ひじきは栄養の宝庫!日本人に不足している栄養素をしっかり補ってくれます。
特に「ひじきといえば鉄分」というイメージもありますが、本当でしょうか?
そこで、
- ひじきにはどんな栄養が多い?
- ひじきには本当に鉄分が多いの?
についてわかりやすくお伝えします。ひじきの栄養を上手に活用して毎日の健康にお役立てください。
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ひじきに多い6つの栄養と効果効能

ひじきの栄養素といえばなんといってもカルシウムと食物繊維。
さらに、マグネシウム、カリウム、ヨウ素、ビタミンAなどの栄養も豊富に含まれています。
では、ひじきに多い6つの栄養とその効果効能を紹介します。
カルシウム
ひじきの栄養といえばカルシウム。ひじきのカルシウムの量は牛乳の約9倍も含まれています。
とはいえこれは、「乾燥ひじき100g」と「牛乳100g」とで比べたときの話。
実際にひじきを食べる状態(ひじきの煮物)にした時の【1食分】で比べてみると……
ひじきの煮物 小鉢一皿 40g | 44mg |
牛乳200ml | 227mg |
カルシウムといえば「牛乳」というイメージ。1食分で比較してもひじきより牛乳のほうがカルシウムが多いですね。
しかし……
- 牛乳のカルシウムは吸収されにくい
- 牛乳はカルシウムとマグネシウムのバランスがあまりに悪く、体調不良の原因になる
- 牛乳に豊富な「リン」がカルシウムの吸収をさまたげる
- 牛の飼育環境が心配
といった見方もあります。私個人的にも、牛乳ではなくひじきなどの海藻からカルシウムを摂ることがおすすめです。
カルシウムのはたらきは、骨や歯をつくる、血液の状態を正常にたもつ、神経や筋肉の興奮をおさえてスムーズに動かす、ストレスをやわらげるなどです。
カルシウムの1日の推奨量と比べると?
カルシウムの1日の推奨量は、30~74歳の年代の男女で見てみると、
- 女性:650mg
- 男性:750mg
で、足りているのか、足りていないのかというと、
- 女性:
156mg不足(24%不足) - 男性:
233mg不足(31%不足)
1日に必要な量に対して、30%ほども不足している私たち。意識して摂らないといけませんね。
カルシウムの多い食べ物はこちらで紹介しています。
カルシウムの多い食べ物ランキング35【1食分】で比較!
効果的な食べ方は?
吸収されにくいカルシウム。吸収率を高めるためには、マグネシウム、ビタミンD、ビタミンC、タンパク質などの栄養を一緒に摂ること。
マグネシウムはひじきにもたっぷり。このほかマグネシウムの多い食べ物には、豆腐、厚揚げ、大豆、枝豆、玄米、そば、アーモンド、落花生などがあります。
ビタミンDの多い食べ物は鮭、さば、さんま、いわし、しらす、エリンギ、たまごなど。こちらでくわしく紹介しています。
ビタミンDの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
ビタミンCの多い食べ物は、ゴールドキウイ、柿、いちご、柑橘類全般、ミニトマト、ピーマン、キャベツ、ブロッコリーなど。
たんぱく質はお肉、お魚、たまご、などに多く含まれていますね。
食物繊維
「ひじきの半分は食物繊維でできている」と言われるほどに食物繊維が豊富。ごぼうの7倍も含まれています。
なかでも豊富なのが水溶性食物繊維。
腸の中で善玉菌のエサとなって、善玉菌を増やしたり善玉菌のはたらきを高めてくれます。
水溶性食物繊維は、腸内環境を整える、便秘の解消、血糖値の急激な上昇をおさえる、コレステロールの吸収をおさえる、などのはたらきが期待できる栄養素です。
日本人は食物繊維も不足しがち。
食物繊維の1日の目標は、女性は18g、男性は21g。しかし6g不足していると言われています。なかでも不足しているのが水溶性食物繊維。
先ほどと同じ、ひじきの煮物1食分(小鉢一皿。乾燥ひじき5gを水でもどして40g使用)に、
水溶性食物繊維 | 1.45g |
不溶性食物繊維 | 0.35g |
わずか40gのひじきの煮物に、水溶性と不溶性を合わせて1.8gもの食物繊維が含まれています。
朝晩と小鉢一皿ずつ食べれば、食物繊維の量は3.6g。不足分の60%を補えてしまいますね。
