ビタミンB1の多いナッツにはどんなものがあるか、ご存じですか?
ビタミンB1は豚肉、レバー、玄米、全粒粉のパンに多く含まれる栄養素。疲労回復や集中力を高めるといった効果を発揮します。
私たちに不足しがちなビタミンB1。ナッツで摂ることができれば手軽ですよね?
そこで、身近なナッツの中から100gあたりではなく「1日分あたり(1日に食べる適量)」でビタミンB1の多いナッツを7位までランキングしました。
どのナッツをどのくらい食べると1日に必要なビタミンB1の何%を摂れるのか、手に取るようにわかりますよ!
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ビタミンB1の効果
ビタミンB1の多いナッツを紹介する前に……
ビタミンB1の効果は?
不足したらどうなる?
摂りすぎたらどうなる?
についてお伝えします。
ビタミンB1の7つの効果とは?
ビタミンB1の効果は疲労回復といった健康面だけでなく、集中力を高めたり気持ちを穏やかにするなど。脳や心にも大切なビタミンB1のおもなはたらきはこちらの7つです。
- 糖質をエネルギーに変えて疲労を回復する
- いつも元気で疲れにくい体をつくる
- 脳神経や手足の末梢神経のはたらきを守る
- 集中力を維持して仕事や勉強の能率を高める
- 筋肉や頭脳の持久力を高める
- 感情の起伏を穏やかにして気持ちを整える
- ダイエットをサポートする
忙しい人や疲れがなかなか取れない人はもちろんのこと、仕事の能率を高めたい人、受験生には意識して摂りたい栄養ですね。
※参考サイト:
国立健康・栄養研究所「ビタミンB1解説」
ビタミンB1が足りないとどうなる?
ビタミンB1が足りないと、体や心や脳に対して次のような影響があらわれます。
- 疲労感、倦怠感、だるい、体が重たい
- 腰痛、肩こり、目の疲れ、眠気、手足の感覚の麻痺
- 食欲がなくなる
- 筋肉痛や神経痛になりやすい
- イライラしたり感情がころころ変わる
- やる気がなくなる、集中力が続かない
- 太りやすくなる
反対に摂りすぎてしまうとどんな影響があるのでしょうか?
ビタミンB1を摂りすぎるとどうなる?
ビタミンB1は摂りすぎても尿と一緒に排出されます。一般的な食生活であれば悪影響が出るほど摂りすぎることはまずありません。
いつも元気でいるためにはしっかり摂りたいビタミンB1。どのくらい摂るのがよいのでしょうか?
ビタミンB1の必要量と摂取量
1日に必要なビタミンB1はどのくらいでしょうか?
実際の摂取量(摂れている量)はどうなのでしょうか?
1日に必要なビタミンB1は?
私たちに必要なビタミンB1は次のように定められています。
1日に必要なビタミンB1
18~49歳なら、
女性:1.1mg
男性:1.4mg
※参考サイト:厚生労働省
「日本人の食事摂取基準-2020年版」
私たちが摂れているビタミンB1はというと……
私たちの平均摂取量は?
私たちのビタミンB1の平均摂取量はこちら。
必要量と平均摂取量
18~49歳では……
女性の必要量:1.1mg
摂取量の平均:0.86mg
0.24mg(22%)不足
男性の必要量:1.4mg
摂取量の平均:1.08mg
0.32mg(23%)不足
※参考サイト:国立健康・栄養研究所
「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
私たちにかなり足りないビタミンB1。20%以上も足りていません。
普段から玄米を食べている人は大丈夫でしょうが、白いごはんを食べている人はビタミンB1が足りていないのかもしれません。
そのなかでも特に不足しやすい人は……
ビタミンB1が不足しやすい人は?
ビタミンB1の摂取量が足りていない人はこちら。
- お菓子や甘いものが好き
- お酒が好き
- よく運動をしている
- 白米や白いパンを食べている(玄米や全粒粉パンを食べていない)
お菓子やインスタント食品をよく食べる、お酒をよく飲む、といった人は、糖質を分解するためにビタミンB1が大量に使われるので足りなくなってしまうのです。
あてはまるようでしたら、ビタミンB1の多い食べ物を積極的に食べるようにしましょう。
では身近なナッツの中から、100gあたりではなく「1日に食べる適量」でビタミンB1の多いナッツをランキングで7位まで紹介します。
ビタミンB1の多いナッツランキング
ビタミンB1の多いナッツにはどんなものがあるのでしょうか?
