水溶性食物繊維の多い野菜ランキング12【1食分】で比較!

水溶性食物繊維の多い野菜

水溶性食物繊維の多い野菜には何があるか、ご存じですか?

水溶性食物繊維といえば、善玉菌のエサとなって腸内環境を整えたり、中性脂肪やコレステロールを減らしたり、お通じの改善やダイエットなど、健康効果が満載の栄養素。

でも、水溶性食物繊維の多い野菜ってなんだろう? と調べてみると……

「モロヘイヤ100gには食物繊維がたっぷり5.9gも!」

「青じそやグリーンピースも食物繊維が豊富!」

そう言われても……、今夜からモロヘイヤやグリーンピースを大量に食べます?

そこで単に100gあたりの含有量ではなく、毎日の食生活に取り入れやすい野菜の中から1食分あたりで水溶性食物繊維が多いものを12位まで紹介!

どの野菜を、どのくらい食べると、不足している水溶性食物繊維をどのくらい補えるのか、手に取るようにわかりますよ!

【関連記事】不溶性食物繊維の多い野菜ランキング15【1食分】で比較!

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この記事は栄養補助食品の販売をはじめ健康業界に20年以上携わる健康通販(株)ナチュラルハーモニー代表の斉藤豊が執筆しました。

水溶性食物繊維が不足しがちな日本人

食物繊維は目標の70%しか摂れてない!

食物繊維には不溶性と水溶性の2種類があります。

不溶性食物繊維:食物繊維のイメージどおり、ボソボソ、ザラザラ、という食感のもの。玄米・小麦ふすま・ごぼう・レンコンといった繊維質の食べ物に多い成分です。

水溶性食物繊維:イメージとは違って、サラサラ、ヌルヌル、という食感のもの。昆布のトロ~ッ、オクラのネバ~ッ、という部分ですね。海藻・果物などに多い成分です。

食物繊維が足りていないと言われている私たち現代人。食物繊維全体でみると、男性は6g不足(30%不足)とも言われています。

そのなかでも不足しがちと言われているのが水溶性食物繊維。この水溶性食物繊維にこそ健康効果が凝縮しています!

特に40代50代など、毎日忙しい、食事のバランスが心配、あまり運動できていない、生活習慣病が心配、といった方にこそ摂ってほしい栄養素なのです。

1日に必要な水溶性食物繊維の量

水溶性食物繊維は1日にどのくらいの量が必要なのでしょうか?

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準-2020年版」では1日に必要な量(=目標とすべき量)が定められています。

  • 女性の1日の目標量:6.0g
  • 男性の1日の目標量:7.0g

これに対して、実際にはどのくらい摂れているのかというと……

実際に摂れている水溶性食物繊維の量とは?

私たちが実際に摂れている量はこちら!

実際に摂れている水溶性食物繊維の量
女性3.5g(2.5g不足)
男性3.6g(3.4g不足)

※参考サイト:国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」、厚生労働省「日本人の食事摂取基準-2020年版

目標に対して、男女ともに半分程度しか摂れていないのです。

生活習慣病の予防効果の高さが注目されている水溶性食物繊維。ぜひしっかりと摂りたいものです。

では、水溶性食物繊維の多い野菜の中からふだんの食生活に取り入れやすいものを、12位までランキングで紹介していきます!

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水溶性食物繊維の多い野菜

水溶性食物繊維の多い野菜をランキングです。

1日に足りない食物繊維は水溶性と不溶性を合わせて6gというのを頭に置きながら、お読みくださいね。

水溶性食物繊維の目標量
女性6.0g(2.5g不足)
男性7.0g(3.4g不足)

※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース

1~5位の野菜

1位:さといも

さといもの煮っころがし

さといもの煮っころがし1皿に
水溶性食物繊維1.68g
(不溶性は3.15g)

1皿分にさといも250g(5個)使用。皮をむいた後の可食部は約210gになります。

さといものトロ~ッとしたぬめりの部分こそ、ガラクタンやムチンといった水溶性食物繊維。

ガラクタンには、コレステロールを下げる、高血圧を予防する、脳を活性化させる、消化を促進する、ダイエット、といった効果があります。

またムチンには、粘膜を守って胃炎や胃かいようを予防する、肝臓や腎臓のはたらきを高める、免疫を高める、疲労を回復する、といった効果が期待できます。

さといもにはカリウムも豊富。余分なナトリウムを排出して高血圧やむくみを予防してくれます。

さといもの煮っころがし1皿で食物繊維の総量は4.83g。水溶性と不溶性のバランスも1:2と良く、1日の不足分の80%が補えます。

2位:ごぼう

きんぴらごぼう

きんぴらごぼう小鉢1皿に
水溶性食物繊維0.81g
(不溶性は1.19g)

