葉酸は赤血球をつくって全身に酸素を届けたり、細胞づくりを支えて胎児や子供の成長を促進する栄養素。
レバーや緑色の野菜に豊富ですが、豆ならどんな豆に多く含まれているのでしょうか?
そこで身近な豆や大豆食品の中から1食分あたりで葉酸が多い豆をランキングで15位まで紹介します。
このページを読めば、どの豆や大豆食品をどのくらい食べると1日に必要な葉酸の何%を摂ることができるのか、はっきりとわかります。
女性にも子供にもうれしい葉酸で気持ちのよい毎日を過ごしましょう!
【関連記事】ビタミンEが多い豆ランキング【1食分あたり】摂取量や効果も!
【関連記事】ビタミンB1が多い豆とは?1食分で比較-摂取量や効果も!
葉酸の効果とは?
葉酸の多い豆や大豆食品を紹介する前に……
葉酸の効果は?
不足すると?
摂りすぎると?
についてお伝えします。
葉酸の4つの効果
葉酸の効果は、貧血によるめまい・動悸・息切れの予防、胎児や小さい子供の成長を守る、肌や粘膜を整えるなど。おもに次の4つの効果があります。
- 妊娠中の胎児の神経管閉鎖障害を防ぐ:
妊娠初期の胎児のさかんな細胞分裂をしっかり支えて、正常で順調な発育を守る - 幼児期の子供の発育を守る:
たんぱく質を合成したりアミノ酸の代謝を助けることで、細胞分裂を促進して子供の発育を守る - 巨赤芽球性貧血による動悸、息切れ、めまい、疲れやすさを防ぐ:
ビタミンB12と一緒に赤血球を作って全身に酸素を行き渡らせる - 肌荒れや口内炎を予防する:
たんぱく質を合成して肌や口腔内の粘膜を健康な状態に保ち、肌荒れや炎症から守る
※参考サイト:
国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
葉酸が不足すると?
葉酸が不足すると、胎児の発育が正常に進まなかったり巨赤芽球性貧血になるなど、次のような影響があらわれることがあります。
- 胎児の神経管閉鎖障害のリスクが高まる:
胎児が十分に発育することができなくなる - 肌や粘膜のトラブル:
たんぱく質が十分に作られないことで肌が荒れたり粘膜が炎症をおこして口内炎ができる - 巨赤芽球性貧血:
赤血球が十分に作られないためヘモグロビンが全身に酸素を届けることができなくなって、息切れ、めまい、疲労感といった貧血症状があらわれやすくなる - 子供が十分に成長できない:
細胞分裂が正しく進まないために子供の成長に影響をきたす
葉酸を摂りすぎると?
葉酸は摂りすぎによる悪影響の心配はいりません。葉酸は水溶性のビタミンなので、摂りすぎても尿として排出されます。
サプリメントで摂る場合には、上限(30~64歳なら1,000μg)を超えないように気をつけましょう。
毎日の食生活で十分に摂りたい葉酸。1日にどのくらい摂るのがよいのでしょうか?
葉酸の1日の必要量
1日に必要な葉酸がどのくらいなのか、ご存じですか?
そして私たちの実際の摂取量(摂れている量)はどのくらいなのでしょうか?
1日に必要な葉酸
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準-2020年版」による1日に必要な葉酸はこちら。
1日に必要な葉酸
12歳以上なら、
女性も男性も240μg
妊活中から産後の授乳期までは葉酸を多く摂るように推奨されています。その必要量はこちら。
妊活~妊娠3ヶ月:640μg
妊娠4ヶ月~出産:480μg
授乳期:340μg
※妊活中から妊娠3ヶ月の640μgは食べ物から摂るのは難しいので健康補助食品の活用が推奨されています
※1μg(マイクログラム)は1mgの1000分の1。1gの100万分の1です。
※参考サイト:厚生労働省
「日本人の食事摂取基準-2020年版」
さて私たちは普段からどのくらい摂れているのかというと……
私たちの平均摂取量
私たちの平均摂取量はこちら。
葉酸の必要量と平均摂取量
12歳以上では……
女性の必要量:240μg
平均の摂取量:274μg
34μg(14%)多く摂れています
男性の必要量:240μg
平均の摂取量:289μg
49μg(20%)多く摂れています
※参考サイト:国立健康・栄養研究所
「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
男女ともに摂取量は十分。ただ、なかには葉酸が不足しやすい人もいます。
葉酸が不足しやすいのはどんな人?
