胚芽米は特別な精米方法によって「胚芽=芽が出る部分」だけを残して精米したお米。
そんな胚芽米にはどんな栄養が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- 胚芽米にはどの栄養が多い?
- 胚芽米ごはんお茶碗1杯で1日分の栄養の何%が摂れる?
- どんな健康効果がある?
- どんな人こそ食べるといい?
といったことが手に取るようにわかります。胚芽米に詰まった栄養をしっかり取り入れて元気な毎日を過ごしましょう。
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胚芽米とは?
胚芽米ってどんな米なのか、ご存じですか?
収穫したお米からもみ殻を取り除くと玄米になります。
玄米から「糠層(ぬかそう)」と「胚芽」を取り除くと白米に。
胚芽米は玄米から「糠層」だけ取り除いて「胚芽」の部分を残したお米のこと。
胚芽は芽が出る部分なので、栄養がたっぷりと詰まっています。
胚芽米ごはんお茶碗1杯の栄養価
胚芽米にはどんな栄養が多いのでしょうか?
胚芽米に多い栄養は、モリブデン、マンガン、銅、ナイアシン、クロム、亜鉛、パントテン酸など。
私たちに不足している栄養のなかでは、ビタミンB1、B6、E、マグネシウムなども豊富に含まれています。
胚芽米の効果として、貧血の予防、疲労回復、ダイエット、感染症から守る、糖尿病の予防、強い骨をつくる、アンチエイジングなどが期待できます。
では、
- 胚芽米ごはんをお茶碗1杯食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - どの栄養がどのくらい含まれている?
- 胚芽米に多い栄養には
どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
胚芽米だけを炊いた時の、お茶碗1杯分の栄養価をお伝えします
胚芽米に多いビタミン
胚芽米をお茶碗1杯食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
胚芽米に多く含まれているビタミンは次の5つ。女性にとって必要な量の何%を摂れるのかというと……
ナイアシン | 16% |
パントテン酸 | 13% |
ビタミンB6 | 12% |
ビタミンB1 | 11% |
ビタミンE | 10% |
胚芽米に含まれているのはビタミンB群とE。流れをサラサラにしたり疲労を回復するはたらきがあります。
次は胚芽米にはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
胚芽米に多いミネラル
お茶碗1杯の胚芽米で、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
胚芽米に豊富なミネラルは次の5つ。女性に必要なミネラルの何%を摂れるのかというと……
モリブデン | 210% |
マンガン | 29% |
銅 | 21% |
クロム | 15% |
亜鉛 | 13% |
モリブデンは米や麦全般に多いミネラル。胚芽米ならではのミネラルは、マンガン、クロム、マグネシウムです。
では、胚芽米の食物繊維をお伝えしてから、胚芽米の健康効果を紹介します。
胚芽米に多い食物繊維
胚芽米をお茶碗1杯食べると1日分の食物繊維の何%が摂れるでしょうか?
不溶性食物繊維 | 8% |
水溶性食物繊維 | 5% |
食物繊維は白米よりはやや多めですが「食物繊維を摂りたいから胚芽米にしよう!」というほどには含まれていません。
では、
胚芽米に多い栄養には
どんなはたらきがあるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
胚芽米に多い栄養とその効果
胚芽米のお茶碗1杯150gの栄養価のなかで、女性の1日分の栄養に対して多く含まれているのはこちら。
モリブデン | 210% |
マンガン | 29% |
銅 | 21% |
ナイアシン | 16% |
クロム | 15% |
ではこの5つの栄養は……
- 私たちはどのくらい摂れている?
- 胚芽米ごはん1杯でどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
モリブデン
胚芽米にもっとも多い栄養はモリブデン。米類全般に豊富に含まれる栄養です。
胚芽米のモリブデンの量
1日に必要なモリブデンは
女性が20μg、男性が30μg。
胚芽米お茶碗1杯に42μg。
胚芽米に豊富なモリブデンですが、一般的な食生活なら不足することはまずありません。
モリブデンの効果
次の5つのはたらきがあります。
- 貧血を防ぐ
- 疲労を回復する
- プリン体を分解して尿酸を作って体から出す
- 有害物質や余分な銅を体から出す
- ダイエット
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「モリブデン解説」
マンガン
2番目の栄養はマンガン。疲労を回復する、強い骨をつくる、糖尿病を防ぐ、といったはたらきがあります。
胚芽米のマンガン
1日に必要なマンガンは
女性が3.5mg、男性が4mg。
胚芽米お茶碗1杯には1mg。
マンガンも私たちがふだんどのくらい摂れているかの調査がありません。ただいろんな食べ物に含まれているので不足することはまずないでしょう。
マンガンの効果
- 疲労を回復する
- 強い骨をつくる
- 美しい肌をつくる
- 糖尿病予防への期待
- アンチエイジング
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「マンガン解説」
銅
胚芽米に3番目に多い栄養は銅。抗酸化作用が高く、感染症から守るはたらきもある栄養素です。
胚芽米の銅
1日に必要な銅は
女性が0.7mg、男性が0.9mg。
胚芽米お茶碗1杯には0.15mg。
さて私たちは普段から銅をどのくらい摂れていて、胚芽米ごはんでどう増えるのでしょうか?
