パントテン酸は糖質や脂質の代謝を促進してダイエットをサポートしたり、善玉コレステロールを増やしてサラサラ効果を発揮する栄養素。
いろんな食べ物に含まれているパントテン酸。納豆にも豊富ですが、そのほかの豆や大豆製品ではどんなものに多いのでしょうか?
そこで身近な豆や大豆製品の中から1食分あたりでパントテン酸が多い豆をランキングで16位までお伝えします。
この記事を読めば、どの豆や大豆製品で1日に必要なパントテン酸の何%を摂ることができるのか、手に取るようにわかります。
栄養豊富な豆で健康的で美しい体をつくりましょう!
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パントテン酸の効果とは?
パントテン酸の多い豆を紹介する前に……
パントテン酸の効果は?
不足したらどうなる?
摂りすぎたらどうなる?
についてお伝えします。
パントテン酸の5つの効果
パントテン酸の効果は、ストレスから心と体を守る、肥満の防止、美髪・美肌など。くわしくは次の5つです。
- ストレスから心と体を守る:
ストレスを受けると心と体を守るために副腎皮質ホルモンが作られる。パントテン酸は副腎脂質ホルモンを作るはたらきを助けて、ストレスへの抵抗力を高める。 - ダイエット、肥満防止:
糖質や脂質が体に蓄積する前に燃焼させて、ダイエットをサポートしたりメタボリック・シンドロームを予防する - 疲労回復を促進して疲れにくい体へ:
食べ物の糖質や脂質やたんぱく質の代謝を促進してエネルギーに変えて、すばやく疲れをとって疲れにくい体にする - 髪や肌を美しくする:
コラーゲンを作るビタミンCのはたらきをサポートして、髪や肌を修復して美しく整える - サラサラ効果:
悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やし、サラサラ効果で動脈硬化を予防する
※参考サイト:
国立健康・栄養研究所「パントテン酸解説」
パントテン酸が不足すると?
パントテン酸が不足すると、糖質や脂質の代謝が進まない、善玉コレステロールが増えないといったことから、次のような影響があらわれるかもしれません。
- イライラしやすい、不安になりやすい
- メタボリック・シンドローム
- だるい、体が重たい、疲れやすい
- 髪のパサつき、枝毛など髪が傷む、肌トラブル
- 食欲不振
- 寝つきが悪い、ぐっすり眠れない
パントテン酸を摂りすぎると?
パントテン酸は食べ物から摂る分には悪影響が出るほどに摂りすぎることはまずありません。また余分なパントテン酸は尿として体から排出されるので心配ありません。
毎日の食生活で十分に摂りたいパントテン酸。どのくらい摂るのがよいのでしょうか?
パントテン酸の必要量と摂取量
私たちはどのくらいパントテン酸を摂ればよいのでしょうか?
パントテン酸の普段の摂取量は十分なのでしょうか?
1日に必要なパントテン酸
私たちに必要なパントテン酸は厚生労働省の「日本人の食事摂取基準-2020年版」にて次のように定められています。
1日に必要なパントテン酸
18~49歳なら、
女性も男性も5.0mg
※参考サイト:厚生労働省
「日本人の食事摂取基準-2020年版」
さて私たちは普段からどのくらい摂れているのかというと……
私たちの平均摂取量
普段の私たちの平均摂取量はこちら。
パントテン酸の必要量と平均摂取量
18~49歳なら……
女性の必要量:5.0mg
平均の摂取量:4.9mg
0.1mg(2%)不足
男性の必要量:5.0mg
平均の摂取量:5.8mg
0.8mg(16%)多く摂れています
※参考サイト:国立健康・栄養研究所
「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
さまざまな食べ物に広く含まれている栄養素ということもあって、ほぼ摂れています。
ただ、なかにはパントテン酸が不足しやすい人もいます。それは……
パントテン酸が不足しやすい人
パントテン酸の摂取量が不足しやすい人はこちら。
- エナジードリンクやコーヒーなどカフェイン飲料をよく飲む人
→パントテン酸が吸収されにくくなる - お酒をたくさん飲む人
→パントテン酸が吸収されにくくなる - 強いストレスを受けている人
→ストレスに対抗するためにパントテン酸がたくさん使われてしまう - 抗生剤を飲んでいる人
→体内でパントテン酸を作るはたらきが低下する
あてはまるようでしたらパントテン酸の多い食べ物を積極的に食べましょう。
