寒天は低カロリーなうえに糖質ゼロ!豊富な食物繊維が血糖値をおさえてくれるなど、健康効果が満載の食べ物です。
そんな寒天にはどんな栄養が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- 寒天に多い栄養は?
- 1皿150gで1日分の栄養の何%が摂れる?
- 寒天の効果は?
- どんな人こそ食べるといい?
といったことが手に取るようにわかります。寒天にぎっしり詰まった栄養で健康的な毎日を過ごしましょう。
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寒天1皿150gの栄養価
寒天に多い栄養は、水溶性食物繊維、ヨウ素、クロム、鉄分、カルシウムなど。
なかでも抜群に豊富な栄養は水溶性食物繊維。私たちにかなり足りない栄養で、このために寒天を食べるといっても過言ではありません。
寒天の効果として、中性脂肪やコレステロールを減らす、血糖値の上昇をおさえる、便秘の解消、血圧を下げる、疲労回復、ダイエットなどが期待できます。
そんな寒天。
どの栄養がどのくらい多くて、
その栄養にどんなはたらきがあるのか、
ご存じですか?
ここでは、乾燥した状態の寒天100gの栄養価ではなく、
- 寒天を1皿150g食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - 寒天に多い栄養は何?
- どんな効果が期待できる?
についてくわしくお伝えします。
一度に食べる量:寒天1皿150g
乾燥した棒寒天や糸寒天ではなく、食べられる状態に作られた寒天150gの栄養価をお伝えします。
※棒寒天は1本が8g。これで500~600gの寒天ができあがります。
寒天に多いビタミン
寒天1皿150gを食べると、女性にとって1日に必要なビタミンの何%を摂ることができるのでしょうか?
寒天にはビタミンは含まれていません(厳密にはごく微量含まれているビタミンもあるでしょう)。
では寒天にはミネラルは含まれているのでしょうか?
寒天に多いミネラル
寒天1皿150gを食べると、女性にとって1日に必要なミネラルの何%が摂れるでしょうか?
かたよりはあるものの、海のものだけあってミネラルは含まれていますね。
寒天に豊富なミネラルは次の3つ。女性の1日分のミネラルの何%を摂れるのかというと……
ヨウ素 | 24% |
クロム | 15% |
鉄 | 5% |
ヨウ素は代謝を促進するミネラル。クロムは代謝を促進して血糖値や中性脂肪やコレステロールをおさえるミネラルです。
では、寒天1皿に含まれる食物繊維をお伝えしてから、寒天の6つの効果効能を紹介します。
寒天に多い食物繊維
寒天を1皿150g食べると食物繊維をどのくらい摂ることができるのでしょうか?
水溶性食物繊維 | 30% |
不溶性食物繊維 | 4% |
寒天なら私たちが必要量の50%ほどしか摂れていない水溶性食物繊維を30%も補うことができます。
生活習慣病を予防するはたらきが抜群に高い水溶性食物繊維がぎっしり!これが寒天を食べる一番のメリットです。
では、
寒天に多い栄養には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
寒天に多い栄養とその効果
寒天1皿の栄養価のなかで、女性が1日に必要な量に対して多く含まれている栄養はこちら!
水溶性食物繊維 | 30% |
ヨウ素 | 24% |
クロム | 15% |
鉄分 | 5% |
ではこの4つの栄養は……
- 私たちは普段どのくらい摂れている?
- 寒天でどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
水溶性食物繊維
寒天にもっとも多い栄養は水溶性食物繊維。特に海藻に豊富に含まれています。
寒天の水溶性食物繊維の量
1日に必要な量は
女性が6g、男性が7g。
寒天1皿150gには1.8g。
女性:1日に必要な量の30%
男性:1日に必要な量の26%
さて私たちは普段からどのくらい摂れていて、寒天1皿でどう増えるのでしょうか?
