「今の野菜は昔の野菜よりも栄養が少ないのよ!」
「体のために野菜を食べても意味ないのかしら?」
なんて思っていませんか?
結論を言うと、
今の野菜にもしっかりと栄養素は含まれています。
でもあなたが……
栄養素が少ない野菜を食べている可能性もあるんです。
そこで、今の野菜の栄養は本当はどうなの?栄養素の多い野菜を選ぶ方法は?買った野菜の栄養を逃がさないためには?などについてわかりやすくお伝えします。
今の野菜の栄養、昔より少ないと思うのはなぜ?
今の野菜は昔の野菜よりも栄養が少ない。なんとなくそう思っていませんか?
- 今は殺虫剤や除草剤をたくさん使っている
- 畑の土(土壌)の栄養が減っている
- 完熟する前に収穫している
- 外国産の野菜はスーパーに並ぶまで日にちがたっている
- 昔はビタミンCが〇〇mg、今は〇〇mgしかない、なんて読んだことがある
どれも正しそうですよね。
今では有機野菜も増えてきましたが、まだまだ農薬が使われている野菜がほとんどでしょう。
日本の農薬使用量は世界の中でもトップクラスの多さ。「やっぱり国産が安心よね」と思いがちですが、実は農薬がたくさん使われた野菜を選んでいる可能性があることを知っておきましょう。
また完熟前の野菜もスーパーに並んでいますね。特にトマトなどは真っ赤に熟したトマトではなく、完熟前の青みがかったトマトが売り場に並んでいるのはよくある光景です。
そして今と昔の栄養素の量。情報番組などでも、昔と今の野菜の栄養素を比べて紹介しているのを見たことありませんか?
「食品成分表で比べると昔の3分の1しかありません」とか、「今の野菜は栄養が少ないので料理のしかたを工夫しましょう」とか、「野菜の栄養が減った分はサプリメントを活用しましょう」とか。
でもこれって、本当なのでしょうか。今の野菜の栄養は本当に少なくなったのでしょうか?
今の野菜の栄養価、本当に少ない?多い?
食品成分表などの数字をくらべると、確かに昔の野菜よりも今の野菜のほうが栄養価が少ない数字になっているかもしれません。
でもここに1つ大きなカラクリがあります。それは……
旬の野菜と旬でない野菜の栄養価
ここで2つ質問です。
質問(1):
夏が旬のトマト。秋や冬にトマトは売っていませんか?
質問(2):
旬に採れた野菜と、旬ではない時期に採れた野菜。栄養価は同じでしょうか?
*-*-*-*-*
昔は夏にしか食べられなかったトマト。今ではほぼ1年じゅう食べることができますが……
トマトの旬は夏。ほかの時期と比べるとビタミンCの量は2倍ほど違います。
ほうれん草の旬は冬。11月から2月です。ほかの時期と比べるとビタミンCの量は3~4倍も違います。
やはり 旬ではない時期の野菜の栄養価は低め。ここが大きなポイントなのです。というのも食品成分表に書かれている栄養価の数字というのが……
食品成分表の数字は年間の平均値
食品成分表の数字は年間を通して食べたときの栄養価の平均値となっています。
ということは、昔は旬の時期にしか野菜は食べられないので、成分表の数字は栄養価の高い旬の時期だけの平均値。
でも今は旬ではない時期にも野菜が食べられるので、成分表の数字は栄養価の高い時期と栄養価の低い時期の平均値。
この2つの数字を比べると、どうしても今の野菜のほうが栄養価は低い数字になるのです。
旬だけで比べれば今も昔も変わらない
旬の時期だけで比べてみると、今も昔も栄養価に大きな違いはありません。
ただし今のトマトは品種改良によって酸味が少なく甘味が多くなったために、ビタミンCの量は昔よりも少なくなりました。
※ 栄養豊富なトマトの選び方などはこちらで紹介しています↓
でもほとんどの野菜は、旬の時期だけで比べれば昔も今もさほど変わりません。健康のためにもしっかりと野菜の栄養を摂り入れたいですね。
と、ここで注意。
あなたは旬なのに栄養の少ない野菜を食べているかもしれません。
次は栄養の少ない野菜を食べていないかチェックです。
栄養の少ない野菜を食べていないかチェック
今の野菜も栄養は豊富。でもあなたが栄養の少ない野菜を食べていないか、チェックしてみましょう。
- 旬ではない時期に食べていませんか?
- 野菜の旬がいつなのか知っていますか?
- 買ったら早めに食べていますか?
- 野菜の保存方法をご存じですか?
- 栄養素ごとに適した料理法をご存じですか?
- 栄養の吸収をジャマする食材の組み合わせをご存じですか?
