そばといえばヘルシーなイメージ。ほとんどの栄養がうどんよりもグンと多く、サラサラ効果や糖尿病予防など体にいいはたらきも満載です。
そんなそばにはどんな栄養が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- そばにはどの栄養が多い?
- 1人前食べると1日分の栄養の何%が摂れる?
- そばの健康効果は?
- どんな人こそ食べるべき?
といったことが手に取るようにわかります。そばにたっぷりの栄養を取り入れて健康的な毎日を過ごしましょう。
【関連記事】うどんって栄養あるの?1人前の栄養価と3つの効果をご紹介!
そば1人前の栄養価
そばに多い栄養は、モリブデン、セレン、クロム、鉄分、銅、亜鉛、不溶性食物繊維、水溶性食物繊維、ビタミンB群など。
私たちに不足している栄養のなかでは、食物繊維やマグネシウムが豊富。どちらも40代を過ぎた世代に大切なはたらきをする栄養です。
そばの効果として、便秘解消、高血圧の予防、心筋梗塞や不整脈の予防、糖尿病の予防、ダイエット、勉強や仕事の能率アップ、感情を安定させる、などが期待できます。
そんなそば。
どの栄養がどれほど多いのでしょう?
ここでは「そば100gあたりの栄養価」ではなく、
- そばを1人前食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - どの栄養がどのくらい含まれている?
- そばに多い栄養には
どんな効果が期待できる?
といったかたちで、ビタミン、ミネラル、食物繊維の順にお伝えします。
そば1人前=230g
120gの生そばを茹でると230gになります。生そばであれ乾燥したそばであれ「茹で上げた1人前のそば230g」の栄養価を紹介します。
そばに多いビタミン
そばを1人前食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
そばに多く含まれているビタミンは次の4つ。女性にとって必要な量の何%を摂れるのかというと……
ナイアシン | 29% |
パントテン酸 | 15% |
ビオチン | 12% |
ビタミンB1 | 11% |
そばに多く含まれるビタミンはすべてビタミンB群。そばに限らず穀物で作るものはビタミンB群が多く含まれています。
次はどんなミネラルが多いのかお伝えします。
そばに多いミネラル
そば1人前230gで、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
そばに豊富なミネラルは次の5つ。女性に必要なミネラルの何%を摂れるのかというと……
モリブデン | 127% |
セレン | 110% |
クロム | 46% |
銅 | 33% |
鉄 | 28% |
ビタミンよりもミネラルのほうがはるかに豊富。
そばには貧血予防のモリブデン、抗酸化作用のセレン、免疫アップの銅などが豊富に含まれています。
では、そばの食物繊維の量をお伝えしてから、そばの7つの効果効能を紹介します。
そばに多い食物繊維
そば1人前230gで1日分の食物繊維の何%が摂れるでしょうか?
不溶性食物繊維 | 42% |
水溶性食物繊維 | 28% |
そばは食物繊維もぎっしり。その量、うどんの2倍以上です。そば自体には不溶性食物繊維が多く、そば湯には水溶性食物繊維がたっぷり含まれています。
では、
不足しがちな栄養のなかで、
そばに多い栄養は?
その栄養をどのくらい補える?
どんな健康効果が期待できる?
そばで不足分を補える栄養とその効果
そばに多く含まれる栄養は、モリブデン、セレン、クロム、不溶性食物繊維、銅、ナイアシン、鉄分、水溶性食物繊維などですが……
モリブデン、セレン、クロム:
一般的な食生活ではまず不足しません。
銅、ナイアシン:
必要な量の1.5倍以上も摂れています。
そばが体にいいのは、
私たちに足りない栄養を補えるから。
そこで、私たちに不足している栄養のなかでそばに多いのは、不溶性と水溶性の食物繊維、マグネシウム、亜鉛、ビタミンB1の5つ。
ではこれらの栄養素は……
私たちは普段どのくらい摂れている?
そばでどのくらい補える?
どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
不溶性食物繊維
そばで私たちの不足分が補える栄養。1つめは不溶性食物繊維。野菜や豆類やきのこ類に豊富で、デトックスや便秘を解消するはたらきがあります。
そばの不溶性食物繊維の量
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
そば1人前には5.0g。
さて私たちは普段から不溶性食物繊維をどのくらい摂れていて、そば1人前でどう増えるのでしょうか?
女性が摂れている量は、93%
そばには、42%
合計で、135%
男性が摂れている量は、84%
そばには、36%
合計で、120%
やや不足しがちな不溶性食物繊維ですが、そば1人前で不足分を十分に補うことができます。
※食物繊維全体で1日に必要な量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、上記のとおり女性12g、男性14gとしています。
不溶性食物繊維の効果
おもなはたらきは次の3つです。
- 便秘の解消
- 有害物質のデトックス
- ダイエット
不溶性食物繊維は、便の量が少ない、便の回数が少ない、といったタイプの便秘を解消するはたらきの高い栄養。
腸のなかで水分を吸って大きくふくらんで便のカサを増やし、腸を刺激して蠕動運動を活発にしてくれます。
またふくらむことで満腹感を得られるとともに、デトックスのはたらきで腸内環境も整うので、ダイエットもサポートしてくれます。
※参考サイト::国立健康・栄養研究所「栄養等摂取量」、厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」
水溶性食物繊維
そばで不足分が補える2つめの栄養は水溶性食物繊維。海藻や果物に多く、生活習慣病を防ぐはたらきの高い栄養素です。
そばの水溶性食物繊維
1日に必要な量は
女性が6g、男性が7g。
そば1人前には1.7g。
では、普段からどのくらい摂れていて、そば1人前でどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、58%
そばには、28%
合計で、86%
男性が摂れている量は、51%
そばには、24%
合計で、75%
水溶性食物繊維は1日に必要な量のわずか半分ほどしか摂れていません。そばなら1人前食べると25%ほども補うことができます。
それでもまだ足りません。寒天、とろろ昆布、もち麦、豆腐、納豆、枝豆など、水溶性食物繊維が多い食べ物を意識して食べましょう。
水溶性食物繊維の効果
おもに次の6つのはたらきが期待されています。
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 血圧を下げる
- 便秘を解消する
- ダイエット
※参考サイト:農林水産省「ビタミンと食物繊維」、厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー:野菜・果物そして◯◯」
マグネシウム
3つめの栄養はマグネシウム。強い骨をつくる、糖尿病を防ぐ、心臓のはたらきを守る、などのはたらきが期待できます。
そばのマグネシウム
1日に必要なマグネシウムは
女性が290mg、男性が370mg。
そば1人前には62mg。
そばを食べると……
女性が摂れている量は、81%
そばには、21%
合計で、102%
男性が摂れている量は、71%
そばには、17%
合計で、88%
マグネシウムの効果
おもに6つのはたらきがあります。
- 強い骨をつくる
- 不整脈・狭心症・心筋梗塞を防ぐ
- 筋肉がつったりけいれんするのを防ぐ
- 糖尿病やメタボなど生活習慣病を予防する
- 高血圧を予防する
- 気持ちをおだやかに整える
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」、国立健康・栄養研究所「マグネシウム解説」
いくらカルシウムを摂っても、マグネシウムが足りないとかえって骨が弱くなるとも言われています。
このほか、糖尿病、メタボ、不整脈、心筋梗塞、動脈硬化、不眠などのリスクも高まるとか。そば、豆腐、ナッツなど、マグネシウムを意識して摂りましょう↓
亜鉛
そばで不足分が補える4つめの栄養は亜鉛。感染症から守り、妊活もサポートする必須ミネラルです。
そばの亜鉛
1日に必要な亜鉛は
女性が8mg、男性が11mg。
そば1人前には0.9mg。
女性が摂れている亜鉛は、96%
そばには、12%
