食物繊維の多い海藻、ご存じですか?
食物繊維が多い海藻といえば「寒天」というイメージでしょうか?
でも、どの海藻に食物繊維が多いか調べたときに、
「1位は棒寒天!100g中74gの食物繊維!」
と書いてあっても、乾燥した棒寒天をモリモリ食べるわけでも、乾燥ひじきを100g食べるわけでもないので、参考になりません。
そこで、ただ単に100グラムあたりの含有量での比較ではなく、がいくら多くても、そのまま参考にはなりませんよね。
そこで、ただ単に「100グラムあたりの食物繊維の含有量での比較」ではなく、実際に食べる時の状態での「1食分」に換算して 食物繊維が多い海藻を11位までランキングで紹介します。
正しくしっかりと食物繊維を摂って、体の中をキレイに軽やかにしましょう!
海藻に多い水溶性食物繊維
食物繊維は水溶性と不溶性の2種類
食物繊維は水溶性と不溶性の2種類。それぞれ多く含まれている食べ物も違いますし、効果も違います。
水溶性食物繊維は「繊維」のイメージとはちょっと違って、ネバネバ・サラサラした食感のもの。海藻、果物に多く含まれています。がごめ昆布のトロ~ッとした部分やオクラのネバネバした部分がまさに水溶性食物繊維ですね。
不溶性食物繊維は「繊維」イメージどおり繊維質のもので、ポソポソ・ザラザラした食感のもの。玄米、ごぼう、レンコン、きのこ、おからパウダーなどに多く含まれています。
海藻に多いのは水溶性食物繊維
海藻に多く含まれているのは「水溶性」の食物繊維。
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 腸内環境を整える(免疫アップ、便秘の解消)
- 血圧を下げる(ナトリウムを排出)
- ダイエット
といった効果を発揮してくれます。40代50代など生活習慣病が気になる年代にとっては心強い栄養素といえますね。
日本人には6グラム足りていない

健康効果の高さからますます注目が集まっている食物繊維。
食物繊維の1日の摂取量の目標は、男性21グラム、女性18グラム。でも実際に摂れている量は目標のわずか70%。約6グラム足りていない のです。
なかでも水溶性の食物繊維が不足がち。水溶性食物繊維が豊富な海藻は、ぜひ毎日の食生活に取り入れてほしい食べ物なのです。
単純な食物繊維ランキング
ではまず参考までに、ただ単に、海藻や海藻の加工品で、100グラム中の食物繊維が多い順番に紹介してみます。
1位~5位:
寒天(乾)、ひじき(乾)、あおのり(乾)、焼きのり、わかめ(乾燥したカットわかめ)
6位~10位:
昆布(乾)、あおさ(乾)、とろろこんぶ、味付けのり、塩昆布
11位~15位:
昆布の佃煮(つくだに)、わかめ(乾燥を戻したもの)、のりの佃煮(つくだに)、わかめ(生)、めかぶわかめ
16位~18位:
寒天(ゼリー状)、もずく、ところてん
やはり1位は「寒天(乾燥)」。100g中に76.1gの食物繊維。
でもこれが、水で戻したり、1食分として私たちの口に入る時、どの海藻を選べば食物繊維をしっかりと摂ることができるのでしょうか?
それでは、海藻や海藻を加工した食品のなかで「1食分に換算して食物繊維が多い順番」で11位までご紹介します!
1食分に換算!食物繊維が多い海藻・海藻加工品
では、海藻や海藻の加工品のなかから、1食分に換算して食物繊維の多い順番に1位~11位まで、ご紹介します。
1日に足りない食物繊維は「6g」、ということ頭に置きながら参考になさってください。
ひじき

第1位の海藻はひじき。「ひじきの半分は食物繊維でできている」と言われるほどに豊富。ごぼうの7倍も含まれています。
【1食分】
小鉢1皿(40g)に
食物繊維2.59g
乾燥ひじき5グラムを水で戻すと8倍の40グラムに。この量で算出。
さらにひじきと言えばカルシウム。その量は牛乳の12倍!牛乳と違って吸収率も高いので、成長期のお子さんはもちろん骨粗しょう症が気になる年代の方にも最適です。
ひじきの栄養・効果・食べるタイミングについて別の記事でまとめていますので、あわせてご覧ください。
→ ひじきの栄養と7つの効果とは?
寒天(ゼリー状)

