中学生になると思春期をむかえ、心も体も大人へと大きく成長していきます。
忙しい毎日で変化の大きな環境のなかで、ストレスを感じることも増えていくでしょう。
本人にとっても感情の揺れ動きにとまどうことも多いもの。ご両親にとっても気を遣う時期ではないでしょうか。
そんな中学生にとってどんなことがストレスになるのか、どんな症状が出るのか、どんな対策ができるのか、お伝えします。
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中学生のストレスの原因
中学生は小学生と比べて友達同士の関係も複雑になります。部活動では先輩・後輩との上下関係もでてきます。
テストの結果に一喜一憂したり、友達や異性からどう思われているのかも気になったり。
そんな中学生にとってストレスの原因となるものを、具体的に紹介します。
体に関するストレス
- 成長期による体の発育
- 第二次性徴による体の大きな変化
- 容姿の悩み(髪・顔・身長・体重)
学校に関するストレス
- 友達との人間関係
- 先輩や後輩との人間関係
- 異性との関係
- いじめ
- 勉強しても成績が上がらない
- 練習しても部活やクラブでレギュラーになれない
- 運動が苦手で体育が憂うつ
- 学校行事(運動会・水泳大会・合宿など)
将来に関するストレス
- 進学への不安
- 受験勉強のたいへんさ
- 受験がうまくいかなかった
家庭に関するストレス
- 反抗期
- 両親との関係
- 兄弟や姉妹との関係
- 兄弟や姉妹と比べられる
- ヤングケアラー
生活全般に関するストレス
- 忙しい生活
- スマホ・ゲーム・テレビなどの刺激
- 片思いなど恋愛の悩み
思春期は「自己形成期」。特に親や友達との関係が大きく影響してくる時期です。
体も急激な成長期となるので、ホルモンバランスが不安定になって心の面でも不安定になりがち。自己嫌悪、対人不信に悩むことも多くなります。
中学生のストレス症状
中学生にとってストレスとなる原因をお伝えしました。
次は、そんなストレスからどのような症状があらわれるのか、体の症状、精神的な症状についてお伝えします。
体の症状
- 食欲がなくなる(摂食障害)
- 朝起きられない
- 不眠
- 疲れがとれない
- 体がだるい、重たい
- 体がガチガチ(肩がこる・背中が張る・足がむくむ)
- 立ちくらみ、目の前が真っ暗になる
- ふらふらする
- 動悸がする
- 頭痛がする
- 便秘、下痢
立ちくらみ、めまい、ふらつき、動悸などは「起立性低血圧」とも言われるもの。ストレスが原因で自律神経が乱れて(交感神経ばかりがはたらいて)起こる症状です。
精神的な症状
- 無気力、やる気がでない
- 集中力が続かない
- イライラする、不機嫌になる
- 特に原因がないのにイライラする
- 物にあたる
- 人にあたる
※参考サイト:国立精神・神経医療研究センター~こころの情報サイト「ストレスとセルフケア」、厚生労働省 e-ヘルスネット「ストレス」
反抗期でもあるこの時期。何もなくてもイライラしがち。親からの干渉がわずらわしく感じることも多いでしょう。
親につっかかったり文句を言ったりする反面、「また言っちゃったなぁ」と後悔するものの素直に親に謝れなかったり。
中学生は学校でも家庭でもストレスをため込みやすい年代かもしれません。
では最後に、ストレスへの対策において、自分自身ができること、親ができること、をお伝えします。
ストレスへの対策
中学生は体は大人に近づく反面、心はまだまだ発達途上。ストレス・コントロールするのは難しいものです。
自分自身でできる対策
中学生自身ができる一番の対策は、お友達と話すこと。
- 私いつもこんなふうに悩んじゃって……
- また親に文句言っちゃったよ……
でもあなただけではなく、みんな同じように悩んでいます。悩んでいること、不安になっていることを見せていないだけです。
お友達と話してみると「なんだ、みんな同じじゃん!私だけかと思ってた!」などと共感して安心するのではないでしょうか。
お友達を信頼して気持ちを打ち明けてみてください。
塾の先生やサッカークラブのコーチなど、身近な大人に自分の気持ちを聞いてもらうのもよいでしょう。
ご両親ができる対策
中学生になると親にはなかなか相談しにくいもの。
友達のような母と娘の関係も増えていますが、女子はまだしも男子は親に相談することはまずないでしょう。
健康面でのサポート
親御さんは、お子さんがストレスで体をこわさないように、食事や睡眠などの健康面をサポートしてあげてください。バランスのよい食事を作る。早寝早起きなど生活のリズムを整える。親御さんが率先しておこなうことが大切です。
そして親からあれこれ詮索するのではなく「話したくなったらいつでもじっくり聞くからね」という空気でいてあげましょう。
人と比べない
勉強や運動の成績、身長や体重など、お子さん自身も友達と比べがちな時期です。
でも人と比べることには何の意味もありません。ましてや、親が自分の子供と友達を比べるなんて……
大人だって、
「Aちゃんのご主人、部長になったんだって!すごいわよね~」
「Bさんとこの奥さん、料理がすごい上手なんだよ!いいよなぁ~」
と言われて「よっしゃ!私もがんばるぞ!」と前向きになれればいいですが、ほとんどの人はいい気分にはならないでしょう。子供ならなおさらです。
人とは比べない。比べても意味がない。あなたはそのままのあなたが素晴らしい。
そういう意識から発する言動をすることで、お子さん自身にも「他人と比べてもしょうがないや!」と肌でわかってもらうようにしましょう。
以上、中学生にとってのストレスの原因、症状、対策についてお伝えしました。
繊細な時期。お子さん自身が揺れ動きながらがんばっています。人生の先輩として大きな心で見守ってあげたいですね。