アロマオイルはリラクゼーションやストレスケアに広く利用されています。そんなアロマオイルは自律神経を整える効果も期待大。
もしあなたが、
- ストレスをいつも感じている
- 気持ちが休まらない
- 心も体もいつも緊張している
- 疲れがとれない、いつも体が重い
- ぐっすり眠れない
そして、
- ストレスから解放されたい!
- 心の底からリラックスしたい!
と感じているのなら、アロマオイルが効果を発揮してくれるかもしれません。
そこで、アロマオイルが自律神経を整えるのはなぜ?どのアロマオイルを選べばいいの?使い方や注意することは?などわかりやすくお伝えします。
アロマオイルが自律神経を整えるのはなぜ?
アロマオイルが自律神経を整えるのに効果的なのはなぜでしょうか?
香りと脳は深い関係にあります。好きなアロマオイルをかぐと心地よい気分になりますし、イヤなにおいをかぐと不愉快な気分になります。
これは香りが脳の中の大脳辺縁系という「命を守るための本能」と「喜怒哀楽の感情」をコントロールしている部分に届くから。
古くなった食べ物のニオイをかいで「このニオイ、腐ってるかも」と判断できるのは「命を守るための本能」ですね。
好きなアロマオイルでリラックスできたり、香水の香りで誰かを思い出したり、というのは「喜怒哀楽の感情」でしょう。
そして大脳辺縁系に届いた香りは「自律神経」をつかさどる視床下部へと伝わります。
アロマオイルで自律神経を整えることができるのは、「いい香り~」と感じた心地よさやリラックスが視床下部へ伝わって副交感神経が優位になるからです。
香りをかぐ
→ 命を守る本能と喜怒哀楽の感情の脳 である「大脳辺縁系」に届く
→ 自律神経をコントロールする「視床下部」に伝わる
さて「エッセンシャルオイル」という言葉を聞いたことがあると思いますが……
ご存じですか?アロマオイルとエッセンシャルオイルは何が違うのか?
100円ショップにもアロマオイルはありますが、これでも大丈夫なのでしょうか?
そこで次は、アロマオイルとエッセンシャルオイルは何が違うのかをお伝えしてから、具体的にどの香りを選べばいいのかを紹介します。
アロマオイルとエッセンシャルオイル
アロマテラピーで使われるアロマオイルは正確には「精油(エッセンシャルオイル)」と呼ばれるものです。
精油(エッセンシャルオイル)とは?
精油(エッセンシャルオイル)とは、自然植物の花、葉、果皮、果実、木部、樹皮、根、種子などの部分に存在している天然の液体のこと。香り成分が凝縮された揮発性の液体です。
花・葉・果皮などを蒸したり搾ったりして抽出したものが精油(エッセンシャルオイル)です。
アロマオイルとエッセンシャルオイルの違い
ここではわかりやすく「アロマオイル」と呼んでいますが、厳密には、アロマオイルとエッセンシャルオイル(精油)は違います。
エッセンシャルオイルは100%天然の植物性オイル。これに対してアロマオイルは、合成の香料やアルコールやほかの材料が混ざっているなどして、100%天然ではなく人工の香料となります。
エッセンシャルオイルはホホバオイルなどで薄めて肌に塗ることもできますが、アロマオイルは肌につけることはできません。
アロマポットなどで香りを楽しむ分にはいいですが「心と体への効果」という面ではエッセンシャルオイルのほうが断然高いといえるでしょう。
アロマテラピー専門店で選ぼう
エッセンシャルオイルはアロマテラピー専門店で選ぶのがおすすめ。100%天然のエッセンシャルオイルかどうかなど、スタッフの方に確認しながら選ぶことできて安心です。
体の症状や心の状態に合わせて選ぶこともできますが、なにより「あなたの好きな香りかどうかで選ぶ」ことが一番大切。
最初はアロマテラピー専門店でスタッフの方と相談したり、実際に試してみて、あなたに合ったエッセンシャルオイルが選ぶのが一番です。
では、心と体の症状によってどんな香りのアロマオイルを選べばいいのかについてお伝えします。
自律神経を整えるアロマオイルの選び方
植物によって香りも心と体へのはたらきも違います。あなたが感じる不調をやわらげるためにはどのアロマオイルが効果的なのでしょうか?
