ビタミンB1は白米や白いパンのような精製された穀物を食べる人には不足がちな栄養。
豚肉、レバー、玄米、全粒粉パンやライ麦パンに豊富なビタミンB1ですが、豆や大豆加工品ならどんなものに多く含まれているでしょうか?
この記事では、身近な豆の中から100gあたりではなく「1食分あたり」でビタミンB1の多い豆をランキングで13位までお伝えします。
どの豆や大豆加工品をどのくらい食べると、1日に必要なビタミンB1の何%を摂ることができるのか、手に取るようにわかります。
ビタミンB1をしっかり摂って元気な毎日を過ごしましょう!
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ビタミンB1の効果
ビタミンB1の多い豆や大豆加工品を紹介する前に……
ビタミンB1にはどんな効果がある?
足りなくなるとどうなる?
摂りすぎるとどうなる?
についてお伝えします。
ビタミンB1の7つの効果とは?
ビタミンB1の効果は、疲れにくい体を作る、神経の情報伝達を守る、感情の安定、集中力アップなど。具体的にはこちらの7つです。
- 疲労を回復する
- いつも元気な体をつくる
- 神経のはたらきを守って肩こり・腰痛・神経痛を予防・改善する
- イライラをおさえて気持ちを穏やかに整える
- やる気や集中力を高める
- 筋肉や頭脳の持久力を高める
- 肥満予防、ダイエットのサポート
食べ物に含まれる糖質をエネルギーに変えるビタミンB1。疲労回復だけでなく集中力や脳の持久力も高めてくれるので、受験生の方にも欠かせない重要な栄養です。
※参考サイト:
国立健康・栄養研究所「ビタミンB1解説」
ビタミンB1が足りなくなると?
ビタミンB1が足りなくなると、疲れがとれない、集中力が続かないなど、次のような不調をきたすことがあります。
- 疲れやすい、疲れがとれない
- 腰痛、肩こり、目の疲れ、手足のしびれ
- 食欲がなくなる
- 筋肉痛や神経痛を起こしやすい
- イライラしやすい
- やる気・集中力・記憶力が低下する
- むくみ、太りやすい
逆に摂りすぎてしまうとどうなるのでしょうか?
ビタミンB1を摂りすぎると?
ビタミンB1は、一般的な食生活であれば摂りすぎによる悪影響はまずありません。摂りすぎた分は尿と一緒に排出されます。
しっかりと摂りたいビタミンB1ですが、私たちは十分に摂れているのでしょうか?
そこで、どんな豆や大豆加工品に多く含まれているかをお伝えする前に……
- 1日に必要なビタミンB1は?
- 私たちは普段どのくらい摂れている?
- 不足しやすいのはどんな人?
についてお伝えします。
ビタミンB1の必要量と摂取量
1日に必要なビタミンB1はどのくらいなのか、ご存じですか?
そして私たちの普段の摂取量は十分なのでしょうか?足りていないのでしょうか?