小鉢1皿分にごぼう35gで算出。一般的な大きさのごぼうは1本が約150g。

便に水分をあたえて柔らかくしながらも、便のカサを増やして腸を刺激し、お通じをスムーズにしてくれます。

便を滞留させないということは、腸内環境の悪化や毒素の吸収から守ってくれるということですね。

さらにごぼうに含まれる「イヌリン」という成分が腎臓のはたらきをアップ。体の中にたまった不要物や毒素をデトックスしてくれます。

体の中で良いものと悪いものをしっかり区別する。悪いものをデトックスする。

ごぼうはこのはたらきで体の中をキレイにしてくれます。

作り置きできるきんぴらごぼうなら無理なく食物繊維を摂ることができますね。

ちなみに私たちが紹介している健康食品『野菜力で輝け』も、ごぼうなど5種類の有機野菜で作られたDetoxをサポートするものです。合わせてご活用ください。

3位:ブロッコリー

ブロッコリー

ブロッコリーの温野菜1皿に
水溶性食物繊維0.8g
(不溶性は4.30g)

温野菜1皿にブロッコリー100gを使用。ブロッコリーは1株が300g前後。

がん予防効果でも知られた成分「スルフォラファン」が豊富なブロッコリーにはビタミンCもたっぷり。ビタミンCが水に溶け出ないよう、煮るよりも蒸すほうがおすすめですね。

その他にも植物性のたんぱく質、ビタミンE、葉酸、ベータカロテン、カリウムなどさまざまな栄養素が多いブロッコリー。その効果はこちら↓
ブロッコリーの栄養価がスゴい!どの栄養素が多い?11の効果は?

4位:オクラ

オクラと納豆

4位の野菜は「オクラ」。オクラのネバネバはまさに水溶性食物繊維の宝庫です。

オクラ5本に
水溶性食物繊維0.70g
(不溶性は1.80g)

オクラはβカロテンの多い野菜でもありますし、ビタミンB1もCも豊富。免疫力アップや疲労回復に効果を発揮してくれます。

オクラは軽く下茹でしてから使いますが、水溶性食物繊維は文字通り「水溶性」つまり「水に溶け出る繊維」です。

長々と下茹でしない(2分程度がおすすめ)、下茹でする前に輪切りなどにしない(茹でてから切る)といった工夫がポイント。

これで水溶性食物繊維が溶け出てしまうのを少しでも防ぐことができます。

5位:さつまいも

やきいも

やきいも1/2本に
水溶性食物繊維0.6g
(不溶性は1.6g)

標準的なさつまいもは1本が200g。焼き芋にすると水分が抜けて160gほどになります。

さつまいもはイメージ通り食物繊維の多い野菜。水溶性も不溶性もどちらも豊富に含まれています。

そのほか、ビタミンB1、C、E、カリウムなども豊富。便秘やむくみの解消、免疫力アップ、血糖値をおさえるなどの効果が期待できます。

さつまいもの栄養価と効果はこちら↓
さつまいもの栄養価がスゴい!どの栄養素が多い?9つの効果は?

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水溶性食物繊維の多い野菜を5位まで紹介しました。次は6~12位です。

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6~12位の野菜

水溶性食物繊維の多い野菜。
続いて6~12位です。

水溶性食物繊維の目標量
女性6.0g(2.5g不足)
男性7.0g(3.4g不足)

6位:かぼちゃ

かぼちゃの煮物

かぼちゃの煮物を小鉢1皿に
水溶性食物繊維0.56g
(不溶性は1.68g)

1/4カットのかぼちゃを4人分とした場合の1人分(80g)の栄養価です。

かぼちゃも水溶性食物繊維の多い野菜のひとつ。煮物、サラダ、天ぷら、フライ、かぼちゃプリンやパイなど、定番のおかずからデザートまでいろんな楽しみ方のある野菜ですね。

βカロテン、ビタミンB群、抗酸化のビタミンC、免疫アップのビタミンE、さらに、葉酸、カリウム、カルシウム、モリブデンなども豊富。

ベータカロテンやビタミンEは油に溶けるビタミン。油で炒めたり揚げ物にすると吸収率アップ。

水溶性食物繊維やビタミンB、C、などは水に溶ける栄養素。茹でたり煮たりするよりも蒸すほうが栄養を逃がしません。かぼちゃの煮物なら煮汁もいただきましょう。

6位タイ:にんじん

にんじんしりしり

にんじんしりしり小鉢1皿に
水溶性食物繊維0.56g
(不溶性は1.68g)

