ゆでたまごは完全栄養食と呼ばれるほど栄養も健康効果もぎっしり。
そんなゆでたまごにはどんな栄養が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- ゆでたまごはどの栄養が多い?
- 1個食べると1日分の栄養の何%が摂れる?
- ゆでたまごはどんな健康効果がある?
- どんな人こそ食べるといい?
についてじっくりお伝えします。ゆでたまごを毎日食べずにはいられなくなりますよ。
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ゆでたまご1個の栄養価
ゆでたまごに多い栄養は、セレン、ビタミンB群(B2、B12、ナイアシン、ビオチン)、ビタミンD、鉄分、リン、ヨウ素、亜鉛など。
なかでも私たちに不足しがちなビタミンA、B2、鉄分などが豊富に含まれています。
ゆでたまごの効果として、疲労回復、免疫力を高める、貧血を防ぐ、ストレスへの抵抗力を高める、丈夫な骨をつくる、生活習慣病を防ぐ、美しい肌をつくる、などが期待できます。
そんなゆでたまご。
どの栄養がどれほど含まれていて、
その栄養にはどんなはたらきがあるのか、
ご存じですか?
ここでは「ゆでたまご100gあたりの栄養価」ではなく、
ゆでたまごを1個食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる?
ゆでたまごに多い栄養は何?
どんな効果が期待できる?
といったかたちで、わかりやすくお伝えします。
Lサイズのたまご:64~70g。
Mサイズのたまご:58~64g。
※殻を含めた重さです
Lサイズのたまごの殻をむくと、
正味の重さは60gほど。
茹でても重さはほぼ同じです。
ゆでたまごに多いビタミン
まずはビタミン。
ゆでたまご1個で女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
ゆでたまごに多く含まれているビタミンは次の5つ。女性の1日に必要な量の何%を摂れるのかというと……
ビオチン | 30% |
ビタミンB12 | 25% |
ビタミンD | 18% |
ナイアシン | 17% |
ビタミンB2 | 16% |
このうちビタミンD以外はすべてビタミンB群。疲労回復や美肌効果の高い栄養ですね。ビタミンAやEも多く含まれています。
次はゆでたまごにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
ゆでたまごに多いミネラル
ゆでたまごLサイズ1個(正味60g)で、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
ゆでたまごに豊富なミネラルは次の5つ。女性の1日分のミネラルの何%を摂れるのかというと……
セレン | 60% |
鉄分 | 14% |
リン | 13% |
ヨウ素 | 9% |
亜鉛 | 8% |
抗酸化作用が非常に高いセレンがたっぷり!免疫力を高める鉄分や亜鉛もしっかり補えます。
ゆでたまごのたんぱく質
たまごにはたんぱく質も豊富。Lサイズ1個(正味60g)あたりに6.7gも含まれています。
アミノ酸スコアが100!
たんぱく質はアミノ酸が結合して作られていて、そのアミノ酸は必須アミノ酸と非必須アミノ酸に区別されています。
必須アミノ酸は9種類。体内では作られないので食べ物から摂る必要があります。さらにどんなバランスで食べ物に含まれているかがとても大切。
そのバランスを点数であらわしたものがアミノ酸スコア。たまごはアミノ酸スコアが100!理想的なバランスです。
ゆでたまごに多い食物繊維
ゆでたまごに食物繊維は……
ゆでたまごには含まれていません。
食物繊維は炭水化物の一部。たまごだけでなく肉や魚のような動物性食品にはほとんど含まれていなくて、野菜や果物や豆類などの植物性食品に多く含まれています。
では、
私たちに不足しがちな栄養のなかで、
ゆでたまごに多い栄養は?
その栄養をどのくらい補える?
どんな健康効果が期待できる?
ゆでたまごで不足分を補える栄養とその効果
ゆでたまごに多い栄養はセレン、ビオチン、ビタミンB2、B12、ナイアシン、ビタミンD、鉄分などですが……
ビタミンB12、ナイアシン:
ふだんから必要な量の2倍以上も摂れています。
セレン、ビオチン:
一般的な食生活ではまず不足しません。
ゆでたまごが体にいいということは「不足している栄養を補えるから」。
そこで、私たちに不足している栄養のなかで、ゆでたまごで補える栄養はこの5つ。
- ビタミンD
- ビタミンB2
- ビタミンA
- パントテン酸
- 鉄分
では、これらの栄養をどのくらい摂れているのか、ゆでたまご1つでどう補えるのか、どんなはたらきがあるのか、お伝えします。
ビタミンD
私たちに不足していて、ゆでたまごに豊富に含まれる栄養。1つめはビタミンD。ウイルスへの抵抗力を高めたり、強い骨をつくるはたらきがあります。
ゆでたまごのビタミンDの量は?
1日に必要なビタミンDは
女性も男性も8.5μg。
ゆでたまご1個には1.5μg。
1日の必要量の18%です。
さて私たちは、普段からビタミンDをどのくらい摂れていて、ゆでたまごを1つ食べるとどう増えるのでしょうか?
女性が摂れている量は、75%
ゆでたまごには、18%
合計で、93%
男性が摂れている量は、87%
ゆでたまごには、18%
合計で、105%
ビタミンDの効果は?
ビタミンDにはおもに次のようなはたらきがあります。
- 強い骨をつくる(カルシウムの吸収を促進)
- 筋肉をスムーズに動かす
- 免疫を高めて風邪やインフルエンザから守る
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「栄養等摂取量」、「ビタミンD解説」、厚生労働省 eJIM「ビタミンD」
ビタミンDが足りないと骨や筋肉が弱くなります。とくに閉経後の女性は骨粗しょう症のリスクが高まります。
ゆでたまごにはビタミンDがたっぷり。ほかには、鮭、サバ缶、いわし、アジ、しらすなどの魚にも豊富に含まれています↓
ビタミンB2
ゆでたまごで不足分が補える2つめの栄養はビタミンB2。疲労回復や便秘解消の栄養素です。
ゆでたまごのビタミンB2は?
