焼きイカ、お刺身、塩辛などおかずにもお酒のつまみにも活躍するイカ。
たんぱく質やタウリンが豊富なイカですが、ほかにどんな栄養が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- イカに多い栄養は?
- 1杯食べると1日分の栄養の何%が摂れる?
- イカの健康効果は?
- どんな人こそ食べるといい?
といったことが手に取るようにわかります。イカにたっぷりの栄養を取り入れて健康的な毎日を過ごしましょう。
イカ1杯の栄養価
私たちに不足していてイカに多く含まれる栄養は、銅、亜鉛、マグネシウム、ビタミンE、ビタミンB6など。
食べ物を代謝してエネルギーに変える栄養や免疫力を高める栄養が豊富に含まれています。
イカの効果として、感染症の予防、高血圧の予防、心筋梗塞や脳梗塞の予防、糖尿病の予防、骨を強くする、アンチエイジング、肝臓のはたらきを高める、貧血の予防などが期待できます。
そんなイカ。
どの栄養がどれほど含まれていて、
その栄養にはどんなはたらきがあるのか、
ご存じですか?
ここでは100gあたりの栄養価ではなく、一度に食べる量として……
- 焼いたイカを1杯食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - イカに多い栄養は何?
- どんな効果が期待できる?
といったかたちでくわしくお伝えします。
焼いたイカ1杯:150g
いか1杯の可食部を焼くと150gほどに。生のイカではなく「焼いたイカ1杯の栄養価」をお伝えします。
イカに多いビタミン
まずはビタミン。
イカを1杯食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
イカに多く含まれているビタミンは次の5つ。女性の1日に必要な量の何%を摂れるのかというと……
ビタミンB12 | 338% |
ナイアシン | 114% |
ビタミンE | 63% |
ビタミンB6 | 36% |
ビオチン | 19% |
この5つのうちビタミンE以外はすべてビタミンB群。たっぷりと含まれています。
次はイカにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
イカに多いミネラル
焼いたイカ1杯(150g)で、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
イカに豊富なミネラルは次の6つ。女性の1日分のミネラルの何%を摂れるのかというと……
セレン | 276% |
銅 | 88% |
リン | 56% |
亜鉛 | 36% |
マグネシウム | 30% |
カリウム | 27% |
ミネラルもぎっしり!なかでも私たちが不足しているマグネシウムが豊富に含まれています。
では、イカに含まれる食物繊維をお伝えしてから、イカの8つの効果効能を紹介します。
イカに多い食物繊維
イカで1日分の食物繊維の何%が摂れるでしょうか?
イカに限らず、魚介類全般には食物繊維がほとんど含まれていません。
では、
不足しがちな栄養のなかで、
イカに多い栄養は?
その栄養をどのくらい補える?
どんな健康効果が期待できる?
イカで不足分を補える栄養とその効果
イカに多い栄養はビタミンB12、セレン、ナイアシン、銅、ビタミンE、リン、亜鉛などですが……
ビタミンB12、ナイアシン:
ふだんから必要な量の2倍以上も摂れています。
セレン、リン:
一般的な食生活ならまず不足しません。
イカが体にいいのは、
私たちに足りない栄養を補えるから。
イカで私たちの不足分をしっかり補える栄養は、銅、ビタミンE、亜鉛、ビタミンB6、マグネシウムの5つ。
それでは、
- 普段からどのくらい摂れているのか
- イカ1杯でどのくらい補えるのか
- どんなはたらきがあるのか、
についてお伝えします。
銅
イカで不足分が補える栄養。1つめは銅。貧血や骨粗しょう症を防ぐはたらきがあります。
イカの銅の量
1日に必要な銅は
女性が0.7mg、男性が0.9mg。
イカ1杯には0.6mg。
私たちは普段からどのくらい摂れていて、イカ1杯でどう増えるのでしょうか?
