寝る前の牛乳は寝つきや眠りに効果なし!正しいタイミングは?

ホットミルク

寝つきを良くしようと、寝る前に牛乳やホットミルクを飲んでいませんか?

寝つきを良くなったりぐっすり眠れる効果があるということで、寝る前に牛乳を飲む人も多いかもしれませんが……

寝る前の牛乳は寝つきや眠りへの効果はありません。

確かに牛乳や豆乳には眠りに関係の深い「トリプトファン」という成分が豊富。でも牛乳を飲むタイミングを間違えると、寝つきや眠りへの効果はほとんどありません。

では、牛乳は寝る前ではなくどのタイミングで飲むのが効果的なのか、そもそも牛乳にはどんな効果があるのか、などについてわかりやすくお伝えします。

【関連記事】寝つきが悪い2つの原因と寝つきを良くする7つの方法とは?

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この記事は栄養補助食品の販売をはじめ健康業界に20年以上携わる健康通販(株)ナチュラルハーモニー代表の斉藤豊が執筆しました。

寝る前の牛乳は寝つきや眠りに効果的?

テーブルの上のホットミルク
  • 日中の仕事や家事育児などで忙しい毎日を送っている人
  • ストレスの多い毎日を過ごしている人
  • 今は違うけど、少し前まではストレスの多い毎日を過ごしていた人

このような人は、寝つきがよくなかったり、眠りが浅いと感じる傾向があります。

日中の活動モードのまま夜を迎えてしまい、ぐっすり眠るための「休息モード」になかなか切り替わらないのでしょう。

「疲れているのに頭ではいろんなことを考えてしまって……」と頭の中がフル活動モードであっては、ぐっすり眠れないのは当然のこと。

そこで「寝つきがよくなり、眠りも深くなる飲み物」として知られているのが『牛乳-ホットミルク』。寝る前に牛乳やホットミルクを飲んでいる方も多いかもしれません。

でも、寝る前のホットミルク、本当に気持ちよく眠らせてくれる効果があるのでしょうか?

寝る前のホットミルクは、直接的な効果はない!?

牛乳には「トリプトファン」が豊富に含まれていて、それが眠りのホルモン「メラトニン」をたくさん作るので、寝る前のホットミルクは寝つきを良くするのに効果的!と考える方も多いかもしれません。

でも、寝る前のホットミルクではトリプトファンによる寝る眠りの効果は十分に得られません。なぜなら……

牛乳のトリプトファンが眠りのホルモンであるメラトニンを作るまでには、15時間ほどかかるから。

牛乳を飲んでもすぐに「メラトニン」ができるわけではありません。寝る前に牛乳を飲んだからといって、寝つきがよくなるとか、ぐっすり眠れる、というわけではないのです。

では、いつ牛乳を飲むのがいいのかというと……

眠りのために牛乳を飲むなら朝

牛乳に含まれるトリプトファンからメラトニンができるまで、15時間以上かかります。

23時に気持ちよく寝るためには、朝8時までに牛乳を飲む、ということ。15時間は目安なので、要は「寝る前ではなく朝が効果的」ということですね。

しかし「ただ朝牛乳を飲むだけではメラトニンは作られない」のです。もう1つ、とても簡単なポイントがあります。

「じゃあ、朝牛乳を飲むことともう1つ何をしたらいいの?」については【牛乳の効果(2)眠りのホルモンをつくる】でわかりやすくお伝えしていますので、そちらをご覧ください。

では、眠りも含めて牛乳が持つ4つの健康効果についてお伝えします。

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牛乳の効果(1)精神安定、心が落ち着く

テーブルの上の牛乳

牛乳には「トリプトファン」という成分が含まれています。そのトリプトファンが「セロトニン」という精神安定ホルモンを作ってくれます。

「幸せホルモン」とも呼ばれているセロトニン。不安、悲しみ、落ち込み、恐怖、怒り、といった感情が暴走しないようにブレーキをかけるはたらきがあります。

仕事がうまくいかなかったり、上司に責められた時などは、落ち込んだり、私ってダメだなぁとふがいない気分になったり、不安な気持ちになりますよね?

