ビタミンEは悪玉コレステロールの酸化を防いでサラサラにしてくれる栄養素。
血圧やお腹まわりをなんとかしたい、動脈硬化を予防したい、と思っていませんか?
魚にはビタミンEだけでなく、EPAやDHAなどのサラサラ成分もたっぷり!
そこで、身近な魚(魚介類)の中から1食分あたりにビタミンEの多い魚を20位までランキングしました。
このページを読むと、どの魚を食べると1日に必要なビタミンEの何%を摂ることができるのか、手に取るようにわかります。
私たちに足りないミネラルもしっかり摂れる魚で、サラサラな毎日を過ごしましょう!
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ビタミンEの多い魚ランキング
ビタミンEが多い魚は、うなぎ、いか、アジやサバなどの青魚、鮭、ししゃも、わかさぎ、ほたて。
1食分あたりの含有量で20位までランキングにしたグラフがこちらです。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
ビタミンEの多い魚は、うなぎ、鮭、ぶり、ししゃも、いわしなどの青魚。身近な魚に多く含まれているので、普段から魚を食べている人は不足しにくいでしょう。
ビタミンEの効果としては、動脈硬化や高血圧の予防、肩こり・腰痛・月経不順・更年期障害をやわらげる、アンチエイジング、美肌が期待できます。
ちなみに、私たちは普段からビタミンEを十分に摂れているのでしょうか?
1日に必要なビタミンEと私たちが摂れている量を比べてみると……
必要な量よりもやや多く摂れていますね。このグラフは50~64歳のデータですが、30~49歳も必要量より多く摂れています。
ではこの20位までの魚・魚介類の「1食分に含まれるビタミンE」をくわしくお伝えしていきます。
1~10位の魚
まずは1~10位の魚です。
ビタミンEの必要量と摂取量
50~64歳なら、
女性の必要量=6mg
平均の摂取量=7.0mg
男性の必要量=7mg
平均の摂取量=7.3mg
30~49歳なら、
女性の必要量=5.5mg
平均の摂取量=6.0mg
男性の必要量=6.0mg
平均の摂取量=6.7mg
1~10位の魚には1.2~4.9mg。女性に必要なビタミンEの20%~82%を摂ることができます。
1位:うなぎ(蒲焼き)
うな重1人前(うなぎ100g)に
4.9mg
女性が1日に必要なビタミンEの82%も摂ることができます。
うな重1人前はうなぎ100g程度が一般的。スーパーの蒲焼は1尾150gほどが多いようです。
うなぎはビタミンAとDが1日分の2倍以上!ビタミンB群、セレン、ヨウ素、カルシウムも豊富。疲労回復、感染症から守る、骨を強くする、高血圧・動脈硬化・心筋梗塞の予防が期待できます。
うなぎの栄養がすごい!蒲焼き1人前の栄養価と8つの効果とは?
2位:するめいか
イカ焼き1杯(150g)に
3.8mg
女性に必要なビタミンEの63%も含まれています。
生イカは1杯が300gほど。ワタや軟骨を取り除いて焼くと150gほどになります。
3位:あじ(アジフライ)
アジフライ2枚(100g)に
3.4mg
アジはビタミンB12、D、カリウム、カルシウム、亜鉛、鉄分、マグネシウムも多い魚。骨を強くする、心筋梗塞や脳梗塞の予防、心臓を守る、高血圧や糖尿病の予防に効果を発揮します。
アジの栄養がすごい!アジフライ2枚の栄養価と7つの効果とは?