2位は寒天。乾燥した棒寒天や糸寒天ではなく、写真のように食べられる状態にした寒天での食物繊維の量です。
【1食分】
寒天150gに
食物繊維2.25g
棒寒天、糸寒天、粉寒天など、いろんなかたちの寒天がありますね。
粉寒天で寒天ゼリーを作るのも手軽。糸寒天ならちょっと水に戻して海藻サラダに入れたり、お味噌汁やスープに入れたりと、サッと使えて食物繊維をしっかり摂ることができます。
とろろ昆布

海藻の3位はとろろ昆布。昆布のうまみたっぷりで、汁ものだけでなくいろんな料理にかけて食べることができますね。
【1食分】
とろろ昆布のお吸い物1杯分に
食物繊維1.41g
お吸い物一杯にとろろ昆布を5グラム入れたとして算出。
昆布との大きな違いは食物繊維の効率。
うす~く削られているからこそ、体内に入ったあと食物繊維がすばやくはたらいてくれる。これが血糖値の上昇をおさえる、中性脂肪を減らす、コレステロールを減らす、といった効果を発揮するのですね。
体内ですばやく水分を吸って膨張することで満腹感も得られます。ダイエットにも最適な食べ物なのです。
焼きのり

4位は焼きのり。たくさん食べるものではないとはいえ、栄養の宝庫でもあるんです。
【1食分】
3g(おにぎり海苔3枚分)に
食物繊維1.08g
おにぎりサイズの焼きのりを3個のおにぎりに1枚ずつ計3枚巻いたとして算出。3切×3枚=3グラムです。
海苔の40%はたんぱく質。しかも必須アミノ酸がすべて含まれている良質なたんぱく質なのです。
※ 必須アミノ酸とは?
骨・筋肉・血液など作るために必要だけど体内で作れないから食べ物から摂ってね、というアミノ酸のこと(全9種類)。
また女性にうれしい葉酸の含有量は食品の中でトップ。葉酸は熱に弱くて水に溶け出しやすい。でも焼きのりなら、そのまま食べられるので葉酸を逃がすことなく摂ることができますね。
ベータカロテン、ビタミンC、カリウム、カルシウム、鉄分などさまざまな栄養素が豊富に含まれています。
ところてん

5位はところてん。漢字では「心太」や「心天」や「石花菜」などと書きます。
【1食分】
ところてん150gに
食物繊維0.90g
ところてんと寒天は似ていますね。
ところてんは天草だけ煮出した汁を常温で固めたもの。寒天は天草にオゴノリなどの海藻を加えて煮出した汁を固めて、それを凍らせて乾燥したもの。
食物繊維だけを考えると、寒天のほうがところてんの2倍以上入っています。ただ、ところてんには海のミネラルが豊富ですが、寒天にはほとんど含まれていません。
わかめ

6位の海藻はわかめ。乾燥したいわゆる「カットわかめ」です。家庭でよく使われる一般的なわかめですね。
【1食分】
わかめの味噌汁1杯分に
食物繊維0.78g
わかめのお味噌汁1杯に含まれているわかめの量が約10グラム。乾燥カットわかめ2グラムを水で戻すと約5倍の10グラムに。この量で算出。
妊娠中・授乳中のママに重要な「ヨウ素」のほか、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ビタミンA、ビタミンB1、B2など、いろんな栄養素が豊富。
生活習慣病の予防にも効果が期待されているわかめ。お味噌汁、スープ、サラダなど手軽に取り入れたい海藻です。
昆布の佃煮

7位は昆布の佃煮。
【1食分】
小皿一皿(10g)に
食物繊維0.68g
1食分の10gは小皿に一盛りほどの量。一般的な市販品が1パック80g程度です。
ごはんのお供にも、おにぎりの具にも人気の定番おかず。
昆布はミネラルの宝庫。ヨウ素、カルシウム、マグネシウム、鉄分、銅、亜鉛など、体に必要なミネラルがほぼすべて含まれています。
塩昆布

8位は塩昆布。
【1食分】
小皿一皿(5g)に
食物繊維0.66g
ご飯にかけるだけでなく、キャベツと和えたり、浅漬けに加えたり、炒め物に混ぜたり、和風パスタに混ぜたりと、なんにでもただ加えるだけの手軽な食材です。
1食分を、昆布の佃煮は10g、塩昆布は5gとして計算していますが、この場合は昆布の佃煮のほうが食物繊維がすこしだけ多い。
言い換えると、同じ量なら塩昆布のほうが2倍含まれている、ということですね。
もずく

