卵はいろんな食べ物と合わせやすくあらゆる調理法で活躍する健康食材。
そんな生卵にはどんな栄養が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- 生卵にはどの栄養が多い?
- 1個食べると1日分の栄養の何%が摂れる?
- 生卵の健康効果は?
- どんな人こそ食べるといい?
といったことが手に取るようにわかります。その高い健康効果から毎日たまごを食べずにはいられなくなりますよ。
【関連記事】ゆでたまごの栄養がすごい!1個あたりの栄養価と7つの効果とは?
生卵1個の栄養価
生卵に多い栄養は、ビタミンA、ビタミンB群(B2、B12、ナイアシン、ビオチン)、ビタミンD、セレン、ヨウ素など。
さらに必須アミノ酸がバランスよく含まれていて、プロテインスコアも100。良質なたんぱく源でもありますね。
生卵のはたらきとして、疲労回復、感染症から守る、心筋梗塞や動脈硬化の予防、アンチエイジング、貧血予防、美しい肌や髪や爪をつくる、などが期待できます。
そんな生卵。
どの栄養がどれほど含まれていて、
その栄養にはどんなはたらきがあるのか、
ご存じですか?
ここでは、
- 生卵を1個食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - 生卵に多い栄養は何?
- どんな効果が期待できる?
についてくわしくお伝えします。
Lサイズの卵は64~70g。
Mサイズの卵は58~64g。
※殻を含めた重さです
Lサイズの卵の殻を除くと、
正味の重さは60gほどです。
生卵に多いビタミン
まずはビタミン。
生卵を1個食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
生卵に多く含まれているビタミンは次の5つ。女性の1日に必要な量の何%を摂れるのかというと……
ビオチン | 29% |
ビタミンB12 | 28% |
ビタミンD | 27% |
ビタミンB2 | 19% |
ビタミンA | 18% |
ビタミンA、B群、D、Eが豊富に含まれています。
ではミネラルはどうなのでしょうか?
生卵に多いミネラル
生卵Lサイズ1個(60g)で女性の1日分のミネラルの何%が摂れるのか、のグラフがこちら。
生卵に豊富なミネラルは次の5つ。女性の1日分のミネラルの何%を摂れるのかというと……
セレン | 58% |
ヨウ素 | 15% |
鉄分 | 14% |
リン | 13% |
モリブデン | 12% |
セレンの抗酸化作用はビタミンEの60倍ともいわれるほどの高さ。鉄分やモリブデンは血液を作るミネラルです。
生卵のたんぱく質
生卵には良質のたんぱく質がたっぷり!Lサイズ1個(正味60g)にたんぱく質は6.8gも含まれています。
アミノ酸スコアが100!
たんぱく質はアミノ酸が結合して作られています。そのアミノ酸は必須アミノ酸と非必須アミノ酸に別れています。
必須アミノ酸は「体の中で作れないから食べ物から摂ってね!」というもので9種類あります。そして、食べ物にどんなバランスで含まれているかがとても大切。
そのバランスを点数であらわしたものがアミノ酸スコア。生卵はアミノ酸スコアが100!理想的なバランスで含まれているのです。
生卵に多い食物繊維
さて、生卵の食物繊維はというと……
生卵には含まれていません。
食物繊維は炭水化物の一部。たまごだけでなく肉や魚のような動物性食品にはほとんど含まれず、野菜や穀物や豆類などの植物性食品に多く含まれています。
では、生卵に多い栄養には
どんなはたらきがあるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
生卵に多い栄養とその効果
生卵Lサイズ1個(60g)に含まれている栄養の中で、女性が1日に必要な栄養に対して多いものはこちら。
セレン | 58% |
ビオチン | 29% |
ビタミンB12 | 28% |
ビタミンD | 27% |
ビタミンB2 | 19% |
ビタミンA | 18% |
ではこの6つの栄養は……
- 私たちはどのくらい摂れている?
- 生卵1個でどう補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
セレン
生卵にもっとも多い栄養はセレン。抗酸化作用がバツグンに高く、心筋梗塞や動脈硬化を防ぐはたらきが期待できます。
生卵のセレンの量は?
