飲み物にも自律神経を整えるものがあります。
疲れやすい、体が重い、背中がガチガチ、顔がほてる、多汗、ぐっすり眠れない……。
ストレスの多い毎日では緊張・ストレスモードの交感神経ばかりが活性化。休息・回復モードの副交感神経がはたらけなくなって、疲労や不調があらわれてしまいます。
大切なのは、副交感神経をしっかりとはたらかせて自律神経のバランスを整えること。
自律神経を整える方法はいろいろありますが、今回は自律神経を整える9つの飲み物を紹介します。
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自律神経を整える飲み物
自律神経を整える飲み物は、バーブティー、ジャスミン茶、杜仲茶、ココア、トマトジュース、バナナジュース、豆乳、甘酒、白湯など。
ではそれぞれについてくわしくお伝えします。
ハーブティー
自律神経を整える飲み物といえばハーブティー。リラックスできる飲み物は?と言われて最初にハーブティーをイメージする人も多いのではないでしょうか。
香りに好みがあるとは思いますが、ハーブティーの中で自律神経を整えると言われているものはこちら。
- カモミール
- ラベンダー
- パッションフラワー
- レモンバーム
ではこれらのハーブティーについて簡単に紹介します。
カモミール
リラックスや深い眠りといえばカモミール。副交感神経を優位にするはたらきで気分が落ち着いて、寝つきがよくなって眠りも深くなります。
ジャーマンカモミールやローマンカモミールがありますが、はたらきはどちらも似ています。香りや味の好みでお選びください。
はじめての方でちょっと飲みにくさを感じるようでしたら、はちみつを少し入れるとグンと飲みやすく美味しくなります。
ラベンダー
アロマオイルとしても有名なラベンダー。ハーブティーとしても、リラックス効果の高さや不安な気持ちやイライラを静めてくる飲み物として知られています。
寝る前にもおすすめ。安眠をサポートしてくれるでしょう。
パッションフラワー
パッションフラワーは不安な気持ちや緊張をやわらげるハーブティー。
ストレスからくる緊張をやわらげることで、体の面でも不調をやわらげる効果も期待されています。
女性に特有の毎月のお悩みであるイライラや不快感を静めるはたらきもあります。
不安で気分が落ち着かない時、不安でなかなか寝つけない時、イライラがおさまらない時、気分が高ぶって眠れない時などにおすすめの飲み物です。
レモンバーム
やさしい風味とほんのりとレモンの香りがするレモンバーム。
ストレス、イライラ、緊張など、高ぶった交感神経をしずめて自律神経を整えるはたらきが期待されています。
また不安になったり落ち込んだり、といった沈んだ気持ちをやわらげて、前向きな気持ちにして気分を高揚するはたらきもあります。
抗酸化作用の高いポリフェノールも豊富。アンチエンジング、お腹の調子を整える、冷え性改善にもおすすめ。
自律神経を整えるのにすぐれた飲み物ですね。
交感神経を優位にするハーブティー
ハーブティーならどれも副交感神経を優位にしてリラックスできる飲み物のような気がしますが……
逆に交感神経を優位にするハーブティーもあります。それが、
- ローズマリー
- レモン
- レモングラス
- ペパーミント
「やる気を出したい!」「朝シャキッとしたい!」といった時にはいいですね。
でもゆったりとリラックスしたい時は、カモミールやラベンダーなど副交感神経を優位にするハーブティーを選びましょう。
ジャスミン茶
ジャスミン茶とは、お茶の葉にジャスミンの花の香りをうつした飲み物。緑茶がベースとなっているものが一般的ですね。
ジャスミンの香り成分が交感神経の緊張をやわらげて自律神経を整えることで、イライラや緊張をほぐしてくれます。
また緑茶ベースのジャスミン茶は、緑茶にふくまれる「テアニン」という旨味成分がリラックス効果を発揮。
イライラがおさまったり、気持ちが穏やかになったり、集中力が高まったり、という効果が期待できます。
またジャスミン茶は女性特有の毎月の悩みにも効果的な飲み物。ホルモンバランスを整えるはたらきで、毎月の心と体の悩みを軽減してくれるでしょう。
なお「緑茶ベース」ということは、緑茶を飲んだ時とおなじようにカフェインが含まれています。「ウーロン茶ベース」のジャスミン茶もカフェインが含まれています。
カップ1杯で比べると緑茶のカフェイン量はコーヒーの1/3ほど。ウーロン茶のカフェイン量もコーヒーの1/3ほど。とはいえカフェインの摂りすぎには気をつけましょう。
※1杯(100ml)あたりのカフェイン量
コーヒー | 60mg |
緑茶 | 20mg |
ウーロン茶 | 20mg |
杜仲茶
杜仲茶(とちゅうちゃ)とは、杜仲という木の葉から作られたお茶のこと。ノンカフェインの飲み物です。
杜仲茶の特徴的な成分「ゲニポシド酸」には副交感神経を優位にして緊張をやわらげてリラックスを高めるはたらきがあります。
そのほか、生活習慣病の予防、便秘解消、冷え性解消、ダイエットにもその効果が期待できます。
ココア
ココアもおすすめの飲み物のひとつ。
ココアに豊富に含まれているギャバ(GABA )には自律神経を整えるはたらきがある、と言われています。
ストレスが強い時、イライラがおさまらない時、不安でなかなか寝つけない時など、ギャバ(GABA)の豊富なココアもおすすめの飲み物です。
ミルクココアなど、ココアと牛乳を一緒に摂るのも効果的。
牛乳に豊富な「トリプトファン」という成分は、おだやかな気分にしてくれる幸せホルモン「セロトニン」の材料でもあります。そのセロトニンは15時間ほどたつと眠りのホルモンである「メラトニン」に変化します。
夜に牛乳を飲んだからといって眠りへの即効性はありませんが、体内にトリプトファンを摂り入れておくことで、セロトニンづくり、メラトニンづくりがスムーズにおこなわれます。
豆乳もトリプトファンの豊富な飲み物。乳製品を控えている人は豆乳ココアがいいですね。
トリプトファンについては別の記事でまとめていますのであわせてご覧ください。
→ トリプトファンの多い食べ物・飲み物、その効果とは?