では身近な豆の中から、100gあたりではなく「1食分あたり」でパントテン酸の多い豆や大豆製品を16位までランキングでお伝えします。
パントテン酸の多い豆ランキング
パントテン酸の多い豆や大豆製品にはなにがあるのか、16位までグラフにまとめました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
豆や大豆製品のなかでパントテン酸の多いのは納豆。豆乳や枝豆にも豊富ですがその他はそれほど多く含まれていません。
ではこの16位までの豆の「1食分に含まれるパントテン酸」をお伝えします。
1~5位の豆
まずは1~5位の豆です。
パントテン酸、18~49歳では……
女性の必要量:5.0mg
平均の摂取量:4.9mg
男性の必要量:5.0mg
平均の摂取量:5.8mg
男性は十分に摂れています。女性は0.1mgだけ不足ということを頭に置いて、それぞれの豆にどのくらい含まれているのかチェックしてみてください。
1~5位の豆には0.33~1.71mg。1日分のパントテン酸の7~34%を摂ることができます。
1位:ひきわり納豆
ひきわり納豆1パック(40g)に
1.71mg
1日に必要なパントテン酸の34%も摂ることができます。
2位:粒納豆
粒納豆1パック(40g)に
1.44mg
1日分のパントテン酸の29%。ひきわり納豆(1.71mg:34%)よりやや少ないですが、粒納豆にもたっぷりと含まれています。
粒納豆にもひきわり納豆にもビタミンKがぎっしり!1日に必要な量の1.5倍以上も含まれていて、骨粗しょう症の予防効果の高さに期待が高まっています。
そのほか、セレン、銅、鉄分、食物繊維、ビタミンB群も多く、貧血予防、血圧・血糖値・中性脂肪など生活習慣病の予防、便秘解消、疲労回復にも効果的です。
粒納豆の栄養がすごい!1パックの栄養価と8つの効果とは?
3位:豆乳(無調整)
無調整の豆乳200mlに
0.59mg
1日分のパントテン酸の12%が含まれています。
豆乳には貧血予防のモリブデンのほか、鉄分、銅、葉酸、カリウム、マグネシウムも豊富。骨を強くする、不整脈や狭心症の予防、糖尿病や高血圧の予防が期待できます。
豆乳は栄養の宝庫!1パックの栄養価と8つの効果とは?
4位:豆乳(調整豆乳)
調整豆乳200mlに
0.50mg
5位:枝豆(冷凍ものを解凍)
小皿に一盛りの枝豆(65g)に
0.33mg
冷凍枝豆の1/3袋(130g)のさやを除くと、豆の部分は65gほどに。この栄養価を紹介しています。
1日分のパントテン酸の7%が含まれています。
※枝豆は分類上「豆」ではなく「野菜」ですが、豆の感覚で食べているのでこのランキングに加えています。
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パントテン酸の多い豆を1~5位までお伝えしました。次は6~10位の豆です。
6~10位の豆
パントテン酸の多い豆、6~10位です。
パントテン酸の必要量
18~49歳なら、
女性も男性も5.0mg
女性は0.1mgだけ不足。男性は0.8mg多く摂れています。
6~10位の豆には0.12~0.14mg。1日分のパントテン酸の2.5~2.7%とかなり少なくなります。
6位:絹ごし豆腐
絹ごし豆腐の半丁(150g)に
0.14mg
含まれているのは1日分のパントテン酸の2.7%です。
絹ごし豆腐はモリブデン、鉄分、銅、マグネシウム、カルシウム、食物繊維がたっぷり!骨を強くする、血圧・血糖値・中性脂肪を改善する、イライラをおさえる、美肌効果があります。
絹ごし豆腐は栄養が凝縮!1丁の栄養価と8つの効果とは?
7位:大豆(煮豆)
大豆の煮豆の小鉢一皿(50g)に
0.13mg
8位:あずき(ゆであずき)
ゆであずき30gに
0.13mg
目安としてあんぱん1個に入っているあずきが30gほどです。
9位:厚揚げ
厚揚げ1/2枚(75g)に
0.13mg
正方形の厚揚げが2枚入っているものがあります。その厚揚げ1枚の半分(75g)の栄養価を紹介しています。
10位:おから(煮物)
おからの煮物一皿(40g)に
0.12mg
おからを1/2カップ(40g)使って作ったおからの煮物(卯の花)の栄養価です。1日分のパントテン酸の2.5%です。
おからには不溶性食物繊維やモリブデンが凝縮!鉄分、銅、マグネシウムも豊富で、ダイエット、デトックス、便秘解消、貧血予防、骨を強くする効果が期待できます。
おからの栄養がすごい!1食分の栄養価と6つの効果とは?