女性が摂れている量は、58%
寒天1皿150gには、30%
合計で、88%
男性が摂れている量は、51%
寒天には、26%
合計で、77%
身近な食べ物1食分あたりの水溶性食物繊維を比べると、寒天は2位。1位がひじき、3位は里芋、4位がドライいちじく、5位がとろろ昆布です。
※食物繊維全体で1日に必要な量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、上記のとおり女性6g、男性7gとしています。
水溶性食物繊維の効果
水溶性食物繊維のおもに次の6つのはたらきがあります。
- 中性脂肪を減らす
食べ物の脂肪が中性脂肪となる前に便として体から出す - コレステロールを下げる
コレステロールをキャッチして出す - 血糖値の上昇をおさえる
体内で水に溶けてゼリー状になってほかの食べ物と一緒に腸をゆっくりと進みゆっくり消化させることで、血糖値の上昇をおさえる - 便秘の解消
腸のなかで固くなった便に水分をあたえて柔らかくするとともに、善玉菌のエサとなって腸内環境を整える - 血圧を下げる
余分なナトリウム(塩分)を体から出す - ダイエット
中性脂肪やコレステロールが減る。腸の中をゆっくり進むので満腹感が続く。善玉菌のエサとなって腸内環境を整える。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、e-ヘルスネット「食物繊維」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」
ヨウ素
2番目の栄養はヨウ素。新陳代謝を促進したり殺菌するはたらきを発揮します。
寒天のヨウ素
1日に必要なヨウ素は
女性も男性も130μg。
寒天1皿に32μg。
1日に必要な量の24%です。
ヨウ素は、私たちがふだんどのくらい摂れているかの調査がありません。
ただ魚介類や海藻に多いので、ふだんからよく食べている人には不足しにくい栄養です。
逆に、長期間にわたって摂りすぎるのはよくありません。注意が必要な人はこちら。
- うがい薬で毎日うがいをしている人(ポピドンヨード)
- 昆布など海藻をよく食べる人
- ヨウ素のサプリメントを摂っている人
例えば、昆布茶1杯には1日に必要な量の6倍も。昆布茶4杯で1日の上限の量に達してしまいます。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ヨウ素解説」
ヨウ素の効果
ヨウ素のはたらきはおもに次の5つです。
- 新陳代謝を促進
- たんぱく質の代謝を促進
- 美肌・美髪
- 子どもの成長を促進
- 強い殺菌作用
クロム
寒天に3番目に豊富なクロム。魚介類や大豆製品に多く含まれていて、血糖値を下げたり脂質の代謝を促進するはたらきがあります。
寒天のクロム
1日に必要なクロムは
女性も男性も10μg。
寒天1皿に1.5μg。
クロムも私たちがふだんどのくらい摂れているかの調査がありません。ただ一般的な食生活なら不足することも摂りすぎの心配もないようです。
※参考サイト:厚生労働省 eJIM「クロミウム」
クロムの効果
クロムのおもなはたらきはこちら。
- インスリンのはたらきを高めて血糖値を下げる
- 脂質の代謝を促進して、血液中のコレステロールや中性脂肪をおさえる
- 糖質・たんぱく質の代謝を助ける
鉄分
4番目の栄養は鉄分。貧血予防、強い骨をつくる、感染症から守るなどのはたらきがあります。
寒天の鉄分
1日に必要な鉄分は
女性が6.5mg、男性が7.5mg。
寒天1皿には0.3mg。
寒天を食べると……
女性が摂れている量は、112%
寒天には、5%
合計で、117%
男性が摂れている量は、107%
寒天には、4%
合計で、111%
鉄分の効果
- 貧血の予防・改善
- 強い骨をつくる
- ウイルスや細菌から守る
- しなやかで動きやすい体に
- 美しい肌をつくる
※参考サイト:NHK健康チャンネル「鉄分不足による症状「鉄欠乏性貧血」とは?」、厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」、国立健康・栄養研究所「鉄解説」
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寒天に多く含まれる栄養とそのはたらきをお伝えしました。最後にこれらをまとめて、
寒天を食べると
どんな効果が得られる?
どんな人こそ食べるといいの?
についてお伝えします。
寒天の6つの効果効能
寒天には水溶性食物繊維やミネラルが豊富。この栄養のはたらきから、寒天に期待される効果をまとめてみました。
- 中性脂肪やコレステロールを減らす
水溶性食物繊維やクロムが脂質の代謝を活発にして体から出す - 血糖値の上昇をおさえる
水溶性食物繊維が食べ物の吸収をゆっくりにし、クロムがインスリンのはたらきを高める - 便秘の解消
固くなった便を柔らかくしてお通じをスムーズにする - 血圧を下げる
余分な塩分を体から出す - 疲労回復
ヨウ素やクロムが糖質・脂質・たんぱく質の代謝を促進してエネルギーをつくる - ダイエット
中性脂肪やコレステロールを排出し、食べ物の代謝を促進し、腸内環境を整える
そこで、寒天をぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそ寒天を食べて!
寒天をぜひ食べてほしい人はこちら。
- お腹の脂肪が気になる
- 白米・パン・麺類が好き
- 血圧が高い
- なんにでも醤油や塩をかける
- 魚や海藻をあまり食べない
- 便秘(便がかたい、いきまないと出ない)
- 毎日忙しくストレスも多い
寒天は生活習慣病の予防はもちろんのこと、エネルギー代謝のはたらきがあるので成長期のお子さんにもおすすめです。
寒天に多い栄養:まとめ
寒天に多い栄養と期待される効果をお伝えしました。
寒天に多い栄養:1日に必要な量に対して多い順に、水溶性食物繊維、ヨウ素、クロム、鉄分、不溶性食物繊維、カルシウム
寒天の効果:中性脂肪やコレステロールを減らす、血糖値の上昇をおさえる、便秘を解消する、血圧を下げる、疲労回復、ダイエット
こんな人こそ食べてほしい:お腹の脂肪が気になる、炭水化物が好き、血圧が高い、つい醤油や塩をかけてしまう、魚や海藻をあまり食べない、便秘がち、疲れやすい
寒天はデザートだけでなく、糸寒天をお味噌汁やスープやサラダに入れたりと、いろいろと手軽に使えます。
ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。