しいたけは低カロリーで旨味成分もたっぷり。食物繊維も豊富でダイエットの味方でもありますね。
ビタミンDが豊富なイメージのしいたけですが、本当はどんな栄養が多いのでしょうか?
これからお伝えする内容を読むと、
- しいたけにはどの栄養が多い?
- しいたけ3個分の油炒めで1日分の栄養の何%が摂れる?
- どんな効果がある?
- どんな人こそ食べるといい?
といったことがはっきりとわかります。
しいたけの栄養を上手に取り入れて元気な毎日を過ごしましょう。
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しいたけ3個分の栄養価
しいたけに多い栄養は、ビタミンB群(B1、B2、B6、ナイアシン、パントテン酸)、カリウム、銅、亜鉛、不溶性食物繊維など。
豊富なのはビタミンB群と不溶性食物繊維。ビタミンDが多いイメージかもしれませんが、実際にはあまり含まれていません。
しいたけの効果として、便秘解消、デトックス、疲労回復、生活習慣病の予防、つわりや月経前の体の悩みをやわらげる、肌荒れの改善、ダイエットなどが期待できます。
では、生のしいたけ100gの栄養価ではなく、1日に食べる量をしいたけ3個として……
- しいたけ3個分の油炒めを食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - しいたけに多い栄養は何?
- どんな効果が期待できる?
についてお伝えします。
しいたけ3個分の油炒め=33g
1つが約15g。いしづきを除いて油で炒めると11gになります。一度に食べる量の目安として、しいたけ3個分の栄養を紹介します。
生のしいたけの栄養ではなく「油で炒めたしいたけの栄養」です。
しいたけに多いビタミン
しいたけ3個分の油炒めを食べると、女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
しいたけ3個に多く含まれているビタミンは次の5つ。女性の1日に必要な量の何%を摂れるのかというと……
ナイアシン | 11% |
パントテン酸 | 8% |
ビタミンB6 | 5% |
ビタミンB2 | 5% |
ビタミンB1 | 5% |
この5つはすべてビタミンB群。食べ物をエネルギーに変えて疲労回復する代謝のビタミンです。
ちなみにビタミンDは1日に必要な量の2%弱。しいたけ1食分でたっぷり摂るのは難しいですね↓
【関連記事】ビタミンDの多い食べ物30選【1食分で比較】摂取量や効果も!
次はしいたけにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
しいたけに多いミネラル
しいたけ3個分の油炒めを食べると、女性にとって1日に必要なミネラルの何%が摂れるのでしょうか?
しいたけに豊富なミネラルは次の3つ。女性の1日分のミネラルの何%を摂れるのかというと……
カリウム | 5% |
銅 | 4% |
亜鉛 | 4% |
ミネラルはビタミンほど多くありません。
カリウムは余分な塩分を排出して血圧ケアをするミネラル。銅は貧血や骨粗しょう症を防ぐはたらきの栄養。亜鉛は味覚や免疫を守るミネラルです。
では、しいたけ3個あたりの食物繊維をお伝えして、しいたけの8つの効果効能を紹介します。
しいたけに多い食物繊維
しいたけを3つ食べると1日に必要な量の何%が摂れるでしょうか?
不溶性食物繊維 | 12% |
水溶性食物繊維 | 1% |
しいたけに豊富なのは不溶性食物繊維。しいたけ3つで私たちに足りない分をちょうど補えます。
一方で、私たちに必要な量のたった55%ほどしか摂れていないのが、生活習慣病の予防に劇的な効果をもたらす水溶性食物繊維。
しいたけ3個には1日の必要量のわずか1%程。ひじき、寒天、里芋、とろろ昆布、枝豆、豆腐、納豆など、水溶性食物繊維の多い食べ物を意識して食べましょう。
では、
しいたけに多い栄養には
どんなはたらきがあるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
しいたけに多い栄養とその効果
しいたけ3個の栄養価のなかで、女性の1日分の栄養に対して多く含まれているのはこの6つ。
不溶性食物繊維 | 12% |
ナイアシン | 11% |
パントテン酸 | 8% |
ビタミンB6 | 5% |
カリウム | 5% |
ビタミンB2 | 5% |
ではこの6つの栄養は……
- 私たちは普段どのくらい摂れている?
