トマトを野菜売り場で買っていませんか? トマトをお昼に食べていませんか?
栄養豊富なトマトは、リコピンによる抗酸化作用の高さ、ビタミンCやクエン酸の疲労回復効果など、健康野菜の代表でもあります。
でも、トマトの選び方、トマトの料理のしかた、食べるタイミングによって、せっかくの健康効果が台無しになってしまうかもしれません。
そこで、トマトに多い9つの栄養、5つのスゴい効果、効果をしっかり得るためのトマトの正しい選び方、料理のしかた、食べる時間など、わかりやすくお伝えします。
トマトに多い9つの栄養

トマトに多く含まれている9つの栄養はこちら。
- リコピン
- クエン酸
- 食物繊維
- β-カロテン(プロビタミンA)
- ビタミンC
- ビタミンE
- カリウム
- ケルセチン
- グルタミン酸
リコピンはフィトケミカルの一種。トマトに多く含まれているリコピンは抗酸化作用が非常に高く、β-カロテンの約2倍、ビタミンEの約100倍とも言われています。
トマト加工品のリコピンは生食用トマトの約3倍。トマト水煮缶、トマトジュース、トマトケチャップを上手に活用しましょう。
トマトのリコピンは、加熱したり、油と一緒に調理すると吸収率がグンとアップ。食べる時間は朝がもっとも吸収率の高いタイミングです。
このほか、クエン酸には疲労回復効果が、食物繊維には中性脂肪やコレステロールを減らして腸内環境を整える効果も。
トマトの9つの栄養について別の記事でまとめていますので、あわせてご覧ください。
→ トマトに多い9つの栄養とは?栄養をしっかり吸収する食べ方も紹介!
では次は、トマトが持つ5つの健康効果についてお伝えします。
トマトの5つの健康効果とは?
高血圧の予防・改善

活性酸素は血液中の悪玉コレステロールを増やします。その結果、血栓ができるなどして血液の流れが悪くなり、高血圧を引き起こします。
トマトには活性酸素を除去する抗酸化作用の高い成分がたくさん。リコピン、β-カロテン(ビタミンAに変化する前の姿)、ビタミンC、ビタミンE、ケルセチンなどですね。
これらの抗酸化作用が悪玉コレステロールが酸化するのを防いでくれます。また善玉コレステロールを増やすはたらきもあるので、血液をサラサラにして高血圧の予防・改善が期待できるのです。
血糖値の上昇をおさえる
トマトは血糖値の上昇をおさえておだやかにしてくれます。
トマトに含まれるリコピンやクエン酸や食物繊維は、食後の血糖値の上昇を穏やかにしてくれます。血糖値スパイクや糖尿病の予防が期待できるでしょう。
腸内環境を整える

トマトには腸内環境を整える効果もあります。
トマトに多く含まれる「ペクチン」は水溶性食物繊維。善玉菌のエサとなって、善玉菌が増え、善玉菌のはたらきも高まる。そのおかげで腸の中での消化吸収が促進されます。
またカリウムには筋肉の収縮をスムーズにするはたらきがあります。腸の筋肉を動かして蠕動(ぜんどう)運動を活発にして、便秘の解消をサポート。老廃物を排出されてキレイになります。
さらにクエン酸。悪玉菌はアルカリ性が好き。そこへ酸性のクエン酸が入ってくると、腸内環境が酸性に傾いて悪玉菌が増えない環境になるのです。
疲労回復
食べ物に含まれるブドウ糖は、体内で燃焼してエネルギーを作り出します。そのとき、完全に燃焼されなかった燃えカス(焦性ブドウ糖)は酸性物質となって体の中にたまって、疲労物質である「乳酸」に変化します。
そしてもちろん乳酸は毎日の活動でも発生します。この乳酸を分解するのがトマトにも多く含まれているクエン酸なのです。
クエン酸の疲労回復効果を疑問視する声も
ただ一方で「クエン酸が疲労回復に有効だという科学的根拠は不十分」という意見もあります。
乳酸は疲労物質ではなく疲労回復を助ける物質だ、という考えや、クエン酸が本当に疲労を回復するの?クエン酸は体内で作られるから不足しないでしょ?といった考えなど。
個人的には、体感として疲れがとれる気がするのならトマトなどクエン酸の多い食べ物を活用すればいいと思います。
科学的根拠があっても100人中100人に当てはまるとは限りません。試してみて体の声を聞くのが一番かもしれませんね。
美肌

