食物繊維の多い食べ物やそのすごい効果をご存じですか?
食物繊維には素晴らしい効果が満載!特に生活習慣病が気になる世代にはうれしい効果にあふれています。
これから紹介する内容を読んでいただくと、
- 健康効果がたくさんがあること
- どんな食べ物に多く含まれているのか(意外な食べ物が続々!)
- 料理いらずで簡単に食物繊維が摂れる食べ物
が手に取るようにわかります。たとえ料理の手間をかけなくても今日からしっかりと摂ることができます。
では、食物繊維の多い食べ物、効果効能、超簡単な工夫についてお伝えします。
そもそも、食物繊維とは?
そもそも食物繊維とは何か、知っていますか?
食物繊維は炭水化物の一種です
食物繊維は炭水化物に含まれる成分。「炭水化物=糖質+食物繊維」なのです。
食品のパッケージの裏などにある栄養成分表示を見ても、炭水化物の欄に内訳として「糖質」と「食物繊維」のグラム数が表示されていることが多いですね。
糖質:体のなかで分解・吸収されてエネルギー源となる
食物繊維:体のなかで分解・吸収されることなく、排出される
吸収されずに体から排出されてしまうために、体には必要ない食べ物のカス」と思われていた時期もありましたが……
「食べ物のカス」から「第6の栄養素」へ
便秘の解消には効果があるのかな?という程度に思われていた食物繊維に、次々と素晴らしい効果効能が明らかになっていきました。
そして2000年には1日の摂取量の目安が設定。いまでは5大栄養素に次いで第6の栄養素と呼ばれるほどになり、
- 成人の女性:1日に18g
- 成人の男性:1日に21g
が1日の目標摂取量として設定されています(2020年現在)。
水溶性と不溶性の2種類
食物繊維は水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維の2種類。
どんな食べ物に多く含まれているか、どんな効果があるのか、がそれぞれ違います。
水溶性食物繊維:ネバネバ・サラサラした成分。海藻や果物に多く含まれていて、生活習慣病の予防などに効果を発揮。
不溶性食物繊維:ザラザラ・ポソポソした成分。玄米や野菜やきのこなどに多く含まれていて、有害物質の排出やダイエットなどに効果を発揮。
一般的にイメージするのは、玄米、ごぼう、レンコン、といった不溶性食物繊維のほうではないでしょうか。
でも、わかめ、昆布、ひじき、アボカド、枝豆、などの食べ物にも食物繊維(水溶性)がたっぷりと含まれているんです。
しかし……
食物繊維が不足しがちな現代人
現代人は不足している傾向があります。
女性で18g、男性で21g、という1日の目標に対してなんと 6gも不足していると言われています。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版):炭水化物」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
和食中心で玄米、野菜、海藻、きのこなどを多く食べていた頃と違って、洋食が増えてきたこともその原因。
外食、お弁当、お惣菜などが増えて、野菜不足や海藻不足になっていることも原因のひとつでしょう。
食物繊維には健康効果が満載!ふだんの生活のなかで意識して摂りたい重要な栄養素です。
そこでまずはどんな効果があるのかをお伝えします。
次に食物繊維の多い食べ物には何があるのか、なかでも簡単にすぐ取り入れられる食べ物を具体的にご紹介します。
食物繊維の効果
では、どんなすごい効果を発揮してくれるのか、まずは水溶性のほうからご紹介します。
水溶性食物繊維の7つの効果
水溶性食物繊維の効果は、中性脂肪を減らす、コレステロールを下げる、高血圧の予防、便秘解消など。くわしくはこちらの7つです。
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 血圧を下げる
- 腸内環境を整える
- 便秘を解消する
- ダイエット
それぞれの効果を簡単に紹介していきますが、別記事ではくわしく解説しています。
水溶性食物繊維のすごい6つの効果と多い食べ物とは?
1.中性脂肪を減らす
脂肪は体に吸収されるのに時間がかかります。
中性脂肪のもとである脂肪が体に吸収される前に、水溶性食物繊維が脂肪をからめとって一緒に便となって体から排出してくれるのです。
2.コレステロールを下げる
脂肪をからめとるのと同様にコレステロールもからめとって一緒に便となって体から排出してくれます。
3.血糖値の上昇をおさえる
水溶性食物繊維は体のなかで水に溶けてゼリー状に。ほかの食べ物と一緒に腸の中をゆっくりと進むので、消化もゆっくりになって血糖値の急上昇をおさえることができます。
また、血糖値を下げる腸内細菌がいて、そのエサが水溶性食物繊維であるとも言われています。
食事の最初に水溶性食物繊維の多い食べ物を食べることで、血糖値の上昇を抑える効果がより高まると期待されています。
どんな食べ物に多く含まれているのかはこちら↓
水溶性食物繊維の多い食べ物ランキング75【1食分】で比較!