その時に十分な量のセロトニンがあれば、落ち込みすぎたり、不安感が強くなりすぎることがありません。でもセロトニンが不足していると、どんどん落ち込んでしまったり、ストレスが強くなったりするのです。

セロトニンは体内で作られますが、セロトニン作りを助けるトリプトファンは体内で作ることができないので、食べ物や飲み物から摂るしか方法がありません。

牛乳などトリプトファンを含む飲み物や食べ物を摂ることで、セロトニンが作られて心が落ち着いた状態でいられるのですね。

セロトニンについてまとめた記事もありますので、あわせてご参考に。

牛乳の効果(2)眠りのホルモンをつくる

眠る女性

牛乳に含まれる「トリプトファン」という成分が幸せホルモンとも呼ばれる「セロトニン」をつくる、とお伝えしました。

このセロトニン、昼間は心をおだやかに落ち着かせてくれたりやる気や集中力を高めてくれて、夜になると「メラトニン」に変化して心地よい眠りをサポートしてくれるのです。

メラトニンがしっかりと作られている状態にしたいところですが、ここで大事なポイントが2つ!それは……

朝、牛乳を飲むこと

朝の目覚めに牛乳を飲む女性

1つめのポイントは、寝る前ではなく朝に牛乳を飲むこと。

牛乳などに含まれるトリプトファンがセロトニンを作り、そのセロトニンが眠りのホルモンである「メラトニン」に変わります。

でも、ここでひとつ問題が!その問題とは……

眠りのホルモン 「メラトニン」 に変わるまでには、15時間、16時間と、とても時間がかかるんです!

30分やそこらではメラトニンに変わりません。だから「寝る前のホットミルクは直接的には寝つきを良くする効果がない!」ということになるのです。

「じゃあ、いつ牛乳を飲んだらいいの?」

寝る15時間以上前に牛乳を飲むのがおすすめです。

23時に寝るのなら朝8時までには、22時に寝るのなら朝7時までには、牛乳を飲むのが効果的です。

とはいえ、15時間はあくまでも目安なので……

気持ちよく眠るためには、寝る前ではなく、朝、牛乳を飲むのがおすすめ。

ということですね。ただし、朝牛乳を飲むだけで夜寝る前にメラトニンが作られるわけではありません。

そこで2つ目のポイントというのが……

朝、日光を浴びること

日光を浴びる女性

2つ目のポイントは朝起きたら日光を浴びること。

トリプトファンなどの材料を使って、

まずセロトニンが作られて、

その15時間ほど後にメラトニンに変化する。

このように体内で作られたセロトニンがメラトニンに変化するのですが、セロトニンを作り始めるために必要なのが「日光を浴びること」

朝起きて、日光を浴びてはじめてセロトニン作りが始まります。

朝7時に牛乳を飲んでも、日光を浴びるのが朝10時だと、メラトニンに変化するのは25時頃(=夜中の1時頃)に。

朝に牛乳を飲むだけでなく、日光も浴びること。窓越しの日光では効果が半減するので、2分でも3分でも直接日光を浴びましょう。

つまり2つのポイントは、

  1. 朝、目が覚めたら日光を浴びよう!(=体内時計が整う)
  2. 朝、牛乳を飲んでセロトニンを作ろう!(=十分な量のセロトニンが夜にメラトニンに変わる)