1日に必要なビタミンB2は、
女性が1.2mg、男性が1.6mg。
ゆでたまご1個には0.2mg。
では、普段からどのくらい摂れていて、ゆでたまごでどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、93%
ゆでたまごには、16%
合計で、109%
男性が摂れている量は、76%
ゆでたまごには、12%
合計で、88%
男性はかなりのビタミンB2不足。たまごのほか、レバー、サバ缶、ぶり、いわし、鮭、豚肉、納豆など、ビタミンB2の多い食べ物を取り入れてみてください。
ビタミンB2の効果は?
- 疲労回復
- 生活習慣病予防
- 便秘解消
- ダイエット
- デトックス
- 子供の発育促進
- 美肌・美髪
糖質、脂質、たんぱく質を分解してエネルギーに変えるはたらきで、疲労回復、ダイエット、生活習慣病の予防に効果を発揮します。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB2解説」
ビタミンA
3つめの栄養はビタミンA。粘膜を整えてウイルスをブロックしたり、抗酸化作用で病気や老化を防ぐはたらきがあります。
ゆでたまごのビタミンAは?
1日に必要なビタミンAは、
女性が700μgRAE、男性が900μgRAE。
ゆでたまごには102μgRAE。
ゆでたまごを食べると……
女性が摂れている量は、74%
ゆでたまごには、15%
合計で、89%
男性が摂れている量は、61%
ゆでたまごには、11%
合計で、72%
私たちにはまったく足りていません。たまご、にんじん、春菊、かぼちゃ、ほうれんそう、サニーレタスなどで意識して補いましょう。
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ビタミンAの効果は?
おもに次の5つのはたらきがあります。
- 風邪などの感染症から守る
- さまざまな病気や老化を防ぐ
- 美肌・美髪
- 夜盲症の予防
- 子供の成長を促進
粘膜を健康的に維持してウイルスをブロックしたり、抗酸化作用でいろんな病気や老化を予防する栄養です。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンA解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「抗酸化ビタミン」
パントテン酸
4つめはパントテン酸。ビタミンB群のひとつで、免疫力を高める、ストレスから守る、疲労回復などのはたらきがあります。
ゆでたまごのパントテン酸は?
1日に必要なパントテン酸は
女性も男性も5.0mg。
ゆでたまごには0.7mg。
ゆでたまごを食べると……
女性が摂れている量は、106%
ゆでたまごには、14%
合計で、120%
男性が摂れている量は、121%
ゆでたまごには、14%
合計で、135%
パントテン酸の効果は?
- エネルギーを作る
- 免疫力を高める
- ストレスへの抵抗力を高める
- 肌や髪を美しく整える
- 生活習慣病の予防
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「パントテン酸解説」
ストレスが多い、コーヒーをよく飲む、お酒をよく飲む、といった人は不足しがち。
納豆、エリンギ、えのきたけ、鮭、ぶり、豚肉、里芋、さつまいもなど パントテン酸の多い食べ物を意識して食べてみてはいかがでしょうか。
鉄分
ゆでたまごで不足分が補える5つめの栄養は鉄分。貧血予防、骨を強くする、感染症から守るなどのはたらきがあります。
ゆでたまごの鉄分は?
1日に必要な鉄分は
女性が6.5mg、男性が7.5mg。
ゆでたまごには0.9mg。
ゆでたまごを食べると……
女性が摂れている鉄分は、112%
ゆでたまごには、14%
合計で、126%
男性が摂れている鉄分は、107%
ゆでたまごには、12%
合計で、119%
鉄分の効果は?
- 貧血の予防・改善
- 強い骨をつくる
- ウイルスや細菌から守る
- しなやかで動きやすい体に
- 美しい肌をつくる
※参考サイト:NHK健康チャンネル「鉄分不足による症状「鉄欠乏性貧血」とは?」、厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」、国立健康・栄養研究所「鉄解説」
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ゆでたまごで不足分を補える栄養とそのはたらきをお伝えしました。最後にこれらをまとめて、
ゆでたまごを食べると
どんな効果効能が得られる?
どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
ゆでたまごの7つの効果効能
ゆでたまごは、良質のたんぱく質、ビタミン、ミネラル、レシチンなどいろんな栄養が豊富。
これらの栄養のはたらきから、ゆでたまごに期待される効能は……
- 疲労回復
糖質・脂質・たんぱく質をエネルギーに変える - 免疫力を高める
粘膜を維持し、白血球のはたらきを助けて感染症を予防する - 貧血予防
血液(赤血球やヘモグロビン)を作る - ストレスへの抵抗力を高める
ストレスに対抗する「副腎皮質ホルモン」の分泌を促進する - 骨を丈夫にする
主成分であるコラーゲンとカルシウムの吸収を助ける - 生活習慣病の予防
善玉コレステロールを増やしてサラサラ効果 - 肌や髪を美しくする
新陳代謝を促進して傷んだ髪や肌荒れを改善する
40歳を超えて忙しくがんばる方にこそぜひ食べてもらいたいのがゆでたまごなのです。
ゆでたまごの栄養と効果:まとめ
ゆでたまごに多い栄養や健康効果についてお伝えしました。
ゆでたまごで不足を補える栄養:ビタミンA、B2、D、パントテン酸、鉄分
ゆでたまごの効果:疲労回復、免疫力アップ、貧血予防、ストレスに負けない、骨を丈夫に、生活習慣病の予防、肌や髪を美しく
お値段も手頃で手軽に食べることのできるゆでたまご。毎日の食生活に取り入れてみてください。