4.血圧を下げる
高血圧の大きな原因のひとつは塩分の摂りすぎ。
水溶性食物繊維はナトリウムも吸着してそのまま便と一緒に排出してくれるので、血圧を下げる効果にも期待が持てますね。
なかでも特にそのはたらきが強いのは、昆布やワカメやもずくなどの海藻類に多い「アルギン酸」。意識して摂るようにしましょう。
5.腸内環境を整える(便秘解消)
水溶性食物繊維は善玉菌のエサ。
善玉菌が増えたり善玉菌が元気になることで、腸内環境を整えるはたらきがあります。
腸内環境が整えば免疫力アップにもつながりますね。
6.便秘を解消する
便秘のなかでも、便が固い、いきまないと出ない、お腹が張る、ゴロゴロ鳴る、毎日ストレスが多い、といったタイプの便秘には水溶性食物繊維が効果的。
このタイプの便秘は、便が腸のなかで長い時間(日数)滞留したことで水分を失って固くなっています。
体のなかで水に溶けてゼリー状になった水溶性食物繊維は、固くなった便に水分をあたえて柔らかくして、排出されやすくします。
なお、不溶性食物繊維のほうが効果的な便秘のタイプもあります。このあとでお伝えします。
7.ダイエット
脂肪やコレステロールをからめとって排出、というはたらきもダイエットにつながります。
また腸のなかをゆっくり進むことで満腹感も得られて食べ過ぎもおさえてくれます。
さらにダイエットの重要なカギである「腸内環境」。太りやすい人は悪玉菌が優勢とも。
水溶性食物繊維は善玉菌のエサとなって、善玉菌が優勢な腸内環境を作って、ダイエットを強力にサポートします。
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おもな7つの効果をお伝えしました。
次に不溶性食物繊維のおもな3つの効果についてお伝えします。
不溶性食物繊維の3つの効果
不溶性食物繊維の効果は、デトックス、便秘解消、ダイエットなどです。
- 有害物質を排出する
- 便秘を解消する
- ダイエット
ではそれぞれの効果を簡単に説明していきますが、別記事でもくわしく解説しています。
不溶性食物繊維のすごい3つの効果と多い食べ物とは?
1.有害物質を排出する
不溶性食物繊維には有害物質をからめとって便と一緒に排出するはたらきがあります。
重金属、食品添加物、ダイオキシンなどの有害物質の排出効果が期待されていて、大腸がんのリスクを減らすとも言われています。
腸のなかの残り物もからめとって排出するので腸をキレイにもしてくれます。
2.便秘を解消する
不溶性食物繊維は、体のなかで水分を吸収すると数倍から数十倍に大きくふくらんで腸を刺激。
この刺激で腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にして、便秘の解消を促進してくれます。便の量や回数が少ない、排便のあとがすっきりしない、といったタイプの便秘に効果的です。
逆に、便が固い、お腹が張る、ゴロゴロ鳴るといったタイプの便秘なら、不溶性のものを摂りすぎないようにして、水溶性食物繊維を摂るようにしましょう。
便秘のタイプによってどちらを摂るのがいいのか、詳しくはこちらで↓
便秘に食物繊維は逆効果?便秘のタイプ別、摂るべき食物繊維とは
3.ダイエット
不溶性食物繊維といえば「繊維質」。
自然とよく噛むので食べるのもゆっくりになって満腹中枢が刺激されます。
そして体のなかで水を吸収してカサが数倍から数十倍に。カサが増えるおかげで少量でも満腹感が得られて、食べすぎがおさえられますね。
腸のお掃除役でもあるので、腸をキレイにして腸内環境を整えることでもダイエット効果を発揮してくれます。
※参考サイト:厚生労働省e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」、「腸内細菌と健康」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」
では最後にどんな食べ物に多く含まれているかお伝えします。
ただ単純に多く含む食べ物ではなく、ごくごく簡単に取り入れられる食べ物をご紹介します。
食物繊維の多い食べ物
「モロヘイヤ100gに!」や「青のり100gに!」なんてことは言いません。
1食分として無理なく手軽に食べられる量なのに、たっぷり含まれている食べ物をご紹介します。
覚えていますか?
1日の食物繊維全体の目標は、女性18g。男性21g。でも6g不足しています。
水溶性食物繊維の多い手軽な食べ物
※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
お汁にとろろ昆布をひとつかみ入れる。ごはんを炊くときにもち麦を混ぜる。お味噌汁に豆腐を入れる。冷凍の枝豆を解凍しておいておつまみに食べる。
どれも手軽にできますね。
料理不要で手軽な食べ物から紹介しました。
その他の食べ物も含めてどんな食べ物に多く含まれているのか、こちらで紹介しています。
水溶性食物繊維の多い食べ物ランキング75【1食分】で比較!
不溶性食物繊維の多い手軽な食べ物
ブロッコリーは茹でるだけで水溶性も不溶性もたっぷり補給。不足分がほぼ補えます。
冷凍の枝豆、落花生などもおつまみで食べるだけで食物繊維もしっかり。
個人的には「おからパウダー」が超おすすめ。ただ買ってふりかけるだけ。常温保存なので持ち歩きにも便利。
【関連記事】おからパウダーに多い栄養は?大さじ1杯6gの栄養価と7つの効果
紹介した手軽な食べ物のほか、どんな食べ物に多く含まれているのかは下記の記事をご覧ください。
不溶性食物繊維の多い食べ物ランキング75【1食分】で比較!
食物繊維の効果:まとめ
食物繊維の効果効能や多く含む食べ物についてお伝えしました。
水溶性食物繊維の効果:中性脂肪を減らす、コレステロールを下げる、血糖値の上昇をおさえる、血圧を下げる、腸内環境を整える、便秘を解消する、ダイエット
不溶性食物繊維の効果:有害物質を排出する、便秘を解消する、ダイエット
日本人は水溶性食物繊維のほうが不足しがちと言われています。
水溶性食物繊維の多い食べ物、水溶性も不溶性も多い食べ物などを意識して取り入れてはいかがでしょうか。