ビタミンB6は食べ物に含まれるたんぱく質や脂肪をエネルギーに変えて疲労を回復したり、口内炎や脂肪肝を予防する栄養素。
レバー、まぐろや鮭などの魚、豚肉、玄米に豊富な栄養素。豆ならどんな豆に多く含まれているのでしょうか?
そこで身近な豆や大豆加工品の中から100gあたりではなく1食分あたりでビタミンB6が多い豆をランキングで13位まで紹介します。
このページを読めば、どの豆や大豆加工品をどのくらい食べると1日に必要なビタミンB6の何%を摂ることができるのか、はっきりとわかります。
ビタミンB6でエネルギーをしっかり作って元気な毎日を過ごしましょう!
【関連記事】ビタミンB1が多い豆とは?1食分で比較-摂取量や効果も!
【関連記事】ビタミンEが多い豆ランキング【1食分あたり】摂取量や効果も!
ビタミンB6の効果とは?
ビタミンB6の多い豆や大豆加工品を紹介する前に……
ビタミンB6の効果は?
足りないと?
摂りすぎると?
についてお伝えします。
ビタミンB6の7つの効果
ビタミンB6の効果は、ホルモンバランスを整える、月経前症候群をやわらげる、口内炎予防、不安な気持ちやイライラをおさえるなど。くわしくは次の7つです。
- 月経前の体の悩みをやわらげる:
月経前症候群は女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが大きく減少することが原因と考えられている。ビタミンB6はエストロゲンを作るサポートをすることで月経前の体調不良をやわらげる。 - 妊娠中のつわりを軽減する:
妊娠中はアミノ酸の代謝が活発になって普段よりもビタミンB6が多く必要になるため、十分に摂ることで吐き気や嘔吐などつわりの症状を軽減する - 美肌・口内炎の予防:
食べ物のたんぱく質をアミノ酸に分解吸収して、健康的な肌や粘膜を守る - イライラや不安な気持ちをおさえる:
神経伝達物質を作ることで感情を穏やかに安定させる - 疲労回復、体を支える:
食べ物のたんぱく質からエネルギーを作ったり、筋肉・肌・髪・爪・粘膜を作る - 脂肪肝を防ぐ:
脂質の代謝を活発にして肝臓に脂肪が蓄積しないようにする - 血液を作って立ちくらみ、頭痛、疲労感をやわらげる:
酸素を全身に運ぶはたらきをする血液中のヘモグロビンを作って貧血を予防する
※参考サイト:
国立健康・栄養研究所「ビタミンB6解説」
ビタミンB6が足りないと?
ビタミンB6が足りなくなると次のような不調をきたすことがあります。
- 生理前のイライラ、不安、落ち込み、食欲不振、肌荒れ、集中力の低下
- つわりによる吐き気や嘔吐
- 肌荒れ、ハリの低下、肌のくすみ、ニキビ、口内炎、口角炎
- 感情の浮き沈みがはげしい、怒りっぽい、うつ状態、焦燥感、ストレスを受けやすい
- やる気や向上心の低下、無気力
- 疲れがとれない、体が重たい、倦怠感
- 肝臓に脂肪が蓄積しやすい
- 貧血による頭痛、頭重感、疲労感、めまい、息切れ、集中力が続かない
ビタミンB6を摂りすぎると?
摂りすぎについては心配ありません。水溶性の栄養素なので余分なビタミンB6は尿と一緒に排出されます。
ビタミンB6はしっかりと摂りたい栄養素。では1日にどのくらい摂るのがよいのでしょうか?
ビタミンB6の1日の必要量と摂取量
1日に必要なビタミンB6はどのくらいでしょうか?
そして私たちの実際の摂取量(摂れている量)はどうなのでしょうか?
1日に必要なビタミンB6は?
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準-2020年版」による1日に摂取すべきビタミンB6はこちら。
1日に必要なビタミンB6
18歳以上なら、
女性:1.1mg
男性:1.4mg
※参考サイト:厚生労働省
「日本人の食事摂取基準-2020年版」
さて私たちは十分に摂れているのでしょうか?
私たちの平均摂取量は?