なお、ココアにも微量ですがカフェインが含まれています。
※1杯(100ml)あたりのカフェイン量
コーヒー | 60mg |
緑茶 | 20mg |
ウーロン茶 | 20mg |
ピュアココア | 10mg |
ミルクココア | 微量 |
・ピュアココア(純ココア)とは?
チョコレートの原料であるカカオ豆100%で作られたココアパウダーのこと。砂糖や香料など添加物が含まれていないココアです。
・ミルクココア(調整ココア)とは?
ピュアココアに砂糖や粉末のミルクなどを加えて飲みやすくしたココアです。
トマトジュース
ココアにも豊富なGABA(ギャバ)ですが、トマトジュースもギャバの多い飲み物です。
飲み物としてのトマトジュースだけでなく、食事のなかでトマトを食べるのももちろん効果的。
トマトジュースが苦手な方は、トマトの入った野菜ジュースがいいですね。かぼちゃやきゅうりなどにもGABA(ギャバ)は豊富。野菜ジュースもGABAを効果的に摂り入れられる飲み物です。
【関連記事】トマトジュースの栄養がすごい!コップ1杯の栄養価と7つの効果とは
バナナジュース
幸せホルモンとも呼ばれる「セロトニン」が不足すると、自律神経が乱れる傾向があります。
その「セロトニン」を作るための材料のひとつが「トリプトファン」というアミノ酸。このトリプトファンが多い食べ物が「バナナ」。
バナナジュースに豊富なトリプトファンが幸せホルモン「セロトニン」を作ることで、自律神経を整えるはたらきが期待できます。
朝食などにバナナを食べたり、飲み物としてバナナジュースを飲んだり。
セロトニンは朝起きて太陽の光を浴びた瞬間から体のなかで作られ始めます。ですのでバナナを摂るのも朝のタイミングが効果的です。
セロトニンについてくわしくはこちらをご覧ください。
→ セロトニンを増やす食べ物、増やす5つの方法とは?
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「自律神経失調症」、「セロトニン」、「メラトニン」
豆乳
豆乳もバナナと同じように「トリプトファン」が豊富な飲み物。
大豆や大豆製品はトリプトファンの多い食べ物なので、自律神経を整えるはたらきが期待できます。
豆乳だけ飲むのもいいですし、ギャバの多いココアと一緒に「豆乳ココア」にして飲むのもおすすめです。
甘酒
ご存じですか?
甘酒には「米麹甘酒」と「酒粕甘酒」の2種類があることを。
米麹甘酒と酒粕甘酒
甘酒にはおもに「米麹甘酒」と「酒粕甘酒」の2種類。米麹も酒粕もどちらも日本酒を作る工程で出るものです。
米麹甘酒
「飲む点滴」といわれる飲み物。砂糖やアルコールは入っていません。
ブドウ糖が豊富なので、疲労回復、美肌に効果的。
酒粕甘酒
砂糖やアルコールが入っています(アルコールは1%未満)。麹カビと酵母菌の2つの発酵の力で栄養価が非常に高い飲み物。
寝つきをよくしたりダイエットに効果的。
甘酒で副交感神経を優位に
米麹甘酒と酒粕甘酒。それぞれ得意な健康効果は違いますがどちらも栄養豊富。甘酒は自律神経に関係するパントテン酸やギャバが豊富な飲みなのです。
パントテン酸はストレスから心と体を守ったり、ストレスに強い体づくりをサポートしてくれます。
そして甘酒にはトマトやココアにも豊富なギャバが多く含まれていて、自律神経を整えてストレスやイライラや不安をやわらげてくれます。
発酵食品でもある甘酒は腸内環境を整えるはたらきも。腸内環境が整えば自律神経も整えることができますね。
特にストレスや不安などで寝つきが悪い人は、夜の甘酒で気分をやわらげてはいかがでしょうか。
白湯
白湯とは、一度沸騰させたお湯を50度程度に冷ました飲み物。白湯も自律神経を整える飲み物です。
白湯を飲むと胃腸が活発に動きます。
胃や腸や副交感神経と直結。胃腸が動き出すということは、副交感神経が優位になっているということです。
白湯を飲むおすすめのタイミングはこちら。
- 朝起きた時
- 食事の30分ほど前
- 食事と食事の間
- 夜寝る前
白湯はゴクゴク飲むのではなく、ひと口ひと口、ゆっくりと飲みましょう。体が温まって代謝がアップしたり、血流がよくなったり。デトックス効果も期待できるでしょう。
自律神経を整える飲み物:まとめ
ハーブティー、ジャスミン茶、杜仲茶、ココア、トマトジュース、バナナジュース、豆乳、甘酒、白湯。
自律神経を整える9種類の飲み物とそれぞれの効果についてお伝えしました。
白湯など、手軽に始められる飲み物から取り入れてみてはいかがでしょうか。