葉酸の多いナッツにはどんなものがあるでしょうか?
葉酸は胎児や小さな子供の成長を支え、貧血を予防して元気な体をサポートする栄養素。手軽に食べられるナッツでしっかり摂ることができたらうれしいですよね。
そこで身近なナッツの中から100gあたりではなく1日に食べる適量あたりで、葉酸の多いナッツをランキングで7位までお伝えします。
この記事を読めば、どのナッツをどのくらい食べると1日に必要な葉酸の何%を摂ることができるのか、手に取るようにわかります。
手軽なナッツで葉酸をしっかり摂って元気で美しい体をつくりましょう!
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葉酸の効果
葉酸の多いナッツをお伝えする前にまずは……
葉酸にはどんな効果がある?
足りなくなると?
摂りすぎると?
についてお伝えします。
葉酸の4つの効果とは?
葉酸の効果は、おなかの赤ちゃんの正しい成長を支える、肌や粘膜を健康的に維持する、貧血を予防するなど。くわしくはこちらです。
- おなかの赤ちゃんの発育を支える:
妊娠初期はおなかの赤ちゃんの細胞分裂がさかんにおこなわれる。葉酸はその細胞分裂を助けることでおなかの赤ちゃんの正常で順調な発育を支えて、先天性異常である神経管閉鎖障害のリスクを減らす。 - 幼児期の子供の発育を促進する:
細胞づくりを促進することで特に幼児期の子供の発育を助ける - 巨赤芽球性貧血を予防する:
ビタミンB12と一緒に赤血球を作ってヘモグロビンが全身に酸素を運ぶのを支えることで、動悸・息切れ、めまい、疲れやすい、といった貧血症状を防ぐ - 肌トラブルや口内炎から守る:
代謝を活性化して肌や口の中の粘膜を強く健康にする
※参考サイト:
国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
葉酸が足りないと?
おなかの赤ちゃんの発育を支えたり貧血を予防する効果のある葉酸。足りなくなると次のような不調をきたす場合があります。
- おなかの赤ちゃんの発育が妨げられる:
おなかの赤ちゃんの細胞分裂がさかんな妊娠初期に葉酸が足りないと、細胞分裂が十分におこなわれなくなって神経管閉鎖障害を起こす可能性が高まる - 口内炎や肌トラブルを起こしやすい:
たんぱく質が十分に合成されなくなって肌荒れや口内炎になりやすくなる - 動悸、息切れ、めまい、疲れやすい:
赤血球が十分に作られないために酸素を全身に運ぶヘモグロビンが少なくなって、巨赤芽球性貧血になりやすくなる - 子供の成長が遅れる:
全身のすべての種類の細胞分裂が正常に進まなくなってしまい、小さな子供の成長が妨げられる
葉酸を摂りすぎると?
摂りすぎについては心配ありません。水溶性の栄養素なので余分な葉酸は尿と一緒に排出されます。
サプリメントの場合は注意が必要。摂りすぎると発熱、下痢、じんましんが起こるケースがあります。上限量(30~64歳なら1,000μg)を守りましょう。
葉酸はしっかりと摂りたい栄養素。どのくらい摂るのがよいのでしょうか?
葉酸の必要量と摂取量
葉酸はどのくらい摂るのがよいのでしょうか?
そして私たちの普段の摂取量(摂れている量)はどうなのでしょうか?
1日に必要な葉酸
私たちに必要な量は厚生労働省の「日本人の食事摂取基準-2020年版」にて次のように定められています。
1日に必要な葉酸
12歳以上なら、
女性も男性も240μg
妊活中から産後の授乳期までは葉酸を多めに摂ることが大切。
妊活~妊娠3ヶ月:640μg
妊娠4ヶ月~出産:480μg
授乳期:340μg
※妊活中~妊娠3ヶ月の640μgは食べ物から摂るのは難しいので健康補助食品の活用が推奨されています
※1μg(マイクログラム)は1mgの1000分の1。1gの100万分の1です。
※参考サイト:厚生労働省
「日本人の食事摂取基準-2020年版」
ところで私たちは普段から十分に摂れているのでしょうか?
