ビタミンB2の多い魚にはどんなものがあるか、ご存じですか?
ビタミンB2は食べ物をエネルギーに変えたり、肌を美しくする栄養素。肉類、たまご、納豆などに豊富ですが、魚にもたっぷりと含まれています。
そこで身近な魚(魚介類)の中から「100gあたり」の含有量ではなく1食分あたりでビタミンB2が多い魚をランキングで20位までお伝えします。
この記事を読めば、どの魚をどのくらい食べるとビタミンB2をどれほど補うことができるのか、手に取るようにわかります。
ビタミンB2でエネルギーをしっかり作って元気な毎日を過ごしましょう!
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ビタミンB2の効果とは?
ビタミンB2の多い魚を紹介する前に……
ビタミンB2にはどんな効果がある?
不足すると?
摂りすぎると?
についてお伝えします。
ビタミンB2の5つの効果
ビタミンB2の効果は、生活習慣病予防、美肌、ダイエット、疲労回復など。食べ物をエネルギーに変えるはたらきで次の5つの効果を発揮します。
- 疲労回復:
食べ物に含まれている糖質・脂質・たんぱく質をエネルギーに変えて疲労回復を早める - 子供の成長を守る:
細胞を再生して、皮膚・髪・爪を作って成長を促進する - 生活習慣病の予防:
動脈硬化や老化の原因である「過酸化脂質」をおさえて健康で若々しい体をつくる - 美しい肌・髪・爪をつくる:
細胞を再生して肌や髪を健康的で美しくする - ダイエット:
脂質を燃焼してエネルギーを作ることで脂肪を減らす
※参考サイト:
国立健康・栄養研究所「ビタミンB2解説」
ビタミンB2が不足すると?
ビタミンB2が足りなくなると次のような悪影響をきたすことがあります。
- 疲れがとれない、体が重たい、倦怠感
- 肥満、むくみやすい
- 肌荒れ、吹き出物、肌のかゆみ、口内炎
- 髪のパサつき、枝毛
- 消化不良
- 子供の発育が妨げられる
ビタミンB2を摂りすぎると?
ビタミンB2は水溶性のビタミン。余分なビタミンB2は尿と一緒に排出されるので、摂りすぎによる悪影響は心配ありません。
不足しないように、普段の食生活でビタミンB2の多い食べ物をしっかりと摂ることが大切ですね。
では1日にどのくらい摂るのがよいのでしょうか?
ビタミンB2の必要量と摂取量
1日に必要なビタミンB2はどのくらいでしょうか?
そして私たちの摂取量(摂れている量)はどのくらいなのでしょうか?
1日に必要なビタミンB2は?
私たちに必要な量は厚生労働省の「日本人の食事摂取基準-2020年版」にて次のように定められています。
1日に必要なビタミンB2
18~49歳なら、
女性:1.2mg
男性:1.6mg
※参考サイト:厚生労働省
「日本人の食事摂取基準-2020年版」
さて私たちは十分に摂れているのでしょうか?
私たちの平均摂取量は?
私たちのビタミンB2の平均摂取量(摂れている量)はこちら。
ビタミンB2の摂取量
18~49歳では……
女性の必要量:1.2mg
平均の摂取量:1.03mg
0.17mg(14%)不足
男性の必要量:1.6mg
平均の摂取量:1.18mg
0.42mg(26%)不足
※参考サイト:国立健康・栄養研究所
「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
ビタミンB2の摂取量はかなり不足ぎみ。女性は86%しか、男性は74%しか摂れていません。特に不足しやすい人は……
ビタミンB2が不足しやすい人は?
次のような人はビタミンB2の摂取量が不足しやすい傾向があります。
- 味付けの濃いものや揚げ物をよく食べる人
- 炭水化物が好きな人
- 甘い物やスナック菓子をよく食べる人
- お酒をよく飲む人
- ストレスを抱えている人、毎日忙しい人
- 運動するのが好きな人
- 抗生物質や精神安定剤を長期間飲んでいる人
糖質や脂質を分解するのがビタミンB2。炭水化物や揚げ物やお菓子には糖質や脂質が多く含まれているので、分解するためにたくさんのビタミンB2が使われてしまいます。
お酒、ストレス、疲労、運動も同じように体内で大量に消費。その分しっかり摂らないといけなくなるのです。
あてはまるようでしたら、ビタミンB2の多い食べ物を意識して摂りましょう。
では身近な魚の中から、100gあたりではなく1食分あたりにビタミンB2の多い魚をランキングで20位までお伝えします。
ビタミンB2の多い魚ランキング
ビタミンB2の多い魚(魚介類)にはどんなものがあるのでしょうか?
