ビタミンB6はたんぱく質や脂質を分解・代謝してエネルギーを作る栄養。疲労回復、脂肪肝の予防、美肌などの効果を発揮します。
豚肉や玄米、いも類に豊富な栄養ですが、いろんな魚にもたっぷりと含まれています。
ここではビタミンB6の多い魚(魚介類)を20位までランキング!100gあたりではなく1食分あたりの含有量で比べてみました。
このページを読むと、どの魚をどのくらい食べると1日に必要なビタミンB6の何%を摂ることができるのか、はっきりとわかります。
ビタミンB6でしっかりと疲労を回復して元気な毎日を送りましょう!
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ビタミンB6の効果
ビタミンB6の多い魚を紹介する前に……
ビタミンB6の効果は?
足りなくなると?
摂りすぎると?
についてお伝えします。
ビタミンB6の7つの効果
ビタミンB6の効果は、メタボリック・シンドロームや脂肪肝の予防、貧血予防、イライラや不安感をおさえるなど。具体的にはこちら。
- 脂肪肝を予防する:
脂質の代謝を促進する - 貧血による立ちくらみ・倦怠感・頭痛を予防する:
血液のなかで酸素を全身に届けるはたらきをするヘモグロビンを作って貧血を防ぐ - 疲労回復を促進する:
食べ物に含まれるたんぱく質の代謝を促進してエネルギーを作る - 肌荒れ・ニキビ・口内炎を予防する:
たんぱく質の代謝を活性化して、肌や粘膜を再生してトラブルを防ぐ - 月経前症候群の症状をやわらげる:
ホルモンバランスの乱れを整えて月経前の体調不良をやわらげる - 妊娠中のつわりをやわらげる:
ビタミンB6が十分にあることで妊娠中に増えるアミノ酸代謝がスムーズにおこなわれて、つわりが軽減する - イライラや落ち込みをおさえてストレスに強くする:
幸せホルモン「セロトニン」を作って感情を安定させて、ストレスへの抵抗力も高める
※参考サイト:
国立健康・栄養研究所「ビタミンB6解説」
ビタミンB6が足りなくなると?
足りなくなると疲労、脂肪肝、月経前症候群などへの影響をきたすことがあります。
- 肝臓に脂肪がたまりやすい
- 貧血による頭痛、めまい、立ちくらみ、集中力の低下
- 疲れがとれない、疲労感、だるい
- 肌荒れ、肌のくすみ、吹き出物、口内炎
- 月経前症候群(PMS)による食欲不振、肌荒れ、イライラ、不安感、落ち込み
- 妊娠中のつわりによる吐き気や嘔吐
- 精神的に不安定になる、怒りっぽい、うつ、焦燥感、ストレスを受けやすい
- 自発性や意欲や向上心の低下、気力がない
ビタミンB6を摂りすぎると?
ビタミンB6は水溶性のビタミン。摂りすぎても尿として排出されるので、摂りすぎによる悪影響は心配ありません。
毎日の食生活で十分に摂りたいビタミンB6。1日にどのくらい摂るのがよいのでしょうか?
ビタミンB6の1日の必要量
1日に必要なビタミンB6はどのくらいでしょうか?
そして私たちの実際の摂取量(摂れている量)はどのくらいなのでしょうか?
1日に必要なビタミンB6は?
1日に必要なビタミンBはこちら。
1日に必要なビタミンB6
18歳以上なら、
女性:1.1mg
男性:1.4mg
※参考サイト:厚生労働省
「日本人の食事摂取基準-2020年版」
私たちは実際にどのくらい摂れているのでしょうか?
私たちの実際の摂取量
私たちのビタミンB6の摂取量(摂れている量)はこちら。
ビタミンB6の摂取量
18歳以上では……
女性の必要量:1.1mg
摂取量の平均:1.12mg
0.02mg(2%)多く摂れています
男性の必要量:1.4mg
摂取量の平均:1.3mg
0.1mg(7%)不足
※参考サイト:国立健康・栄養研究所
「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
男女ともにほぼ摂れています。ただ、ビタミンB6が足りない傾向にある人は……
ビタミンB6が足りない人とは?