・リコピン:シミ・しわ・そばかすを予防して、透明感のある美肌づくりにも効果を発揮します。
抗酸化作用の高いリコピンが肌の表面にできた活性酸素を除去。メラニン色素をつくる酵素のはたらきをおさえてシミやそばかすやくすみを予防します。
リコピンは紫外線から肌をまもり、乾燥しないように水分をキープします。コラーゲンの生成も促進して、弾力ある美肌づくりをサポートします。
・ビタミンA(β-カロテン):皮膚や粘膜を丈夫にする栄養素。キメを整えたり毛穴をキレイにするなどの美肌効果があります。
・ビタミンC:コラーゲンの生成を促進するはたらきや美白効果があります。
・ビタミンE:抗酸化作用の高いビタミンEは「若返りのビタミン」ともいわれる栄養素。血管を掃除して血流を良くして、くすみを予防して健康的な肌色にしてくれます。
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以上、トマトの5つの効果についてお伝えしました。
健康にも美容にもとても効果の高いトマト。実は、食べ方次第で体に吸収される栄養価がまったく違うんです!!!
そこで、トマトの栄養価をしっかり吸収して効果を得るためには、どんなトマトを選んで、どう料理して、いつ食べるのがいいのか、お伝えします。
トマトの選び方、栄養を吸収しやすい食べ方、食べるタイミングとは?
では最後に、トマトの栄養をしっかり吸収するための大切なポイントについてです。
- トマトの選び方
- 栄養をしっかり吸収する食べ方
- 食べるタイミング
これらによって、栄養の吸収率がまったく変わってしまうこと、ご存じでしたか?
トマトの選び方
栄養価が高いのは完熟のトマト。特にリコピンが多いのは真っ赤に熟したトマト。でもスーパーのトマト、真っ赤ではないですよね?
これは輸送中にトマトを傷つけないために、完熟する前の少しかたいトマトを収穫しているから。傷がないかわりに栄養価も少なく、リコピンの含有量などは雲泥の差。
そこでおすすめなのは「生のトマト」ではなく「トマトの加工品」。トマトの水煮缶、トマトジュース、トマトケチャップなどですね。
これらは栄養価の高い品種のトマトを、真っ赤に完熟してから収穫して加工されています。栄養価が高く、リコピンは生のトマトの3倍も含まれています。

栄養をしっかり吸収する食べ方
トマトに豊富に含まれる栄養は、リコピン、クエン酸、食物繊維、β-カロテン(プロビタミンA)、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、ケルセチン、グルタミン酸。
ほとんどの栄養素が「加熱すると吸収率が高まる」、「油と一緒に摂ると吸収率が高まる」という特徴を持っています。
トマト水煮缶は加熱して使うでしょうが、トマトジュースやトマトケチャップも加熱することでさまざまな栄養の吸収が高まります。
食べるタイミング
トマトの栄養素の中でもっとも取り入れたいのが、抗酸化作用の非常に高いリコピン。リコピンの吸収率がもっとも高いのは「朝」。次いで夜、吸収率がもっとも低いのが昼、なのです。
ということで、トマトの栄養をしっかり吸収するポイントをまとめると・・・
- トマト缶やトマトジュースなどのトマト加工品を、
- 油を使って、
- 加熱調理したものを、
- 朝に食べる
おすすめはトマトのスープや野菜のトマト煮!

いくら朝が効果的とはいえ忙しいもの。作り置きできるレシピなどを活用したいですね。
トマト水煮缶やトマトジュースでミネストローネスープ、野菜をトマト水煮缶で煮込んだラタトゥイユ、トマトリゾット、玉子焼きにトマトソースをかけるなど。
ミネストローネスープやラタトゥイユは作り置き。トマトリゾットはご飯と野菜とトマトジュースでササッと。玉子焼きには作り置きしたトマトソースを温めてかける。
どれもトマト水煮缶やトマトジュースを使って油で加熱したものなので、リコピンの吸収率はバツグン。忙しい朝でも取り入れやすいメニューではないでしょうか。
トマトの5つの効果:まとめ
トマトに多く含まれる9つの栄養や、高血圧の予防、血糖値の上昇をおさえる、腸内環境を整える(便秘の解消、免疫力アップ)、疲労回復、美肌、といった5つの健康効果、そしてトマトの選び方、効果的な食べ方についてお伝えしました。
トマトを生で食べるよりもトマト加工品を加熱して食べるほうがはるかに多くの栄養を吸収できることもおわかりいただけたと思います。
トマトは医者いらずの健康野菜。抗酸化作用も高く、ストレスケアにも効果を発揮。毎朝の食事にトマトの健康効果を取り入れたいものですね。