葉酸が足りていない人はこちら。
- お酒をたくさん飲む人
(腸で葉酸を吸収するはたらきが低下する) - アスピリンやピルを飲んでいる人
- 胃腸の手術を受けた人
(食べ物を消化吸収するはたらきが低下する) - 高齢者
(消化吸収のはたらきが低下していることが多い) - 野菜をあまり食べない、小食
葉酸は水溶性の栄養素なので水に流れ出てしまいます。水にさらす時間が長かったりじっくり茹でたりすると、食べ物に含まれる葉酸も逃げていってしまいます。
野菜を生で食べたり、水にさらす時間を短くしたり、茹でる代わりに蒸す、といった工夫をしながら、葉酸の多い食べ物を取り入れましょう。
では身近な豆の中から、100gあたりではなく1食分あたりで葉酸の多い豆をランキングで15位までお伝えします。
葉酸の多い豆ランキング
葉酸の多い豆にはどんなものがあるのか、まずは15位までグラフにまとめました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
豆や大豆食品のなかでは枝豆がダントツで葉酸が豊富。豆乳や納豆にも比較的多く含まれていますが、そのほかは1日に必要な葉酸の10%未満と少なめになります。
※枝豆は分類上「野菜」ですが豆の感覚で食べているのでこちらのランキングに入れています
ではこの15位までの豆それぞれの「1食分に含まれる葉酸」をお伝えします。
1~5位の豆
まずは1~5位の豆です。
葉酸の必要量と摂取量
12歳以上なら……
女性の必要量:240μg
・妊活~妊娠3ヶ月:640μg
・妊娠4ヶ月~出産:480μg
・授乳期:340μg
平均の摂取量:274μg
男性の必要量:240μg
平均の摂取量:289μg
女性は34μg多く、男性は49μg多く摂れています。
1~5位の豆には44~202μg。1日分の葉酸の18~84%を摂ることができます。
1位:枝豆(冷凍ものを解凍)
小皿に一盛りの枝豆(65g)に
202μg
1日に必要な葉酸の84%!たっぷりと含まれています。
アルコールを分解するはたらきがあってお酒のおつまみにピッタリな枝豆。ビタミンC、鉄分、銅、カリウム、食物繊維も多く、貧血予防、疲労回復、便秘解消、デトックスが期待できます。
枝豆の栄養がすごい!冷凍枝豆1皿分の栄養価と7つの効果とは?
2位:調整豆乳
調整豆乳200mlに
65μg
1日分の葉酸の27%を摂ることができます。
3位:豆乳(無調整)
無調整の豆乳200mlに
59μg
調整豆乳には65μgと、大きな違いはありません。
4位:粒納豆
粒納豆1パック(40g)に
48μg
5位:ひきわり納豆
ひきわり納豆1パック(40g)に
44μg
粒納豆には48μg、ひきわり納豆には44μg。どちらも1日分の葉酸の20%前後です。
ひきわり納豆は粒の納豆以上にビタミンKがぎっしり!骨粗しょう症の予防に大きな期待が寄せられています。
そのほか、銅、セレン、鉄分、食物繊維も多く、貧血予防、血圧・血糖値・中性脂肪をおさえる、そして便秘解消にも効果を発揮します。
ひきわり納豆の栄養がすごい!1パックの栄養価と8つの効果効能
*-*-*-*-*
葉酸の多い豆を1~5位までお伝えしました。次は6~10位の豆です。
6~10位の豆
葉酸の多い豆、6~10位です。
葉酸の必要量
12歳以上なら、
女性も男性も240μg
※必要量について補足
妊活~妊娠3ヶ月:640μg
妊娠4ヶ月~出産:480μg
授乳期:340μg
女性は34μg多く、男性は49μg多く、摂れています。
6~10位の豆・大豆製品で摂れるのは15~21μg。1日に必要な葉酸の6~9%を摂ることができます。
6位:大豆(煮豆)
大豆の煮豆の小鉢一皿(50g)に
21μg
1日分の葉酸の8.5%を摂ることができます。
7位:木綿豆腐
木綿豆腐の半丁(150g)に
18μg
木綿豆腐には私たちにかなり足りないマグネシウムがぎっしり!鉄分、カルシウム、食物繊維も豊富で、骨を強くする、心臓を守る、血圧・血糖値・中性脂肪の改善、美肌効果が期待できます。
木綿豆腐の栄養がすごい!1丁の栄養価と8つの効果とは?
