ビタミンAの多い海藻には何があるでしょうか?
ビタミンAといえばにんじんやかぼちゃなどの緑黄色野菜に豊富な栄養。うなぎやレバーにもたっぷり含まれていますが、海藻にはどうでしょうか?
このページでは、身近な海藻の中から「100gあたり」の含有量ではなく、1食分あたりでビタミンAが多い海藻を10位までランキングでお伝えします。
この記事を読めば、どの海藻をどのくらい食べると、1日に必要なビタミンAの何%を摂ることができるのかがわかります。
ビタミンAをしっかり摂って、若々しく元気な毎日を過ごしましょう!
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ビタミンAの効果
ビタミンAの多い海藻ランキングを紹介する前に……
ビタミンAにはどんなはたらきがある?
不足したらどうなる?
摂りすぎたらどうなる?
についてお伝えします。
ビタミンAの5つの効果は?
ビタミンAの効果は免疫力を高めて感染症を予防する、抗酸化、夜盲症の予防など。具体的にはこちらの5つのはたらきがあります。
- 感染症を防ぐ:
強い粘膜を維持することでウイルスをブロック。免疫力を高めて感染症から守る。 - 病気を防ぐ、アンチエイジング:
高い抗酸化作用で活性酸素を除去して、さまざまな病気を予防するとともに若々しい体を維持する - 肌や髪を美しくする:
新陳代謝を促進することで新しい細胞が肌や爪や髪を美しくする - 暗い所でも物を見えやすくする:
暗い所や夜などでまわりの物が見えにくくならないように視覚を守る - 子供の成長を促進:
細胞の増殖を促進することで成長期の発育を守る
※参考サイト:
国立健康・栄養研究所「ビタミンA解説」
ビタミンAが不足すると?
ビタミンAが不足するとどうなるかというと……
- 免疫力が低下して風邪をひきやすくなる
- 生活習慣病のリスクが高まる
- 夜盲症など夜や暗い所で物が見えにくくなる
- 肌荒れ、髪のパサつき、枝毛、爪が割れやすくなる
- 子供の成長が十分に進まない
このようにビタミンA不足は健康や美容の面に影響をおよぼすことがあります。
ビタミンAを摂りすぎると?
ビタミンAは摂りすぎも良くない栄養素。摂りすぎると……
- 頭痛、立ちくらみ
- 腹痛、吐き気、嘔吐
- 毛が抜けやすくなる
- 肌の乾燥、かさつき、肌がはげ落ちる
- 骨折しやすくなる可能性
- 妊娠初期でのお腹の赤ちゃんの発育に悪影響を及ぼす(器官形成異常など)
とはいえ、一般的な食生活なら悪影響が出るほどビタミンAを摂りすぎることはまずありません。
ただ妊娠中の方はレバーやうなぎのようなビタミンAがぎっしり詰まった食べ物には注意しましょう。
ではビタミンAはどのくらい摂るのがよいのでしょうか?
ビタミンAの必要量と摂取量
1日に必要なビタミンAはどのくらいでしょうか?
私たちのビタミンAの摂取量は十分なのでしょうか?
1日に必要なビタミンAは?
私たちに必要なビタミンA(=推奨量)は次のように定められています。
1日に必要なビタミンA
30~64歳なら、
女性:700μgRAE
男性:900μgRAE
では私たちは普段ビタミンAをどのくらい摂れているのかというと……
私たちの普段の摂取量は?
私たちの普段のビタミンAの摂取量はこちらです。
実際に摂れているビタミンA
30~64歳では……
女性の必要量:700μgRAE
摂取量の平均:522μgRAE
178μgRAE(25%)不足
男性の必要量:900μgRAE
摂取量の平均:551μgRAE
349μgRAE(39%)不足
※参考サイト:国立健康・栄養研究所
「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
男女ともにビタミンAはかなりの不足。男性は1日分の60%しか摂れていません。これでは風邪やインフルエンザにかかりやすくても不思議ではありません。
なかでもビタミンAが不足しやすい人は……
ビタミンAが足りない人とは?
次のような方は摂取量が不足しやすい傾向があります。ビタミンAの豊富な食べ物を意識して摂りましょう。
- にんじん、かぼちゃ、ほうれん草といった緑黄色野菜をあまり食べない
- たまごをあまり食べない
- ししゃも、わかさぎ、しらすなどをあまり食べない
あてはまるようなら慢性的にビタミンAが不足しているかもしれません。風邪をひきやすい、肌がかさつく、といったことはありませんか?