1日に必要なビタミンB1
ビタミンB1の1日に必要な量は厚生労働省の「日本人の食事摂取基準-2020年版」で次のように定められています。
1日に必要なビタミンB1
18~49歳なら、
女性:1.1mg
男性:1.4mg
※参考サイト:厚生労働省
「日本人の食事摂取基準-2020年版」
では私たちは普段ビタミンB1をどのくらい摂れているのかというと……
私たちの実際の摂取量
私たちの実際の摂取量はこちら。
18~49歳で見ると……
女性の必要量:1.1mg
摂取量の平均:0.86mg
0.24mg(22%)不足
男性の必要量:1.4mg
摂取量の平均:1.08mg
0.32mg(23%)不足
※参考サイト:国立健康・栄養研究所
「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
玄米や全粒粉をあまり食べなくなった現代人。ビタミンB1は体に吸収されにくい栄養素でもあるので、かなり不足しています。
なかでも足りていない人は……
ビタミンB1が足りない人
次のような方は摂取量が足りていない傾向があります。ビタミンB1が多く含まれる食べ物を意識して食べましょう。
- スイーツやお菓子をよく食べる
- お酒をよく飲む
- よく運動をする
- 玄米ではなく白いごはんを、全粒粉ではなく白いパンを食べる
- 炭水化物が好き
実際に、疲れやすい、疲れがとれない、集中力が続かない、すぐにイライラする、といった人はビタミンB1が足りていないのかもしれません。
では身近な豆や大豆加工品の中から、100gあたりではなく「1食分あたり」でビタミンB1の多い豆をランキングで13位まで紹介します。
ビタミンB1の多い豆ランキング
ビタミンB1の多い豆や大豆加工品には何があるのか、まずは13位までグラフにまとめてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
身近な豆や大豆加工品でビタミンB1が含まれているのはおもにこの13種類。枝豆や豆腐にたっぷり含まれていますね。
ではこれらの豆それぞれの「1食分に含まれるビタミンB1」をお伝えします。
1~5位の豆・大豆加工品
まずは1~5位まで。
ビタミンB1の必要量と摂取量
18~49歳なら……
女性の必要量:1.1mg
摂取量の平均:0.86mg
男性の必要量:1.4mg
摂取量の平均:1.08mg
女性は0.24mg足りない、男性は0.32mg足りない、ということを頭におきながら、それぞれの食べ物のビタミンB1の量をチェックしてみてください。
1位:枝豆:冷凍解凍
小皿に一盛り(65g)の枝豆に
0.18mg
冷凍枝豆の1/3袋分(130g)の栄養価です。さやを除いた可食部(豆の部分)は65gほどです。
枝豆に含まれているのは女性にとって1日に必要なビタミンB1の17%。不足分の3/4を補うことができます。
自然解凍するだけの冷凍枝豆にはビタミンB群、C、鉄分、カリウム、食物繊維が凝縮。貧血予防、疲労回復、便秘を解消する効果が期待できます。
枝豆の栄養がすごい!小皿1皿分の栄養と7つの効果とは?
※枝豆は分類上「野菜」ですが、豆のような感覚で食べているので豆のランキングに入れました
2位:絹ごし豆腐
絹ごし豆腐の半丁(150g)に
0.17mg
女性の不足分(0.24mg)の70%ほどを補うことができます。
3位:調整豆乳
調整豆乳200mlに
0.15mg
4位:木綿豆腐
木綿豆腐の半丁(150g)に
0.14mg
女性が1日に必要なビタミンB1の12%を摂ることができます。
木綿豆腐はカルシウム、マグネシウム、鉄分、食物繊維が豊富。骨を強くする、心臓のはたらきを守る、血圧・血糖値・中性脂肪をおさえる、美肌効果が期待できます。
木綿豆腐の栄養がすごい!1丁の栄養価と8つの効果とは?
5位:大豆
大豆の煮豆の小鉢一皿(50g)に
0.09mg
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ビタミンB1の多い豆を1~5位まで紹介しました。6~10位にはどんな豆があるでしょうか?
6~10位の豆・大豆加工品
ビタミンB1の多い豆・大豆加工品、6~10位です。
6~10位の豆に含まれているのは女性にとって1日に必要なビタミンB1の4~6%。やや少なめになります。
ビタミンB1の必要量
18~49歳なら、
女性:1.1mg
男性:1.4mg
女性は0.24mg不足、男性は0.32mg不足です。
6位:花豆
花豆の煮豆を小鉢一皿(11粒:50g)に
0.07mg
花豆は食物繊維、鉄分、銅、カリウム、モリブデンが豊富な豆。デトックス、貧血予防、便秘解消、疲労回復、免疫力を高める効果が期待できます。
花豆には栄養が凝縮!10粒あたりの栄養価と7つの効果とは?