心と体の症状別、効果的なアロマオイル
まずは体の不調によるアロマオイルの選び方です。
- 肩こり・頭痛:ラベンダー、ペパーミント
- 動悸:ローズマリー、ラベンダー、ティートゥリー、サンダルウッド
- 不眠:ラベンダー、ベルガモット、ネロリ、ジャスミン、イランイラン、ローズマリー
- 風邪予防:ティートゥリー、ユーカリ、レモン
- 花粉症:ユーカリ、ペパーミント、ティートゥリー、ラベンダー、カモミール
次は心の不調によるアロマオイルの選び方です。
- ストレス:ラベンダー、ベルガモット、マンダリン、ネロリ、フランキンセンス
- 不安・うつ状態:ネロリ、グレープフルーツ、イランイラン
- 落ち着かない・興奮:フランキンセンス、ローズウッド、ラベンダー
- やる気がない:レモンバーム
- リフレッシュ:グレープフルーツ、レモン、ペパーミント、ユーカリ
自律神経を整える6つのアロマオイル
自律神経が乱れている時は、症状がひとつではなく、いくつも現れることがあります。
肩こりがひどくて、偏頭痛がして、顔がほてることもあり、夜ぐっすり眠れない、などですね。
【関連記事】自律神経の乱れが原因で起こるおもな12の症状とは?
症状がいくつもある、毎日ストレスが多い、と自覚されているのなら、自律神経を整えるアロマオイルが効果的ではないでしょうか?
自律神経を整える効果が期待できるアロマオイルは、ラベンダーやベルガモットなどおもに次の6つです。
- ラベンダー
- ベルガモット
- イランイラン
- オレンジ・スイート
- マジョラムスイート
(マジョラム) - ヒノキ
この6つがおすすめのアロマオイル。実際に試してみて、あなたが心地いいと感じる香り、気分がリラックスできる香りを選んでみてはいかがでしょうか?
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「自律神経失調症」、 e-ヘルスネット「ストレス」、みんなのメンタルヘルス「アロマセラピー」
さて、いざアロマオイルを活用しようとするとアロマディフューザーなど専用のものを用意しなきゃ、と思いがち。
でも家にあるものですぐできる使い方もたくさんあります。
そこで次は、アロマオイルの手軽な使い方をご紹介します。
アロマオイルの手軽な使い方
アロマオイルの使い方にもいろいろあります。
ここでは、家にあるものですぐできる5つの使い方と、専用のものを利用する3つの使い方をご紹介します。
ここでいう「アロマオイル」とは100%天然の「精油=エッセンシャルオイル」のことです
家にあるものですぐできる5つの使い方
お部屋の芳香浴に
芳香浴とはお部屋などの空間に香りをひろげて楽しむアロマオイルの使い方。
マグカップに熱いお湯を入れて、アロマオイルを1滴2滴入れるだけ。簡単に芳香浴が楽しめます。
ただお湯が冷めてしまうと香りも拡散しにくくなります。香りが感じられなくなったらもう一度入れかえてあげましょう。
ティシューに1滴2滴たらして置いておく方法もおすすめ。マグカップのようにこぼす心配がないので、小さいお子さんやペットのいるご家庭でも安心ですね。
香りを吸い込む(吸入法)
アロマオイルの香りを吸い込んでリラックス。鼻はのどを整える効果も期待できる方法です。
マグカップに熱いお湯を入れて、アロマオイルを1滴2滴たらして、目を閉じてから湯気とともに香りをゆっくりと吸い込みましょう。ティシューに1滴2滴たらして、顔を近づけて吸い込む方法も手軽ですね。
このとき目に刺激となる場合があるので、必ず目を閉じておこないましょう。
また、ぜんそくの時や咳がひどい時は、マグカップにアロマオイルを垂らす方法はNG。湯気(蒸気)の影響でさらに咳が出てしまうことがあります。
朝のシャワー時にシャキッと
朝シャワーを浴びるのなら、アロマオイルでシャキッと交感神経を刺激して、爽やかに活動モードに切りかえましょう。
からっぽの洗面器にレモングラスやグレープフルーツなど柑橘系のアロマオイルを1滴2滴たらして、そこへシャワーを「シャーッ!」とかけましょう。
香りが一気にバスルームにひろがって、体も頭も気分もスッキリ!気持ちよく一日をスタートできます。
お風呂の芳香浴でリラックス
ゆったりと湯船につかれば副交感神経が優位に。筋肉もじんわりほぐれて、回復・安眠モードへと切りかわっていきます。
ただアロマオイルを湯船に直接入れるのはおすすめしません。肌への刺激で肌トラブルになることも。
熱いお湯を入れたマグカップにアロマオイルを1滴2滴いれて、お風呂のすみに置いて芳香浴を楽しみましょう。
枕元に置いて深い眠りへ
アロマオイルで心地のよい寝つきと深い眠りを得ませんか?