普段の私たちの摂取量
私たちの普段の葉酸の摂取量はどのくらいかというと……
必要量と普段の摂取量
12歳以上では……
女性の必要量:240μg
摂取量の平均:274μg
34μg(14%)多く摂れています
男性の必要量:240μg
摂取量の平均:289μg
49μg(20%)多く摂れています
※参考サイト:国立健康・栄養研究所
「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
必要な量を超えてしっかりと摂れています。とはいえ十分に摂れていない人ももちろんいます。それは……
葉酸が足りない人
葉酸の摂取量が足りない傾向にある人はこちら。
- アルコールが好き
→葉酸を吸収するはたらきが邪魔される - アスピリンやピルを飲んでいる人
- 胃や腸の手術を受けた経験がある
→栄養素の吸収力が下がりがち - 高齢者
→食べ物の消化吸収するはたらきが低下しがち - 野菜をあまり食べない、小食
お酒をよく飲む人や野菜をあまり食べていない人は、葉酸不足を自覚して葉酸の多い食べ物を積極的に食べましょう。
また葉酸は水に流れ出てしまう栄養素。野菜には葉酸が豊富ですが、長時間水にさらしたり茹でたりすると葉酸がどんどん減ってしまいます。
葉酸をしっかり摂るために調理法のちょっとした工夫も大切ですね。
では身近なナッツの中から、100gあたりではなく「1日に食べる適量あたり」で葉酸の多いナッツをランキングで7位までお伝えします。
葉酸の多いナッツランキング
葉酸の多いナッツにはどんなものがあるのか、まずは7位までグラフにまとめました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
葉酸の多いナッツのなかでは天津甘栗がダントツ。そのほかのナッツはぎっしりというほどには含まれていません。
ではこの7位までのナッツの「1日の適量あたりに含まれる葉酸」をお伝えします。
1~3位のナッツ
まずは1~3位のナッツです。
葉酸の必要量と摂取量
12歳以上なら……
女性の必要量:240μg
・妊活~妊娠3ヶ月:640μg
・妊娠4ヶ月~出産:480μg
・授乳期:340μg
摂取量の平均:274μg
男性の必要量:240μg
摂取量の平均:289μg
女性は34μg多く、男性は49μg多く摂れています。
1~3位のナッツには17~71μg。1日に必要な葉酸の7~30%を摂ることができます。
1位:天津甘栗
天津甘栗14粒(71g)に
71μg
天津甘栗の殻をむくと1粒は5gほど。間食でのカロリーを150kcal以下におさえたいので、1日に食べる適量は14粒ほどになります。
甘栗14粒には1日に必要な葉酸の30%が含まれています。
2位:くるみ
くるみ7粒(21g)に
19μg
くるみの殻をむくと1粒は3gほど。150kcal以内におさえるためには7粒が目安です。
1日分の葉酸の8%。1位の甘栗からぐっと少なくなりますね。
くるみには、銅、マンガン、マグネシウム、不溶性食物繊維、鉄分、ビタミンB6が豊富。感染症予防、貧血予防、丈夫な骨をつくる、アンチエイジング、便秘解消、美肌が期待できます。
くるみには栄養が凝縮!1日分7粒の栄養価と8つの効果とは?
3位:落花生
落花生30粒(30g)に
17μg
1粒が1g。落花生は1日30粒がよいとされています。
落花生にはモリブデン、ビタミンE、不溶性食物繊維、銅、マグネシウムもたっぷり!貧血予防、疲労回復、動脈硬化や骨粗鬆症を防ぐ、生活習慣病の予防に効果を発揮します。
落花生には栄養が凝縮!30粒の栄養価と7つの効果とは?
※落花生は分類上「豆」ですがナッツの感覚で食べているのでこのランキングに入れました
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葉酸の多いナッツを1~3位までお伝えしました。次は4~7位のナッツです。
4~7位のナッツ
葉酸の多いナッツ、4~7位です。
葉酸の必要量
12歳以上なら、
女性も男性も240μg
※必要量について補足
妊活~妊娠3ヶ月:640μg
妊娠4ヶ月~出産:480μg
授乳期:340μg
女性は34μg多く、男性は49μg多く、摂れています。
4~7位のナッツには3~15μg。1日分の葉酸の1~6%が含まれています。
4位:カシューナッツ
カシューナッツ16粒(24g)に
15μg
カシューナッツは、マグネシウム、鉄分、亜鉛、銅、モリブデン、セレンなどミネラルがたっぷり!感染症の予防、貧血の予防、強い骨をつくる、糖尿病やメタボリック・シンドロームの予防が期待できます。
カシューナッツは栄養が凝縮!15粒の栄養価と6つの効果とは
5位:ピスタチオ
ピスタチオ30粒(24g)に
14μg
含まれているのは1日分の葉酸の6%です。
ピスタチオは、ビタミンB6、不溶性食物繊維、鉄分も豊富なナッツ。貧血予防、骨を強くする、デトックス、便秘解消、感染症から守る、イライラをおさえたり意欲を高める効果があります。
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6位:アーモンド
アーモンド25粒(25g)に
12μg
アーモンドには1日に必要な量を超えるビタミンEのほか、銅、マグネシウム、ビタミンB2、不溶性食物繊維が豊富。高血圧・動脈硬化・不整脈の予防、貧血予防、アンチエイジングに効果を発揮します。
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7位:マカダミアナッツ
マカダミアナッツ10粒(20g)に
3.2μg
1日分の葉酸の1%というわずかな量しか含まれていません。
脂質の多いマカダミアナッツですが、その脂質のほとんどは健康効果の高いオレイン酸やパルミトレイン酸。アンチエイジング、サラサラ効果など体にいいナッツです。
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葉酸の豊富なナッツを7位までランキングでお伝えしました。もう一度グラフを見てみましょう。
葉酸の多いナッツ:まとめ
葉酸が豊富なナッツのランキングやその効果、必要量や摂取量をお伝えしました。
葉酸の多いナッツ:天津甘栗、くるみ、落花生、カシューナッツ
葉酸の効果:おなかの赤ちゃんの発育を支える、幼児期の子供の発育を促進する、巨赤芽球性貧血を予防する、肌トラブルや口内炎から守る
不足すると?:おなかの赤ちゃんの発育が妨げられる、子供の成長が遅れる、動悸・息切れ・めまい・疲れやすいといった貧血症状、口内炎や肌トラブル
摂りすぎると?:心配ありません。余分な葉酸は尿と一緒に排出されます。
1日の必要量:12歳以上の場合、女性は240μg(摂取量は274μg)、男性も240μg(摂取量は289μg)
不足しやすい人:アルコールが好き、アスピリンやピルを飲んでいる、胃や腸の手術を受けた経験がある、高齢者、野菜をあまり食べない
天津甘栗を除いては葉酸をたっぷり摂れるナッツはありません。
ただナッツはあらゆるミネラルや良質な油が豊富に含まれています。おやつとしてナッツを食べるなど、上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。