ひじきは食物繊維やミネラル豊富な海藻。鉄分がたっぷりというイメージをお持ちの方も多いでしょう。
そんなひじき。実際にはどんな栄養素が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- ひじきにはどの栄養素が多い?
- 小鉢に1皿食べると1日分の栄養素の何%が摂れる?
- ひじきの健康効果は?
- どんな人こそ食べると効果的?
といったことが手に取るようにわかります。ひじきの栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
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ひじき1皿の栄養価

私たちに不足しがちな栄養素のなかでひじきに多く含まれる栄養素は、水溶性食物繊維、鉄分、カルシウム、マグネシウム、ヨウ素など。
その効果として、中性脂肪やコレステロールを減らす、高血圧予防、貧血の予防・改善、骨を強くする、心臓の動きを守る、筋肉をしなやかにする、美肌効果などが期待できます。
そんなひじき。
どの栄養素がどれほど含まれていて、
その栄養素にはどんな効果があるのか、
ご存じですか?
ひじきといえば鉄分のイメージですが、国産の乾燥ひじきの鉄分は以前の10分の1にまで減ってしまいました。
乾燥ひじきを作る工程で「鉄釜」から「ステンレス釜」に変わったことが原因とも。ただ、韓国や中国でもほとんどがステンレス釜であるにもかかわらず、鉄分が豊富なひじきも多くあります。
ですので、ここでは、
鉄分が豊富なひじきで作った
ひじきの煮物を1皿食べると、
1日分の栄養素の何%が摂れる?
ひじきに多い栄養素は何?
どんな効果が期待できる?
といったかたちで、くわしくお伝えします。
ひじきの煮物小皿1皿=40g
乾燥ひじき5gを水で戻すと40gに。乾燥ひじき5gの栄養価でなく、油炒めして作ったひじきの煮物40gの栄養価です。
※パッケージの成分表示に100gあたりの鉄分が60mgほどと表示されているひじきを使用。

ひじきに多いビタミンは?
ひじきの煮物を1皿食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。

※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
女性が1日に必要なビタミンに対して、ひじき1皿に多く含まれているのはこちら!
ビタミンK | 12% |
ビタミンE | 9% |
ひじきの煮物ならわずかの量でもビタミンE、Kを摂ることができます。ただそのほかのビタミンはほとんど含まれていません。
次はひじきにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
ひじきに多いミネラルは?
ひじきの煮物を小鉢に1皿(40g)で、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?

ひじき1皿に多く含まれるミネラルはこちら!
ヨウ素 | 400% |
鉄 | 18% |
クロム | 8% |
カルシウム | 7% |
マグネシウム | 6% |
ミネラルは幅広く含まれています。鉄分、カルシウム、マグネシウムも多く、骨や歯を強くする効果が期待できます。
では、ひじき1皿に含まれる食物繊維の量をお伝えしてから、ひじきの7つの効果効能を紹介します。
ひじきに食物繊維は多い?
ひじき1皿で食物繊維はどのくらい摂れるのでしょうか?

水溶性食物繊維 | 24% |
不溶性食物繊維 | 3% |
ひじきには水溶性食物繊維がぎっしり。私たちは1日に必要な量の半分程度しか摂れていないのですが、ひじき1皿で24%も補うことができます。
では、
不足しがちな栄養素のなかで、
ひじきに多い栄養素は?
その栄養素をどのくらい補える?
どんな健康効果が期待できる?
ひじきで不足分を補える栄養素とその効果

ひじきに多く含まれる栄養素は、ヨウ素、水溶性食物繊維、鉄分、ビタミンKなどですが……
ヨウ素:
魚や海藻が身近な日本人は一般的な食生活ならまず不足しません。
ビタミンK:
ふだんから目標の1.5倍以上も摂れています。
ひじきが体にいいということは、
「不足している栄養素を補えるから」
そこでひじきで不足分をしっかり補える栄養素はこの4つ。
- 水溶性食物繊維
- 鉄分
- カルシウム
- マグネシウム
では、これらの栄養素をどのくらい摂れているのか、ひじき1皿でどう補えるのか、どんな効果があるのか、お伝えします。
水溶性食物繊維

ひじきで不足分が補える栄養素。1つめは水溶性食物繊維。海藻や果物に豊富で、生活習慣病の予防効果に注目が高まっています。
ひじきの水溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が6g、男性が7g。
ひじきの煮物1皿40gには1.4g。
私たちがまったく摂れていない水溶性食物繊維。ひじきの煮物1皿でどこまで補えるのでしょうか?

