トマトジュースは栄養価の高い健康ドリンク。料理にも手軽に使えるので、常備したいものの1つですね。
完熟トマトから作られたトマトジュース。どんな栄養素が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- トマトジュースはどの栄養素が多い?
- トマトジュース200mlで1日に必要な栄養の何%が摂れる?
- どんな健康効果がある?
といったことが手に取るようにわかります。トマトジュースの栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
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トマトジュースの栄養価
トマトジュースにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
1日にコップ1杯200mlのトマトジュースを飲むとして、
トマトジュースを200ml飲むと、1日に必要な栄養素の何%が摂れる?
トマトジュースにはどの栄養素が多い?どんな効能が期待できる?
といったかたちで、ビタミン、ミネラル、食物繊維の順にお伝えしていきます。
▼ 1日に飲む量は?
トマトジュース200ml

トマトジュースに多いビタミンは?
まずはビタミン。
トマトジュースを200ml飲むと、女性にとって1日に必要なビタミンの何%を摂ることができるのでしょうか?

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
女性の1日の目標量に対して、トマトジュース200mlに多いビタミンは……
ビタミンE | 23.3% |
ビオチン | 16.8% |
ビタミンB6 | 16.4% |
葉酸 | 14.2% |
ナイアシン | 13.3% |
ビタミンC | 12.0% |
ビタミンEをはじめ、A、B群、Cといろんなビタミンがしっかり。
特にサラサラ効果の高いビタミンEは1日に必要な量の1/4も摂れるほどたっぷりです。
次はトマトジュースにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
トマトジュースに多いミネラルは?
ビタミンの次はミネラル。
トマトジュース200mlで、女性にとって1日に必要なミネラルの何%が摂れるでしょうか?

女性の1日の目標量に対して、トマトジュースに多いミネラルは……
モリブデン | 40.0% |
カリウム | 26.0% |
クロム | 20.0% |
銅 | 17.1% |
ビタミンと比べるとミネラルはやや少なめ。血のミネラルと呼ばれるモリブデンや血圧ケアのカリウムは多く含まれていますね。
ビタミン、ミネラルと紹介しましたので、次は食物繊維。
トマトジュースで食物繊維をどのくらい摂れるのかをお伝えしてから、トマトジュースの効果効能を紹介します。
トマトジュースに食物繊維は多い?
最後に食物繊維。
トマトジュース200mlで1日に必要な食物繊維の何%が摂れるのでしょうか?

水溶性食物繊維 | 10.0% |
不溶性食物繊維 | 6.7% |
食物繊維には次の2種類があって、それぞれはたらきが違います。
・水溶性食物繊維:
海藻や果物に多く含まれる水溶性食物繊維。血圧・中性脂肪・コレステロール・血糖値などの生活習慣病予防、便秘解消に効果を発揮します。
・不溶性食物繊維:
ポソポソ・ザラザラした繊維質のものが不溶性食物繊維。野菜やきのこや未精製の穀物に多く、有害物質の排出、便秘解消、ダイエットなどに効果を発揮します。
トマトジュースに多いのは水溶性食物繊維。私たちがふだん摂れている量は目標のわずか55%なので、10%も補えるのは嬉しいですね。
では、
トマトジュースに多い栄養素の効果効能は?
私たちはその栄養素がちゃんと摂れている?
トマトジュースに多い栄養素とその効果効能

トマトジュース200mlに含まれている栄養素の中で、女性の1日の目標量に対して多い順に、
モリブデン | 40.0% |
カリウム | 26.0% |
ビタミンE | 23.3% |
クロム | 20.0% |
銅 | 17.1% |
ビオチン | 16.8% |
ビタミンB6 | 16.4% |
でも体のためにトマトジュースを飲むなら、大切なのは、
ふだんの食生活では不足しがちだけれど、トマトジュースでしっかり補える栄養素はなにか?
ということ。そこで、ふだん不足しがちな栄養素がトマトジュースでどう増えるかというと……
カリウム | 111% →137% |
ビタミンE | 108% →131% |
ビタミンB6 | 99% →115% |
ビタミンC | 96% →108% |
水溶性食物繊維 | 58% →68% |
では、私たちはこれらの栄養素が足りているのか、トマトジュース200mlでどのくらい補えるのか、どんな効果効能があるのか、見てみましょう。
カリウム
私たちにふだん不足しがちだけれど、トマトジュースに多い栄養素。
まず最初の栄養素はカリウム。高血圧やむくみに効能を発揮するミネラルですね。
トマトジュースのカリウムの量は?
カリウムの1日の目安量は、
女性が2000mg、男性が2500mg。
トマトジュース200mlに
カリウムは520mg。これは、
女性:1日の目安量の26.0%
男性:1日の目安量の20.8%
ところで……
私たちはカリウムがちゃんと摂れている?不足している?
トマトジュースを飲むとどのくらい増える?