7位タイ:絹ごし豆腐
絹ごし豆腐の半丁(150g)に
18μg
木綿豆腐も絹ごし豆腐も、含まれている葉酸は同じ。1日分の葉酸の7.5%を摂ることができます。
9位:厚揚げ
厚揚げ1/2枚(75g)に
17μg
厚揚げには鉄分、銅、カルシウム、マグネシウム、ビタミンK、Eが豊富。強い骨をつくる、高血圧や糖尿病の予防、疲労回復、免疫力アップに効果的です。
厚揚げの栄養がすごい!1枚あたりの栄養価と8つの効果とは?
10位:きなこ
きなこ大さじ1杯(7g)に
15μg
1日分の葉酸の6.4%が含まれています。大豆イソフラボンも豊富なきなこは、貧血予防や骨を強くするだけでなく美肌など女性の強い味方ですね。
きなこは栄養たっぷり!大さじ1杯の栄養価と6つの効果とは?
*-*-*-*-*
葉酸の多い豆を6~10位までお伝えしました。最後に11~15位の豆です。
11~15位の豆
葉酸の多い豆、11~15位です。
葉酸の必要量
12歳以上なら、
女性も男性も240μg
女性は34μg多く、男性は49μg多く、摂れています。
11~15位の豆・大豆製品で摂れるのは3~14μg。1日分の葉酸の1~6%とかなり少なくなります。
11位:グリーンピース
豆ごはんお茶碗1杯分の
グリーンピース(25粒:20g)に
14μg
1日分の葉酸の6%が含まれています。
グリーンピースは不溶性食物繊維、鉄分、銅、ビタミンKが豊富。貧血予防、疲労回復、骨・筋肉・肌をつくる、便秘を解消する、アンチエイジングに効果を発揮します。
グリーンピースの栄養価がすごい!多い栄養素と6つの効果とは?
※グリーンピースは分類上「豆」ではなく「野菜」になりますが、豆の感覚で食べているのでこのランキングに入れています
12位:花豆
花豆の煮豆の
小鉢一皿(11粒:50g)に
12μg
13位:あずき
ゆであずき30gに
7μg
目安として、あんぱん1個に入っているあずきが30gほどです。
14位:おから
おからの煮物一皿(40g)に
6μg
おからには不溶性食物繊維やモリブデンがたっぷり。鉄分、銅、マグネシウムも豊富。ダイエット、デトックス、便秘解消、貧血予防、疲労回復、強い骨をつくる効果が期待できます。
おからの栄養がすごい!1食分の栄養価と6つの効果とは?
15位:おからパウダー
おからパウダー大さじ1杯(6g)に
3μg
葉酸はごくわずかですが、おからパウダーの半分は不溶性食物繊維というくらいぎっしり!コーヒーやスープやお味噌汁にふりかけるなど、簡単に摂ることができます。
*-*-*-*-*
葉酸の豊富な豆・大豆製品を15位までランキングでお伝えしました。もう一度グラフを見てみましょう。
冷凍の枝豆、豆乳、納豆など、手間をかけずにすぐ食べられるものに葉酸がしっかり含まれていますね。
葉酸の多い豆:まとめ
豆や大豆加工品の葉酸の含有量、私たちに必要な量と実際の摂取量、健康効果をお伝えしました。
葉酸の多い豆・大豆製品:枝豆、豆乳、納豆、大豆、豆腐、厚揚げ、きなこ
葉酸の効果:妊娠中の胎児の神経管閉鎖障害を防ぐ、子供の発育を守る、巨赤芽球性貧血の予防、肌荒れや口内炎の予防
不足すると?:胎児の神経管閉鎖障害のリスクが高まる、肌や粘膜のトラブル、息切れ・めまい・疲労感などの貧血症状、子供の成長に影響をきたす
摂りすぎると?:悪影響の心配はありません。摂りすぎても尿として排出されます。
1日の必要量と摂取量:12歳以上の場合、必要量は女性も男性も240μg。摂取量は女性が274μg、男性は289μg。
不足しやすい人は?:お酒をたくさん飲む人、アスピリンやピルを飲んでいる人、胃腸の手術を受けた人、高齢者、野菜をあまり食べない、小食
豆類は葉酸だけでなく、植物性たんぱく質、ミネラル、イソフラボン、そして納豆にはナットウキナーゼなど、たくさんの栄養が詰まっています。
ぜひ毎日の食生活に取り入れてみてください。