9位の海藻はもずく。
【1食分】
もずく酢1パック70gに
食物繊維0.49g
一般的なもずくの三杯酢の3個パックの1パックが約70グラム。その中にもずく自体は35グラムとして算出。
もずくの三杯酢がパックに入って売られていますので、食事に手軽にプラスできる食べ物ではないでしょうか。
もずくもミネラルが豊富。海藻のなかでも鉄分が多いのが特徴です。カルシウム、マグネシウム、カリウムなどのほか、ベータカロテンも豊富に含まれています。
青のり

10位の海藻は青のり。よく似ている「あおさ」も食物繊維が多いものの、青のりの約3/4ほどになります。
【1食分】
小さじ1杯(1g)に
食物繊維0.35g
青のりは「アオサ目アオサ科アオノリ」の海藻のこと。あおさは「アオサ目アオサ科アオサ属」の海藻のこと。
青のりのほうが香りが高くて高級品とされています。あおさは味が濃く熱に強く値段も手ごろで、お好み焼き屋さんなど一般的に広く使われています。
青のりに豊富な栄養素は、ベータカロテン、ビタミンB6、B12、ビタミンC、鉄分など。あおさに豊富な栄養素は、カリウム、マグネシウムなどです。
味付けのり

最後、11位は味付けのり。
【1食分】
1袋(12切×5枚入り)に
食物繊維0.34グラム
味付けのり1袋は、12切×5枚=1.34グラム。この量を1食分として算出。
・焼きのり・・・1食分3.00グラム(おにぎりサイズ3枚)に食物繊維1.08グラム
・味付けのり・・1食分1.34グラム(1袋=12切×5枚)に食物繊維0.34グラム
としています。
味付けのりも2袋を食べれば食物繊維は0.68グラム。7位の「昆布の佃煮」1食分と同じ食物繊維量になります。
味付けのりは焼きのりと同様、栄養の宝庫。
良質なたんぱく質、葉酸、ベータカロテン、ビタミンC、カリウム、カルシウム、鉄分などあらゆる栄養素が凝縮されています。
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海藻や海藻の加工品の中から、1食分に含まれる食物繊維の多いものを11位までランキングでご紹介しました。
ここでもう一度、どの海藻にどのくらい食物繊維が含まれていたのか、一覧にして見てみましょう。
1食分あたりの食物繊維の量:一覧
海藻や海藻加工品の中から、1食分あたりに換算して食物繊維の多い11の食べ物を紹介しました。
おさらいで、それぞれの海藻1食分に含まれる食物繊維の量を一覧にまとめてみます。
海藻1食分の食物繊維の量
海藻 | 1食分 | 食物繊維の量 |
ひじき | 小鉢1皿40g | 2.59 |
寒天 | 150g | 2.25 |
とろろ昆布 | お吸い物1杯分 | 1.41 |
焼きのり | おにぎりサイズ3枚 | 1.08 |
ところてん | 150g | 0.90 |
カットわかめ | お味噌汁1杯分 | 0.78 |
昆布の佃煮 | 小皿1皿10g | 0.68 |
塩昆布 | 小皿1皿5g | 0.66 |
もずく | もずく酢1パック | 0.49 |
青のり | 小さじ1杯(1g) | 0.35 |
味付けのり | 1袋(12切れ×5枚) | 0.34 |
1食分あたりの食物繊維の量がもっとも多いのはひじき。常備菜として作り置きすれば手軽に食べられますね。
- 糸寒天をお味噌汁やスープに入れる
- ひじきの煮物を常備菜に
- おかずにとろろ昆布を乗せる
- カットわかめもお味噌汁やスープへ
- ごはんのお供に塩昆布
食物繊維が豊富な海藻なら、たっぷり食べなくてもちょっとのプラスでしっかり補うことができます。おまけにミネラルやビタミンまで摂れる。強い味方ですね。
日本人と相性のいい海藻を積極的に取り入れて、健康で若々しい体を手に入れましょう。
※「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」から引用
※文部科学省 食品成分データベース https://fooddb.mext.go.jp/index.pl
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