ふだんの食生活にトマトジュース200mlをプラスすると……
女性:
平均摂取量=111%。
トマトジュース=26%。
合計=137%。
男性:
平均摂取量=96%。
トマトジュース=21%。
合計=117%。
私たちは塩分の摂りすぎの傾向が。「塩分はこのくらいまで」という目標の1.5倍も摂っているとか。余分な塩分を出すためにカリウムをしっかり摂りましょう。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、e-ヘルスネット「カリウム」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
カリウムの効果効能は?
カリウムのおもな効果は次の5つ。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
高血圧の人やむくみが気になる人はもちろんですが、食欲がない、チカラが入らない、疲れやすい、足がよくつる、という人はカリウム不足かも。
カリウムの多い食べ物は、里芋、じゃがいも、ミニトマト、枝豆、豆乳、ぶり、鮭、豚肉など。意識して食べてみてはいかがでしょうか。
ビタミンE

2つ目の栄養素はビタミンE。サラサラ効果と抗酸化作用が高く、血管を若々しくしてくれる栄養素です。
トマトジュースのビタミンEの量は?
ビタミンEの1日の目安量は、
女性が6mg、男性が7mg。
トマトジュース200mlに
ビタミンEは1.4mg。これは、
女性:1日の目安量の23.3%
男性:1日の目安量の20.0%
では、私たちはビタミンEがちゃんと摂れている?トマトジュースでどう増える?

ふだんの食生活にトマトジュースをプラスすると……
女性:
平均摂取量=108%。
トマトジュース=23%。
合計=131%。
男性:
平均摂取量=100%。
トマトジュース=20%。
合計=120%。
ビタミンEは目標量を摂れていますが、血圧が高い人、脂っこいものが好きな人、お酒をよく飲む人などはサラサラ効果は大切。
アーモンド、落花生、かぼちゃ、ブロッコリー、ゴールドキウイ、豚肉、アジ、サバ缶、鮭など ビタミンEの多い食べ物を意識して食べましょう。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンE解説」
ビタミンEの効果効能は?
ビタミンEのおもな効果は次の7つ。
- 動脈硬化の予防
- 悪玉コレステロールをおさえて、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ
- 心疾患や貧血の予防
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美肌・美髪
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
とにかく流れをよくするのがビタミンE、ということですね。そして高い抗酸化作用で若々しく元気な体をサポートします。
ビタミンB6
私たちにふだん不足しがちだけれど、トマトジュースに多い栄養素。
3つ目はビタミンB6。
食べ物を分解・代謝してエネルギー・筋肉・肌・髪・爪などを作る。脂肪肝を防ぐ。女性特有の体の悩みをやわらげる。といったはたらきの栄養素です。
トマトジュースのビタミンB6の量は?
ビタミンB6の1日の推奨量は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
トマトジュース200mlに
ビタミンB6は0.18mg。これは、
女性:1日の推奨量の16.4%
男性:1日の推奨量の12.9%
では、私たちはビタミンB6がちゃんと摂れている?トマトジュースでどう増える?

ふだんの食生活にトマトジュースをプラスすると……
女性:
平均摂取量=99%。
トマトジュース=16%。
合計=115%。
男性:
平均摂取量=90%。
トマトジュース=13%。
合計=103%。
ビタミンB6は体の中でも作られる栄養素ではあるものの、目標量よりもやや少ない量しか摂れていませんね。
特に次のような人にはなおさら不足しがちな傾向もあります。
- プロテインを多く摂っている人
- 妊娠している人
- ピルを飲んでいる人
- 抗生物質を長い期間飲んでいる人
ビタミンB6の多い食べ物は肉や魚などの動物性食品。レバー、豚肉、かつお、まぐろ、鮭、ぶり、さば缶、いか、バナナ、いも類などを意識して食べましょう。
ビタミンB6の効果効能は?
ビタミンB6のおもな効果は次の6つ。
- たんぱく質を分解:
エネルギーを作る、筋肉・肌・髪・爪などを作る - 脂質の代謝:
肝臓に脂肪がたまらないように守る - 肌・髪・粘膜の代謝:
肌荒れや口内炎から守る - ホルモンバランスを整える:
月経前の体の悩みをやわらげる - 妊娠中のつわりをやわらげる
- 神経伝達物質を作る:
気持ちを安定させる
食べ物を代謝して体を作り、エネルギーに変える。ホルモンバランスを整える。感情をおだやかに。というのがビタミンB6のはたらきです。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB6解説」
ビタミンC

4つめはビタミンC。風邪を予防したり、ストレスから守ったり、貧血を予防したり、肌を美しくしたりと、あらゆる効能のある栄養素です。
トマトジュースのビタミンCの量は?
ビタミンCの1日の目標量は
女性も男性も100mg
トマトジュース200mlに
ビタミンCは12mg。なので、
女性:1日の目標量の12.0%
男性:1日の目標量の12.0%