まずはランキングで20位までまとめたグラフがこちらです。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
ビタミンB2は魚のなかではうなぎがダントツ。手軽に食べられる魚ならさば缶、ししゃも、ぶりやいわしなどの青魚、鮭にも豊富です。
ではこの20位までの魚それぞれの「1食分に含まれるビタミンB2」を紹介します。
1~10位の魚
まずは1~10位の魚です。
必要量と摂取量、18~49歳なら……
女性の必要量:1.2mg
平均の摂取量:1.03mg
男性の必要量:1.6mg
平均の摂取量:1.18mg
10位までの魚ならどれも1食分で女性の不足分をまるまる補うことができます。
女性は0.17mg不足、男性は0.42mg不足、ということを頭に置いて、それぞれの魚にどのくらい含まれているのかチェックしてみてください。
1位:うなぎ
うな重1人前(うなぎ100g)に
0.74mg
うな重1人前はうなぎ100g程度が一般的。スーパーの蒲焼は1尾150gほどが目安です。
女性にとって1日に必要なビタミンB2の62%も含まれています。女性は10位のかつおまでなら不足分をまるまる補えますが、男性の不足分を補えるのはこのうなぎだけです。
2位:さば水煮缶
さばの水煮缶詰1/2缶(95g)に
0.38mg
女性にとって1日に必要なビタミンB2の32%。女性はもちろん男性の不足分(0.42mg)もほぼ補うことができます。
魚はカルシウムが豊富ですが、さば缶は骨ごと食べられるのでたっぷり摂ることができますね。
3位:さば味噌煮缶
さばの味噌煮缶詰1/2缶(95g)に
0.35mg
さばの味噌煮缶にはビタミンD、E、カルシウム、鉄分もぎっしり!骨を強くする、心臓を守る、動脈硬化や高血圧の予防、疲労回復、ダイエット、美肌が期待できます。
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4位:ブリ
ブリの照り焼き1切れ(82g)に
0.32mg
ブリの1切れが約100gで焼くと約82gに。生ではなく焼いたブリの栄養価を紹介しています。
5位:ししゃも
からふとししゃも5尾(81g)に
0.3mg
一般的に出回っているししゃもは「からふとししゃも」。魚のなかでもししゃもは骨までまるごと食べられるので、カルシウムもたっぷり摂ることができます。
6位:いわし
いわしの蒲焼き2尾(64g)に
0.28mg
いわし1尾は約100g。頭・内臓・骨・ヒレを取り除いて焼くと32gほどに。こちらも生ではなく焼いたいわしの栄養価です。
いわしはビタミンD、E、鉄分、銅、亜鉛も豊富な魚。貧血予防、免疫力アップ、骨を強くする、疲労回復、ダイエット、美肌に効果的です。
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7位:さんま
さんまの塩焼き1匹(76g)に
0.23mg
さんまの中サイズ1匹が150g前後。焼いて頭や骨を取り除くと76gほどです。
8位:白鮭
白鮭の塩焼き1切れ(74g)に
0.19mg
しろさけ(白鮭)とは一般的な日本産の鮭のこと。少し身が白っぽく、オレンジ色に近い色をしています。
秋に海から遡上してくる白鮭のことを「秋鮭」。5月から7月ごろに少し早く遡上してきた白鮭を「時鮭(ときしらず)」と呼びます。
白鮭はビタミンDとB群が抜群に多い魚。抗酸化力の高いセレンやカリウムも多く、動脈硬化や心筋梗塞の予防、脂肪肝の予防、集中力アップ、口内炎や貧血予防が期待できます。
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9位:紅鮭
紅鮭の塩焼き1切れ(78g)に
0.17mg
紅鮭はロシアやアラスカ産のものが一般的です。
10位:かつお
鰹のたたき6切れ(100g)に
0.17mg
女性の1日分のビタミンB2の14%。摂取量の不足分(0.17mg)をちょうど補うことができます。
