ビタミンB6の多いきのこにはどんなものがあるか、ご存じですか?
ビタミンB6はレバー、魚、豚肉、玄米、いも類に豊富な栄養。つわりや女性特有の悩みをやわらげたり、美肌、口内炎予防、気持ちを穏やかにするなどの効果を発揮します。
そんなビタミンB6。きのこ類のなかでは何に多く含まれているのか、1食分あたりのビタミンB6の多いきのこを8位までランキングしました。
この記事を読むと、どのきのこをどのくらい食べると1日に必要なビタミンB6の何%を摂ることができるのか、手に取るようにわかります!
低カロリーなきのこでビタミンB6をしっかり摂ってキレイな毎日を過ごしましょう。
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ビタミンB6の効果とは?
ビタミンB6の多いきのこをお伝えする前に、まずは……
ビタミンB6にはどんな効果がある?
足りないとどうなる?
摂りすぎるとどうなる?
についてお伝えします。
ビタミンB6の7つの効果
ビタミンB6の効果は、疲労回復、脂肪肝の予防、ダイエット、やる気や集中力を高めるなど。おもにこちらの7つの効果が期待できます。
- 疲労を回復する:
食べ物のたんぱく質を分解してエネルギーを作る - 脂肪肝を防ぐ:
脂質の代謝を高めることで肝臓に脂肪がたまるのを防ぐ - 貧血を予防して立ちくらみ、頭痛、疲労感をやわらげる:
酸素を全身に運ぶはたらきをするヘモグロビンを作って貧血を予防・改善する - 肌のトラブルを防ぐ:
新陳代謝を高めたり、皮脂の分泌量をおさえてニキビや吹き出物を予防する - 月経前の体の悩みをやわらげる:
女性ホルモン「エストロゲン」の合成を助けてホルモンバランスの乱れを整える - 妊娠中のつわりをやわらげる:
妊娠中は胎児の発育に必要なたんぱく質を代謝するビタミンB6が大量に必要となるが、足りないと代謝が十分に進まずに吐き気や嘔吐の症状があらわれる - イライラや気分の落ち込みをおさえる:
ビタミンB6やトリプトファンなどが幸せホルモン「セロトニン」を作り、イライラや落ち込みをおさえて意欲や集中力を高める
※参考サイト:
国立健康・栄養研究所「ビタミンB6解説」
ビタミンB6が足りないとどうなる?
疲労回復、ホルモンバランス、新陳代謝の効果があるビタミンB6。足りなくなると次のような不調があらわれることがあります。
- 疲れがとれない、倦怠感、だるい
- 肝臓に脂肪がつきやすい
- 貧血による動悸、息切れ、めまい、頭痛、疲労感、すっきり目覚めない
- 肌のくすみ、ハリの低下、吹き出物、口角炎、口内炎
- 生理痛、生理不順、月経前症候群(PMS)によるイライラ、不安感、食欲不振
- 妊娠中のつわりによる吐き気や嘔吐
- 感情の起伏がはげしくなる、怒りっぽい、落ち込みやすい、うつ状態、焦燥感、ストレスを受けやすい
- やる気や意欲が出ない、向上心や自発性の低下、無気力
ビタミンB6を摂りすぎるとどうなる?
摂りすぎても特に問題はありません。余った分は尿として排出されますので、悪影響はまずないでしょう。
ビタミンB6は十分に摂りたい栄養素。1日にどのくらい摂るのがよいのでしょうか?
ビタミンB6の必要量と摂取量
ビタミンB6は1日にどのくらい摂るのがよいのでしょうか?
私たちは普段から十分に摂取できているのでしょうか?
1日に必要なビタミンB6は?
私たちに必要な量は次のように定められています。
1日に必要なビタミンB6
18歳以上なら、
女性:1.1mg
男性:1.4mg
※参考サイト:厚生労働省
「日本人の食事摂取基準-2020年版」
私たちは普段から十分に摂れているのでしょうか?
私たちの実際の摂取量
私たちの実際のビタミンB6の摂取量はこちら。
必要量と摂取量(摂れている量)
18歳以上では……
女性の必要量:1.1mg
平均の摂取量:1.12mg
0.02mg(2%)多く摂れています
男性の必要量:1.4mg
平均の摂取量:1.3mg
0.1mg(7%)不足
※参考サイト:国立健康・栄養研究所
「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
男女ともにほぼ摂れています。ただビタミンB6が足りない傾向にある人は……
ビタミンB6が足りていない人とは?
足りない傾向にある人はこちら。
- 妊婦さん
- プロテインをよく飲む人
- ピルを飲んでいる人
- 抗生剤を長期間飲んでいる人
プロテインを飲む人や妊婦さんは体内でたんぱく質を分解がさかんにおこなわれるのでビタミンB6がたくさん消費されます。
また抗生剤は腸内細菌のバランスを崩してしまうため、ビタミンB6をつくる腸内環境のはたらきが低下して不足しやすくなるのです。
ビタミンB6の多い食べ物を意識して食べるようにしましょう。
では身近なきのこの中から、100gあたりではなく「1食分あたり」でビタミンB6の多いきのこをランキングで8位まで紹介します。
ビタミンB6の多いきのこランキング
ビタミンB6の多いきのこにはどんなものがあるでしょうか?
