ストレスで胃が痛い、食欲がない、ぐっすり眠れない、といった経験はどなたにもおありでしょう。
年末年始の休暇前は気分も体も軽やかなのに、仕事が始まる前日の夜はずっしりと重たく感じたり。
ストレスが原因であらわれる症状はほかにもたくさんあります。
ただ、赤ちゃん、幼稚園児、小学生、大人と成長するとともに症状も変わります。
そこで年齢によってどんな症状があらわれるのか、具体的にお伝えします。
赤ちゃんのストレスの症状・原因・対策
赤ちゃんもストレスを感じます。自分でできることが少ない分、ストレスも多いのかもしれません。
赤ちゃんはストレスによってどんな症状が出るのでしょうか?
赤ちゃんのストレス症状
- 全身に湿疹(しっしん)がでる
- 母乳やミルクを飲まない
- 飲んでも吐いてしまう
- 下痢をする
- 便秘になる
- ウンチに血が混じる
- 夜泣きがひどくなる
- あやしてもあまり笑わない
- 表情が少なくなる
赤ちゃんのストレスの原因
赤ちゃんは自分の気持ちを表現できませんし、自分でできることもまだまだ少ない。それだけにいろんなことにストレスを感じます。
お腹がすいた、おむつが気持ち悪い、眠たいのに眠れない、暑い、寒い、うるさい、まぶしい、もっと抱っこしてほしい、自分の気持ちをママやパパがわかってくれない、ママがイライラしている……
さらには、
- ママとパパの仲が悪い
- ママとばあばの仲が悪い
- ママ友とのおしゃべりで、ママがパパの愚痴を爆発させている
- パパが家で部長のグチを爆発
- ママが家でママ友のグチを爆発
- パパが家で政治家への不満を爆発
家のなかの「ピリピリした空気」も「怒りのエネルギー」もしっかりと感じ取って、ストレスとなっています。
赤ちゃんのストレス解消には?
赤ちゃんのストレス解消にはまず環境に気を配ること。
こまめにおむつチェック、汗のチェック、部屋の温度や明るさチェック、生活のリズムを作る(ご飯・散歩・お風呂の時間)、外に出て気分転換するなど。
また「ママのストレス解消」もとても大切。
妊娠・出産のたいへんさを乗り越えたママなのに、休む間もなく、24時間365日の育児に突入しています。
赤ちゃんへの世話はママにしかできないことがたくさん。
この時期のパパは赤ちゃんのお世話をすることももちろんですが、ぜひママの負担を軽くしてあげましょう。
洗濯・掃除・炊事などの家事をがんばる。ママの肩をもんであげる。ママがお友達とランチができるように子供と留守番する。
ママも同じくらいの子供をもつお友達とおしゃべりするだけでもストレス解消になるでしょう。
幼稚園児・保育園児の症状と原因
幼稚園や保育園に入園すると、いままで家庭中心だった生活からママやパパと離れての集団生活が始まります。
そんな幼稚園児や保育園児のお子さんは、ストレスでどんな症状があらわれるのでしょうか?
体のストレス症状
- 熱が出る
- 吐き気、嘔吐
- 下痢になる
- アトピーやぜんそくが悪化する
- 交通事故にあう(くわしくは後ほど)
精神的なストレス症状
- 保育園や幼稚園に行きたがらない
- 保育園や幼稚園に着くと大声で泣く
- お友達とよくケンカする
- ささいなことでも泣き出す、叫ぶ
- 指をしゃぶる、爪をかむ
- チック
- おねしょ
- 夜泣きをする
- ママから離れようとしない
- じっとしていられない
- 集中できない
ストレスの原因
では、幼稚園児や保育園児はどんなことにストレスを感じているのでしょうか?
幼稚園では?
- ママと離れたくない
- 好きなおもちゃを独占できない
- 遊びたいのにお昼ごはんを食べないといけない
- もっと先生に甘えたい
- ○○君が嫌い、など
家庭では?
