沖縄県の生産量が全体の99%以上をも占めるもずく。
もずく酢のさわやかな風味はご飯のお供にもお酒のつまみにもピッタリですね。
そんなもずくにはどんな栄養素が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- もずくに多い栄養素は?
- もずく酢1パックで1日に必要な栄養の何%が摂れる?
- どんな効能がある?
- 食べるといいのはどんな人?
といったことが手に取るようにわかります。もずくの栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
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もずく1パックの栄養価

もずくにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
もずく100gあたりの栄養価を紹介しているページもありますが、とても1日で食べる量ではありません。
ここでは、
もずくの三杯酢を1パック食べると、
1日に必要な栄養素の何%が摂れる?
もずくにはどの栄養素が多い?
どんな効能が期待できる?
といったかたちで、ビタミン、ミネラル、食物繊維についてお伝えします。
▼ 1食分の量は?
もずくの三杯酢を1パック
(もずく25g)。
もずくの三杯酢1パックは70gほど。三杯酢を除いたもずく自体の量を25gとして栄養価を算出しました。

もずくに多いビタミンは?
もずくの三杯酢を1パック食べると、女性にとって1日に必要なビタミンの何%を摂ることができるのでしょうか?

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
女性の1日の目標量に対して、もずく1パックに多いビタミンは……
ビタミンK | 3.0% |
ビタミンB2 | 1.9% |
海藻に多いのはミネラルや食物繊維。ビタミンはあまり含まれていません。
次はもずくにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
もずくに多いミネラルは?
もずくの三杯酢を1パックで摂れるミネラルの量はこちら。

女性の1日の目標量に対して、もずく1パックに多いミネラルは……
ヨウ素 | 26.9% |
ナトリウム | 2.3% |
マグネシウム | 1.8% |
ダントツに多いのがヨウ素。海藻や魚介類に多い必須ミネラルです。
ビタミン、ミネラルと紹介しましたので、次は食物繊維。
では、もずく1パックで食物繊維をどのくらい摂れるのかをお伝えしてから、もずくの効果効能を紹介します。
もずくに食物繊維は多い?
もずくの三杯酢1パックで1日に必要な食物繊維の何%が摂れるでしょうか?

水溶性食物繊維 | 6.7% |
不溶性食物繊維 | 0.8% |
水溶性食物繊維が多いのも海藻に共通。しかし私たちは1日の目標量の55%程度しか摂れていません。
生活習慣病の予防に劇的な効果を発揮する水溶性食物繊維。もずく1パックだけで7%分も補えます。
では、
もずくに多い栄養素の効果効能は?
私たちはその栄養素がちゃんと摂れている?
もずくに多い栄養素とその効果効能

もずくの三杯酢1パックの栄養素の中で、女性の1日の目標量に対して多い順に、
ヨウ素 | 26.9% |
水溶性食物繊維 | 6.7% |
ビタミンK | 3.0% |
では、私たちはこれらの栄養素が足りている?もずく1パックでどのくらい補える?どんな効能がある?についてお伝えします。
ヨウ素
もずくにもっとも多い栄養素はヨウ素。海藻に多く、代謝を促進して疲労を回復するミネラルです。
もずくのヨウ素の量は?
ヨウ素の1日の推奨量は
女性も男性も130μg。
もずくの三杯酢1パック分に
ヨウ素は35μg。なので、
女性:1日の推奨量の26.9%
男性:1日の推奨量の26.9%

μg(マイクログラム)は
100万分の1グラムのこと。
1g=1000mg(ミリグラム)
1mg=1000μg
ヨウ素は「私たちがふだんの食生活でどのくらい摂れているか」の調査がありません。
ただヨウ素は魚介類や海藻に多いので、ふだんから食べている人には不足しにくい栄養素です。
逆にヨウ素は、不足することより長期間にわたって摂りすぎると悪影響のある栄養素。
- うがい薬で毎日うがいしている
(ポピドンヨード) - 昆布など海藻をよく食べる
- ヨウ素のサプリメントを摂っている
といった人はヨウ素の摂りすぎに注意が必要です。
ヨウ素の上限量=3,000μg
※18才以上の男女の場合
もずく1パックには35μgで上限のわずか100分の1。まったく心配ありませんが、例えば1日に……
昆布茶を1杯 | 780μg |
昆布の佃煮を10g | 1100μg |
ひじきを小皿1皿 | 520μg |
わかめのお味噌汁 | 150μg |
これで合計2550μg。昆布茶をもう1杯飲んだら上限オーバーです。
1日や2日なら問題ありませんが、このような生活を続けると……
- 甲状腺機能低下症
- 体重の減少
- 筋力の低下
- ほてり
といった悪影響があらわれることがあります。
ヨウ素を摂りすぎていないか、こちらでチェックしてみてください。
ヨウ素の多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
ヨウ素の効能は?
ヨウ素のおもな効果は次の5つ。
- 新陳代謝を促進する
- たんぱく質の代謝を促進する
- 美肌・美髪
- 子どもの成長を促進する
- 強い殺菌作用
代謝を助けることでエネルギーをつくり、私たちの体をつくるのがヨウ素のはたらきです。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、eJIM「ヨウ素」
水溶性食物繊維