1日に必要なセレンは
女性が25μg、男性が30μg。
生卵1個には14.4μg。
女性:1日に必要な量の58%
男性:1日に必要な量の48%
セレンはいろいろな食べ物に含まれているので不足することはまずありません。
セレンの摂りすぎに注意
セレンは不足することよりも摂りすぎに注意が必要な栄養。脱毛、下痢、嘔吐、頭痛、しびれ、疲労感などの不調があらわれることがあります。
女性の1日の上限は350μg。生卵1個には14μgほど。ふだんの食生活では心配ないですが、サプリメントで摂る場合は十分に注意しましょう。
セレンの効果は?
抗酸化作用がビタミンEの60倍ともいわれるセレン。おもに次の5つのはたらきがあります。
- 抗酸化作用で若々しさと元気をたもつ
- 過酸化脂質を防いで動脈硬化を防ぐ
- 有害ミネラルから守る
- 血栓を作りにくくして脳血栓や心筋梗塞の予防
- 精子の量やはたらきを高めて男性不妊の改善への期待
生活習慣病の予防や男性不妊の改善が期待できるミネラルです。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「セレン解説」、厚生労働省 eJIM「セレニウム」
ビオチン
2番目に多い栄養はビオチン。ビタミンB群のひとつで疲労回復や美肌などのはたらきがあります。
生卵のビオチンは?
1日に必要なビオチンは
女性も男性も50μg。
生卵1個には14.4μg。
1日の必要量の29%です。
ビオチンも摂取量の調査はありませんが、いろんな食べ物に含まれていて体内でも作ることができるので、不足することはまずないでしょう。
ビオチンの効果は?
- 皮膚、爪、粘膜、髪を健康にする
- エネルギーを作る
- アトピー性皮膚炎の症状をやわらげる効果への期待
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビオチン解説」
ビタミンB12
生卵に3番目に多い栄養はビタミンB12。貧血を防いだり寝つきをよくする栄養素です。
生卵のビタミンB12は?
1日に必要なビタミンB12は
女性も男性も2.4μg。
生卵1個には0.7μg。
では、普段からどのくらい摂れていて、生卵でどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、238%
生卵には、28%
合計で、266%
男性が摂れている量は、288%
生卵には、28%
合計で、316%
ビタミンB12は動物性食品に豊富。肉や魚をあまり食べない人は不足しないよう気をつけましょう。
【関連記事】ビタミンB12の多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
ビタミンB12の効果は?
おもなはたらきはこちらの5つ。
- 葉酸と一緒に血液を作って貧血を予防する
- 神経の伝達をスムーズにする
- 脂肪を燃焼してエネルギーに変えて疲労を回復する
- タンパク質やDNAと合成して健康な細胞をつくる
- 寝つきや眠りを良くする
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB12解説」
ビタミンD
4番目はビタミンD。体内でも作られる栄養で、感染症から守るはたらきがあります。
生卵のビタミンDは?
1日に必要なビタミンDは
女性も男性も8.5μg。
生卵には2.3μg。
生卵を食べると……
女性が摂れている量は、75%
生卵には、27%
合計で、102%
男性が摂れている量は、87%
生卵には、27%
合計で、114%
不足しがちなビタミンDですが、生卵なら不足分をまるまる補うことができます。
ビタミンDの効果は?
- カルシウムの吸収を高めて強い骨をつくる
- 筋肉をしなやかに動かす
- 免疫を高めて風邪やインフルエンザから守る
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンD解説」、厚生労働省 eJIM「ビタミンD」
ビタミンDが不足すると骨や筋肉が弱くなります。
太陽の光を浴びれば体内で作ることもできます。また卵をはじめ、サバ缶、いわし、アジ、ぶり、しらすなどビタミンDの多い食べ物を食べるようにしましょう。
ビタミンB2
生卵に5番目に多い栄養はビタミンB2。疲労を回復したり便秘を解消する栄養素です。
生卵のビタミンB2は?