マグネシウム
ひじきにはマグネシウムも豊富。カルシウムの吸収を助けて丈夫な骨や歯をつくるサポートをします。
ほかにも、体内の酵素のはたらきを助ける、神経を安定させる、血液の循環を維持する、筋肉をスムーズに動かす、などのはたらきがあります。
カリウム
体の余分な塩分(ナトリウム)や水分を排出するカリウムも豊富。マグネシウムによる相乗効果も期待できます。
カリウムのはたらきは、体内の余分なナトリウムを排出する、高血圧の予防、むくみの解消、筋肉の収縮をスムーズにする、などですね。
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ビタミンA
ひじきはβ-カロテンも多く含まれています。
β-カロテンはビタミンAに変身する前の形。体内でスタンバイしていて必要なときにビタミンAに変身してはたらきます。
β-カロテン(ビタミンA)のはたらきは、免疫力を高める、皮膚や粘膜を正常にたもつ、抗酸化作用、美肌、美髪、などです。
私たちはビタミンAがかなり不足。1日に必要なビタミンAに対して、女性は26%不足、男性は39%も不足。
ひじきにも多いですがまだまだ足りません。レバー、にんじん、春菊、かぼちゃ、大根の葉、ほうれんそう、サニーレタス、たまご、すいかなど、ビタミンAの多い食べ物をしっかり食べましょう。
効果的な食べ方は?
ビタミンAは脂溶性のビタミン。油と一緒に料理することで吸収率がグンとアップする栄養素です。
ヨウ素
ヨウ素は魚や海藻に多く含まれるミネラル。代謝を維持するために必要な甲状腺ホルモンのおもな成分となっています。
海の幸が身近な日本人には不足することがあまりないミネラル。
摂りすぎるとかえって甲状腺のはたらきが低下することもあるので、魚や海藻をよく食べる人は摂りすぎにも注意が必要ですね。
ひじき1食分(小鉢一皿:40g)にヨウ素が520μg。1日に必要なヨウ素の4倍もの量が含まれています。
ヨウ素のはたらきは、新陳代謝の促進、基礎代謝を高める、子どもの成長促進、コレステロールを下げる、動脈硬化の予防、美肌、美髪、などです。
ちなみに鉄分は多い?
「ひじきの栄養といえば鉄分」というイメージもありましたが……、鉄分はそれほど多くなさそうです。
2015年12月の日本食品標準成分表の改定で、ひじきに含まれる鉄分の量が「今までの10分の1」となったんです。
干しひじきは原料の海藻を蒸し煮にしてから乾燥させます。蒸し煮のときに鉄釜を使っていたのがステンレス釜へと変わったことが大きく影響しているとか。
国産のひじきも90%以上がステンレス釜。韓国産や中国産のひじきもほとんどがステンレス釜のようです。
ただ鉄分の量が大きく減ったのは「国産」のひじき。
中国産と韓国産は養殖の方法が違うのか、今までとかわらず鉄分の含有量は高くなっています。
今まで鉄分が多いとされていたのは鉄鍋だけのおかげなのか真偽はわかりませんが、「鉄分不足ならひじきね!」というのは変わってきそうですね。
ひじきを買うときは、成分表示欄の鉄分の量をチェックして選びましょう。
※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」、厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、e-ヘルスネット「カルシウム」、「マグネシウム」、「カリウム」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「ヨウ素解説」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」
ひじきに多い6つの栄養:まとめ

ひじきに多い6つの栄養についてお伝えしました。
ひじきに多いのは、カルシウム、食物繊維(特に水溶性食物繊維)、マグネシウム、カリウム、ビタミンA、ヨウ素。
鉄分は国産ものを中心に今までの10分の1にまで減少。韓国産などは今までと同じく鉄分が豊富に含まれています。
日本人に不足しているカルシウムや水溶性食物繊維が多く含まれている海藻。毎日の食生活にぜひ取り入れてください。
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