- 親が厳しい
- ほめてくれない
- 親が自分の話をちゃんと聞いてくれない
- テレビやスマホの見すぎ
- 兄弟げんか
- ママやパパがイライラしている
- ママとパパの仲が悪い、など
集団生活の時間が増える幼稚園児や保育園児。自我もどんどん芽生えながらも、まわりの環境から自分の気持ちをおさえる子もいます。
お子さんのサインを察知して、ストレスをためこまないようにしてあげてください。
小学生のストレス症状
幼稚園から小学生への変化はとても大きなもの。今まで好きなように動きまわれたのが、45分間じっとイスに座り続けて勉強する生活になります。
バスやママの自転車での通園から、重たいランドセルを背負って長い道のりを歩く通学に。
高学年になれば団体行動の時間も増えますし、勉強や運動の成績の優劣もはっきりしてきます。
そんな変化の多い小学生。ストレスが原因でどんな症状があらわれるのでしょうか。
体のストレス症状
- 吐き気、嘔吐
- お腹が痛い
- 便秘
- 下痢
- 頭痛
- 発熱
- アトピーが悪化する
- ぜんそくが悪化する
- 過呼吸(過換気症候群)
精神的なストレス症状
- イライラしている時が多い
- 不機嫌になる
- やる気がなくなる
- 落ち込みがちになる
- おねしょ
- チック(まぶたがピクピク、頻繁なまばたきなど)
- どもり
行動面でのストレス症状
- 集中力がなくなる
- 落ち着きがない
- 爪かみ
- 歯ぎしりをする(眠っている時)
- 兄弟とケンカする(兄弟にあたる)
- お友達とケンカする
- 反抗期のように親につっかかる
- うそをつく
- 自分の髪の毛を抜く
小学生にもなると、大人の場合の症状と似てきます。
共働きの両親は多忙でストレスの多い毎日、親同士の関係が子供同士の友達関係に影響を与える、習い事に塾にサッカークラブにと子供自身も忙しいなど、生活環境の大きな変化が背景にあるのでしょう。
体の症状もありますが、ケンカが増えたり、チックがあらわれたり、という兆候もあります。日頃からお子さんの様子をしっかり見ることが大切ですね。
大人のストレス症状
大人はストレスの原因も多岐にわたりますし、症状もいろいろなものがあらわれます。
その傾向はどんどん若年化し、高校生、中学生でも同じ症状に悩む人が増えています。
大人にとってのストレス症状も、体、精神面、行動面の3つにわけられます。
身体的なストレス症状
- 肩こり、首こり、腰痛
- 偏頭痛、緊張性頭痛、めまい、耳鳴り、メニエール
- 下痢、便秘、食欲不振、吐き気、過敏性腸症候群、胃かいよう、十二指腸かいよう
- 緊張性の発汗、ほてり、のぼせ、不整脈、微熱
- 神経性の頻尿、過敏症膀胱、夜尿症、性機能低下
- 皮膚のかゆみ、アトピー性皮膚炎、帯状疱疹、じんましん、円形脱毛症
- 肌荒れ 湿疹、口内炎 ヘルペス
- 喘息、神経性の咳
- 糖尿病、肥満症、脂肪肝、高血糖症、心因性多食症
- 慢性疲労症候群、自律神経失調症
- 生理不順、月経前症候群、月経困難症、更年期障害、習慣性流産、子宮筋腫
精神的なストレス症状
- イライラする、あせりを感じる
- 緊張する、不安になる
- 落ち込むことが多い、自分を責める、無価値感
- 人に会うのが億劫になる、外出したくない
- やる気が起きない、気力がない、覇気がない
- いろんなことが負担(重荷)に感じる
- 落ち着かない、リラックスできない
- 漠然とした不安やゆううつを感じる
- 現実逃避したい、遠くへ行きたいと思う
- 自分のつらさが人には理解してもらえないと感じる
- 物忘れがひどくなる、物覚えが悪くなる
行動面でのストレス症状
- 引きこもり、出社拒否、不登校
- 拒食、過食、異常な間食、異常なダイエット
- コーヒーや炭酸飲料など、嗜好飲料の増加
- 物への依存性が高まる(お酒、たばこ、賭け事、異性、セックス、ゲームなど)
- 喜怒哀楽がコントロールできない(突然怒る、泣きわめく、など)
- 衝動買い、過剰な飲酒
※参考サイト:国立精神・神経医療研究センター~こころの情報サイト「ストレスとセルフケア」、厚生労働省 e-ヘルスネット「ストレス」、「ストレスと食生活」
あまりにストレスの多い毎日を送っていると「ストレスが多いこと」にも「体調がよくないこと」にも鈍感になってしまいます。
体を壊してしまったり心が折れてしまう前に、毎日の生活環境や体調を見直してみましょう。
以上、赤ちゃんから大人まで、ストレスの原因と心や体の症状についてお伝えしました。
日本はストレス社会。自分自身や家族にあらわれるサインを見逃さないようにしてください。