旬ではない時期の野菜は栄養も少ない。栄養の多い野菜を選ぶためには「旬」がいつなのかを調べておきたいですね。
買ってから時間がたつにつれ栄養も逃げていきます。買ったらなるべく早めに食べること、必要に応じて買うこと、長持ちする保存方法を知ることが大切です。
料理法もポイント。栄養素によっては体に吸収されやすい料理法も違います。煮るより蒸すほうがいいのか、油で炒めたほうがいいのか、スープにして汁ごといただくのがいいのかなど栄養が吸収されやすい料理法を知ることも大切です。
そして食材どうしの組み合わせも重要。相乗効果で栄養の吸収を高める組み合わせは「豚肉とレモン」。栄養の吸収をジャマしてしまう組み合わせは「ひじきと大豆」や「大根おろしとしらす」など。
大根おろしとしらすの食べ合わせがダメな理由はこちらをご覧ください。
大根おろしとしらすの食べ合わせはNG!簡単な解決法もご紹介!
ひじきと大豆の食べ合わせはダメなのかはこちらをご覧ください。
ひじきと大豆の食べ合わせは悪い!って言うけど本当なの?
いくら「旬」の野菜だからといって、買ってから日にちがたったり、料理法や食材の組み合わせを間違えてしまうと、せっかくの栄養がムダになってしまいますね。
では最後に、栄養の多い野菜を食べるための6つの方法をお伝えします。
栄養の多い野菜を食べるための6つの方法
旬の野菜を選ぶ
旬のものは栄養が豊富。特にビタミンCやカロテンは旬の時期とそうでない時期とでは雲泥の差です。
メリットは栄養の高さだけではありません。夏野菜には熱い体を冷やすはたらきがありますし、寒い冬に採れる野菜は冷えた体を温めるはたらきがあります。理にかなっているのですね。
冷凍野菜も活用する
冷凍野菜の多くは栄養豊富な旬の時期に収穫した野菜から作られます。
今の冷凍野菜は栄養素もほとんど壊れていないものが多いので、買う時期によっては生の野菜よりも冷凍野菜のほうが栄養が豊富でおすすめです。
産地直送を選ぶ
鮮度の良い野菜は栄養も豊富。今でもスーパーの産直コーナーや道の駅などの産直野菜なら収穫したての野菜が手に入ります。
収穫したての野菜が並ぶということは、ギリギリまで畑で熟した野菜が並んでいるということ。栄養が凝縮していますよね。
保存方法を知る
保存方法が間違っていれば、栄養はどんどん逃げてしまいます。
- ラップに包む?新聞紙でくるむ?
- 冷蔵庫で保存?風通しのいい涼しい場所に保存?
- 立てて保存?寝かせて保存?
野菜によって保存方法は違いますが、今はスマホですぐに調べられます。せっかくの栄養がムダにならないよう、保存方法を知っておくことは大切ですね。
栄養が吸収されやすい料理法
栄養素によってそれぞれ体内で吸収されやすい料理法があります。
ビタミンA(カロテン)やビタミンEなら油を使った料理。ビタミンBやCは水に溶け出てしまうので、水にさらしすぎない、煮るより蒸す、煮汁もいただく。フィトケミカルなら炒めるよりスープにして汁ごといただく。
栄養素の吸収を良くするにはどう料理したらいいのか、知っておくといいですね。
食べるタイミング
食べるタイミングによって吸収率が違うものもあります。
トマトに豊富なリコピンなら、朝が一番、次が夜。お昼は吸収率がもっとも低い。ほうれん草に豊富なビタミンB1も朝が一番。頭がスッキリはたらいてくれますし、ストレスからも守ってくれます。
野菜ではありませんが……
キウイは夜食べると睡眠中の腸のはたらきを助けてくれて、腸内環境にもダイエットにも効果的です。
朝のバナナは、高血圧予防、抗酸化、ストレスから守る、寝つきや眠りを深くするのに最適。朝食の30分前に食べたり、朝食自体をバナナしましょう。夕食の30分前のバナナなら、ダイエット、便秘解消におすすめです。
今の野菜は昔より栄養が少ない?:まとめ
今の野菜は昔の野菜より本当に少ない? についてお伝えしました。
- 食品成分表の数値は年間の平均値である
- 旬の野菜は今でも栄養が豊富
- 旬の野菜を選ぼう
- 冷凍野菜も活用しよう
- 産地直送を活用しよう
- 正しい保存方法をチェック
- 栄養が吸収されやすい料理法
- 食べるタイミングも大切
今の野菜もしっかりと選んで料理すれば豊富な栄養素を摂り入れることができます。
旬はいつ? 保存方法は? 栄養が吸収されやすい料理法は? といったことに気をつけることで、栄養豊富な状態で野菜を食べることができるのですね。