塩昆布はごはんのお供だけでなくお漬物やおつまみにもピッタリ。ミネラルや食物繊維が豊富に含まれています。
そんな塩昆布、具体的にどの栄養素が多いのかご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- 塩昆布に多い栄養素は?
- 塩昆布の小皿1皿で1日に必要な栄養の何%が摂れる?
- どんな効能がある?
- 食べるといいのはどんな人?
といったことが手に取るようにわかります。塩昆布の栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
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塩昆布1食分の栄養価

塩昆布にはどんな栄養素が多いのでしょうか?
よく100gあたりの栄養価が紹介されていますが、市販の塩昆布は1袋が30gほど。大袋で50gほど。
1日に塩昆布を100gも食べませんよね?
ですので、
塩昆布を小皿1皿(10g)食べると、
1日に必要な栄養素の何%が摂れる?
塩昆布にはどの栄養素が多い?
どんな効能が期待できる?
といったかたちで、ビタミン、ミネラル、食物繊維についてお伝えします。
▼ 1日に食べる量は?
塩昆布を小皿に1皿(10g)。

塩昆布に多いビタミンは?
塩昆布を小皿1皿を食べると、女性にとって1日に必要なビタミンの何%を摂ることができるのでしょうか?

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
女性の1日の目標量に対して、塩昆布10gに多いビタミンは……
ビタミンK | 4.9% |
ナイアシン | 3.0% |
昆布はミネラルや食物繊維は多いものの、ビタミンはあまり含まれていません。海藻全般に言えることですね。
次は塩昆布にはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
塩昆布に多いミネラルは?
塩昆布を小皿1皿を食べると、女性にとって1日に必要なミネラルの何%が摂れるでしょうか?

女性の1日の目標量に対して、塩昆布10gに多いミネラルは……
ナトリウム | 27.7% |
カリウム | 9.0% |
マグネシウム | 6.6% |
鉄 | 6.5% |
カルシウム | 4.3% |
塩昆布というだけあって塩分(ナトリウム)は多め。食べ過ぎには注意が必要です。
ただ、マグネシウムやカルシウムなど私たちに足りないミネラルも多く含まれています。
最後に、塩昆布を10g食べると食物繊維をどのくらい摂れるのかをお伝えしてから、塩昆布の効果効能を紹介します。
塩昆布に食物繊維は多い?
塩昆布の小皿1皿で1日に必要な食物繊維の何%が摂れるでしょうか?

水溶性食物繊維 | 17.5% |
不溶性食物繊維 | 2.2% |
水溶性食物繊維は生活習慣病の予防効果が高いものの、私たちは目標の55%程度しか摂れていません。
塩昆布ならわずか10gの量で17%分も補うことができるのです。
では、
塩昆布に多い栄養素の効果効能は?
私たちはその栄養素がちゃんと摂れている?
塩昆布に多い栄養素とその効果効能

塩昆布の小皿1皿の栄養素の中で、女性の1日の目標量に対して多い順に、
ナトリウム | 27.7% |
水溶性食物繊維 | 17.5% |
カリウム | 9.0% |
マグネシウム | 6.6% |
鉄 | 6.5% |
では、私たちはこれらの栄養素が足りているのか、塩昆布の小皿1皿でどのくらい補えるのか、どんな効果があるのか、見てみましょう。
ナトリウム
塩昆布にもっとも多い栄養素はナトリウム。摂りすぎに注意が必要なミネラルです。
塩昆布のナトリウムの量は?
ナトリウムを食塩相当量に換算すると、
その1日の目標量は
女性が6.5g未満、男性が7.5g未満。
※ 食塩相当量(g)=ナトリウム(mg)×2.54÷1000
塩昆布の小皿1皿(10g)の
食塩相当量は1.8g。これは、
女性:1日の目標量の27.7%
男性:1日の目標量の24.0%
そして……
私たちはナトリウムをどのくらい摂っている?
塩昆布を小皿1皿食べるとどのくらい増える?