この朝の習慣で体内時計が整ってくるにつれ、寝る前にメラトニンが作られて心地よく眠れるようになるでしょう。

牛乳などの乳製品を摂らないようにしている人も多いでしょう。実は筆者もその一人。

ここでは「牛乳がおすすめ!」ということではなく、「眠りのために牛乳を飲むなら朝!」ということをお伝えしています。

牛乳ではなく豆乳にもトリプトファンはたっぷり。牛乳を飲まない人は豆乳もぜひ活用してくださいね。

※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「セロトニン」、「メラトニン

バナナ、ハチミツ、たまごもトリプトファンが豊富

スライスしたバナナ

バナナ、ハチミツ、たまごにもトリプトファンが豊富に含まれています。

バナナと豆乳をミキサーにかけたバナナジュースもいいですし、紅茶にハチミツをたらして飲むのもいいですね。

もちろん、バナナだけでもOK!トーストにハチミツをつけて食べたり、卵料理を食べたり。トリプトファンの多い食べ物を朝ごはんに取り入れるのも、夜の寝つきや眠りを良くする効果的な方法です。

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牛乳の効果(3)カルシウムがストレスを解消

カルシウム不足でイライラ、というのはみなさんご存じでしょう。

カルシウムが足りていれば、ストレスに強くなったり、イライラしにくくなって心が落ち着いていられます。この点でも、カルシウムは心の平安、ひいては安眠にも効果をもたらしてくれるのです。

仕事、育児、人間関係などで昼間にイライラしすぎると、夜に持ち越してしまいます。イライラ・カリカリが残っていてはぐっすり眠ることもできません。

昼間にイライラしすぎないためにも、カルシウムが役に立ちます。牛乳に限らずカルシウムの多い食べ物などで心にゆとりを持ちましょう。

※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カルシウム」、国立健康・栄養研究所「カルシウム解説

牛乳の効果(4)体温の変化で寝つきをよくする

ホットミルク

眠りに入りやすいタイミングとは、体が温かくなって、そこから体温がすこしずつ下がっていくタイミング。

温かい牛乳を飲むと体が温まりますよね。しかし牛乳自体は体を冷やす飲み物。なので、ホットミルクで体がいったん温まったあとで、体温がすこしずつ下がっていきます。この体温の変化が眠気を誘って寝つきやすくしてくれるのです。

夜寝る前のホットミルクが寝つきや眠りに良いのは、成分自体のはたらきよりも体が温まったあとで体温が下がっていく体温の変化。

朝の牛乳はともかく、寝る前は冷たい牛乳でなく温かい牛乳を飲みましょう。

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以上、眠りに対する牛乳の効果やおすすめの飲み方をご紹介してきましたが、

「乳製品は摂りたくない!」

とお考えの方も多いのではないでしょうか?

そこで次は牛乳のかわりにおすすめな飲み物をご紹介します。

豆乳もトリプトファン豊富な飲み物

トリプトファンが豊富な豆乳

豆乳もトリプトファンが豊富な飲み物。

豆乳だけでなく、大豆そのものや大豆で作られた食べ物もトリプトファンが豊富に含まれています。

朝に豆乳を飲んだり大豆や大豆製品を食べることも、夜の寝つきや眠りを良くするために効果的です。

寝る前の白湯もおすすめ

また、寝る前に飲んだり食べたりすると胃腸が活発になるので避けたい、という方もいらっしゃるでしょう。

そんな方には白湯がおすすめ。白湯なら胃腸への負担もありませんし、体が温まる効果も得られます。

夜だけでなく、朝も日中も白湯を飲むのは健康効果の高い方法。冷え解消やデトックスにもうれしいはたらきをしてくれるでしょう。

豆乳や白湯なども活用して、眠りを深くしましょう。

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執筆者プロフィール
株式会社ナチュラルハーモニー代表 斉藤豊

1995年から栄養学を学び栄養補助食品の販売業務に従事。以来、健康食品・健康器具の販売など10年の業務経験とともに整体師から自律神経などを学び、2006年に健康通販(株)ナチュラルハーモニーを設立。
内科医・医学博士の堀田忠弘先生監修「野菜力で輝け」、医学博士の吉村尚子先生開発の和漢の健康茶「浄活茶」、リラックスジェル「プアーナ」など天然由来成分100%の健康商品の販売で18年目を迎える。

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