ししゃもはおかずにもおつまみにもピッタリ。下処理も不要で骨まで食べられるので栄養も満点です。
そんなししゃもにはどんな栄養が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- ししゃもにはどの栄養が多い?
- ししゃも5尾食べると1日分の栄養の何%が摂れる?
- どんな効果が期待できる?
- どんな人こそ食べると効果的?
といったことが手に取るようにわかります。ししゃもにたっぷりの栄養を取り入れて健康的な毎日を過ごしましょう。
【関連記事】わかさぎの栄養がすごい!1食分7尾の栄養価と7つの効果とは?
ししゃも5尾の栄養価
私たちに不足しがちな栄養のなかでししゃもに多いのは、カルシウム、鉄分、亜鉛、マグネシウム、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンEなど。
「ししゃも」とは北海道で穫れるししゃものこと。減少傾向にあって値段も高くなっています。
そこで一般的に出回っているのは、ノルウェーやアイスランドやカナダで穫れる「からふとししゃも」。手頃な値段で買うことができます。
このページではからふとししゃもの栄養や効果について紹介します。
※これより「からふとししゃも」のことを「ししゃも」と表記します。
ししゃもの効果として、強い骨や歯をつくる、不整脈や心筋梗塞を防ぐ、筋肉をしなやかに動かす、高血圧などの生活習慣病の予防、感染症から守る、美肌などが期待できます。
そんなししゃも。
どの栄養がどれほど含まれていて、
その栄養にどんなはたらきがあるのか、
ご存じですか?
ここでは一度に食べるししゃもの量を
5尾(80g)として、
- ししゃもを5尾食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - ししゃもに多い栄養は何?
- どんな効果が期待できる?
といったかたちでわかりやすくお伝えします。
一度に食べる量
=からふとししゃも5尾(80g)
1尾が約20gで焼くと16gになります。生ではなく「焼いたからふとししゃも5尾80gの栄養価」を紹介します。
ししゃもに多いビタミン
まずはビタミン。
ししゃもを5尾食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
ししゃもに多く含まれているビタミンは次の4つ。女性の1日に必要な量の何%を摂れるのかというと……
ビタミンB12 | 338% |
ナイアシン | 31% |
ビタミンE | 28% |
ビタミンB2 | 25% |
ビタミンB12がダントツ。肉類や魚類に多く含まれていて不足しにくい栄養でもあります。疲労回復や貧血予防のはたらきがあります。
次はししゃもにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
ししゃもに多いミネラル
ししゃも5尾(80g)で、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
ししゃもに豊富なミネラルは次の6つ。女性の1日分のミネラルの何%を摂れるのかというと……
カルシウム | 47% |
リン | 46% |
ナトリウム | 25% |
亜鉛 | 24% |
鉄 | 20% |
マグネシウム | 18% |
ししゃもは頭も骨もまるごと食べられるだけあってミネラルがぎっしり。
私たちに不足しているカルシウムもマグネシウムもたっぷり。骨を強くしてくれる最適な食べ物です。
では、ししゃもの食物繊維をお伝えして、ししゃもの7つの効果効能を紹介します。
ししゃもに多い食物繊維
ししゃも5尾に食物繊維は……
ししゃもにはゼロ。食物繊維は炭水化物の一部なので、魚類にはほとんど含まれていません。
では、
私たちに不足しがちな栄養のなかで、
ししゃもに多く含まれる栄養は?
その栄養をどのくらい補える?
どんな健康効果が期待できる?
ししゃもで不足分を補える栄養とその効果
ししゃもに多い栄養は、カルシウム、リン、ナイアシン、ビタミンB12、B2、E、ナトリウム、亜鉛などですが……
ビタミンB12、ナイアシン:
ふだんから必要な量の2倍以上も摂れています。
リン、ナトリウム:
一般的な食生活ではまず不足しません。
ししゃもが体にいいということは、
私たちに不足している栄養を補えるから。
ししゃもで私たちの不足分をしっかり補える栄養は、カルシウム、ビタミンE、B2、亜鉛、鉄分、マグネシウムの6つ
それでは、
- 普段からどのくらい摂れているのか
- ししゃもでどのくらい補えるのか
- どんなはたらきがあるのか、
についてお伝えします。
カルシウム
ししゃもで不足分が補える栄養。1つめはカルシウム。高血圧を予防したり心臓の動きを守るはたらきがあります。
ししゃものカルシウムの量は?
1日に必要なカルシウムは
女性が650mg、男性が750mg。
ししゃも5尾には308mg。
ししゃもを食べると不足分をどう補えるのかというと……
女性が摂れている量は、76%
ししゃも5尾には、47%
合計で、123%
男性が摂れている量は、69%
ししゃもには、41%
合計で、110%
私たちにかなり不足している栄養ですね。
「カルシウムといえば牛乳」というイメージでしたが、乳牛の飼育環境(エサの農薬、狭い牛舎でのストレス、乳を出させるための頻繁な妊娠)を懸念する人も多いでしょう。
私も、乳製品ではなく魚・海藻・大豆・野菜などから摂るのがいいと考えています。
ししゃもなら不足分を十分に補うことができます。そのほか豊富に含まれる食べ物はこちらをご覧ください↓
カルシウムの効果は?
おもなはたらきは次の6つ。
- 骨や歯を作る
骨や歯の主成分となって強く丈夫にする - 筋肉をスムーズに動かす
カルシウムが筋肉をギュッと縮めてマグネシウムがフワッとゆるめることで、筋肉がしなやかに動く - 心臓を規則的に動かす
筋肉の動き(伸縮)をスムーズにして心臓の鼓動をただしくたもつ - 高血圧を防ぐ
カルシウムが足りないと骨の中のカルシウムを溶かして血液中へ過剰に補給するので、カルシウム濃度が高まって高血圧になる - 出血を止める
出血した時の止血を助ける - 気持ちをおだやかに整える
神経の興奮をおさえる
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、e-ヘルスネット「カルシウム」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」
ビタミンE
ししゃもで不足分が補える2つめの栄養はビタミンE。サラサラ効果と抗酸化作用が高く、血管を若々しくする栄養です。
ししゃものビタミンEは?
1日に必要なビタミンEは
女性が6mg、男性が7mg。
ししゃも5尾には1.7mg。
では、普段からどのくらい摂れていて、ししゃもでどう補えるかというと……
女性が摂れている量は、108%
ししゃもには、28%
合計で、136%
男性が摂れている量は、100%
ししゃもには、24%
合計で、124%
ビタミンEは1日に必要な量をほぼ摂れていますが、生活習慣病の予防にはとても大切な栄養。
特に、血圧が高い人、脂っこいものが好きな人、お酒をよく飲む人などは十分に摂る必要があります。ししゃもなら十分に補うことができますね。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「LDLコレステロール」、国立健康・栄養研究所「ビタミンE解説」
ビタミンEの効果は?
おもなはたらきは次の7つ。
- 動脈硬化の予防
- 悪玉コレステロールをおさえて、
心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ - 心疾患や貧血の予防
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美肌・美髪
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
血管の詰まりは1分1秒をあらそう状態になりかねません。ビタミンEのサラサラ効果をしっかり取り入れましょう。
ビタミンB2
3つめの栄養はビタミンB2。疲労回復や便秘解消の効果があります。
ししゃものビタミンB2は?
1日に必要なビタミンB2は、
女性が1.2mg、男性が1.6mg。
ししゃも5尾には0.3mg。
そして、ししゃもを食べると……
女性が摂れている量は、93%
ししゃもには、25%
合計で、118%
男性が摂れている量は、76%
ししゃもには、19%
合計で、95%
男性はかなりのビタミンB2不足。ほかにも、揚げ物が好き、お酒が好き、お菓子や甘いものが好き、ストレスが多い、忙しい、運動が好き、といった人は不足しがち。
ししゃもにもたっぷりですし、魚全般、豚肉、納豆、たまごにも豊富に含まれています↓
ビタミンB2の効果は?
おもなはたらきは次の7つ。
- 疲労回復
- 生活習慣病予防
- 便秘予防
- ダイエット
- デトックス
- 子供の発育促進
- 美肌・美髪
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB2解説」
亜鉛
ししゃもで不足分が補える4つめの栄養は亜鉛。味覚を守り、感染症を予防し、妊活にも効果を発揮します。
ししゃもの亜鉛は?
1日に必要な亜鉛は
女性が8mg、男性が11mg。
ししゃも5尾には1.9mg。
女性が摂れている亜鉛は、96%
ししゃもには、24%
合計で、120%
男性が摂れている亜鉛は、84%
ししゃもには、18%
合計で、102%
やや不足ぎみな亜鉛ですが、ししゃも5尾で不足分をしっかり補えます。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「亜鉛解説」
亜鉛の効果は?
次の8つのはたらきが期待できます。
- 味覚を正常に保つ
- 感染症から守る
- 生活習慣病の予防
- 糖尿病の予防
- 有害物質の排出
- 弾力のある白い肌へ
- 抜け毛を防ぐ
- 生殖機能を高める
鉄分
5つめの栄養は鉄分。血液を作り、骨を強くし、免疫力を高めるミネラルです。
ししゃもの鉄分は?
1日に必要な鉄分は
女性が6.5mg、男性が7.5mg。
ししゃも5尾には1.3mg。
女性が摂れている鉄分は、112%
ししゃもには、20%
合計で、132%
男性が摂れている鉄分は、107%
ししゃもには、17%
合計で、124%
鉄分の効果は?