2番目に多い栄養素は水溶性食物繊維。昆布のトロ~ッとした部分など海藻や果物に多い食物繊維です。
もずくの水溶性食物繊維の量は?
水溶性食物繊維の1日の目標量は
女性が6g、男性が7g。
もずくの三杯酢1パック分に
水溶性食物繊維は0.4g。これは、
女性:1日の目標量の6.7%
男性:1日の目標量の5.7%
※食物繊維の目標量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、水溶性食物繊維の1日の目標量を上記の量としています。
では、私たちは水溶性食物繊維がどれほど足りていない?もずく1パックでどれだけ補える?

女性:
平均摂取量=58%
もずくの三杯酢1パック=7%
合計=65%
男性:
平均摂取量=51%
もずくの三杯酢1パック=6%
合計=57%
もずくにしっかりと含まれているものの、もともとの摂取量があまりにも足りなすぎます。
ひじき、寒天、里芋、とろろ昆布、大豆の煮豆、豆腐、納豆、枝豆、もち麦など、水溶性食物繊維の多い食べ物を意識して食べましょう。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」
水溶性食物繊維の効能は?
水溶性食物繊維のおもな効果は次の6つ。
- 中性脂肪を減らす
食べ物の脂肪が中性脂肪となる前にキャッチして体から排出する - コレステロールを下げる
コレステロールをキャッチして排出するだけでなく、コレステロールを消費して減らす - 血糖値の上昇をおさえる
体内でゼリー状になってほかの食べ物の消化をゆっくりにして血糖値の上昇をおさえる - 便秘を解消する
腸の中で固くなった便に水分をあたえて柔らかくしてお通じをスムーズにする。また善玉菌のエサとなって善玉菌を増やしたりはたらきを高めて腸内環境を整える。 - 血圧を下げる
ナトリウム(塩分)を吸着して体から排出する。特に海藻に含まれる水溶性食物繊維にこの効果が高い。 - ダイエット
中性脂肪やコレステロールが減る。腸のなかをゆっくり進むので満腹感が続く。善玉菌のエサとなるので腸内環境が整う。
生活習慣病の予防に劇的な効果を発揮してくれる水溶性食物繊維。意識して摂りましょう。
ビタミンK
もずくに3番目に多い栄養素はビタミンK。海藻全般に多い栄養素です。
もずくのビタミンKの量は?
ビタミンKの1日の目安量は
女性も男性も150μg。
もずくの三杯酢1パック分に
ビタミンKは4.5μg。
1日の目安量の3%になります。

女性:
平均摂取量=157%
もずくの三杯酢1パック=3%
合計=160%
男性:
平均摂取量=164%
もずくの三杯酢1パック=3%
合計=167%
ビタミンKいろんな食べ物に含まれていて、腸の中でも作られるので一般的には不足しにくい栄養素。食生活が偏っている人や抗生物質を長期間飲んでいる人は不足しがちになります。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンK解説」
ビタミンKの効能は?
ビタミンKのおもな効果は次の2つ。
- 骨を丈夫にする
骨にカルシウムを取り込むサポートだけでなく、カルシウムが骨から溶け出すのも防ぐ。 - 切り傷など出血した血を固める
血液を固めて血を止めるための物質を作る
以上、もずくに多い栄養素のはたらきを紹介しました。
最後にこれらのはたらきをまとめて、もずくを食べるとどんな効能が期待できるのか、お伝えします。
もずくの5つの効果効能

もずくにはヨウ素などのミネラルや水溶性食物繊維が豊富。この栄養素のはたらきから期待される効能をまとめてみました。
- 美肌・美髪
たんぱく質の代謝を高めて肌や髪を美しくする - 子どもの成長を促進する
代謝を高めて骨格など体をつくる - 中性脂肪やコレステロールを減らす
水溶性食物繊維が体から排出する - 血圧を下げる
ナトリウムを体から排出する - 血糖値の上昇をおさえる
水溶性食物繊維が食べ物の消化をゆっくりにする
もずくには、生活習慣病を予防したり、体を作って成長を促進する効能が期待できる食べ物です。
もずくに多い栄養素:まとめ
もずくに多い栄養素と効果効能を紹介しました。
もずくに多い栄養素:1日の目標量に対して多い順番に、ヨウ素、水溶性食物繊維、ビタミンK、ナトリウム、ビタミンB2、マグネシウム
もずくの効能:美肌・美髪、子どもの成長を促進する、中性脂肪やコレステロールを減らす、血圧を下げる、血糖値の上昇をおさえる
手軽に食べることができるもずくの三杯酢。ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。