ふだんの食生活に塩昆布を小皿1皿プラスすると……
女性:
平均摂取量=139%
塩昆布小皿1皿=28%
合計=177%
男性:
平均摂取量=140%
塩昆布小皿1皿=24%
合計=164%
もともとナトリウムを摂りすぎな私たち。塩昆布を食べるとさらに大幅に増えてしまいますね。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、e-ヘルスネット「ナトリウム」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」
ナトリウムの効能は?
ナトリウムは体にとって大切なミネラル。次のようなはたらきをしています。
- ミネラルのバランスをたもつ
- 筋肉をスムーズに動かす
- 神経の情報伝達
- 栄養素を吸収して届ける
- カリウムと一緒に血圧を調整する
不足してしまうと、めまい、だるい、疲労、筋肉の痛み、脱水症状、食欲不振、筋肉のけいれん、といったことにも。
ナトリウムを摂りすぎているのか、不足していないのか。こちらでチェックしてみてください↓
水溶性食物繊維

塩昆布に2番目に多い栄養素は水溶性食物繊維。
私たちにもっとも足りない栄養素が塩昆布にはたっぷりと含まれています。
塩昆布の水溶性食物繊維の量は?
水溶性食物繊維の1日の目標量は
女性が6g、男性が7g。
塩昆布小皿1皿(10g)に
水溶性食物繊維は1.05g。これは、
女性:1日の目標量の17.5%
男性:1日の目標量の15.0%
※食物繊維の目標量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、水溶性食物繊維の1日の目標量を上記の量としています。
さて、私たちは水溶性食物繊維がどれほど足りていない?塩昆布でどこまで補える?

ふだんの食生活に塩昆布を小皿1皿プラスすると……
女性:
平均摂取量=58%
塩昆布小皿1皿=18%
合計=76%
男性:
平均摂取量=51%
塩昆布小皿1皿=15%
合計=66%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」
わずか10gの塩昆布でもたっぷり補うことはできます。ですがそれでもまだ全然足りません。
ひじき、寒天、里芋、とろろ昆布、大豆の煮豆、豆腐、納豆、枝豆、もち麦など、水溶性食物繊維の多い食べ物を意識して食べましょう。
【関連記事】水溶性食物繊維の多い食べ物ランキング75【1食分】で比較!
水溶性食物繊維の効能は?
水溶性食物繊維のおもな効果は次の6つ。
- 中性脂肪を減らす
食べ物の脂肪が中性脂肪となる前にキャッチして、便として体から排出する - コレステロールを下げる
コレステロールをキャッチして排出するだけでなく、コレステロールを消費して減らす - 血糖値の上昇をおさえる
体内でゼリー状になってほかの食べ物の消化をゆっくりにすることで血糖値の上昇をおさえる - 便秘を解消する
腸の中で滞留して固くなった便に水分をあたえて柔らかくして、お通じをスムーズにする。 - 血圧を下げる
ナトリウム(塩分)を吸着して便として排出する。特に海藻に含まれる水溶性食物繊維にその効果が高い。 - ダイエット
中性脂肪やコレステロールが減る。ゼリー状になって腸内をゆっくり進むので満腹感が続く。善玉菌のエサとなるので腸内環境が整う。
塩昆布にはナトリウムが多いですが、水溶性食物繊維にはナトリウムを排出するはたらきがあるので、ナトリウムの摂りすぎもやわらげてくれるでしょう。
生活習慣病の予防効果が高い水溶性食物繊維。便秘の解消にも効果を発揮してくれます。
ただ便秘のタイプによっては、不溶性食物繊維のほうが便秘の解消に効果が高い場合もあります。
あなたの便秘解消にはどの食物繊維が効果的なのか、こちらを参考になさってください ↓
カリウム
塩昆布に3番目に多い栄養素はカリウム。塩分を摂りすぎる傾向のある私たちには必須のミネラルです。
塩昆布に含まれるカリウムの量は?
カリウムの1日の目安量は、
女性が2000mg、男性が2500mg。
塩昆布小皿1皿(10g)に
カリウムは180mg。これは、
女性:1日の目安量の9.0%
男性:1日の目安量の7.2%
塩昆布を小皿1皿食べるとカリウムの摂取量はどう増えるのかというと……

女性:
平均摂取量=111%
塩昆布小皿1皿=9%
合計=120%
男性:
平均摂取量=96%
塩昆布小皿1皿=7%
合計=103%
ふだんからほぼ目標量を摂れてはいますが、塩分の摂りすぎが気になる方は意識してカリウムを摂るようにしましょう。
カリウムの多い食べ物には、里芋、じゃがいも、トマトジュース、ミニトマト、枝豆、豆乳、ぶり、鮭、豚肉など。
カリウムの効能は?
カリウムのおもな効果は次の5つ。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
塩昆布にはカリウムも豊富。水溶性食物繊維と一緒に余分な塩分を排出してくれますね。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
マグネシウム

