?
酵素は「食べた物の消化」と「新陳代謝」に使われますが、なかでも特に大量の酵素が使われてしまうのが体内の悪いものを排出する作業。
- 外食の多い人
- お菓子が好きな人
- ファーストフードが好きな人
- 食品添加物をあまり気にしていない人
- 市販の洗濯洗剤、食器洗剤、シャンプーなどを使っている人
- むくみやすい人
- 薬を飲んでいる人
化学物質である合成界面活性剤、農薬、食品添加物、重金属、といったものをデトックスするために大量の酵素が使われています。
デトックスのために酵素がムダに浪費されないように、食品選び、生活用品選びに気をつけましょう。
ちなみに私たちが紹介している健康食品『野菜力で輝け』も、Detoxをサポートするもの。日本産の5種類の有機野菜で作られています。合わせてご活用ください。
では次に酵素の多い食品についてお伝えします。
酵素の多い食品とは?
酵素が含まれる食品は生のものと発酵食品
酵素は40度くらいの温度でもっとも元気にはたらいてくれます。しかし高熱に弱く、48度以上になるとはたらきが失われてしまいます。
前述の「工場」のたとえで言うと……
40度くらいの温度では作業員(=酵素)が元気モリモリはたらいてくれる。
でも48度になると「あちぃ~、だりぃ~」となって作業員が全然はたらいてくれない。
つまり加熱した食品は酵素のはたらきがまったく期待できません。酵素が含まれている食品は「生の食品」と「発酵食品」しかないのです。
・生の食品:
生野菜、果物、お刺身など
・発酵食品:
納豆、キムチ、漬物、味噌、しょうゆ、甘酒、米酢、黒酢など
今日食べたもの、昨日食べたものを振り返ってみると、生の食品や発酵食品をほとんど食べていない人も多いのではないでしょうか?
貴重な酵素を補うためにも、生の食品や発酵食品を食生活に取り入れたいもの。
ではその中でも酵素の多い食品にはどんなものがあるのか、具体的にお伝えします。
酵素が多い果物
酵素が含まれている生の食品。生野菜、果物、お刺身などがありますが、なかでもオススメなのは果物です。
果物には酵素がたっぷり含まれています。一年中いろんな果物が手ごろな値段で手軽に手に入りますし、そのまま食べるだけなので忙しい人にも大丈夫。
果物の中でも酵素の多い果物は、パパイヤ、マンゴー、パイナップル、イチゴ、キウイ、バナナ、リンゴなど。バナナやキウイは手軽に食べやすい果物ですね。
ここで注意!
酵素がたっぷりの果物も 食べるタイミングによってはせっかくの酵素がムダになっています。
では、果物はいつ食べるのが一番効果的なのかというと……
果物は食間や食事の30分以上前に!
果物の酵素を最大限にいかすための、果物を食べる正しいタイミングとは、
- 食間(食事と食事の間)などの空腹時
- 食前(食事の30分以上前)
食べ物の消化はたいへんな作業。時間もかなりかかります。
消化にかかる時間の目安を紹介すると……
野菜 | 1~2時間 |
炭水化物 ごはん・パン | 4~6時間 |
肉 | 8~12時間 |
果物 | わずか30分 |
野菜や肉やお米などの食品は、食べてから4時間、6時間、8時間かけて胃から腸へと届きますが、果物はたったの30分で腸に届きます。なぜなら、果物には酵素がたっぷり含まれているから。
そして腸にとどいた酵素は本領を発揮!お腹の中をキレイにしたり、あとからくる食ベ物をしっかり分解吸収してくれます。
でも果物を「食後」に食べてしまうと……
食後の果物はNG!
でも食後に果物を食べてしまうと、前を行くごはんやおかずにジャマされて、胃で立ち往生。すると胃の中で発酵が始まってしまって、
- 果物の栄養素が吸収されない
- 先に食べた物を腐敗させてしまう
- 胃酸が弱くなって消化不良をおこす
- 食べた物を分解しきれず、太る
- 胃にガスがたまる
- 腸で悪玉菌が増える
- その結果、胃もたれ、胸やけ、便秘、下痢、肌荒れなど
といった悪影響を及ぼしてしまうのです。
果物を食べるなら食間か食事の30分以上前。
それがなかなか難しい人はせめて「食事の時にまず果物から食べる」 といった工夫がおすすめ。まず果物を食べて、それからおかずやご飯を食べるようにしましょう。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「果物」
酵素が多い発酵食品
発酵食品にも酵素は豊富に含まれています。納豆、キムチ、漬物、甘酒、ヨーグルト、味噌、しょうゆなどですね。
発酵期間が長いほど酵素のはたらきが強く、からだにも有用にはたらきます。
一般的なスーパーで売られている手ごろな価格の味噌やキムチは発酵期間が短く、酵素の効果はさほど期待できないかもしれません。
信頼できる味噌蔵やキムチ専門店などで買われたほうが、発酵期間も長く、酵素もより豊富に含まれたものが手に入るのではないでしょうか。
発酵食品も食事の最初に
発酵食品もフルーツと同じように「空腹時や食前」が効果的。
空腹時に納豆だけ食べる、味噌だけ食べる、というのは難しいでしょうから食事の時に発酵食品から食べるのがいいですね。
酵素の多い食品と正しいタイミング:まとめ
酵素とはなにか?そのはたらきとは?酵素を浪費してしまうのはどんな時?酵素が多い食ベ物は?いつ食べるのが効果的?などについてお伝えしました。
酵素とは:生命活動のすべてに必要。栄養は材料や道具で酵素が作業員の役割。
はたらき:食べたものの消化と新陳代謝
酵素が大量に必要となるのは?:体内の悪いものを排出する時(食品添加物や化学物質など)
酵素が多い食品:果物などの生の食品と発酵食品
果物を食べるタイミング:食間や食事の30分以上前
健康、美容、ダイエット、アンチエイジング、デトックス。私たちが元気で心地よい毎日を過ごすために欠かせない酵素。ムダ使いをせずに、食品から効果的に補うように心掛けたいものですね。