にんじん1/2本(約80g)の栄養価です。

野菜の中でもβカロテンがダントツに多いにんじん。かぼちゃやほうれん草の2倍以上とも言われています。

βカロテンは油に溶けるビタミン。油で炒めるなどの調理法がいいですね。ビタミンB1、B2、カリウム、鉄分なども豊富です。

8位:切り干し大根

切り干し大根

小鉢1皿分に
水溶性食物繊維0.52g
(不溶性は1.61g)

乾燥の切り干し大根10gを水でもどすと約33gに。この量を小鉢1皿分としました。

切り干し大根(乾燥)は、身近な野菜のなかでは水溶性食物繊維も不溶性食物繊維もどちらもナンバーワンのスーパー野菜。

ただし水で戻してから使うため、実際に食べる時の含有量で換算すると第8位になります。

とはいえビタミンやミネラルなどの栄養も旨味も凝縮。

切り干し大根の煮物なら一緒に料理するにんじんも水溶性食物繊維の多い野菜ですし、油との相性でβカロテンもしっかり摂ることができます。

9位:だいこんの葉

大根の葉

大根の葉の炒め物を小鉢1皿に
水溶性食物繊維0.4g
(不溶性は1.6g)

大根の葉を50g使った炒め物の栄養価を紹介しています。1本の大根に葉っぱは約150gほどです。

大根の葉は立派な緑黄色野菜!

あらゆる栄養素のランキングでことごとくランクインしてくる野菜が大根の葉。スーパーで大根が白い部分だけ売られている意味がまったくわからないほどの健康野菜です。

水溶性食物繊維はもちろんのこと、ベータカロテン、ビタミンC、ビタミンK、葉酸、カルシウム、カリウム、鉄分、といった栄養素が豊富!

ほうれん草や小松菜とくらべても、ビタミンC、鉄分、カルシウム、食物繊維、どれも大根の葉のほうが多く含まれているんです。

10位:ほうれんそう

ほうれんそうのおひたし

ほうれんそうのおひたし小鉢1皿に
水溶性食物繊維0.35g
(不溶性は1.05g)

小鉢1皿にほうれんそうを50g(1/4袋)使用しました。

鉄分が多いイメージのあるほうれんそう。ただ、おひたしの場合は小松菜のほうが鉄分が多くなります。

βカロテン、ビタミンC、葉酸、カリウムが多いなど、小松菜と栄養素はとても似ています。

ちなみに、ほうれんそうの鉄分を生かすなら、炒めたり生でサラダで食べるのがいいですが……

ほうれんそうには「シュウ酸」という苦味やエグミの元となる成分が含まれています。シュウ酸は体内でミネラルの吸収をジャマするなど、なるべく摂取したくない成分。

ほうれんそうを茹でて水にさらすことでシュウ酸を取り除くのですが、それでは栄養素も逃げてしまいます。なるべく短い時間でサッと茹でて少しでも栄養を逃がさないように工夫しましょう。

11位:水菜

水菜のサラダ

水菜のサラダ1皿(1/4袋分)に
水溶性食物繊維0.30g
(不溶性は1.20g)

水菜1袋は200g前後。これを4人分として、1人分を50gとしました。

1年を通して食べられる水菜はβカロテン、ビタミンC、葉酸、カルシウムなども多い野菜。その効果や栄養価はこちら↓
水菜は栄養の宝庫!サラダ1皿の栄養価と7つの効果とは?

12位:小松菜

小松菜のおひたし

小松菜のおひたし小鉢1皿に
水溶性食物繊維0.2g
(不溶性は0.75g)

小松菜1袋を茹でて株元を取り除くと200gほどに。これを4人分として1人分50gの栄養価を紹介しています。

小松菜も水溶性と不溶性の両方の食物繊維が多い野菜のひとつ。βカロテン、ビタミンC、E、鉄分、カリウム、カルシウムなどの栄養も豊富です。

鉄分とカルシウムはほうれんそうの2倍!カルシウムは牛乳よりも多いですし、牛乳のカルシウムが吸収されにくい点や乳牛の飼育環境への懸念も考えると、カルシウム源として小松菜はとても優秀な野菜と言えますね。

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水溶性食物繊維の多い野菜を12位までランキングにてご紹介しました。

あらためて12位までの野菜の食物繊維の量を一覧表にまとめてみましょう。

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食物繊維の多い野菜:一覧表で12位まで

身近な野菜の中から、1食分あたりの水溶性食物繊維の多い12の野菜について一覧表にしました。

水溶性食物繊維の多い野菜

さといもは1皿で食物繊維の総量が4.83g。ブロッコリーは5.1g。どちらも1皿で1日の不足分をほぼ補えます。

きんぴらごぼうとオクラを小鉢で食べれば、食物繊維の総量は4.5g。工夫しだいで不足分を補えそうですね。

では、水溶性食物繊維が持つ6つのスゴい効果について、お伝えします。

水溶性食物繊維の6つの効果とは?