ふだんの食生活にトマトジュースをプラスすると……
女性:
平均摂取量=96%。
トマトジュース=12%。
合計=108%。
男性:
平均摂取量=91%。
トマトジュース=12%。
合計=113%。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンC解説」
ビタミンCの効果効能は?
ビタミンCのおもな効果は次の7つ。
- 風邪や感染症を予防する:
免疫力を高める - 活性酸素を除去して老化や病気を予防:
抗酸化作用で活性酸素を除去 - 鉄分の吸収を助けて貧血を予防する
- 血管・皮膚・骨を強くする
- コレステロールをおさえる
- シミを防いで美肌・美白に
- ストレスから守る
ビタミンCはあらゆるはたらきがで私たちを支えているにもかかわらず、目標量に届いていません。
ストレスが多い時や体調を崩している時はビタミンCの消費量もさらに多くなります。
体内にためておけず数時間で排出されてしまうビタミンC。手軽に食べられる果物なら摂りやすいですね。
ゴールドキウイ、柿、いちご、パイナップル、グリーンキウイ、柑橘類など、ビタミンCの多い果物もぜひ活用してみてください。
水溶性食物繊維
5つめの栄養素は水溶性食物繊維。
野菜やきのこ類に多い不溶性食物繊維とは違って、がごめ昆布のトロ~ッとした部分など、海藻や果物に多い食物繊維です。
トマトジュースの水溶性食物繊維は?
水溶性食物繊維の1日の目標量は
女性が6g、男性が7g。
トマトジュース200mlに
水溶性食物繊維は0.6g。これは、
女性:1日の目標量の10.0%
男性:1日の目標量の8.6%
※食物繊維の目標量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、水溶性食物繊維の1日の目標量を上記の量としています。
さて私たちは水溶性食物繊維がどれほど足りていない?

ふだんの食生活で摂れている水溶性食物繊維は目標のわずか半分ほど。
そこへトマトジュースをプラスすると……
女性:
平均摂取量=58%。
トマトジュース=10%。
合計=68%。
男性:
平均摂取量=51%。
トマトジュース=9%。
合計=60%。
トマトジュースで10%ほど補うことはできても、目標にはまだまだ足りません。
水溶性食物繊維が多い食べ物のなかには、寒天、干しいちじく、とろろ昆布、もち麦(お米にまぜて炊くだけ)、豆腐、納豆、枝豆など、料理不要のものもたくさん。ぜひ積極的に食べるようにしたいですね。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」
水溶性食物繊維の効果効能は?
水溶性食物繊維のおもな効果は次の6つ。
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 血圧を下げる
- 便秘を解消する
- ダイエット
生活習慣病が気になる世代にとってうれしい効果が満載なのが、水溶性食物繊維なのです。
以上、トマトジュースが私たちの不足を補ってくれる栄養素とそのはたらきを紹介しました。
では最後にこれらのはたらきをまとめて、トマトジュースを飲むとどんな効能が期待できるのか、についてお伝えします。
トマトジュースの7つの効能

さまざまなビタミン、水溶性食物繊維、カリウムなどの栄養素をしっかりと補ってくれるトマトジュース。
これらの栄養素のはたらきから、トマトジュースに期待される効能をまとめてみました。
- 血圧を下げる:
カリウムや水溶性食物繊維が余分なナトリウムを排出する - 動脈硬化を予防する:
ビタミンEや水溶性食物繊維がコレステロールをおさえて、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ - 心疾患や貧血を予防する:
心臓や筋肉の動きを正常にする> - 疲労を回復する:
ビタミンB群が食べ物をエネルギーに変え、ビタミンCやリコピンが疲労のもととなる活性酸素を除去する - 風邪などの感染症を予防する:
ビタミンCが免疫力を高め、ビタミンB6が粘膜を保護してウイルスから守る - 美肌・美白:
肌荒れやシミを防いで美しく白い肌をつくる - 月経前の体の悩みや妊娠中のつわりをやわらげる
生活習慣病や感染症から守り、ストレスからも守り、疲労を回復して、肌を美しくする。これがトマトジュースに期待できる効果効能ですね。
トマトジュースに多い栄養素:まとめ
トマトジュースに多い栄養素についてお伝えしました。
トマトジュースでふだんの不足を補える栄養素:1日の目標量に対して多い順番に、カリウム、ビタミンE、ビタミンB6、ビタミンC、水溶性食物繊維
トマトジュースの効能:血圧を下げる、動脈硬化を予防する、心疾患や貧血を予防する、疲労回復、風邪などの感染症を予防する、美肌、月経前の体の悩みや妊娠中のつわりをやわらげる
完熟してから収穫して作られるトマトジュースは生食用のトマトよりもいろんな栄養素が豊富です。
ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。