では身近な海藻の中から「100gあたり」ではなく1食分あたりでビタミンAが多い海藻を10位までランキングにて紹介します。
ビタミンAの多い海藻ランキング
ビタミンAの多い海藻には何があるのでしょうか?まずは10位までまとめたグラフがこちらです。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
海藻にはビタミンAがぎっしり!というものはなく、1食分で女性にとって足りないビタミンAを補えるほどではありません。
では、この10位までの海藻それぞれの「1食分に含まれるビタミンA」を紹介します。
1~5位の海藻
ビタミンAの必要量と摂取量
30~64歳なら……
女性の必要量:700μgRAE
摂取量の平均:522μgRAE
男性の必要量:900μgRAE
摂取量の平均:551μgRAE
女性は178μgRAE不足、
男性は349μgRAE不足、と頭に置いてそれぞれの海藻の含有量をチェックしてみてください。
ちなみに1~5位までの海藻で摂れるビタミンAは、5~69μgRAEです。
1位:焼きのり
おにぎりサイズ3枚
(3切×3枚で3g)に
69μgRAE
女性の1日分のビタミンAの10%。摂取量の不足分の40%弱を補うことができます。
2位:味付けのり
味付けのり1パックに
36μgRAE
味付けのり1パックは「12切×5枚入り=1.3g」ほど。女性の1日分のビタミンAの5%ほどです。
3位:青のり
青のり小さじ1杯(1g)に
17μgRAE
4位:ひじき
ひじきの煮物小鉢一皿(40g)に
13μgRAE
ひじきには水溶性食物繊維、ヨウ素、鉄分、カルシウム、マグネシウムが豊富な海藻。強い骨をつくる、中性脂肪・血圧・血糖値など生活習慣病の予防、貧血予防が期待できます。
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5位:もずく
もずくの三杯酢1パックに
5μgRAE
3パックがセットで売られているようなもずくの三杯酢の、1パックあたりのビタミンAを紹介しています。
※1パックは一般的に約70g入りで、もずく自体の量を25gと仮定して算出しています。
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ビタミンAの多い海藻を1~5位までお伝えしました。次は6~10位の海藻です。
6~10位の海藻
ビタミンAの多い海藻、6~10位です。
ビタミンAの必要量
30~64歳なら、
女性:700μgRAE
男性:900μgRAE
女性は178μgRAE不足、
男性は349μgRAE不足。
6~10位の海藻に含まれるビタミンAは1~3μgRAE。女性の1日分のビタミンAの0.1~0.5%とわずかな量です。
6位:塩昆布
塩昆布小皿一皿(10g)に
3μgRAE
塩昆布はナトリウム、水溶性食物繊維、カリウム、マグネシウム、鉄分が豊富な海藻。中性脂肪や血糖値をおさえる、強い骨をつくる、便秘解消が期待できます。
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7位:とろろ昆布
お吸い物1杯分(とろろ昆布5g)に
3μgRAE
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8位:わかめ
わかめの味噌汁1杯分に
3μgRAE
乾燥カットわかめ1.5gをお味噌汁1杯分としました。水に戻すと12倍(18g)に増えます。
9位:あおさ
あおさ小さじ1杯(1g)に
2μgRAE
10位:昆布の佃煮
小皿一皿(10g)の昆布の佃煮に
0.5μgRAE
昆布の佃煮12gは大さじ1杯弱の量になります。
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ビタミンAの豊富な海藻を10位までランキングでお伝えしました。もう一度グラフを見てみましょう。
海藻はビタミンAは特別多いわけではないものの、私たちに足りない水溶性食物繊維やマグネシウムなどミネラルはぎっしり!
普段から食べる習慣をつけたい食べ物ですね。
ビタミンAの多い海藻:まとめ
ビタミンAの効果、必要量と私たちの摂取量、いろんな海藻1食分に含まれる量をお伝えしました。
ビタミンAの多い海藻:焼きのり、味付けのり、青のり、ひじき、もずく、塩昆布、とろろ昆布
ビタミンAの効果:インフルエンザなどの感染症を防ぐ、病気の予防、アンチエイジング、肌や髪を美しくする、夜盲症の予防、子供の成長を支える
不足すると?:免疫力の低下、感染症へのリスク、肌や髪のトラブル、視力の低下、夜盲症、子供の成長が十分進まない
摂りすぎると?:頭痛、立ちくらみ、腹痛、吐き気、毛が抜けやすくなる、肌のかさつき、妊娠初期では胎児の発育への悪影響
1日の必要量:30~64歳の場合、女性は700μgRAE(摂取量は522μgRAE)、男性は900μgRAE(摂取量は551μgRAE)
ビタミンAだけでなく、さまざまなミネラルや食物繊維が豊富な海藻。乾燥わかめ、とろろ昆布のように手軽なものもたくさんあります。
毎日の食生活に海藻を取り入れてみてはいかがでしょうか?