1日に必要なビタミンB2は、
女性が1.2mg、男性が1.6mg。
生卵には0.2mg。
女性が摂れている量は、93%
生卵には、19%
合計で、112%
男性が摂れている量は、76%
生卵には、14%
合計で、90%
男性はかなりの不足。ビタミンB2は生卵のほか、レバー、さば缶、ぶり、いわし、鮭、豚肉、納豆などに多く含まれます。
ビタミンB2の効果は?
おもなはたらきは次の7つ。
- 疲労回復
- 生活習慣病の予防
- 便秘予防
- ダイエット
- デトックス
- 子供の発育促進
- 美肌・美髪
糖質・脂質・タンパク質を代謝してエネルギーに変えるビタミンB2。白米・パン・麺類などをよく食べる人は生活習慣病の予防のためにも意識して摂ることが大切です。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB2解説」
ビタミンA
6番目の栄養はビタミンA。粘膜を整えてウイルスをブロックしたり、目の健康を守る栄養素です。
生卵のビタミンAの量は?
1日に必要なビタミンAは、
女性が700μgRAE、男性が900μgRAE。
生卵には126μgRAE。
女性が摂れている量は、74%
生卵には、18%
合計で、92%
男性が摂れている量は、61%
生卵には、14%
合計で、75%
生卵でもしっかり補えるものの男女ともにまだまだ不足。にんじん、春菊、かぼちゃ、ほうれんそう、サニーレタスなども毎日の食生活に取り入れましょう。
ビタミンAの効果は?
免疫アップと抗酸化のビタミンA。おもに次の5つのはたらきがあります。
- 風邪などの感染症から守る
- さまざまな病気や老化を防ぐ
- 美肌・美髪
- 夜盲症の予防
- 子供の成長を促進
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンA解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「抗酸化ビタミン」
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生卵に多く含まれる栄養とそのはたらきをお伝えしました。最後にこれらをまとめて、
生卵を食べると
どんな効果効能が得られる?
どんな人こそ食べるといい?
についてお伝えします。
生卵の6つの効果効能
生卵には良質のたんぱく質をはじめビタミンもミネラルも豊富。
これらの栄養のはたらきから、生卵に期待される効果をまとめてみました。
- 疲労回復
糖質・脂質・たんぱく質をエネルギーに変える - 免疫力を高める
粘膜を正常に維持してウイルスから守って感染症を予防する - 心筋梗塞・脳梗塞・動脈硬化の予防
悪玉コレステロールをおさえて、血液の流れを良くする - アンチエイジング
高い抗酸化作用で老化や病気のもととなる活性酸素を除去する - 貧血予防
血液(赤血球やヘモグロビン)を作って全身に酸素を届ける - 美しい肌や髪をつくる
新陳代謝を促進して肌・髪・爪・粘膜を健康にする
以前は卵のコレステロールを気にして「1日1個まで」と考える方も多かったでしょう。
今ではその考え方はなくなっただけでなく、むしろ卵に含まれるレシチンが悪玉コレステロールを減らすメリットも。
健康な方にとってはぜひ食べたい栄養食品と言えそうですね。
そこで、生卵をぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそ生卵を食べて!
生卵をぜひ食べてほしい人はこちら。
- 毎日忙しい、疲れやすい
- 白米・パン・麺類が好き
- 味の濃い食べ物が好き
- しょうゆや塩をなんにでもかけてしまう
- 風邪をひきやすい
- 立ちくらみや頭痛が多い
- 若々しく元気でいたい
生卵の栄養と効果:まとめ
生卵に多い栄養や期待される健康効果についてお伝えしました。
生卵に多い栄養:1日に必要な量に対して多いものは、ビタミンA、B2、B12、ナイアシン、ビオチン、ビタミンD、セレン、ヨウ素など
生卵の効果:疲労回復、免疫力アップ、生活習慣病の予防、アンチエイジング、貧血予防、美肌・美髪
こんな人に食べてほしい:毎日忙しい、炭水化物が好き、味の濃い食べ物が好き、すぐに調味料をかける、風邪をひきやすい、立ちくらみや頭痛が多い、若々しく元気でいたい
さまざまな栄養がぎっしり詰まった健康食材たまご。毎日の食生活にぜひ取り入れてみてください。