まずは、ビタミンB6の多いきのこを8位までまとめたグラフがこちらです。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
手に入りやすい身近なきのこを対象にランキングしました。きのこの中では1位のエリンギなら1食分で男性の不足分を補うことができます。
では8位までのきのこの「1食分に含まれるビタミンB6」をお伝えします。
1~4位のきのこ
まずは1~4位のきのこです。
ビタミンB6、18歳以上なら……
女性の必要量:1.1mg
平均の摂取量:1.12mg
男性の必要量:1.4mg
平均の摂取量:1.3mg
女性はちょうど摂れていますが男性は0.1mgだけ不足、ということを頭に置きながら読み進めてください。
1位:エリンギ(バター炒め)
エリンギのバター炒め(1パック分)に
0.14mg
きのこの中でもクセがなく、いろんな料理に合わせやすいエリンギ。1パックは100g。いしづきを除いて油で炒めると84gほどになります。
エリンギに含まれているのは女性の1日に必要なビタミンB6の13%。男性の不足分(0.1mg)も十分に補えます。
2位:マッシュルーム
マッシュルームのバター炒め(75g)に
0.09mg
マッシュルーム1パックは150g。きのこは1パック100g入りが一般的なので、それに合わせました。生のマッシュルーム100gからいしづきを除いて油炒めをすると75gほどに。この栄養価を紹介しています。
3位:えのきたけ
えのきたけの炒め物(1パック分)に
0.08mg
えのきたけも食べやすくいろんな料理に合うきのこですね。1パックは100gで、いしづきを除いて油で炒めると77gほどになります。
えのきたけはカリウム、鉄分、銅、不溶性食物繊維が豊富なきのこ。疲労回復、ストレスへの抵抗力アップ、便秘解消、貧血予防、高血圧の予防効果を発揮します。
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4位:ぶなしめじ
ぶなしめじのバター炒め(1パック分)に
0.07mg
女性の1日分のビタミンB6の6%が含まれています。
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ビタミンB6の多いきのこを1~4位まで紹介しました。次は5~8位のきのこです。
5~8位のきのこ
ビタミンB6の多いきのこ、5~8位です。
ビタミンB6の必要量
18歳以上なら、
女性:1.1mg
男性:1.4mg
女性は必要量を摂れていますが男性は0.1mg不足。
5~8位のきのこには0.01~0.05mg。女性の1日分のビタミンB6の4位と、かなり少なめになります。
5位:まいたけ
まいたけの油炒め(1パック分)に
0.05mg
まいたけ1パックも約100g。いしづきを取り除いて油で炒めると66gほどに。女性の1日分のビタミンB6の4%が含まれています。
6位:しいたけ
しいたけの油炒め2個分に
0.04mg
しいたけ1個はいしづきを取り除くと約12g。油で炒めると11gほどになります。
しいたけは意外とビタミンDが少なめ。ビタミンB群、カリウム、不溶性食物繊維が豊富です。便秘解消、デトックス、疲労回復、生活習慣病の予防、つわりや月経前症候群の緩和、ダイエットが期待できます。
しいたけの栄養がすごい!3個あたりの栄養価と8つの効果とは?
7位:なめたけ
なめたけ大さじ1杯(20g)に
0.02mg
えのきたけで作るなめたけ。ビタミンB群や食物繊維は豊富ですが塩分もやや高め。食べすぎには気をつけましょう。
8位:なめこ
なめこ大さじ1杯半(30g)に
0.01mg
なめこは大さじ1杯が20gほど。なめこおろしやなめこの味噌汁など1食分の目安を30gとしました。
なめこに含まれているビタミンB6は女性の1日分に対してわずか1%です。
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ビタミンB6の豊富なきのこを8位までランキングでお伝えしました。もう一度グラフを見てみましょう。
いつもの炒め物にきのこをプラスするだけでビタミンB6を手軽に補えそうですね。
ビタミンB6の多いきのこ:まとめ
ビタミンB6の豊富なきのこのランキング、私たちの摂取量と必要量、ビタミンB6の効果についてお伝えしました。
ビタミンB6の多いきのこ:エリンギ、マッシュルーム、えのきたけ、ぶなしめじ、まいたけ
ビタミンB6の効果:疲労回復の促進、脂肪肝を防ぐ、貧血を予防して立ちくらみや頭痛をやわらげる、肌トラブルを防ぐ、月経前症候群やつわりをやわらげる、イライラや気分の落ち込みをおさえる
不足すると?:疲れ、倦怠感、脂肪肝、貧血による動悸やめまいや頭痛、肌のくすみ、ハリの低下、口角炎、口内炎、生理痛、月経前症候群、つわり、感情の起伏がはげしい、怒りっぽい、落ち込みやすい、向上心や自発性の低下、無気力
摂りすぎると?:余った分は尿として排出されるので問題ありません。
1日の必要量と摂取量:18歳以上の場合、必要量は女性が1.1mg、男性が1.4mg。摂取量は女性が1.12mg、男性が1.3mg。
不足しやすい人は?:妊婦さん、プロテインをよく飲む人、ピルを飲んでいる人、抗生剤を長期間飲んでいる人
きのこは低カロリーでカリウムや食物繊維もたっぷり!ぜひ毎日の食生活に取り入れてみてください。