ビタミンB6の摂取量が足りない傾向にある人はこちら。
- プロテインを多く摂っている人
- 妊婦さん
- ピルを飲んでいる人
- 抗生物質を長い期間飲んでいる人
プロテインをよく飲む人や妊婦さんは体内でたんぱく質を分解がさかんにおこなわれるので、ビタミンB6がたくさん消費されます。
ビタミンB6の多い食べ物を意識して摂ることが大切ですね。
では身近な魚の中から、100gあたりではなく「1食分あたり」でビタミンB6の多い魚をランキングで20位まで紹介します。
ビタミンB6の多い魚ランキング
ビタミンB6の多い魚にはどんなものがあるのか、20位までをグラフにまとめたものがこちらです。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
魚は全般的にビタミンB6が豊富。なかでもかつお、まぐろ、さばやいわしなどの青魚、鮭に多く含まれています。
ではこの20位までの魚それぞれの「1食分に含まれるビタミンB6」を紹介します。
1~10位の魚
まずは1~10位の魚です。
ビタミンB6の必要量と摂取量
18歳以上なら……
女性の必要量:1.1mg
摂取量の平均:1.12mg
男性の必要量:1.4mg
摂取量の平均:1.3mg
女性はちょうど必要量を摂れていますが男性は0.1mgだけ不足。10位までの魚なら男性の摂取量の不足分を補うことができます。
1位:かつお
かつおのたたき6切れ(100g)に
0.76mg
かつおはビタミンB6がぎっしり!女性の1日に必要な量の70%も摂ることができます。
ビタミンB6のほかB群全般、D、セレンも凝縮!鉄分、カリウム、マグネシウムも多く、疲労回復、脂肪肝の予防、高血圧や貧血の予防、骨を強くする、アンチエイジングが期待できます。
かつおの栄養がすごい!鰹のたたき6切れの栄養価と8つの効果とは?
2位:びんながまぐろ
びんながまぐろの刺身5切れ(70g)に
0.66mg
まぐろはどれもビタミンB6が豊富。びんながまぐろなら女性の1日分の60%も摂ることができます。
3位:めばちまぐろ
めばちまぐろの刺身5切れ(70g)に
0.53mg
4位:きはだまぐろ
きはだまぐろの刺身5切れ(70g)に
0.45mg
きはだまぐろには女性の1日分のビタミンB6の41%。びんながはその1.5倍の60%です。
5位:白鮭(しろさけ)
白鮭の塩焼き1切れ(74g)に
0.42mg
白鮭(しろさけ)は1切れ100gで焼くと74gほどに。生ではなく焼いた白鮭の栄養価を紹介しています。
白鮭とは一般的な日本産の鮭のこと。少し身が白っぽく、オレンジ色に近い色。秋に海から遡上してくる白鮭のことを「秋鮭」。5月から7月ごろに少し早く遡上してきた白鮭を「時鮭(ときしらず)」と呼びます。
6位:するめいか(焼いたもの)
イカ焼き1杯(150g)に
0.39mg
生イカは1杯が300gほど。ワタや軟骨を取り除いて焼くと150gほどになります。
するめいかはビタミンE、セレン、亜鉛、マグネシウムもたっぷり!感染症の予防、高血圧や糖尿病や心筋梗塞の予防、肝臓を元気にする効果が期待できます。
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7位:さば(水煮缶詰)
さばの水煮缶詰1/2缶(95g)に
0.34mg
8位:さんま(塩焼き)
さんまの塩焼き1匹(76g)に
0.32mg
さんまの中サイズ1匹が150g前後。焼いて頭や骨を取り除くと76gほどです。
このビタミンB6は、生のさんまではなく焼いたさんまに含まれる量です。
9位:ブリ(照り焼き)
ブリの照り焼き1切れ(82g)に
0.31mg
ブリは1切れが約100gで焼くと82gほどに。生ではなく焼いたブリの栄養価です。
ブリはビタミンB群、D、E、鉄分、カリウム、EPA、DHAといった栄養が豊富な魚。骨を強くする、貧血の予防、疲労回復、感染症の予防、心筋梗塞や動脈硬化の予防、イライラをおさえる、集中力アップが期待できます。
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10位:紅鮭(塩焼き)
紅鮭の塩焼き1切れ(78g)に
0.30mg
女性の1日分のビタミンB6の23%が含まれています。
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ビタミンB6の多い魚を1~10位までお伝えしました。次は11~20位の魚です。
11~20位の魚
