納豆に卵をかけて食べていませんか?
納豆と卵の食べ合わせは良くない、と言われることがあります。もっとも「体に良くない」のではなく「納豆のせっかくの栄養がもったいない」ということ。
でも、本当なのでしょうか?
そこで、
- 納豆と卵の食べ合わせはホントに良くない?
- 他に良くない納豆の食べ方は?
- 納豆の効果的な食べ合わせは?
についてお伝えします。このページを読めば納豆の豊富な栄養をムダなく取り入れることができますよ!
【関連記事】納豆を食べるなら朝と夜のどっち?その理由とダメな4つの食べ方
納豆と卵の食べ合わせのデメリットとは?
納豆と卵の食べ合わせが良くない理由。
それは、美肌・美髪効果が低くなると言われているからです。
納豆と卵の白身の食べ合わせで美容効果ダウン
納豆には「ビオチン(ビタミンB群の1種)」が含まれていて、肌や髪を美しくするはたらきがあります。
ここで、納豆と卵を一緒に食べると……
卵のなかの白身には「アビジン」というたんぱく質の一種が含まれています。
このアビジンが納豆のビオチンとくっついてしまって、ビオチンが吸収されにくくなって美容効果が低下する。
だから、納豆と卵の食べ合わせはせっかくの栄養がもったいない、ということですね。
でも……
納豆と卵の黄身の食べ合わせはOK
納豆に含まれる美肌成分「ビオチン」の吸収をさまたげる「アビジン」。これが含まれているのは卵の「白身」。「黄身」には含まれていません。ですので……
納豆と黄身の食べ合わせなら大丈夫!
納豆と卵という食べ合わせがお好きでしたら、黄身だけを一緒に食べれば安心ですね。
と、ここで……
納豆に含まれる「ビオチン」の吸収がさまたげられることって、そんなに大変なことなの?
「納豆と卵の白身の食べ合わせは絶対ダメ!」というほどの影響があるのでしょうか?
そこで、
- ビオチンにはどんなはたらきがあるのか
- ビオチンは私たちに不足しているのか
についてお伝えします。
納豆に含まれるビオチンのはたらき
ビオチンはビタミンB群のなかの1つ。ビタミンHとも呼ばれていて、水に溶けるビタミンです。
おもなはたらきはこちら。
- 代謝を助けてエネルギーを作る
- 肌荒れを防いで美しい肌を作る
- 頭皮を健康にして髪の毛に栄養を届ける
- 脱毛や白髪を防いで髪を美しくする
ビオチンは不足しやすい栄養素?
ビオチンは私たちに足りない栄養素なのかというと……
実は、ビオチンは一般的な食生活をしていれば不足することはまずありません。
納豆は比較的ビオチンの多い食べ物ではありますが、ブロッコリー、里芋、枝豆、イワシ、サバなど、ほかにも多く含む食べ物はいろいろあります。
卵の黄身1個分にだって、納豆1パックの2倍もビオチンが含まれています。
「納豆と卵の白身との食べ合わせはダメ!」と神経質になるほどでもなく、好きな食べ方で食べてもよさそうですね。
ご参考までに、ビオチンの多い食べ物はこちらで紹介しています。
ビオチンの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
ちなみに……
▼ ビオチンが不足しがちな人
- 長い間、抗生物質を服用している
- お酒をよく飲む
- たばこをよく吸う
- コーヒーをよく飲む
- 乳製品のとりすぎ
- 卵の白身をたくさん食べる
あてはまるようなら納豆と卵の白身という食べ合わせは避けたほうがいいでしょう。
納豆と卵のほかにも、納豆の栄養がムダになってしまう食べ方があるので、紹介します。
そのほか納豆の栄養がムダになる2つの食べ方
納豆と卵の食べ合わせのほかにも、せっかくの栄養がムダになってしまう食べ方があります。
冷蔵庫から出してすぐ食べるのはダメ
納豆といえばナットウキナーゼ。
血液をサラサラにして血栓ができるのを予防してくれる頼もしい栄養素です。
でも納豆が冷たい状態ではナットウキナーゼははたらきません。
なので冷蔵庫から出してすぐ食べるのはおすすめしません!
常温に戻せばナットウキナーゼがはたらき出すうえに、さらに発酵も進みます。冷蔵庫から出したら20分ほど常温においてから食べましょう。
熱々のごはんにのせるのはダメ
熱々のごはんに納豆をのせるのも、ナットウキナーゼのはたらきを弱くしてしまうもったいない食べ方。
ナットウキナーゼは50度以上ではたらきが弱くなって、70度以上で死んでしまいます。
もちろん、納豆をフライパンで一緒に炒める納豆チャーハンや納豆パスタも、ナットウキナーゼのはたらきを損ねるもったいない食べ方ですね。
なので、納豆は熱々のごはんとは別に食べる。熱々のごはんを茶碗によそって5分ほど待ってから納豆をのせる。といった食べ方がおすすめです。
納豆の栄養がもったいない食べ合わせを紹介しました。次は納豆の効果を高めるおすすめの食べ合わせを紹介します。
納豆の効果的な食べ合わせ
納豆の健康効果を高める食べ合わせ。3つ紹介します。
ねぎ・ニラ・にんにく
ねぎやニラやにんにくに多いのが「硫化アリル」。フィトケミカルの一種ですね。
硫化アリルが納豆に含まれているビタミンB1の吸収を高めてくれて、疲労を回復、イライラ解消、精神を安定、集中力を維持、といった効果を発揮します。
また、硫化アリル自体にもナットウキナーゼと同じように血液をサラサラにして血栓を予防するはたらきもあります。
納豆とねぎ・ニラ・にんにくの食べ合わせ、おすすめです。
梅干し
梅干しのクエン酸も納豆のビタミンB1の吸収を高めてくれます。さっぱりといただけるこの食べ合わせもいいですね。
キムチ
納豆とキムチも定番の食べ合わせ。発酵食品どうしの食べ合わせは効果もバツグン。
キムチの乳酸菌は納豆に含まれるオリゴ糖をエサにして、発酵食品としてのはたらきがアップします。
※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」、国立健康・栄養研究所「ビタミンC解説」、日本ナットウキナーゼ協会「ナットウキナーゼ」、「ナットウキナーゼFAQ」
納豆と卵の食べ合わせ:まとめ
納豆と卵の食べ合わせは本当に良くないのか、そのほか栄養をムダにする食べ方、おすすめの食べ合わせについてお伝えしました。
納豆と卵の食べ合わせ:卵の白身の成分が納豆のビオチンの吸収をさまたげる。黄身だけなら問題なし。
ビオチン:一般的な生活なら不足することがない栄養素。黄身にもたっぷり。納豆と卵の白身の食べ合わせはさほど気にしなくても大丈夫。
そのほか食べ方の注意点:冷蔵庫から出して20分ほど常温においてから食べよう。熱々のごはんにかけたり加熱して食べたりしない。
最適な食べ合わせ:ねぎ、ニラ、にんにく、梅干し、キムチなど
卵との食べ合わせのマイナス面を気にする以上に、納豆には血栓予防や腸内環境などへの健康効果があふれています。
毎日の食生活にぜひ積極的に取り入れてみてください。