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「栄養等摂取量」
女性が摂れている銅は、149%
イカには、88%
合計で、237%
男性が摂れている銅は、133%
イカには、68%
合計で、201%
銅は不足しにくい栄養ですが、次のような人は不足しがちなので気をつけましょう。
- ストレスの多い人
→ 銅が体から排出される量が増えます - 亜鉛のサプリを飲む人
→ 銅や鉄の吸収がさまたげられます
イカなら1杯食べれば1日に必要な量をほとんど摂れるほど豊富。そのほか、ナッツ類、さといも、枝豆、豆腐、納豆、豆乳などにも多く含まれています。
銅の効果
銅にはおもに次の5つのはたらきが期待できます。
- 風邪など感染症から守る
- 貧血を改善する
- 骨粗鬆症や動脈硬化を防ぐ
- いろんな病気や老化を防ぐ
- 健康な黒い髪や弾力のある肌をつくる
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「銅解説」
ビタミンE
2つめの栄養はビタミンE。サラサラ効果と抗酸化作用で血管をキレイに若々しくする栄養です。
イカのビタミンE
1日に必要なビタミンEは
女性が6mg、男性が7mg。
イカ1杯には3.8mg。
では普段からどのくらい摂れていて、イカ1杯でどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、108%
イカには、63%
合計で、171%
男性が摂れている量は、100%
イカには、54%
合計で、154%
ビタミンEの効果
血管の掃除役と言われるビタミンE。次のようなはたらきを発揮します。
- 動脈硬化を防ぐ
- 心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ
- 貧血の予防と改善
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美肌・美髪
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンE解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「LDLコレステロール」
血圧が高い人、脂っこいものが好きな人、お酒をよく飲む人などはしっかり摂りたい栄養。タウリン豊富で肝臓を守る点でもお酒が好きな人はぜひ食べてください。
亜鉛
イカで不足分が補える3つめの栄養は亜鉛。味覚を守り、免疫を高めるなどのはたらきがあります。
イカの亜鉛
1日に必要な亜鉛は
女性が8mg、男性が11mg。
イカには2.9mg。
イカを食べると……
女性が摂れている亜鉛は、96%
イカには、36%
合計で、132%
男性が摂れている亜鉛は、84%
イカには、26%
合計で、110%
亜鉛は私たちに足りないミネラルですが、イカなら十分に補うことができます。
亜鉛の効果
- 味覚を正常に保つ
- 感染症から守る
- 糖尿病などの生活習慣病の予防
- 有害物質の排出
- 弾力のある白い肌へ
- 抜け毛を防ぐ
- 生殖機能を高める
亜鉛不足で味覚障害というのはご存じでしょうが、免疫力を高めて感染症から守るはたらきもある栄養素です。
※参考サイト:厚生労働省 eJIM「亜鉛」、国立健康・栄養研究所「亜鉛解説」
ビタミンB6
4つめの栄養はビタミンB6。脂肪肝を予防したり月経前の悩みをやわらげるはたらきがあります。
イカのビタミンB6
1日に必要なビタミンB6は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
イカには0.4mg。
女性が摂れている量は、99%
イカには、36%
合計で、135%
男性が摂れている量は、90%
イカには、28%
合計で、118%
ビタミンB6の効果
- エネルギーを作る、筋肉・肌・髪・爪などを作る
- 脂肪肝を予防する
- 肌荒れや口内炎から守る
- 月経前の体の悩みやつわりをやわらげる
- 気持ちを安定させる