ひじきの煮物を1皿40g食べると……
女性が摂れている量は、58%
ひじき1皿には、24%
合計で、82%
男性が摂れている量は、51%
ひじきには、21%
合計で、72%
※食物繊維の目標量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、水溶性食物繊維の1日の目標量を上記の量としています。
ひじきには少しの量にもたっぷりと含まれています。水溶性食物繊維を摂るためにひじきを食べる、といってもいいくらいです。
ただそれでもまだ足りません。
寒天、里芋、とろろ昆布、大豆の煮豆、豆腐、納豆、枝豆など、水溶性食物繊維の多い食べ物を意識して食べましょう↓
水溶性食物繊維の効果は?
おもな効果は次の6つ。
- 中性脂肪を減らす
食べ物の脂肪が中性脂肪となる前にキャッチして排出する - コレステロールを下げる
コレステロールをキャッチして排出するだけでなく、コレステロールを消費して減らす - 血糖値の上昇をおさえる
体内でゼリー状になってほかの食べ物と一緒に腸をゆっくりと進むことで消化スピードを遅くする - 便秘を解消する
腸の中で固くなった便に水分をあたえて柔らかくするとともに、善玉菌のエサとなって腸内環境を改善する - 血圧を下げる
体内の余分なナトリウム(塩分)を排出する - ダイエット
中性脂肪やコレステロールが減らし、腸内環境を整え、満腹感を与えることで食べ過ぎも防ぐ
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」、NHK健康チャンネル「鉄分不足による症状「鉄欠乏性貧血」とは?」
ひじきには生活習慣病が気になる世代にとってうれしい効果が満載。ぜひ積極的に食べましょう。
鉄分
2つめの栄養素は鉄分。貧血予防、骨を強くする、感染症予防などの効果があります。ひじきには3番目に豊富な栄養素です。
ひじきの鉄分の量は?
1日に必要な量は
女性が6.5mg、男性が7.5mg。
ひじき1皿40gには1.2mg。
では、普段からどのくらい摂れていて、ひじき1皿でどう増えるかというと……

女性が摂れている量は、112%
ひじき1皿には、18%
合計で、130%
男性が摂れている量は、107%
ひじきには、16%
合計で、123%
ふだんから必要な量は摂れてはいるものの、50歳を過ぎると骨密度がぐっと低下。鉄分は意識して摂りたい栄養素です。
ひじきのほかには、レバー、豆乳、厚揚げ、木綿豆腐、さば味噌缶、そば、枝豆、大根の葉っぱなどに多く含まれています↓
鉄分の効果は?
鉄分のおもな効果は次の5つ。
- 貧血の予防・改善
血液(ヘモグロビン)を作って全身に酸素を届ける - 丈夫な骨をつくる
鉄分がコラーゲンをつくり、カルシウムと一緒になって骨を丈夫にする - 免疫力を高めて感染症を予防する
ウイルスや細菌と戦う白血球のはたらきを高める - しなやかで健康的な体に
コラーゲンを作って、骨、関節、筋肉、肌、粘膜などをしなやかに - 肌を美しくする
コラーゲンを作るだけでなく、肌の内側に酸素を届けて新陳代謝を促進する
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「鉄解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」、NHK健康チャンネル「鉄欠乏性貧血とは?」
カルシウム

ひじきで不足分が補える4つめの栄養素はカルシウム。骨を丈夫にする、高血圧の予防、心臓の動きを守るなどの効果があります。
ひじきのカルシウムの量は?
1日に必要な量は
女性が650mg、男性が750mg。
ひじき1皿には44mg。
カルシウム不足の私たち。ひじきの煮物を1皿40g食べるとどこまで補えるのかというと……