4位:さば(水煮缶詰)
さばの水煮缶詰1/2缶(95g)に
3.0mg
5位:銀鮭(塩焼き)
銀鮭の塩焼き一切れ(78g)に
2.1mg
女性の1日分のビタミンEの35%を摂ることができます。
銀鮭は一切れ100gで焼くと78gほどに。生ではなく「焼いた銀鮭の栄養価」です。銀鮭はチリ産の養殖ものが一般的です。
6位:さば(味噌煮缶詰)
さばの味噌煮缶詰1/2缶(95g)に
1.8mg
7位:ブリ(照り焼き)
ブリの照り焼き一切れ(82g)に
1.7mg
ブリは一切れが約100gで焼くと82gほどに。生ではなく「焼いたブリの栄養価」です。
ブリはビタミンEのほか、ビタミンB群、D、鉄分、カリウム、EPA、DHAもたっぷり!骨を丈夫にする、貧血の予防、疲労回復、集中力アップ、肌荒れや口内炎の予防が期待できます。
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8位:ししゃも
からふとししゃも5尾(81g)に
1.7mg
ししゃも1尾20gを焼くと16.2gに。1食分を5尾として81.0g。一般的に出回っているししゃもは「からふとししゃも」です。
9位:紅鮭(塩焼き)
紅鮭の塩焼き一切れ(78g)に
1.4mg
10位:いわし
いわしの蒲焼き2尾(64g)に
1.2mg
女性が1日に必要なビタミンEの20%を摂ることができます。
いわし1尾は約100g。頭・内臓・骨・ヒレを取り除いて焼くと32gほどになります。生ではなく「焼いたいわし2尾あたりの栄養価」です。
いわしはビタミンB群、D、鉄分、銅、亜鉛も豊富。貧血予防、免疫力アップ、骨を強くする、疲労回復、美肌のはたらきがあります。
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ビタミンEの多い魚を1~10位までお伝えしました。次は11~20位の魚です。
11~20位の魚
ビタミンEの多い魚、11~20位です。
ビタミンEの必要量
50~64歳なら、
女性=6mg、男性=7mg
30~49歳なら、
女性=5.5mg、男性=6.0mg
私たちは普段から十分摂れています。
11~20位の魚には0.3~1.0mg。女性の1日分のビタミンEの5%~17%が含まれています。
11位:白鮭(塩焼き)
白鮭の塩焼き一切れ(74g)に
1.0mg
一切れ100gで焼くと74gに。「焼いた白鮭の栄養価」を紹介しています。
女性に必要なビタミンEの17%を摂ることができます。
しろさけ(白鮭)とは一般的な日本産の鮭のこと。少し身が白っぽく、オレンジ色に近い色をしています。
秋に海から遡上してくる「秋鮭」も、5月から7月ごろに少し早く遡上してくる「時鮭(ときしらず)」も白鮭になります。
12位:ほたてがい(貝柱の刺身)
ホタテの貝柱の刺身5個(100g)に
0.8mg
ホタテはビタミンB12、ナイアシン、葉酸、セレン、クロム、カリウム、亜鉛が多く、貧血予防、疲労回復、脳血栓・心筋梗塞の予防、肝機能を高めるはたらきが期待できます。
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13位:牡蠣(生ガキ)
生ガキ3個(60g)に
0.8mg
14位:さんま(塩焼き)
さんまの塩焼き1匹(76g)に
0.8mg
さんまの中サイズ1匹が150g前後。焼いて頭や骨を取り除くと76gほどです。
15位:めばちまぐろ
めばちまぐろの刺身5切れ(70g)に
0.6mg
めばちまぐろはビタミンB群、ビタミンD、セレン、カリウムが豊富。疲労回復、動脈硬化や心筋梗塞の予防、肝機能アップ、集中力アップ、美肌、貧血予防に効果的です。
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16位:鮭(水煮缶詰)
サケの水煮缶詰1/2缶(90g)に
0.5mg
17位:わかさぎ(フライ)
わかさぎのフライ7尾(70g)に
0.5mg
女性の1日分のビタミンEの8%が含まれています。
わかさぎはカルシウムがぎっしり詰まった魚。ビタミンB群、D、セレン、銅、亜鉛も多く、骨を強くする、心臓を守る、感染症の予防、高血圧の予防、感情をおだやかにするはたらきがあります。
わかさぎの栄養がすごい!1食分7尾の栄養価と7つの効果とは?
18位:びんながまぐろ
びんながまぐろの刺身5切れ(70g)に
0.5mg
19位:しらす干し
しらす丼1杯分(しらす30g)に
0.3mg
しらす30gは大さじで5~6杯分です。
20位:しじみ
しじみの味噌汁1杯
(しじみ25粒ほど)に
0.3mg
味噌汁1杯分のしじみを25粒程度としました。殻付きの状態で70g、身の部分は17.5gほどになります。
女性の1日分のビタミンEの5%を摂ることができます。
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ビタミンEの豊富な魚をランキングで20位までお伝えしました。もう一度グラフを見てみましょう。
魚介類にはビタミンEがしっかり含まれています。普段あまり食べていない人は意識して食べるようにしましょう。
ところで、ビタミンEには具体的にどんなはたらきがあるのか、不足するとどんな影響があるのか、ご存じですか?
そこで、
- ビタミンEの6つの効果
- 不足するとどうなる?
- 摂りすぎるとどうなる?
そして、
- 1日に必要なビタミンE
- 私たちの普段の摂取量
- ビタミンEが不足しやすい人
についてお伝えします。
ビタミンEの効果とは?