おもなはたらきは次の5つ。
- 貧血の予防・改善
- 強い骨をつくる
- ウイルスや細菌から守る
- しなやかで動きやすい体に
- 美しい肌をつくる
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「鉄解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」、NHK健康チャンネル「鉄欠乏性貧血とは?」
マグネシウム
ししゃもで不足分が補える6つめの栄養はマグネシウム。骨を強くし、血圧を調整し、糖尿病の予防効果も期待されています。
ししゃものマグネシウムは?
1日に必要なマグネシウムは
女性が290mg、男性が370mg。
ししゃも5尾には53mg。
女性が摂れている量は、81%
ししゃもには、18%
合計で、99%
男性が摂れている量は、71%
ししゃもには、14%
合計で、85%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「マグネシウム解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」、厚生労働省 eJIM「マグネシウム」
マグネシウムもかなり不足。カルシウムだけでは丈夫な骨は作られません。
ししゃもにも豊富ですが、豆腐、厚揚げ、豆乳、枝豆、そば、アーモンド、落花生、天津甘栗などマグネシウムの多い食べ物を意識して食べましょう。
マグネシウムの効果は?
おもに次の6つのはたらきがあります。
- 丈夫な骨をつくる
- 不整脈・狭心症・心筋梗塞を防ぐ
- 筋肉がつったりけいれんするのを防ぐ
- 糖尿病やメタボリックシンドロームなどの生活習慣病を防ぐ
- 高血圧を防ぐ
- 気持ちをおだやかに整える
*-*-*-*-*
ししゃもで不足分を補える栄養とそのはたらきを紹介しました。最後にこれらをまとめて、
ししゃもを食べると
どんな効果が得られる?
どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
ししゃもの7つの効果効能
ししゃもには、ビタミンB群、E、カルシウム、鉄分などの栄養が豊富。この栄養のはたらきからししゃもに期待できる効果はこちらです。
- 強い骨や歯をつくる
カルシウムが骨や歯の主成分となり、マグネシウムや鉄分が強く丈夫にする - 心臓を規則的に動かして不整脈・狭心症・心筋梗塞を防ぐ
カルシウムやマグネシウムが心臓のはたらきを規則的にたもつ - 筋肉をスムーズに動かす
筋肉がつったりけいれんするのを防ぐ - 高血圧を防ぐ
カルシウムが血液中のカルシウム濃度を整え、マグネシウムが動脈をゆるめて血圧を下げる - 感染症から守る
亜鉛や鉄分が免疫力を高める - 生活習慣病を予防する
ビタミンEのサラサラ効果が流れを良くして、亜鉛の抗酸化作用が活性酸素を除去し、亜鉛やマグネシウムが糖尿病を予防する - 美しい肌や髪をつくる
鉄分がコラーゲンをつくり、ビタミンB2、E、亜鉛が新陳代謝を高める
そこで、ししゃもをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそししゃもを食べて!
ししゃもをぜひ食べてほしい人はこちら。
- 50歳を過ぎている(骨密度の低下)
- 成長期のお子さん(強い骨を作る)
- 白米・パン・麺類が好き(生活習慣病の予防)
- 脂っこいものや甘いものが好き
- 魚・海藻・豆・豆腐などをあまり食べない
- 風邪をひきやすい
- 動悸や不整脈が気になる
- よく足がつる
生活習慣病や骨粗しょう症が気になる50代以降の方はもちろんのこと、成長期のお子さん、肌が気になる女性にもぜひ食べてもらいたいのがししゃもなのです。
ししゃもの栄養と効果:まとめ
ししゃもの栄養価と期待される健康効果をお伝えしました。
ししゃもに多い栄養:女性が1日に必要な量に対して多い順に、ビタミンB12、カルシウム、リン、ナイアシン、ビタミンE、ビタミンB2、ナトリウム、亜鉛
ししゃもで不足を補える栄養:カルシウム、ビタミンE、ビタミンB2、亜鉛、鉄、マグネシウム、ビタミンA
ししゃもの効果:骨や歯を強くする、不整脈・狭心症・心筋梗塞を防ぐ、筋肉をスムーズに動かす、高血圧の予防、感染症の予防、生活習慣病の予防、美肌や美髪
こんな人こそ食べてほしい:50歳以上の方、お子さん、炭水化物が好き、脂っこいものが好き、甘いものが好き、魚・海藻・豆・豆腐などをあまり食べない、風邪をひきやすい、動悸や不整脈が気になる、よく足がつる
手頃な値段で1年を通して手に入りやすいししゃも(からふとししゃも)。ぜひ食卓に取り入れてみてください。