まずは、ビタミンB1の含有量の順に7位までまとめたグラフがこちらです。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
それぞれのナッツの1日分(1日に食べる適切な量)ではビタミンB1の不足分をまるまる補うことはできません。
とはいえナッツにはマグネシウムなどのミネラルや食物繊維が豊富。おやつ代わりにナッツを食べたりと、ちょっとした工夫でいろんな栄養をしっかり補うことができます。
では7位までのナッツそれぞれの「1食分に含まれるビタミンB1」を紹介します。
1~3位のナッツ
まずは1~3位のナッツです。
18~49歳で見ると……
女性の必要量:1.1mg
摂取量の平均:0.86mg
男性の必要量:1.4mg
摂取量の平均:1.08mg
女性は0.24mg不足、男性は0.32mg不足、ということを頭に置きながら読み進めてください。
1位:天津甘栗
天津甘栗14粒(71g)に
0.14mg
天津甘栗の殻をむくと1粒は5.1gほど。間食でのカロリーを150kcal以下におさえたいので1日に食べる目安を14粒としました。
女性にとって1日に必要なビタミンB1の13%。不足分の60%ほどを補うことができます。
甘栗には銅、不溶性食物繊維、カリウム、マグネシウムもたっぷり!便秘解消、デトックス、強い骨をつくる、貧血や高血圧の予防などが期待できます。
甘栗には栄養が凝縮!1日分14粒の栄養価と7つの効果とは?
2位:カシューナッツ
カシューナッツ16粒(24g)に
0.13mg
カシューナッツ1粒は3gほど。150kcal以内におさえるために16粒を目安としました。女性に足りないビタミンB1の半分を補うことができます。
カシューナッツは、銅、モリブデン、セレン、マグネシウム、鉄分などミネラル豊富なナッツ。感染症の予防、貧血・糖尿病・メタボの予防のはたらきがあります。
カシューナッツは栄養が凝縮!1日分15粒の栄養価と6つの効果とは
3位:ピスタチオ
ピスタチオ30粒(24g)に
0.10mg
女性の1日分のビタミンB1の9%。不足分の43%を補うことができます。
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ビタミンB1の多いナッツを1~3位まで紹介しました。次は4~7位のナッツです。
4~7位のナッツ
ビタミンB1の多いナッツ。4~7位です。
4~7位のナッツに含まれているのは、女性の1日分のビタミンB1の1~7%です。
ビタミンB1の必要量
18~49歳なら、
女性:1.1mg
男性:1.4mg
女性は0.24mg不足、男性は0.32mg不足です。
4位:落花生
落花生30粒(30g)に
0.07mg
落花生にはモリブデン、銅、マグネシウム、ビタミンE、食物繊維が豊富。貧血予防、疲労回復、動脈硬化・骨粗鬆症・生活習慣病の予防が期待できます。
落花生には栄養が凝縮!1日分30粒の栄養価と7つの効果とは?
※落花生は分類上ナッツではなく「豆」。ただナッツの感覚で食べているので、わかりやすさを重視してこちらのランキングに入れました
5位:くるみ
くるみ7粒(21g)に
0.05mg
くるみの殻をむくと1粒は3gほど。150kcal以内におさえるためには7粒が目安です。
6位:マカダミアナッツ
マカダミアナッツ10粒(20g)に
0.04mg
女性に足りないビタミンB1が0.24mgに対して、マカダミアナッツ10粒には0.04mg。十分に補えるほどは含まれていません。
脂質の多いマカダミアナッツですが、そのほとんどは健康効果の高いオレイン酸やパルミトレイン酸。さらにマグネシウムや食物繊維も豊富で、アンチエイジング、骨を強くする、流れをサラサラにするといった効果があります。
マカダミアナッツの栄養がすごい!10粒の栄養価と7つの効果とは?
7位:アーモンド
アーモンド25粒(25g)に
0.01mg
ビタミンB1はわずかしか含まれていないアーモンド。ただ、ビタミンEやマグネシウムの含有量は食べ物全体で見てもトップランク!血液サラサラ、骨を強くする、アンチエイジングに効果を発揮します。
アーモンドは栄養の宝庫!1日分25粒の栄養価と6つの効果とは?
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ビタミンB1の豊富なナッツを7位までランキングで紹介しました。もう一度グラフを見てみましょう。
ビタミンB1だけでなく、ミネラルや不溶性食物繊維も豊富なナッツ。手軽に食べられて栄養補給もできる健康食材ですね。
ビタミンB1の多いナッツ:まとめ
ビタミンB1の効果、1日の必要量と私たちの摂取量、ナッツに含まれる量をお伝えしました。
ビタミンB1の多いナッツ:甘栗、カシューナッツ、ピスタチオ、落花生
ビタミンB1の効果:疲労回復、疲れにくい体をつくる、神経のはたらきを守る、集中力を維持する、筋肉や脳の持久力を高める、気持ちを穏やかにする、ダイエット
不足すると?:疲労感、倦怠感、腰痛、肩こり、眠気、食欲不振、イライラ、感情の起伏が激しい、やる気や集中力が続かない、太りやすくなる
摂りすぎると?:特に悪影響はありません(摂りすぎても尿として排出されます)
1日の必要量:18~49歳の場合、女性は1.1mg(摂取量は0.86mg)、男性は1.4mg(摂取量は1.08mg)
不足しやすい人は?:お菓子や甘い物が好きな人、お酒が好きな人、よく運動する人、玄米や全粒粉ではなく白米や白いパンを食べている人
ビタミンB1が足りていないと、疲れがたまるだけでなく仕事も勉強もはかどりません。
1食分でビタミンB1不足をまるまる補える食べ物は、豚肉とうなぎとレバーだけ。ナッツをおやつにする、白米を玄米に変える、全粒粉やライ麦のパンを食べる、といった工夫でビタミンB1を意識して摂ることが大切ですね。