普段の私たちの平均摂取量はこちら。
ビタミンB6の必要量と平均摂取量
18歳以上では……
女性の必要量:1.1mg
平均の摂取量:1.12mg
0.02mg(2%)多く摂れています
男性の必要量:1.4mg
平均の摂取量:1.3mg
0.1mg(7%)不足
※参考サイト:国立健康・栄養研究所
「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
ほぼ100%を摂れていますが、不足しやすい人もいます。それは……
ビタミンB6が足りない人とは?
ビタミンB6の摂取量が足りない傾向にある人はこちらです。
- プロテインをよく飲む人
- 妊娠している人
- ピルを飲んでいる人
- 抗生剤を長期間飲んでいる人
プロテインを飲む人や妊婦さんは体内でたくさんのたんぱく質を分解するためにビタミンB6が大量に使われます。
また抗生剤で腸内細菌のバランスが崩れるとビタミンB6をつくるはたらきが低下します。
不足しないようビタミンB6の多い食べ物を意識して食べましょう。
では身近な豆や大豆加工品の中から「100gあたり」ではなく1食分あたりのビタミンB6のランキングを13位まで紹介します。
ビタミンB6の多い豆ランキング
どんな豆に多く含まれているのでしょうか?
まずはビタミンB6の多い豆を13位までまとめたグラフがこちらです。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
豆そのものよりも豆乳、豆腐、納豆といった加工品のほうが豊富ですね。
では13位までの豆や大豆加工品の「1食分に含まれるビタミンB6」を紹介します。
1~5位の豆
まずは1~5位の豆です。
ビタミンB6の必要量と平均摂取量
18歳以上では……
女性の必要量:1.1mg
平均の摂取量:1.12mg
男性の必要量:1.4mg
平均の摂取量:1.3mg
女性はちょうど必要量を摂れていますが、男性は0.1mgだけ不足です。3位の調整豆乳までならその不足分をまるまる補うことができます。
1位:豆乳
豆乳200mlに
0.13mg
女性の1日に必要なビタミンB6の9%を摂ることができます。
2位:ひきわり納豆
ひきわり納豆1パック(40g)に
0.12mg
ひきわり納豆にはビタミンKがぎっしり!銅、セレン、鉄分、食物繊維も豊富。骨を強くする、貧血予防、血圧・血糖値・中性脂肪など生活習慣病の予防、便秘解消、疲労回復に効果的です。
ひきわり納豆の栄養がすごい!1パックの栄養価と8つの効果
3位:調整豆乳
調整豆乳200mlに
0.11mg
この3位の調整豆乳までなら男性の不足分(0.1mg)をまるまる補うことができます。
4位:粒納豆
粒納豆1パック(40g)に
0.10mg
ビタミンB6の量はひきわり納豆も粒納豆もほぼ同じです。
栄養豊富な納豆ですが、食べるタイミングや食べ方で効果がぐんと下がってしまいます。くわしくはこちら↓
納豆を食べるなら朝と夜のどっち?その理由とダメな4つの食べ方
5位:絹ごし豆腐
絹ごし豆腐の半丁(150g)に
0.09mg
女性の1日に必要なビタミンB6の6%を摂ることができます。
絹ごし豆腐はモリブデン、鉄分、銅、マグネシウム、カルシウム、食物繊維の栄養が豊富。骨を強くする、血圧・血糖値・中性脂肪の改善、感染症の予防、イライラをおさえる、美肌のはたらきがあります。
絹ごし豆腐は栄養が凝縮!1丁の栄養価と8つの効果とは?
*-*-*-*-*
ビタミンB6の多い豆を1~5位まで紹介しました。次は6~10位です。
6~10位の豆
ビタミンB6が多く含まれている豆。
続いて6~10位です。
ビタミンB6の必要量
18歳以上なら、
女性:1.1mg
男性:1.4mg
女性はちょうど摂れています。男性は0.1mgだけ不足しています。
6位:木綿豆腐
木綿豆腐の半丁(150g)に
0.08mg
女性の1日分のビタミンB6の5%が含まれています。
7位:厚揚げ(生揚げ)
厚揚げ1/2枚(75g)に
0.06mg
正方形の厚揚げが2枚入っているものがあります。その厚揚げ1枚の半分(75g)を1食分として、その栄養価を紹介します。
厚揚げも栄養がたっぷり!鉄分、カルシウム、銅、マグネシウム、ビタミンK、Eが豊富です。骨を強くしたり、高血圧や糖尿病の予防、疲労回復、免疫力アップが期待できます。
厚揚げの栄養がすごい!1枚あたりの栄養価と8つの効果とは?
8位:花豆(煮豆)
花豆の煮豆を小鉢一皿(11粒:50g)に
0.06mg
料理する前の花豆ではなく、煮た花豆に含まれるビタミンB6の量です。
9位:大豆(煮豆)
大豆の煮豆の小鉢一皿(50g)に
0.05mg
大豆の煮豆60粒で50g。煮豆1粒は約0.83gです。
10位:きなこ
きなこ大さじ1杯(7g)に
0.04mg
女性の1日分のビタミンB6の3%が含まれています。
きなこはわずかな量にも貧血予防のモリブデン、不溶性食物繊維、銅、鉄分、マグネシウムが豊富。感染症から守る、貧血の予防、骨を強く、美肌効果を発揮します。
きなこは栄養たっぷり!大さじ1杯の栄養価と6つの効果とは?
*-*-*-*-*
ビタミンB6の多い豆を6~10位までお伝えしました。最後に11~13位の豆を紹介します。
11~13位の豆
ビタミンB6の多い豆。
最後は11~13位です。
ビタミンB6の必要量
18歳以上なら、
女性:1.1mg
男性:1.4mg
女性は必要量を摂れています。男性は0.1mgだけ不足しています。
11位:あずき(ゆであずき)
ゆであずき30gに
0.03mg
目安として、あんぱん1個に入っているあんこが30gほどです。
12位:おから(煮物)
おからの煮物一皿(40g)に
0.02mg
おからを1/2カップ(40g)使って作ったおからの煮物(卯の花)の栄養価です。
おからには不溶性食物繊維やモリブデンがたっぷり。鉄分、銅、マグネシウムも多く、ダイエット、デトックス、便秘解消、貧血予防が期待できます。
おからの栄養がすごい!1食分の栄養価と6つの効果とは?
13位:おからパウダー
おからパウダー大さじ1杯(6g)に
0.01mg
*-*-*-*-*
ビタミンB6の豊富な豆を13位までランキングでお伝えしました。もう一度グラフを見てみましょう。
疲労回復し、脂肪肝を予防し、月経前症候群やつわりをやわらげるビタミンB6。豆を料理しなくても、豆乳、豆腐、納豆など手軽に食べられるものでも十分に補うことができますね。
ビタミンB6の多い豆:まとめ
豆や大豆加工品のビタミンB6の含有量、私たちに必要な量と実際の摂取量、健康効果をお伝えしました。
ビタミンB6の多い豆:豆乳、納豆、豆腐、厚揚げ、花豆
ビタミンB6の効果:月経前の症状やつわりを軽減する、美肌、口内炎の予防、イライラや不安感をおさえる、疲労回復、脂肪肝の予防、貧血による立ちくらみや頭痛をやわらげる
ビタミンB6が足りないと?:生理前のイライラや不安感や落ち込み、つわり、肌荒れ・にきび、口内炎、口角炎、感情の浮き沈みが激しい、無気力、体が重たい、倦怠感、肝臓に脂肪が蓄積しやすい、貧血による頭痛や立ちくらみ
摂りすぎると?:心配ありません。摂りすぎた分は尿と一緒に排出されます。
1日の必要量:18歳以上の場合、女性は1.1mg(摂取量は1.12mg)、男性は1.4mg(摂取量は1.3mg)
不足しやすい人は?:プロテインをよく飲む人、妊娠している人、ピルを飲んでいる人、抗生剤を長期間飲んでいる人
ビタミンB6は男性にはやや不足ぎみな栄養。疲れやすい、お腹まわりが気になる、脂っこい食べ物が好き、という方は意識して摂ってみてはいかがでしょうか。