ティシューにアロマオイルを1滴2滴たらして、枕元に置くだけ。寝室が優しい香りに囲まれて、深い眠りを得ることができます。
次は、アロマオイル専用のものを利用する使い方を3つお伝えします。
専用のものを利用する3つの使い方
アロマオイル専用のものを使うのはやはり効果的。香りの効果や持続時間の面でもおすすめです。
アロマディフューザー
アロマオイルの使い方として一番ポピュラーなのがアロマディフューザーではないでしょうか。
コンセントに差しこむタイプのもの、乾電池を使うもの、火(キャンドルなど)を使うもの、木製でアロマオイルを垂らすだけの電気も火も使わないタイプなど、いろいろなアロマディフューザーがあります。
どれも使い方は簡単で、1,000円程度から購入できるので手軽ですね。
玄関に使うなら火を使わないタイプがいいでしょうし、お風呂あがりにリラックスしたいのならキャンドルタイプや優しい光のアロマディフューザーもおすすめです。
リードディフューザー
こちらも火をつかわないタイプのディフューザー。玄関にもおすすめですし、小さいお子さんやペットのいるご家庭に安心ですね。
長期間もちますし、リードの本数によって香りの強さを調整することも簡単です。
アロマストーン
アロマストーンは素焼きの陶器や珪藻土などからできたストーンにアロマオイルを数滴たらすだけで香りを取り入れられるもの。
電気も火も使わないので安心ですし、吊り下げタイプなら車の中にも使えます。
無印良品、生活の木など、いろんなお店で手軽に買うことができ、お値段も1,000円前後と手軽。香りを生活に取り入れやすいグッズですね。
注意することは?
アロマオイルを使う上で注意することがいくつかあります。
妊娠中には使えないアロマオイルは?
妊娠中には使えないアロマオイルがあると言われています。
でもこれは、アロマテラピーなどでエッセンシャルオイルをホホバオイルなどで希釈したうえで肌に直接つける場合の話。
マグカップにたらしたり、アロマディフューザーを使ったり、といった芳香浴であれば問題ありません。
念のため、アロマテラピー専門店のスタッフの方に確認されるのが安心ですね。
湯船にエッセンシャルオイルを直接入れるのは控えましょう。
入浴中にも香りを取り入れたい場合は、熱いお湯を入れたマグカップに1滴2滴たらしてお風呂の隅に置く方法が肌にも安心です。
乳児や幼児との芳香浴は?
乳児(1歳未満)の時期は赤ちゃんがママのにおいを覚える時期。芳香浴は控えましょう。
幼児(1歳以上)なら芳香浴もまず大丈夫です。ただし、濃度を薄めにして、短時間にすること。
まだ小さい頃は、アロマディフューザーではなく、熱いお湯のはいったマグカップにアロマオイル1滴。これを短時間にしましょう。マグカップを危なくない場所に置くことは言うまでもありませんね。
肌にはつけない
プロのアロマセラピストさんの施術は別ですが、自分自身でアロマオイルを使う場合は、肌につけない方がいいでしょう。
ホホバオイルなどのキャリーオイルで希釈したり、湯船に数滴たらしたり、というのもおすすめしません。肌トラブルの原因にある可能性があります。
芳香浴で香りの効果を取り入れるようにしましょう。
光毒性のあるアロマオイル
光毒性とは、精油(エッセンシャルオイル)などを肌につけた状態で日光に当たることで、シミ・シワ・炎症などの肌トラブルが起こること。
かんきつ系の精油にはこの光毒性を持つものがあります。ベルガモット、グレープフルーツ、レモン、ライムなどです。
もちろん精油を肌につけた場合の話ですので、これらを芳香浴として楽しむのであれば光毒性の心配はありません。
自律神経を整えるアロマオイル:まとめ
自律神経を整えるアロマオイルについて、効果、選び方、使い方などをお伝えしました。
- 香りが大脳辺縁系から視床下部に伝わって自律神経を整える
- 専門店で100%天然の精油(エッセンシャルオイル)を選ぶこと
- 不調に合った香りもあれば、総合的に自律神経を整える香りもある
- 自分が好きな香り、心地いい香りを選ぶのが一番
- マグカップやティシューですぐ始められる
- アロマディフューザーやアロマストーンも手軽&手頃でおすすめ
- 乳児との芳香浴は控えよう
感情の脳と直結している香りの効果。アロマオイルでその高い癒し効果を取り入れる方法をお伝えしました。
香りの癒し。まずは手軽に始めてみてはいかがでしょうか。