合計で、108%
男性が摂れている亜鉛は、84%
そばには、8%
合計で、92%
亜鉛の効果
おもなはたらきはこちらです。
- 味覚を正常に保つ
- 感染症から守る
- 糖尿病など生活習慣病を防ぐ
- 有害物質の排出
- 弾力のある白い肌へ
- 抜け毛を防ぐ
- 生殖機能を高める
※参考サイト:厚生労働省 eJIM「亜鉛」、国立健康・栄養研究所「亜鉛解説」
味覚のミネラルというイメージがありましたが、免疫力を高めて感染症から守るはたらきも。妊活中の方には欠かせない栄養でもあります。
ビタミンB1
5つめの栄養はビタミンB1。疲労回復、ダイエット、集中力を高めるはたらきがあります。
そばのビタミンB1
1日に必要なビタミンB1は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
そば1人前には0.1mg。
女性が摂れている量は、79%
そばには、11%
合計で、90%
男性が摂れている量は、74%
そばには、8%
合計で、82%
豚肉、玄米、とうもろこし、鮭、青魚、枝豆、豆腐、えのき、エリンギなどにも豊富なビタミンB1。和食ばなれの影響か、私たちにはかなり不足しています。
なかでも不足しやすい人は、お菓子が好き、お酒が好き、よく運動する、玄米や全粒粉ではなく白米や白いパンを食べている、といった人。ぜひ気をつけましょう。
ビタミンB1の効果
- 疲労を回復する
- 脳の中枢神経や手足の末梢神経の機能の正常化
- 気持ちを安定させる
- 筋肉や頭脳の持久力を高める
- 集中力を維持する
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB1解説」
食べた物をエネルギーに変える。気持ちを安定させて、脳のはたらきを高める。というのがおもなはたらきです。
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そばで不足分を補える栄養とそのはたらきをお伝えしました。最後にこれらをまとめて、
そばを食べると
どんな効果効能が得られる?
どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
そばの7つの効果効能
そばには2種類の食物繊維、ミネラル、ビタミンB群などが豊富。フィトケミカルのひとつであるルチンも豊富でサラサラ効果が非常に期待できますね。
これらの栄養のはたらきから、そばに期待される効果をまとめてみました。
- 便秘を解消する
水溶性食物繊維が腸で固くなった便に水分をあたえて柔らかくし、不溶性食物繊維が便のカサを増やして腸の動きを活発にする - 高血圧を予防する
水溶性食物繊維が余分なナトリウムを排出し、ルチンがサラサラ効果を発揮し、マグネシウムが動脈を広げて血圧を下げる - 不整脈・狭心症・心筋梗塞を予防する
筋肉の動きをスムーズにして心臓のはたらきを守る - 糖尿病を予防する
亜鉛や水溶性食物繊維が血糖値をおさえて糖尿病を予防する - ダイエット
食べ物の糖質をエネルギーに変え、中性脂肪やコレステロールを排出する - 勉強や仕事の能率を高める
感情を安定させて、脳の持久力と集中力を高める - 体の動きをしなやかにする
コラーゲンを作って骨・関節・筋肉・肌・粘膜を健康的に保つ
そこで、そばをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそそばを食べて!
そばをぜひ食べてほしい人はこちら。
- 海藻・野菜・きのこ・豆類をあまり食べない
- 揚げ物や濃い味付けが好き
- 甘いものやジュースが好き
- 白米・パン・麺類が好き
- お腹まわりが気になる
- イライラしやすい
- 集中力が続かない
- 足がつりやすい
このような方にぜひ食べてもらいたいのがそばなのです。
そばの栄養と効果:まとめ
そばに多い栄養や期待される効果についてお伝えしました。
そばで不足を補える栄養:不溶性食物繊維、水溶性食物繊維、マグネシウム、亜鉛、ビタミンB1
そばの効果:便秘解消、高血圧予防、心筋梗塞や不整脈の予防、糖尿病の予防、ダイエット、勉強や仕事の能率アップ、感情の安定、体をスムーズに動かす
こんな人に食べてほしい:海藻・野菜・きのこ・豆類をあまり食べない、濃い味付けが好き、甘いものやジュースが好き、炭水化物が好き、お腹まわりが気になる、イライラしやすい、集中力が続かない、足がつりやすい
サラサラ効果や血糖値をおさえる効果など、40代を過ぎた世代にうれしい効果が満載のそば。
お昼ごはんをそばに変えるなど、工夫してみてはいかがでしょうか。