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ビタミンB2の多い魚を1~10位までお伝えしました。次は11~20位の魚です。
11~20位の魚
ビタミンB2の多い魚、11~20位です。
ビタミンB2の必要量
18~49歳なら、
女性:1.2mg
男性:1.6mg
女性は0.17mg不足、男性は0.42mg不足。
11~20位の魚には0.06~0.15mg。女性の1日分のビタミンB2の5~13%。摂取量の不足分の37~88%を補うことができます。
11位:アジ
アジフライ2枚(100g)に
0.15mg
女性の1日に必要なビタミンB2の13%。女性の不足分(=0.17mg)をほぼ補うことができます。
アジはビタミンB12、D、E、カルシウム、マグネシウム、鉄分が豊富な魚。骨を強くする、サラサラ効果、高血圧や糖尿病の予防効果が期待できます。
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12位:銀鮭
銀鮭の塩焼き1切れ(78g)に
0.15mg
1切れ100gで焼くと78gに。銀鮭はチリ産の養殖ものが一般的です。生ではなく焼いた銀鮭の栄養価です。
13位:鮭の水煮缶
鮭の水煮缶詰1/2缶(90g)に
0.11mg
14位:するめいか
イカ焼き1杯(150g)に
0.11mg
生イカは1杯が約300gで、軟骨やワタを取り除いて焼くと150gほどになります。
15位:わかさぎ
わかさぎのフライ7尾(70g)に
0.10mg
わかさぎはカルシウムの量がトップクラス!ビタミン、D、セレン、銅、亜鉛も多く、心臓のはたらきを守る、高血圧予防、感情をおだやかにする効果が期待できます。
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16位:牡蠣(カキ)
生ガキ3個(60g)に
0.08mg
女性の1日分のビタミンB2の7%。不足分の約半分を補うことができます。
17位:しじみ
しじみの味噌汁1杯(しじみ17.5g)に
0.08mg
味噌汁1杯分のしじみは25粒程度。殻付きの状態で70g、身の部分は17.5gほどになります。
18位:あさり
あさりの酒蒸し12個(48g)に
0.08mg
19位:びんながまぐろ
びんながまぐろの
刺身5切れ(70g)に
0.07mg
20位:きはだまぐろ
きはだまぐろの
刺身5切れ(70g)に
0.06mg
女性の1日分のビタミンB2の5%。不足分(0.17mg)の1/3を補うことができます。
きはだまぐろは抗酸化力の高いセレン、ビタミンB6、B12、D、鉄分、EPA、DHA、タウリンも豊富。疲労回復、サラサラ効果、肝機能を高める、集中力アップに効果的です。
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ビタミンB2の豊富な魚を20位までランキングでお伝えしました。もう一度グラフを見てみましょう。
青魚、ししゃも、鮭など身近な魚でビタミンB2不足をしっかり補うことができますね。
ビタミンB2の多い魚:まとめ
魚や魚介類のビタミンB2の含有量、私たちに必要な量と実際の摂取量、健康効果をお伝えしました。
ビタミンB2の多い魚:うなぎ、さば缶、ぶり、ししゃも、いわし、鮭、アジ、いか、しじみ
ビタミンB2の効果:疲労回復、子供の成長を守る、生活習慣病の予防、アンチエイジング、肌・髪・爪を美しくする、ダイエットを助ける
不足すると?:疲れがとれない、子供の成長が妨げられる、倦怠感、肥満、肌荒れ、口内炎、髪がパサつく、消化不良
摂りすぎると?:特に悪影響はありません。摂りすぎた分は尿として排出されます。
1日の必要量:18~49歳の場合、女性は1.2mg(摂取量は1.03mg)、男性は1.6mg(摂取量は1.18mg)
不足しやすい人は?:揚げ物をよく食べる、炭水化物が好き、甘い物やスナック菓子をよく食べる、お酒をよく飲む、ストレスが多い、忙しい、運動が好き
白米や白いパンを食べるようになったことで、ビタミンB群は不足しがちな私たち。
元気で若々しくいるためにビタミンB2の多い食べ物を意識して食べましょう!