納豆にはマグネシウムが多いのでしょうか?
マグネシウムはあまり意識して摂ることのないミネラルかもしれません。
でも、カルシウムと一緒に骨や歯を作ったり、体温や血圧を調整したり、体の中のさまざまな酵素のはたらきを助けるなど、そのはたらきは意外とたくさん。
そこで、
- 納豆1パックのマグネシウムの含有量は?
- 1日に必要なマグネシウムの何%が摂れる?
- ほかの食べ物と比べるとどう?
などわかりやすくお伝えします。納豆の栄養を上手に活用しましょう。
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マグネシウムのはたらき
まずはマグネシウムのはたらきを簡単に紹介します。
- カルシウムとともに骨や歯をつくる
- 体の中のさまざまな酵素を活性化して、新陳代謝を促進
- 細菌やウイルスと戦うチカラを高める
- 交感神経をおさえて血圧を下げる
- 神経伝達を正常にして神経を安定させる
- ストレスから守る
- さまざまなホルモンを活性化させる
ふだん意識することが少ないミネラルかもしれませんが、私たちのからだ全体に存在していて、心と体の健康を守っているんです。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」、全国納豆協同組合連合会「マグネシウム」
マグネシウムの推奨量(必要量)
マグネシウムの1日に必要な量(推奨量)はこちら。
1日の摂取量(推奨量)と言われても、足りているのかいないのか、ピンときませんよね?
マグネシウムが足りているのかどうかはのちほど紹介するとして……
マグネシウムの多い食品は、魚介類、海藻、野菜、豆類、ナッツなど。
1食分あたりでマグネシウムの含有量の多いものをいくつか紹介すると……
魚介類:いか、まいわし丸干し、金目鯛、あさり、かつお(春獲り)、紅鮭、鮭の水煮缶詰、さばの水煮缶詰、銀鮭、しらす、アジの干物
海藻:ひじき、とろろ昆布、わかめ、昆布の佃煮、塩昆布、ところてん、もずく、味付けのり、寒天
野菜:枝豆、さといも、ほうれん草、ブロッコリー、おくら、さつまいも、かぼちゃ、ごぼう、切り干し大根、大根、白菜
豆・大豆加工品:木綿豆腐、厚揚げ、絹ごし豆腐、ゆで大豆、粒納豆、焼き豆腐、ひきわり納豆、高野豆腐、きなこ
ナッツ:アーモンド、落花生、カシューナッツ、くるみ、ピスタチオ、マカダミアナッツ
※枝豆は大豆の未熟豆ですが厳密には「野菜」に分類されます。
マグネシウムの多い食べ物はこちらで紹介しています。
マグネシウムの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
さてここで……
あなたはマグネシウムが不足していませんか?
納豆1パックのマグネシウムの含有量をお伝えする前に、マグネシウムが不足していないか、チェックしてみましょう。
私たちが摂れているマグネシウムの量
「通常の食生活を送っていれば、不足することはまずありません。」
と言われていた頃もありましたが、いまの日本人はマグネシウム不足の傾向が心配されています。
あなたはいかがでしょうか?
- 和食よりも洋食が多い
- 玄米や雑穀ではなく、白いごはんや白いパンを食べている
- 粗塩ではなく精製塩(食塩)を使っている
- お酒を飲むことが多い
- ストレスの多い生活
あてはまることが多いほどマグネシウムが不足しています。
玄米、雑穀米、海藻、豆腐、野菜などをきちんと食べていた頃と違って、白いごはん、白いパン、精製塩、洋食中心といった食生活では、マグネシウムが不足します。
ストレスやお酒の飲みすぎは体内のマグネシウムを排出してしまって、不足する原因に。
サプリメントではなく毎日の食品からしっかりと摂っていくように心がけましょう。
では、納豆1パックあたりの含有量はどのくらいなのでしょうか?1日の推奨量と比べるとどうでしょうか?
納豆に含まれるマグネシウム
納豆1パックにマグネシウムが40mg
納豆100g中のマグネシウムの含有量は、粒納豆なら100mg、ひきわり納豆なら88mg。
納豆「1パック」を40gとすると、マグネシウムの含有量はこちら。
粒納豆 | 40mg |
ひきわり納豆 | 35mg |
女性の推奨量 | 290mg |
男性の推奨量 | 370mg |
納豆1パックに1日の推奨量の約10%強
納豆1パック(40g)では、1日の推奨量の10%強を補えます。
※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
10%と言われると少ないようにも感じませんか?
でも、1日に朝・晩と計2パック食べれば20%以上が補えます。
料理の手間もなくサッと食べられて、毎日でも続けられる納豆。マグネシウムの供給源としては手軽で頼もしい食品ではないでしょうか。
なお、私たちはふだんマグネシウムをどれだけ摂れていて、納豆1パックでどこまで補えるのか、というと……
女性は1日に必要なマグネシウムの81%しか摂れていません。粒納豆を1パック食べると1日の必要量の14%が摂れて、合計95%になります。
さて、納豆1パックのマグネシウムは40mgとお伝えしましたが、ほかの食品と比べるとどうなのでしょう?
次は、マグネシウムが多いいろんな食品の「1食分」の含有量とで比べてみましょう。
納豆と他の食品とのマグネシウムの比較
マグネシウムの多い食品は納豆のほかにもあります。
それぞれ「100gあたり」ではなく「1食分あたり」の含有量を比べてみました。
1食分はあくまでも目安であり、食べ物によってその量はそれぞれ違います。
1食分の例として、
- 木綿豆腐:
1/2丁で150g - するめいか:
ワタなどを取り除いた1杯150g - まいわし丸干し:
焼いたもの2尾で80g - アーモンド:
煎ったもの25粒で25g
- 枝豆:
一盛りで65g
(冷凍枝豆1/3袋が130gで、さやを除いた可食部が65g) - ほうれんそう:
おひたし小鉢一皿
(1/4袋の50gを使用) - あおさ:
小さじ1杯で1g - ひじき:
ひじきの煮物の小鉢一皿40g
(乾燥ひじき5g使用)
- 鮭の水煮缶詰:
90g(一般的な缶詰1/2缶) - 高野豆腐:
高野豆腐の煮物の小鉢一皿100g
(乾燥の高野豆腐1枚16g使用して含め煮) - ブロッコリー:
温野菜一皿分(1/3株:100g) - とろろ昆布:
5g(お吸い物1杯分)
豆腐が上位にいるのは、固めるために使う「にがり」にマグネシウムが多く含まれているからですね。
いろいろな食品1食分と納豆1パックを比べると、納豆がとびぬけてマグネシウムが多いというわけではありません。
しかし1日に2パック食べればマグネシウムの含有量は80mgに。上のグラフで第5位の「まいわし丸干し」と同じ含有量となって、1日の推奨量の21~27%も補うことができるんです。
納豆はマグネシウムが多い?:まとめ
納豆に含まれるマグネシウムについてお伝えしました。
1日の推奨量:女性で280~290mg。男性で350~370mg。
納豆のマグネシウム含有量は?:1パック(40g)に40mg。推奨量の10%強が補える。
1食分でマグネシウムが多いのは?:木綿豆腐、厚揚げ、絹ごし豆腐、いか、まいわし、アーモンド、落花生、大豆、枝豆、かつお、納豆、あおさ、ひじき、鮭、さば、とろろ昆布など
手軽に食べられる納豆。マグネシウムの補給にお役立てください。