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パントテン酸の多い豆を6~10位までお伝えしました。最後に11~16位の豆です。
11~16位の豆
パントテン酸の多い豆、11~16位です。
パントテン酸の必要量
18~49歳なら、
女性も男性も5.0mg
女性は0.1mgだけ不足。男性は0.8mg多く摂れています。
11~16位の豆には0.02~0.11mg。1日分のパントテン酸の0.4~2.2%とごくわずかになりますね。
11位:グリーンピース(豆ごはん)
豆ごはんお茶碗1杯分の
グリーンピース(25粒:20g)に
0.11mg
1日に必要なパントテン酸の2.2%です。
グリーンピースは不溶性食物繊維をはじめ、鉄分、銅、ビタミンKが豊富。貧血予防、骨・筋肉・肌をつくる、便秘を解消する、アンチエイジングに効果的です。
グリーンピースの栄養価がすごい!多い栄養素と6つの効果とは?
※グリーンピースも分類上「豆」ではなく「野菜」。豆の感覚で食べているのでこのランキングに加えています。
12位:花豆(煮豆)
花豆の煮豆の小皿一皿(11粒:50g)に
0.09mg
生の花豆ではなく茹でた花豆の栄養価です。1日分のパントテン酸の1.8%です。
13位:おからパウダー
おからパウダー大さじ1杯(6g)に
0.07mg
パントテン酸は少ないですが、おからパウダーはその半分が不溶性食物繊維!コーヒーやスープにさっと入れるだけで、私たちに足りない食物繊維をしっかりと補うことができます。
14位:きなこ
きなこ大さじ1杯(7g)に
0.07mg
きなこは大豆そのものの栄養がぎっしり!わずかな量にも貧血予防のモリブデン、不溶性食物繊維、銅、鉄分、マグネシウムがたっぷりです。貧血の予防、強い骨をつくる、デトックス、便秘解消、美肌に効果を発揮します。
きなこは栄養たっぷり!大さじ1杯の栄養価と6つの効果とは?
15位:木綿豆腐
木綿豆腐の半丁(150g)に
0.03mg
絹ごし豆腐には0.14mgとやや多めに含まれています。
16位:高野豆腐(含め煮)
高野豆腐の煮物1鉢(100g)に
0.02mg
1日分のパントテン酸の0.4%とわずかですが、鉄分、カルシウム、マンガン、セレン、ナイアシンが豊富。骨を強くする、不整脈・狭心症の予防、糖尿病や高血圧の予防、感情を整える効果が期待できます。
高野豆腐はミネラルの宝庫!1皿分の栄養価と7つの効果とは?
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パントテン酸が多い豆や大豆製品をランキングでお伝えしました。もう一度グラフを見てみましょう。
比較的多く含まれているのは納豆、豆乳、枝豆。どれも手軽に食べられるので、パントテン酸を補いやすいですね。
パントテン酸の多い豆:まとめ
豆や大豆製品のパントテン酸の量、効果、必要な量や摂取量をお伝えしました。
パントテン酸の多い豆:ひきわり納豆、粒納豆、豆乳、枝豆、豆腐、大豆
パントテン酸の効果:ストレスから心と体を守る、ダイエット、肥満防止、疲労回復、髪や肌を美しくする、サラサラ効果で悪玉コレステロールを減らす
不足すると?:イライラしやすい、不安になりやすい、メタボリック・シンドローム、だるい、疲れやすい、髪のパサつき、枝毛など髪が傷む、肌トラブル、食欲不振、寝つきが悪い、ぐっすり眠れない
摂りすぎると?:食べ物からなら摂りすぎて悪影響が出ることはまずありません。余分なパントテン酸も尿として排出されます。
1日に必要な量:18~49歳なら女性も男性も5.0mg。女性は0.1mg不足、男性は0.8mg多く摂れています。
不足しやすい人:カフェインをよく摂る人、お酒をたくさん飲む人、強いストレスを受けている人、抗生剤を飲んでいる人
豆はビタミン・ミネラル以外にも植物たんぱく質やポリフェノールなど体にいい成分もたっぷり。
美容と健康のために毎日の食生活にぜひ取り入れましょう。