女性が摂れている量は、149%
胚芽米には、21%
合計で、170%
男性が摂れている量は、133%
胚芽米には、17%
合計で、150%
銅はふだんから必要な量を摂れています。ただし、ストレスが多い人、亜鉛のサプリメントを飲んでいる人は銅不足になりがち。気をつけましょう。
銅の効果
おもに次の5つのはたらきがあります。
- 感染症から守る
- 貧血を予防する
- 骨粗鬆症や動脈硬化を防ぐ
- 抗酸化作用によるアンチエイジング
- 健康な黒い髪や弾力のある肌をつくる
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「銅解説」
ナイアシン
4番目はビタミンB群のひとつ、ナイアシン。疲労を回復したり二日酔いを防ぐはたらきがあります。
胚芽米のナイアシン
1日に必要なナイアシンは
女性が12mgNE、男性が15mgNE。
胚芽米には1.95mgNE。
胚芽米をお茶碗に1杯食べると……
女性が摂れている量は、233%
胚芽米には、16%
合計で、249%
男性が摂れている量は、224%
胚芽米には、13%
合計で、237%
必要な量の2倍以上も摂れています。体内でも作られるので不足しにくく、摂りすぎても尿として排出されます。
ナイアシンの効果
- 疲労を回復する
- 二日酔いや悪酔いを防ぐ
- シミやソバカスを改善する
- 精神をおだやかに安定させる
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ナイアシン解説」
クロム
胚芽米に5番目に多い栄養はクロム。魚介類や大豆製品に豊富で、血糖値を下げたり中性脂肪をおさえるはたらきがあります。
胚芽米のクロム
1日に必要なクロムは
女性も男性も10μg。
胚芽米には1.5μg。
クロムは一般的な食生活であれば不足や摂りすぎの心配はまずないようです。
クロムの効果
- 血糖値を下げる
- 血液中のコレステロールや中性脂肪をおさえる
- 糖質・たんぱく質の代謝を助ける
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「クロム解説」、厚生労働省 eJIM「クロミウム」
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胚芽米に多く含まれる栄養とそのはたらきをお伝えしました。最後にこれらをまとめて、
胚芽米を食べると
どんな効果効能が得られる?
どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
胚芽米の6つの効果効能
胚芽米にはいろいろなミネラル、ビタミンB群、E、食物繊維などが豊富。
これらの栄養のはたらきから、胚芽米に期待される効果をまとめてみました。
- 貧血を予防する
モリブデンが鉄分のはたらきを高め、銅が鉄分と一緒になって血液をつくる - 疲労回復、ダイエット
モリブデンが消化酵素のはたらきを助けて、マンガンやビタミンB群が糖質・脂質・たんぱく質を代謝してエネルギーに変える - 感染症から守る
銅や亜鉛がT細胞やマクロファージなど免疫細胞のはたらきを助ける - 糖尿病を予防する
亜鉛は血糖値を下げるインスリンの材料となり、マンガンはインスリンを作るのを助け、クロムがインスリンのはたらきを高める - 骨粗鬆症を予防する
骨にミネラルが沈着するのをマンガンが促進し、銅が骨のもう1つの主成分であるコラーゲンを作って丈夫にする - 若々しさをたもつ
銅や亜鉛やマンガンの抗酸化作用で、老化や病気の原因となる活性酸素を除去する
そこで、胚芽米をぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそ胚芽米を食べて!
胚芽米をぜひ食べてほしい人はこちら。
- 立ちくらみや頭痛がよく起こる
- 疲れがとれない、体が重たい
- 風邪をひきやすい
- お腹まわりが気になる
- 白米・パン・麺類が好き
- 魚や海藻をあまり食べない
胚芽米ならではビタミンEが流れをサラサラにするなど、40歳を過ぎた世代にはうれしい効果が満載です。
胚芽米に多い栄養:まとめ
胚芽米に多い栄養や健康効果についてお伝えしました。
胚芽米に多い栄養:1日に必要な量に対して多い順に、モリブデン、マンガン、銅、ナイアシン、クロム、パントテン酸、亜鉛
胚芽米の効果:貧血予防、疲労回復、ダイエット、感染症から守る、糖尿病を防ぐ、骨粗鬆症の予防、アンチエイジング
こんな人こそ食べてほしい:立ちくらみや頭痛がよく起こる、疲れがとれない、風邪をひきやすい、お腹まわりが気になる、炭水化物が好き、魚や海藻をあまり食べない
食物繊維は少ないものの、玄米の栄養と白米のおいしさをいいとこどりした胚芽米。
ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。