女性が摂れている量は、76%
ひじきには、7%
合計で、83%
男性が摂れている量は、69%
ひじきには、6%
合計で、75%
ひじきにはカルシウムもたっぷり含まれています。朝晩に食べる、ちょっと多めに食べるなどして不足分をしっかり補いましょう。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カルシウム」、国立健康・栄養研究所「カルシウム解説」
カルシウムの効果は?
おもに次のような効果があります。
- 丈夫な骨や歯を作る
- 筋肉をスムーズに動かす
- 高血圧を予防する
- 心臓のはたらきを規則的に維持する
- 血液の状態を正常にたもつ
- 感情をおだやかにする
マグネシウム
4つめの栄養素はマグネシウム。骨を強くし、血圧を調整し、糖尿病の予防効果も期待されているミネラルです。
ひじきのマグネシウムの量は?
1日に必要な量は
女性が290mg、男性が370mg。
ひじき1皿には18mg。

女性が摂れている量は、81%
ひじきには、6%
合計で、87%
男性が摂れている量は、71%
ひじきには、5%
合計で、76%
マグネシウムもかなりの不足。ひじきでも不足をすべて補えるほどではありません。
豆腐、厚揚げ、豆乳、大豆、枝豆、玄米、そば、アーモンド、ピーナツ、天津甘栗、魚介類などマグネシウムの多い食べ物を意識して摂りましょう。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「マグネシウム解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」、厚生労働省 eJIM「マグネシウム」
マグネシウムの効果は?
おもな効果は次の6つ。
- 骨を丈夫にする
- 不整脈・狭心症・心筋梗塞を防ぐ
- 筋肉がつったりけいれんするのを防ぐ
- 糖尿病やメタボなど生活習慣病を予防する
- 高血圧を予防する
- 気持ちをおだやかにする
マグネシウムが不足すると、糖尿病やメタボのリスクがぐんと高まると言われています。
その他、不整脈、疲労、不眠、動脈硬化、骨粗しょう症、尿路結石、アトピーなどの原因のひとつとも言われています。
*-*-*-*-*
ひじきで不足分を補える栄養素とその効果を紹介しました。最後にこれらの効果をまとめて、
- ひじきを食べると
どんな効果効能が得られる? - どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
ひじきの7つの効果効能

ひじきには水溶性食物繊維をはじめ、ヨウ素、カルシウム、マグネシウムなどの栄養素が豊富。
これらの栄養素のはたらきから、ひじきに期待される効能をまとめてみました。
- 中性脂肪やコレステロールを減らす
水溶性食物繊維が便として体から排出する - 血圧を下げる
ナトリウム(塩分)を吸着して便として一緒に体から排出する - 貧血の予防・改善
血液(ヘモグロビン)を作って全身に酸素を届ける - 丈夫な骨をつくる
鉄分、カルシウム、マグネシウムが骨や歯を丈夫にする - 心臓のはたらきを正常に
不整脈・狭心症・心筋梗塞を防ぐ - 筋肉をスムーズに動かす
筋肉がつったりけいれんするのを防ぐ - 肌を美しくする
コラーゲンを作り、新陳代謝を促進して、美髪、美肌、しなやかな体を作る
ひじきなら、水溶性食物繊維による生活習慣病の予防効果、カルシウムやマグネシウムによる骨を強くする効果、鉄分による貧血予防効果などが期待できます。
そこで、ひじきをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそひじきを食べて!
ひじきをぜひ食べてほしい人はこちら。
- お腹まわりが気になる
- 揚げ物や味の濃いものが好き
- なんにでも醤油や塩をかける
- 白米・パン・麺類など炭水化物が好き
- 立ちくらみや頭痛が起こりやすい
- 足がつることが多い
- 骨粗しょう症を予防したい
40代を過ぎて生活習慣病や骨粗しょう症などに気をつけたい方にぜひ食べてもらいたいのがひじきなのです。
ひじきに多い栄養素:まとめ
ひじきに多い栄養素と期待される効果を紹介しました。
ひじきでふだんの不足を補える栄養素:ヨウ素、水溶性食物繊維、鉄分、カルシウム、マグネシウム、
ひじきの効果:中性脂肪やコレステロールを減らす、高血圧予防、貧血の予防・改善、骨を強くする、心臓のはたらきを正常にする、筋肉の動きをスムーズに、美肌・美髪
こんな人こそ食べてほしい:お腹まわりが気になる、揚げ物や味の濃いものが好き、なんにでも醤油や塩をかける、炭水化物が好き、立ちくらみや頭痛が多い、足がつりやすい、骨粗しょう症を予防したい
ひじきなら少しの量にも水溶性食物繊維やミネラルがたっぷり。ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてください。