お風呂は自律神経を整える絶好の場所。「お風呂は家庭のお医者さん」とも言うべき健康効果が満載です。
しかし、お風呂に入っているのに疲れがとれない、なんだかいつも体が重たい、なかなか寝つけない、と感じることはありませんか?
それは、お風呂の入り方やお湯の温度が交感神経を刺激してしまっているのかもしれません。
これから紹介する「自律神経を整えるお風呂の入り方」なら疲労の回復も寝つきの良さもグンとアップ。しかも少し工夫するだけなので今日からすぐできます。
では、
- お風呂の前にやること
- お湯の温度
- 湯船のつかり方
- お風呂あがりにやること
など自律神経を整えるお風呂の入り方をくわしくお伝えします。これでお風呂があなたの味方になりますよ!
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自律神経を整えるお風呂の前の準備
自律神経を整えるお風呂の入り方。まずはお風呂の入る前にやること、準備しておくことについてです。
お風呂の15分前に常温の水か白湯
お風呂に入る15分ほど前にコップ1杯の水や白湯を飲みましょう。その理由は「入浴中に血液ドロドロにしないため」と「湯船にゆったりつかるため」。
水を飲んで15分たつとサラサラに
お風呂ではコップ1杯以上の汗をかきます。汗をかくこと自体はとてもいいことなのですが、血液中の水分は失われていくので「ドロドロ」に。この状態のまま湯船につかっていては血流が悪くなってしまいます。
そこでお風呂に入る15分前にコップ1杯の常温の水や白湯を飲みましょう。
水を飲んでから15分たつと血液はサラサラになります。それからお風呂に入れば血行もよくなってしっかりと体を回復できるでしょう。
冷え性なら白湯がおすすめ
白湯を飲むと体の中から温まるので、湯船につかった時に体が温まりやすく汗もかきやすくなります。
お風呂でなかなか汗がかけない人、冷え性で湯船にゆったりつかっていられないから湯冷めしやすい、といった人はお風呂の15分前の白湯がおすすめです。
入浴中の常温の水を準備
お風呂の中でも飲めるように、水筒やペットボトルに常温の水を用意しておきましょう。入浴中に汗をたくさんかいてもすぐに水分補給ができるので安心です。
入浴中の楽しみを準備
アロマイルや入浴剤、音楽、本など、お風呂での癒しや楽しみを準備するのもおすすめ。心地よくゆったりとお風呂に入れますね。
アロマオイルや入浴剤
香りは感情の脳にダイレクトにはたらきかけます。
香りは脳のなかの「本能や感情」をつかさどる大脳辺縁系に届いた後、「自律神経」をつかさどる視床下部へと伝わります。
アロマオイルなどの好きな香りをかいで「あ~、いい香り~」と感じた心地よさやリラックスが視床下部へ伝わって、深くリラックスできて自律神経を整えることができるのです。
なお、アロマオイルを直接湯船に入れるのはNG!肌に強い刺激をあたえるケースが少なくありません。
ガラスの器などにお湯を入れてからアロマオイルをたらしてお風呂のすみに置いて香りを楽しみましょう。
アロマオイルの選び方
ストレス
→ ラベンダー、ベルガモット、マンダリン、ネロリ、フランキンセンス
不安・うつ状態
→ ネロリ、グレープフルーツ、イランイラン
落ち着かない・興奮
→ フランキンセンス、ローズウッド、ラベンダー
やる気がない
→ レモンバーム
リフレッシュ
→ グレープフルーツ、レモン、ペパーミント、ユーカリ
肩こり・頭痛
→ ラベンダー、ペパーミント
動悸
→ ローズマリー、ラベンダー、ティートゥリー、サンダルウッド
不眠
→ ラベンダー、ベルガモット、ネロリ、ジャスミン、イランイラン、ローズマリー
風邪予防
→ ティートゥリー、ユーカリ、レモン
音楽や本
好きな音楽や本もお風呂のなかでゆったりリラックスするためのおすすめアイテム。音楽も本もジャンルを問わず、あなたの好きなものをお風呂の中で楽しむのがいいですね。
では次は自律神経を整えるお風呂の入り方についてお伝えします。
自律神経を整えるお風呂の入り方
お風呂は家庭のお医者さん。その治癒効果を最大限引き出すのがこれから紹介する「自律神経を整えるお風呂の入り方」です。
いつ入るのがいいの?お湯の温度は?湯船につかる時間は?などについてお伝えします。
お風呂に入るタイミングはいつ?
自律神経を整えるためのお風呂は「夕食後1時間以上たっていて、寝る時間より1時間半ほど前」が効果的なタイミング。
夕食後は1時間以上たってから
夕食後すぐのお風呂は体の負担になります。1時間以上たってからはいりましょう。
寝る2時間前のお風呂でよい寝つきに
お風呂で温まった体温がすーっと下がっていくにつれて、眠気がやってきます。そのタイミングはお風呂から出て30分から60分後。
ですので寝る60分くらい前にお風呂から出られるように、入る時間を調整しましょう。
自律神経を整えるお湯の温度は?
自律神経を整えるためには39度から41度のぬるめのお湯がおすすめ。ゆったりとつかりましょう。
42度を超えるといわゆる「熱いお風呂」。交感神経(ストレス・緊張)が優位になってしまいますし、脱水症状も起こしやすくなります。
副交感神経をしっかりはたらかせて疲労や不調を回復し、よい寝つきと深い眠りをえるためには、39度から41度のややぬるめのお湯につかりましょう。
※参考サイト:NHK健康チャンネル「お風呂に潜む脳梗塞・心筋梗塞の危険 入浴温度と血栓のできやすさ」
湯船につかる時間は?
自律神経を整えるなら湯船につかる時間の目安は15分間。
15分以上湯船につかっては逆効果、ということではありません。15分~20分くらいゆったりつかるのが効果的ということです。
かけ湯をして湯船に15分。体や髪を洗ったらまた湯船に15分、といったかたちですね。
お風呂にはいる15分前にお水を飲んだり、お水をもってお風呂に入ればのぼせることなくゆったり入れるでしょう。
自律神経を整えるなら全身浴?半身浴?
自律神経を整えるためには、湯船の前半は肩までしっかり全身浴でつかり、後半はおなかのあたりまで半身浴のようにつかる、という入り方がおすすめ。
首・肩までずっと15分間つかっていると、かえって血行が悪くなることも。後半は半身浴のような入り方が効果的です。
もちろん途中で湯船のお湯を抜く必要はありません。
やや少なめにお湯をはっておいて、前半と後半で体の姿勢を変えながら入り方を調整してみてくださいね。
水分補給&香りや音楽も楽しもう
常温のお水を水筒やペットボトルに用意して、こまめに水分補給しましょう。
好きな音楽を聴いたり本を読んだりアロマオイルや入浴剤で香りを楽しんだり。お風呂タイムをリラックスして心地よく過ごしてください。
では最後にお風呂あがりの過ごし方についてお伝えします。
自律神経を整えるお風呂あがりの過ごし方
最後に、お風呂あがりの過ごし方についてです。
コップ1杯の水を飲む
お風呂ではコップ1杯以上の汗をかきます。入浴中にもこまめに水分補給をしているでしょうが、お風呂あがりにも水分を補給しましょう。
ストレッチでさらにほぐす
筋肉がほぐれているお風呂あがりはストレッチに絶好のタイミング。やさしくゆっくりと体を伸ばしましょう。
普段あまり使っていない筋肉や関節は、固くなって可動域も狭くなっていきます。するとその筋肉がさらに使われにくくなってさらに固くなって、という悪循環。代謝が低下してしまいます。
お風呂あがりのストレッチなら普段あまり使っていない筋肉や関節もほぐれやすく、筋肉は柔軟になり、可動域も広げることができます。
ストレッチは痛いと感じるまで伸ばすものではありません。気持ちいいと感じる程度に体を伸ばしてください。
自律神経を整えるストレッチ。くわしくは↓
自律神経を整えるストレッチ4選!効果的なタイミングもご紹介!
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「ストレッチング」、「ストレッチングの効果」
ハーブティーや音楽や読書でゆったり
ハーブティーを飲んだり、ゆったりとした音楽を聴いたり、本を読んだり。リラックスして過ごしましょう。
こんな過ごし方は逆効果!
自律神経を整えるのに逆効果な過ごし方も紹介します。
蛍光灯の明るい光
蛍光灯は交感神経を刺激します。お風呂でせっかく高まった副交感神経のはたらきがおさえられて、寝つきも眠りも悪くなってしまいます。
間接照明など暖かいやわらかい明かりのなかで過ごしましょう。
スマホ、パソコン、テレビ、ゲーム
これらもすべて交感神経を刺激して活動モードに切り替えしまうものばかり。
寝る1時間前からは、本を読んだり音楽を聴くなどして、心地よい寝つきと深い眠りを手に入れましょう。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」、「自律神経失調症」
自律神経を整えるお風呂の入り方:まとめ
自律神経を整えるお風呂の入り方についてお伝えしました。
入浴前(1):お風呂に入る15分前にコップ1杯の水か白湯を飲む
入浴前(2):入浴中用にお水や音楽や本を用意する
お風呂のタイミング:夕食から1時間以上たっていて、寝る時間より1時間半から2時間前
湯船の温度:39度から41度。
湯船のつかりかた:15分ほどつかるうち、前半は肩までの全身浴、後半はおなかまでの半身浴。
お風呂あがり:コップ1杯の水を飲み、ストレッチしたり、間接照明のなかでゆったり過ごす
お風呂あがりのNG:スマホ、ゲーム、テレビ、パソコン
お風呂は家庭のお医者さん。自律神経を整える入浴法で、疲れた体をほぐしていたわりましょう。