水溶性食物繊維の6つの効果を簡単にお伝えします。

※参考サイト:厚生労働省e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー

中性脂肪を減らす

脂肪は消化吸収されるのに時間がかかります。

脂肪が腸の中で消化吸収される前に、つまり、脂肪が中性脂肪となって体にたまる前に、水溶性食物繊維が脂肪をキャッチ。そしてそのまま便と一緒になって体から排出されるのです。

コレステロールを下げる

中性脂肪と同じように、水溶性食物繊維はコレステロールも一緒にからめとって体から排出してくれます。

血糖値の上昇をおさえる

水溶性食物繊維は体内で水に溶けてゼリー状になって、ほかの食べ物と一緒に腸の中をゆっくり進んでいきます。

なので、消化もゆっくりになって血糖値の急上昇をおさえるのです。

また、食事のときに、

  1. 水溶性食物繊維の多い食べ物(くだもの、海藻、野菜など)
  2. たんぱく質(お肉、お魚など)
  3. 炭水化物(ごはん、ぱん、麺など)

の順番で食べると、血糖値を下げる腸内細菌のはたらきが高まる、とも期待されています。

腸内環境を整える(便秘の解消)

水溶性食物繊維は善玉菌のエサ。善玉菌が増える、はたらきが高まる、ということから腸内環境を整える効果があります。

また、水溶性食物繊維は便に水分をあたえてくれます。固くなった便が柔らかくなって排出されやすくなるので、便秘の解消にも効果を発揮してくれます。

血圧を下げる(ナトリウムを排出)

水溶性食物繊維はナトリウムもキャッチして便と一緒に体から出ていくので、血圧を下げる効果があります。

このはたらきは海藻類に多く含まれる水溶性の「アルギン酸カリウム」によるもの。野菜よりは海藻に多く含まれますので、海藻も積極的に食べるようにしましょう。

ダイエット(脂肪やコレステロールを排出)

水溶性食物繊維が脂肪やコレステロールをからめとって体から出してくれるはたらき。

腸の中をゆっくり進んで満腹感をあたえてくれるはたらき。

善玉菌のエサとなって腸内環境を整えてくれるはたらき。

これらによって、ダイエットもしっかりとサポートしてくれるのです。

水溶性食物繊維の効果について詳しくはこちら↓
水溶性食物繊維がスゴい!6つの効果と多い食べ物とは?

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水溶性食物繊維の多い野菜:まとめ

水溶性食物繊維の多い野菜とその効果についてお伝えしました。

水溶性食物繊維の多い野菜:さといも、ごぼう、ブロッコリー、オクラ、さつまいも、かぼちゃ、にんじん、切り干し大根、だいこんの葉、ほうれんそう、水菜、小松菜など。

水溶性食物繊維の効果:中性脂肪を減らす、コレステロールを下げる、血糖値の上昇をおさえる、腸内環境を整える(便秘の解消)、血圧を下げる、ダイエットなど。

ただ単に100g中に多く含まれるかどうかではなく、毎日の食生活に取り入れやすい野菜の中から、1食分あたりで水溶性食物繊維が多いものをランキングでご紹介しました。

目標の70%程度しか食物繊維を摂れていない私たち日本人。

紹介した野菜や海藻を積極的に食べて、健康で、スリムで、若々しい毎日を過ごしましょう!

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執筆者プロフィール
株式会社ナチュラルハーモニー代表 斉藤豊

1995年から栄養学を学び栄養補助食品の販売業務に従事。以来、健康食品・健康器具の販売など10年の業務経験とともに整体師から自律神経などを学び、2006年に健康通販(株)ナチュラルハーモニーを設立。
内科医・医学博士の堀田忠弘先生監修「野菜力で輝け」、医学博士の吉村尚子先生開発の和漢の健康茶「浄活茶」、リラックスジェル「プアーナ」など天然由来成分100%の健康商品の販売で18年目を迎える。

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