ビタミンB6の多い魚、11~20位です。
11~20位の魚では1日分のビタミンB6の6~26%を摂ることができます。
ビタミンB6の必要量
18歳以上なら、
女性:1.1mg
男性:1.4mg
女性は必要な量よりも0.02mgだけ多く摂れています。男性は0.1mg不足ですが、17位のホタテまでなら不足分を補うことができます。
11位:さば(味噌煮缶詰)
さばの味噌煮缶詰1/2缶(95g)に
0.29mg
女性の1日に必要なビタミンB6の26%を摂ることができます。さば水煮缶のほうが0.34mg(31%)とやや多めですね。
さばの味噌煮缶にはビタミンB群のほか、D、E、カルシウム、鉄分がぎっしり!骨を強くし、心臓のはたらきを守り、動脈硬化や高血圧を予防する効果が期待できます。
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12位:いわし(蒲焼き)
いわしの蒲焼き2尾(64g)に
0.25mg
いわし1尾は約100g。頭・内臓・骨・ヒレを取り除いて焼くと32gほどになります。生ではなく焼いたいわしの栄養価です。
13位:銀鮭(塩焼き)
銀鮭の塩焼き1切れ(78g)に
0.24mg
銀鮭には女性の1日分のビタミンB6の22%。ちなみに白鮭には38%。紅鮭には28%が含まれています。
14位:あじ(アジフライ)
アジフライ2枚(100g)に
0.15mg
生ではなくフライにしたアジの栄養価です。女性の1日分のビタミンB6の14%が含まれています。
15位:ツナ缶(ライト)
ツナ缶1缶(ツナ50g)に
0.13mg
16位:わかさぎ(フライ)
わかさぎのフライ7尾(70g)に
0.12mg
わかさぎはカルシウムが凝縮!ビタミンD、セレン、銅、亜鉛も豊富な魚で、骨を強くする、感染症の予防、高血圧の予防、感情をおだやかにする効果があります。
わかさぎの栄養がすごい!1食分7尾の栄養価と7つの効果とは?
17位:ほたて(貝柱の刺身)
ホタテの貝柱の刺身5個(100g)に
0.11mg
18位:鮭(水煮缶詰)
サケの水煮缶詰1/2缶(90g)に
0.09mg
19位:うなぎ(蒲焼き)
うな重1人前(うなぎ100g)に
0.09mg
うな重1人前はうなぎ100g程度が一般的。スーパーの蒲焼は1尾150gほどが多いようです。
20位:ししゃも(生干しを焼いたもの)
からふとししゃも5尾(81g)に
0.06mg
女性の1日に必要なビタミンB6の6%が含まれています。
ししゃも1尾20gを焼くと16.2gに。1食分を5尾として81.0g。一般的に出回っているししゃもは「からふとししゃも」です。
ししゃもは骨をまるごと食べられるのでカルシウムがたっぷり!亜鉛、鉄分、ビタミンEも豊富な魚です。骨を強くする、不整脈や心筋梗塞を防ぐ、生活習慣病の予防、美肌が期待できます。
ししゃもの栄養がすごい!1食分5尾の栄養価と7つの効果とは?
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ビタミンB6の豊富な魚を20位までランキングでお伝えしました。もう一度グラフを見てみましょう。
魚にはビタミンB6がたっぷり。普段から魚を食べている人には不足しにくい栄養ですね。あまり食べていない人はサバ缶、ツナ缶、アジフライなど手軽なものから取り入れてみてはいかがでしょうか。
ビタミンB6の多い魚:まとめ
ビタミンB6の効果、1日の必要量と私たちの摂取量、多く含まれる魚を紹介しました。
ビタミンB6の多い魚:かつお、まぐろ、鮭、いか、さば、さんま、ぶり、いわし、アジ
ビタミンB6の効果:脂肪肝の予防、貧血予防、疲労回復を促進、肌荒れ・ニキビ・口内炎の予防、月経前症候群やつわりをやわらげる、イライラや落ち込みをおさえてストレスに強くする
不足すると?:肝臓に脂肪がたまりやすい、貧血による頭痛やめまい、疲労感、だるい、肌荒れ、吹き出物、口内炎、月経前症候群による不安感やイライラ、つわり、うつ状態、焦燥感、自発性や意欲の低下
摂りすぎると?:悪影響は心配ありません。水溶性のビタミンなので余分なビタミンB6は尿として排出されます。
1日の必要量:18歳以上の場合、女性は1.1mg(摂取量は1.12mg)、男性は1.4mg(摂取量は1.3mg)
不足しやすい人は?:プロテインを多く摂っている人、妊婦さん、ピルを飲んでいる人、抗生物質を長い期間飲んでいる人
魚はビタミンB6だけでなくビタミンDやEやミネラルも豊富。良質の脂も含まれています。ぜひ毎日の食生活に取り入れていきましょう!