- しいたけ3個でどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
不溶性食物繊維
しいたけにもっとも多い栄養で、きのこ類全般や野菜などに豊富。しいたけなら3つ食べるだけでたっぷり摂ることができます。
しいたけの不溶性食物繊維
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
しいたけ3つに1.5g。
私たちは普段からどのくらい摂れていて、しいたけ3個でどう増えるのでしょうか?
女性が摂れている量は、93%
しいたけ3つに、12%
合計で、105%
男性が摂れている量は、84%
しいたけ3つに、11%
合計で、95%
※食物繊維全体で1日に必要な量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、上記のとおり女性12g、男性14gとしています。
不溶性食物繊維の効果
おもに次の3つのはたらきがあります。
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- 有害物質を排出する
- ダイエット
不溶性食物繊維は、便の量が少ない、便の回数が少ない、といった便秘の人にしっかり摂ってほしい栄養素。
腸のなかで水分を吸って数倍にも数十倍にもふくらむので、便のカサが増えて腸の動きが活発になるのです。
便が固い、コロコロ、いきまないと出ない、というタイプの便秘なら水溶性食物繊維をしっかり摂りましょう。固くなった便に水分を与えて柔らかくしてお通じをスムーズにしてくれます。
【関連記事】便秘に食物繊維は逆効果?正しい摂り方を便秘のタイプ別に解説!
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、e-ヘルスネット「食物繊維」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」
ナイアシン
2番目の栄養はナイアシン。糖質や脂質をエネルギーに変えたり、シミ・ソバカスを改善するはたらきがあります。
しいたけのナイアシン
1日に必要なナイアシンは
女性が12mgNE、男性が15mgNE。
しいたけ3個に1.3mgNE。
では普段からどのくらい摂れていて、しいたけを3つ食べるとどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、233%
しいたけに、11%
合計で、244%
男性が摂れている量は、224%
しいたけに、9%
合計で、233%
ナイアシンは不足しにくく、必要な量の2倍以上も摂れています。摂りすぎても尿として出るので悪影響はありません。
【関連記事】ナイアシンが多い食べ物30選【1食分で比較】摂取量や効果も!
ナイアシンの効果
おもなはたらきは次の4つ。
- 糖質と脂質をエネルギーに変える
- 肌を整えてシミやソバカスを改善する
- 二日酔いや悪酔いを防ぐ
- 精神を安定させる
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ナイアシン解説」
パントテン酸
しいたけに3番目に豊富なパントテン酸。美髪、免疫アップ、代謝などのはたらきの栄養です。
しいたけのパントテン酸
1日に必要なパントテン酸は
女性も男性も5.0mg。
しいたけ3個には0.4mg。
しいたけの油炒めを食べると……
女性が摂れている量は、106%
しいたけには、8%
合計で、114%
男性が摂れている量は、121%
しいたけには、8%
合計で、129%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「パントテン酸解説」
パントテン酸の効果
パントテン酸にはおもに次の5つのはたらきがあります。
- エネルギーを作る
- 免疫力を高める
- ストレスへの抵抗力を高める
- 肌や髪を美しく整える
- 生活習慣病の予防
パントテン酸はいろんな食べ物に含まれていて不足しにくい栄養。
ただ、疲れやすい、食欲がない、肌荒れが、髪の傷みが、という場合はパントテン酸不足かもしれません。
納豆、エリンギ、えのきたけ、鮭、ぶり、豚肉、里芋、さつまいも、ゆでたまごなど、パントテン酸の豊富な食べ物はこちら↓
ビタミンB6
4番目の栄養はビタミンB6。肉や魚などいろんな食べ物に広く含まれている栄養です。
しいたけのビタミンB6
1日に必要なビタミンB6は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
しいたけ3個に0.06mg。
女性が摂れている量は、99%
しいたけには、5%
合計で、104%
男性が摂れている量は、90%
しいたけには、4%
合計で、94%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB6解説」