ビタミンEの効果、不足したらどうなる?摂りすぎたらどうなる?についてです。
ビタミンEの6つの効果
ビタミンEの効果は、動脈硬化や高血圧の予防、肩こり・腰痛・更年期障害の緩和、アンチエイジングなど。おもに次の6つです。
- 心筋梗塞・動脈硬化・高血圧の予防
血液中のLDL(悪玉)コレステロールが酸化すると粘り気のある過酸化脂質となって血管にへばりつくが、強い高酸化力がこれを防いで血流をスムーズにする - 肩こり、腰痛、関節痛、冷えをやわらげる
血液中の悪玉コレステロールの酸化を防いで、流れをサラサラにする - 月経不順や更年期障害をやわらげる
ホルモンバランスを整えて女性特有の悩みをやわらげる - 感染症の予防
免疫細胞を増やしたりそのはたらきを高めて、ウイルスや細菌に打ち勝つ体をつくる - 老化を予防して若々しさを維持する
高い抗酸化力で過酸化脂質が作られないように守って、若々しい体を維持する - 肌や髪を美しくする
新陳代謝を高めてハリとうるおいのある肌をつくり、紫外線から守ってシミやそばかすを防ぐ
ビタミンEが不足するとどうなる?
ビタミンEが不足するとサラサラ効果が発揮できないなど、次のような影響があらわれることがあります。
- 血流が悪くなって高血圧・心筋梗塞・動脈硬化のリスクが高まる
- 肩や首のコリ、腰痛、冷え性になりやすい
- 生理不順、生理痛、更年期障害
- 免疫力が低下して感染症にかかりやすい
- シミ・シワ・くすみなどの肌トラブル
ビタミンEを摂りすぎるとどうなる?
ビタミンEは体にたまりにくい栄養素。食べ物でビタミンEを摂りすぎるということはまずありません。
ただ健康食品で摂りすぎると体調をくずすことも。摂りすぎないように気をつけましょう。
※参考サイト:
国立健康・栄養研究所「ビタミンE解説」、厚生労働省 、e-ヘルスネット「LDLコレステロール」
では1日に摂るべきビタミンEはどのくらいでしょうか?
ビタミンEの必要量と摂取量
あらためて、1日に摂るべきビタミンEはどのくらいなのか、私たちは普段から十分に摂れているのか、お伝えします。
1日に必要なビタミンE
1日に摂るべきビタミンEは厚生労働省の「日本人の食事摂取基準-2020年版」にて定められています。
ビタミンEの1日の必要量
50~64歳なら、
女性:6.0mg
男性:7.0mg
そして私たちの普段の摂取量はどのくらいなのかというと……
私たちの普段の摂取量
私たちの普段の摂取量(摂れている量)はこちら。
ビタミンEの実際の摂取量
女性(50~64歳):
必要量=6.0mg、摂取量=7.0mg
女性(30~49歳):
必要量=5.5mg、摂取量=6.0mg
男性(50~64歳):
必要量=7.0mg、摂取量=7.3mg
男性(30~49歳):
必要量=6.0mg、摂取量=6.7mg
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準-2020年版」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
どちらの年齢層でも男女ともに普段からやや多く摂れています。
ビタミンEは不足しにくい栄養素ではありますが、不足しやすい人もいます。それはどんな人かというと……
ビタミンEが不足しやすい人
ビタミンEの摂取量が不足しがちな人はこちら。
- 食べ物の好き嫌いが激しい
- 極端に偏った食生活をしている
- 風邪をひいている
- ダイエットしている
あてはまる人はビタミンEの多い食べ物をしっかり食べましょう。
ビタミンEの多い魚:まとめ
魚や貝類のビタミンEの量、私たちに必要な量と普段の摂取量、健康効果をお伝えしました。
ビタミンEの多い魚:うなぎ、いか、アジやサバといった青魚、鮭、ししゃも、わかさぎ、ほたて
ビタミンEの効果:動脈硬化・高血圧の予防、肩こり・腰痛・関節痛・冷えの緩和、月経不順や更年期障害をやわらげる、感染症の予防、若々しさを維持する、美肌・美髪
不足すると?:高血圧・心筋梗塞・動脈硬化のリスクが高まる、肩や首のコリ・腰痛・冷え性になりやすい、生理不順、生理痛、更年期障害、感染症にかかりやすい、シミ・シワ・くすみなどの肌トラブル
摂りすぎると?:食べ物でビタミンEを摂りすぎるということはまずありません。
1日の必要量:50~64歳の場合、女性6.0mg、男性7.0mg。30~49歳なら女性5.5mg、男性6.0mg。男女とも普段から必要量より多く摂れています。
不足しやすい人は?:食べ物の好き嫌いが激しい、極端に偏った食生活をしている、風邪をひいている、ダイエットしている
魚にはビタミンEだけでなく私たちに不足しているカルシウムやマグネシウムなどのミネラルもたっぷり。毎日の食生活に積極的に取り入れましょう!