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB6解説」
ビタミンB6は体内でも作られるので不足しにくいのですが、ただ次のような人は不足しがちに。
- プロテイン(たんぱく質)を多く摂っている人
- 妊娠している人
- ピルを飲んでいる人
- 抗生物質を長い期間飲んでいる人
ビタミンB6の多い食べ物は肉や魚などの動物性食品。レバー、豚肉、かつお、まぐろ、鮭、ぶり、さば缶、いか、バナナ、いも類などに多く含まれています。
マグネシウム
5つめの栄養はマグネシウム。カルシウムと一緒に骨を強くしたり、血圧を調整するミネラルです。
イカのマグネシウム
1日に必要なマグネシウムは
女性が290mg、男性が370mg。
イカには86mg。
女性が摂れている量は、81%
イカには、30%
合計で、111%
男性が摂れている量は、71%
イカには、23%
合計で、94%
マグネシウムの効果
- 丈夫な骨をつくる
- 不整脈・狭心症・心筋梗塞を防ぐ
- 筋肉がつったりけいれんするのを防ぐ
- 糖尿病・高血圧など生活習慣病を予防する
- 気持ちをおだやかに整える
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」、国立健康・栄養研究所「マグネシウム解説」
マグネシウムが不足すると糖尿病やメタボリックシンドロームのリスクがぐんと高まると言われています。他にも、不整脈、疲労、不眠、動脈硬化、骨粗しょう症、尿路結石、アトピーなど。
イカなどの魚介類全般、豆腐、厚揚げ、大豆、枝豆、そば、アーモンドなどマグネシウムが豊富な食べ物はこちらをお読みください↓
*-*-*-*-*
イカで不足分を補える栄養とそのはたらきをお伝えしました。最後にこれらをまとめて、
イカを食べると
どんな効果効能が得られる?
どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
イカの8つの効果効能
イカには、ビタミンE、B群、さまざまなミネラルが豊富。これらの栄養のはたらきから、イカに期待される効果をまとめてみました。
- 感染症を予防する
銅や亜鉛がT細胞やマクロファージなどの免疫細胞のはたらきを高める - 高血圧を予防する
マグネシウムが動脈を広げて、ビタミンEが血管をキレイにして流れをよくする - 動脈硬化や心筋梗塞を予防する
ビタミンEの抗酸化作用がコレステロールや脂肪の酸化を防いで血管を健康にしなやかに維持して血流をよくする - 糖尿病やメタボなど生活習慣病を予防する
マグネシウムが血糖値の上昇をおさえるインスリンのはたらきを高める - 骨を丈夫にして骨粗鬆症を予防する
銅が骨を強くするコラーゲンやエラスチンをつくる - 若々しく現行な体を維持する
銅、亜鉛、ビタミンEの高い抗酸化作用で老化や病気のもととなる活性酸素を除去する - 脂肪肝を予防して肝臓を守る
ビタミンB6が脂質の代謝を促進し、タウリンが肝臓のはたらきを高める - 貧血を予防する
銅が鉄分と一緒になって血液(ヘモグロビン)をつくる
そこでイカをぜひ食べてもらいたい人とは……
こんな人こそイカを食べて!
イカをぜひ食べてほしい人はこちら。
- 血圧が高い
- 風邪をひきやすい
- 疲れやすい
- お腹まわりが気になる
- 揚げ物や脂っこい物が好き
- お酒をよく飲む
- 魚や海藻をあまり食べない
- 肌荒れが気になる
生活習慣病が気になる方やイライラしやすい方にもぜひ食べてもらいたいのがイカなのです。
イカに多い栄養:まとめ
イカに多い栄養や健康効果についてお伝えしました。
イカで不足を補える栄養:ビタミンB6、ビタミンE、マグネシウム、銅、亜鉛
イカの効果:感染症の予防、高血圧の予防、動脈硬化や心筋梗塞の予防、糖尿病の予防、骨を強くする、アンチエイジング、肝臓を守る、貧血の予防
こんな人こそ食べてほしい:血圧が高い、風邪をひきやすい、疲れやすい、お腹まわりが気になる、揚げ物が好き、お酒が好き、魚や海藻をあまり食べない、肌荒れが気になる
美味しさはもちろんのこと、栄養も健康効果も満載のイカ。ぜひ取り入れてみてください。