ビタミンB6の効果
おもなはたらきはこちら。
- エネルギーを作る、筋肉・肌・髪・爪などを作る
- 脂肪肝を予防する
- 肌荒れや口内炎から守る
- 月経前の体の悩みやつわりをやわらげる
- 気持ちを安定させる
疲労回復、体を元気に、女性特有の悩みをやわらげる、感情を整える、などがビタミンB6のはたらきです。
カリウム
5番目に多く含まれるカリウム。高血圧予防だけでなく、心臓の動きを守るはたらきもあります。
しいたけのカリウム
1日に必要なカリウムは
女性が2000mg、男性が2500mg。
しいたけ3個には99mg。
女性が摂れている量は、111%
しいたけには、5%
合計で、116%
男性が摂れている量は、96%
しいたけには、4%
合計で、100%
カリウムの効果
おもなはたらきは次の5つ。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
ビタミンB2
6番目の栄養はビタミンB2。肉・魚・たまご・納豆などに豊富な栄養で、疲労回復や脂肪を分解するはたらきがあります。
しいたけのビタミンB2
1日に必要なビタミンB2は、
女性が1.2mg、男性が1.6mg。
しいたけ3個に0.06mg。
女性が摂れている量は、93%
しいたけには、5%
合計で、98%
男性が摂れている量は、76%
しいたけには、4%
合計で、80%
男性はかなりのビタミンB2不足。レバー、さば缶、ぶり、いわし、鮭、豚肉、納豆、たまごなど、ビタミンB2の多い食べ物を取り入れましょう。
ビタミンB2の効果
おもな効果は次の7つ。
- 疲労回復
- 生活習慣病の予防
- 体にたまった有害物質を排出する
- 便秘の予防
- ダイエット(脂肪を燃焼)
- 子供の発育促進
- 美肌・美髪
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB2解説」
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しいたけに多く含まれる栄養とそのはたらきをお伝えしました。最後にこれらをまとめて、
しいたけを食べると
どんな効果効能が得られる?
どんな人こそ食べるといいの?
についてお伝えします。
しいたけの8つの効果効能
しいたけには食物繊維をはじめビタミンB群やカリウムなどが豊富。
これらの栄養のはたらきから、しいたけに期待される効果をまとめてみました。
- 便秘を解消する
不溶性食物繊維が体内で水分を吸って大きくふくらんで、腸の動きを活発にする - 有害物質を排出する
ビタミンB2や不溶性食物繊維が重金属や食品添加物などの有害物質を排出 - 疲労を回復する
豊富なビタミンB群が糖質・脂質・たんぱく質の代謝を促進してエネルギーに変える - 生活習慣病を予防する
パントテン酸が善玉コレステロールを増やしてサラサラ効果を発揮し、カリウムが余分なナトリウムを排出して高血圧を予防する - 脂肪肝を予防する
ビタミンB6が脂質の代謝を促進する - つわりや月経前の体の悩みをやわらげる
ビタミンB6がアミノ酸の代謝を促進してホルモンバランスを整える - 肌荒れやいたんだ髪を整える
ビタミンB群がコラーゲンの生成を促進し、メラニンの生成をおさえて、シワ、シミ、そばかすを予防する - ダイエット
不溶性食物繊維が体内でふくらんで満腹感を得やすくなるだけでなく、腸内環境も整える
ということで、しいたけをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそしいたけを食べて!
しいたけをぜひ食べてほしい人はこちら!
- 疲れが取れない
- 血圧が高い
- 野菜不足
- お酒やコーヒーをよく飲む
- 揚げ物や濃い味つけのものが好き
- お腹まわりが気になる
- 肌荒れや髪のパサつきが気になる
- 妊婦さん
体調をくずしやすい、生活習慣病が気になる、和食より洋食を食べることが多い、といった方にぜひ食べてもらいたいのがしいたけなのです。
しいたけに多い栄養:まとめ
しいたけに多い栄養と効果効能を紹介しました。
しいたけに多い栄養:1日に必要な量に対して多い順に、不溶性食物繊維、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、カリウム、ビタミンB2、ビタミンB1など
しいたけの効果:便秘解消、有害物質の排出、疲労回復、生活習慣病の予防、脂肪肝の予防、つわりや月経前の体の悩みをやわらげる、肌荒れやいたんだ髪を整える、ダイエット
こんな人こそ食べてほしい:疲れが取れない、血圧が高い、野菜不足、お酒やコーヒーが好き、濃い味つけが好き、お腹まわりが気になる、肌や髪が気になる、妊婦さん
煮物、炒め物、天ぷら、鍋料理など、いろんな料理に相性抜群のしいたけ。ぜひふだんの食生活に取り入れてみてください。