7位:豆乳
豆乳200mlに
0.06mg
調整豆乳には0.15mg。無調整の豆乳の2.5倍のビタミンB1が含まれています。
8位:ひきわり納豆
ひきわり納豆1パック(40g)に
0.06mg
ひきわり納豆にはビタミンB1のほか、粒納豆をはるかに超えるビタミンK、そして鉄分、銅、食物繊維も豊富。
特に骨粗しょう症予防に効果が期待されているビタミンKの豊富さが注目されています。
ひきわり納豆の栄養がすごい!1パックの栄養価と8つの効果
9位:厚揚げ
厚揚げ1/2枚(75g)に
0.05mg
正方形の厚揚げが2枚入っているものがあります。その厚揚げ1枚の半分(75g)の栄養価です。
10位:あずき
ゆであずき30gに
0.05mg
あんぱん1個に入っているあずきが約30gです。
女性の1日分のビタミンB1の4%。不足分(0.24mg)の20%ほどを補える量ですね。
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ビタミンB1の多い豆を6~10位までお伝えしました。
最後に11~13位の豆を紹介します。
11~13位の豆・大豆加工品
ビタミンB1の多い豆・大豆加工品、11~13位です。
11~13位の豆に含まれているのは、1日に必要なビタミンB1の2~4%とかなり少なめになります。
ビタミンB1の必要量
18~49歳なら、
女性:1.1mg
男性:1.4mg
女性は0.24mg不足、男性は0.32mg不足です。
11位:おから
おからの煮物一皿(40g)に
0.04mg
おからを1/2カップ(40g)使って作ったおからの煮物(卯の花)の栄養価です。
おからに含まれるビタミンB1は女性が1日に必要な量の4%。決して多くはありませんが、おからにはたんぱく質、不溶性食物繊維、貧血予防のモリブデンがたっぷり。その栄養と効能はこちら↓
おからの栄養がすごい!1食分の栄養価と6つの効果とは?
12位:粒納豆
粒納豆1パック(40g)に
0.03mg
13位:おからパウダー
おからパウダー大さじ1杯(6g)に
0.03mg
女性の1日分の2%。ビタミンB1は少ないものの、おからパウダーはその半分が不溶性食物繊維。便秘解消や有害物質のデトックスに効果を発揮します。
おからパウダーは栄養が凝縮!大さじ1杯の栄養価と7つの効果とは?
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豆のビタミンB1の含有量を13位まで紹介しました。もう一度グラフで見てみましょう。
枝豆や豆腐にはビタミンB1は多めに含まれていますが、その他の豆類にはそれほど多くはありません。
といえ、豆類全般はたんぱく質・いろんなミネラル・食物繊維など栄養たっぷり!普段の食生活にぜひ取り入れてみてください。
ビタミンB1の多い豆:まとめ
豆や大豆加工品のビタミンB1の含有量、私たちに必要な量と実際の摂取量、健康効果をお伝えしました。
ビタミンB1の多い豆類:枝豆、豆腐、豆乳、大豆、花豆、納豆、厚揚げ
ビタミンB1の効果:疲労回復、いつも元気な体をつくる、肩こり・腰痛・神経痛の予防・改善、イライラをおさえて気持ちを穏やかにする、やる気や集中力を維持する、筋肉や頭脳の持久力を高める、ダイエット
不足すると?:疲れがとれない、腰痛、肩こり、目の疲れ、神経痛、食欲がなくなる、イライラ、集中力が続かない、太りやすくなる
摂りすぎると?:特に悪影響はありません。摂りすぎた分は尿として排出されます。
1日の必要量と摂取量:18~49歳の場合、必要量は女性が1.1mg、男性が1.4mg。摂取量は女性が0.86mg、男性が1.08mg。
足りない人は?:多忙な人、よく運動をする人、お菓子や甘い物が好きな人、お酒をよく飲む人、炭水化物が好きな人。
ビタミンB1は体の健康だけでなく集中力ややる気・意欲など脳にも重要な栄養素。
私たちに足りていない栄養素なので、多く含まれている食べ物を積極的に取り入れましょう。