塩昆布に4番目に多い栄養素はマグネシウム。
骨を強くするためには必須のミネラル。血圧を調整するはたらきもあります。
塩昆布のマグネシウムの量は?
マグネシウムの1日の推奨量は、
女性が290mg、男性が370mg。
塩昆布小皿1皿(10g)に
マグネシウムは19mg。これは、
女性:1日の推奨量の7%
男性:1日の推奨量の5%
塩昆布を小皿1皿食べると、マグネシウムの摂取量はどう増えるのかというと……

女性:
平均摂取量=81%
塩昆布小皿1皿=7%
合計=88%
男性:
平均摂取量=71%
塩昆布小皿1皿=5%
合計=76%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「マグネシウム解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」、厚生労働省 eJIM「マグネシウム」
私たちにかなり不足しているマグネシウム。塩昆布で7%ほど補えますがまだまだ足りません。
豆腐、厚揚げ、豆乳、大豆、枝豆、玄米、そば、アーモンド、ピーナツ、天津甘栗、魚介類などマグネシウムの多い食べ物を意識して摂りましょう。
マグネシウムの効能は?
マグネシウムには骨を強くするなど、次のようなはたらきがあります。
- カルシウムとともに骨や歯を強くする
- 筋肉をスムーズに動かす
- 血圧を調整する
- 体内の酵素のはたらきを助ける
- 神経の伝達を正常にして、神経を安定させる
- さまざまなホルモンを活性化させる
いくらカルシウムがあってもマグネシウムがなければ骨は強くなりません。
またマグネシウム不足は糖尿病やメタボのリスクが大きく高めてしまうとも。意識して摂りたい栄養素ですね。
鉄分
塩昆布に5番目に多い栄養素は鉄分。
血液を作るだけでなく、骨を強くして免疫力も高めてくれるミネラルです。
塩昆布の鉄分の量は?
鉄の1日の推奨量は、
女性が6.5mg、男性が7.5mg。
塩昆布小皿1皿(10g)に
鉄分は0.4mg。これは、
女性:1日の推奨量の6.5%
男性:1日の推奨量の5.6%
塩昆布を小皿1皿食べると鉄分の摂取量は……

女性:
平均摂取量=112%
塩昆布小皿1皿=7%
合計=119%
男性:
平均摂取量=107%
塩昆布小皿1皿=6%
合計=113%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「鉄解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」、NHK健康チャンネル「鉄欠乏性貧血とは?」
鉄分の効能は?
鉄分のおもな効果は次の5つ。
- 貧血の予防・改善
血液(ヘモグロビン)を作って全身に酸素を届ける - しなやかで健康的な体に
コラーゲンを作って、骨、関節、筋肉、肌、粘膜などをしなやかにする - 丈夫な骨をつくる
骨の主成分のひとつであるコラーゲンを鉄分がつくることで骨を強くする - ウイルスや細菌から守る
ウイルスや細菌と戦う白血球をサポートして感染症を予防する - 肌を美しくする
コラーゲンを作るだけでなく、肌の内側に酸素を届けて新陳代謝を促進する。
貧血予防だけでなくいろんなはたらきで体を守っているのが鉄分なのです。
以上、塩昆布に多い栄養素のはたらきを紹介しました。
では最後に、これらのはたらきをまとめて、塩昆布を食べるとどんな効能が期待できるの?についてお伝えします。
塩昆布の5つの効果効能

いろんなミネラルや水溶性食物繊維などが豊富な塩昆布。
これらの栄養素のはたらきから、塩昆布に期待される効能をまとめてみました。
- 筋肉をスムーズに動かす
- 中性脂肪やコレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 便秘を解消する
- 骨や歯を強くする
水溶性食物繊維による生活習慣病の予防効果、豊富なミネラルが体を作って活動をささえるはたらき、といったものが塩昆布には期待できますね。
塩昆布に多い栄養素:まとめ
塩昆布に多い栄養素とその効果についてお伝えしました。
塩昆布に多い栄養素:1日の目標量に対して多い順番に、ナトリウム、水溶性食物繊維、カリウム、マグネシウム、鉄、ビタミンK、カルシウム
塩昆布の効能:筋肉をスムーズに動かす、中性脂肪やコレステロールを下げる、血糖値の上昇をおさえる、便秘を解消する、骨や歯を強くする
塩分は多いものの健康効果も高い塩昆布。食べ過ぎに気をつけながらふだんの食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。