大根おろしの汁。
まさか捨てていませんよね?
焼き魚やそばなどに添える大根おろし。ギューッと絞った後の「汁」にこそまさにギューッと栄養が凝縮されています。
さらに、大根の煮物でもサラダでもなく「大根おろしだからこそ含まれているすごい栄養素」もあるのです。
大根おろしの汁にどれほどの栄養と健康効果が凝縮されているかを知ってから私は、一滴たりとも捨てることができなくなりました。
そこで、
- 大根おろしの汁の栄養と効果
- いつ飲むのがいいのか
- どうやって飲むのがいいのか
についてわかりやすくお伝えします。
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大根おろしの汁には栄養が満載!
大根おろしにはビタミン・ミネラル・酵素が豊富。特に大根おろしの汁には、酵素・ビタミンC・イソチオシアネートがたっぷりと含まれているのです。
ビタミンC
ビタミンCは水に溶ける水溶性のビタミン。なので、大根おろしの汁にたっぷりと含まれています。
ストレスから守る、活性酸素を除去する、免疫を高める、ウイルスへの抵抗力を高める、コラーゲンを作る、シミ・シワ・そばかすを防ぐ、といった効果のある栄養素ですね。
ビタミンCは大根の皮の部分と根に近い部分に多く含まれています。特に皮の部分には大根の中心部分の約2倍のビタミンCが含まれているとも。大根おろしは「皮ごと」おろすようしましょう。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「抗酸化ビタミン」、「ビタミンC」
酵素
大根おろしの汁には、アミラーゼ(ジアスターゼ)、プロテアーゼ、リパーゼといった酵素も豊富に含まれています。
私たちのすべての活動には酵素が必要。体内の酵素がなくなった時、私たちの命は終わりを迎えます。
体内でも酵素を作ることができますが、その量には限度がある。元気に生きていくためには、食べ物から酵素を摂り入れることが必要不可欠なのです。
- 炭水化物を分解するアミラーゼ
- たんぱく質を分解するプロテアーゼ
- 脂肪を分解するリパーゼ
大根おろしの汁には、それぞれ役割のちがう消化酵素が豊富に含まれています。
食べ物を消化するのは実はかなりの重労働。でも大根おろしの汁で消化酵素をしっかり補給すれば、新陳代謝や体の回復が促進されていつも元気な体でいられるでしょう。
イソチオシアネート
そしてなんといってもすごいのはフィトケミカルの一種でもある「イソチオシアネート」。
イソチオシアネートは、その効果のズバ抜けたすごさから今とても注目されている成分。
がん予防、動脈硬化の予防、免疫力を高める、抗酸化、抗菌、解毒、代謝を高めるなど、健康効果が満載。
イソチオシアネートについてこちらでくわしく紹介しています↓
大根の辛味成分なのですが、イソチオシアネートは大根に最初から含まれている成分ではありません。
大根の細胞が壊されたときに細胞内の酵素と反応して作り出される成分なので、大根を「切る」ことや「おろす」ことで作られるのです。
大根をみじん切りにすることはあまりないでしょうから、「大根おろし」が一番たくさんイソチオシアネートを作ることができる方法ですね。
イソチオシアネートは辛味成分でもあるので、根に近い部分で作った大根おろしに多く含まれています。その量、葉に近い部分の約10倍とも。
また、細胞壁がこわれやすくなるので、大根の繊維を断ち切る方向でおろすとイソチオシアネートも多く作られます。
- 根に近い部分を使って、
- 繊維を断ち切る方向でおろす
これがイソチオシアネートをたっぷり含んだ大根おろしの作り方です。
ただ……
イソチオシアネートの多い大根おろしの汁はとても辛い(からい)。
そのまま飲むのは大変ですので、このページの後半でからい汁を美味しく飲むための簡単な方法をご紹介します。
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このように大根おろしの汁には、ビタミンC、消化酵素、イソチオシアネート、といった栄養素がぎっしり凝縮されています。
ではあらためて大根おろしの汁にはどんな効果があるのか紹介します。
大根おろしの汁の12の効果効能
大根おろしの汁にはどんな効果効能があるのでしょうか?
- がん予防
- 動脈硬化の予防(サラサラ化)
- 免疫力を高める
- 抗酸化作用
- インフルエンザや風邪を早く治す
(解毒・殺菌・炎症の緩和) - ピロリ菌を減らす
さらに、
- 胃もたれや二日酔いを解消
(消化を助ける) - 代謝を高める
- 美肌、むくみを解消
(老廃物の排出を促進) - 血糖値をおさえる
- 血圧を下げる
- ダイエット
これら12もの効果効能が大根おろしの「汁」に凝縮されているのです。
大根おろしの汁の効果のなかでも、がん予防、動脈硬化の予防、免疫力アップ、抗菌・解毒などはイソチオシアネートによるもの。
40代を過ぎたらさまざまな生活習慣病の予防のために、すごいはたらきを発揮する「イソチオシアネート」をしっかりと摂り入れましょう。
では、大根おろしの汁を飲むタイミングはいつがいい?辛い汁を美味しく飲む簡単な方法は?についてお伝えします。
飲むタイミングはいつがいい?
大根おろしの汁、飲むタイミングはいつがいいのでしょうか?
作ったらすぐに飲む
大根をすりおろすと時間とともに栄養がどんどん減っていきます。
炭水化物を分解するアミラーゼ(ジアスターゼ)もビタミンCも、時間とともに酸化してしまいます。
がん予防などの効果が高いイソチオシアネートは揮発性なので、成分がどんどん消えていきます。
「夜に食べるから夕方のうちに大根おろしを作っておこうかしら」というのはNG!効果効能を得るためなら、大根おろしは食べる直前に作りましょう。
もっとも、あっという間に成分が消えるということではなく、
- イソチオシアネートは15分で半減する
- 酵素も数十分で減少してしまう
と言われています。大根おろしを作ったら早めに食べてくださいね。
空腹時はNG!食事しながら
大根おろしの汁は空腹時は避けましょう。
消化酵素が豊富なので、胃酸が出過ぎて胃への刺激が強くなりすぎてしまいます。胃が痛くなる、吐き気をもよおす、下痢になる、といったことにも。
大根おろしの汁を飲むタイミングは作ったらすぐ、とはお伝えしましたが、空腹時ではなく食事をしながら少しずつ飲むようにしましょう。
朝・昼・夜、いつがいい?
大根おろしの汁を飲むタイミングですが、朝がベストとか、昼は効果が低いといったことは特にありません。
ただ、すりおろす手間があるので無理のないタイミングがいいですね。おろす手間はかかりますが、朝・昼・晩と1日3回食べても大丈夫です。
最後にからい大根おろしの汁を美味しく飲むかんたんな方法をご紹介します。
大根おろしの汁を美味しく飲む簡単な方法
大根おろしの汁には酵素もビタミンCも豊富ですが、なんといってもすごい効果を発揮する「イソチオシアネート」が一番のメイン。
辛味成分であるイソチオシアネートは、大根の根に近い部分で作った大根おろしの方が断然豊富。その量、葉に近い部分の大根おろしの約10倍ともいわれています。
さらに、細胞壁が壊れやすくなるので繊維を断ち切る方向でおろすとイソチオシアネートが多く作られます。
ただ、イソチオシアネートが多いということはそれだけ「からい」ということ。
そこで、からい大根おろしの汁を美味しく飲むための簡単な方法を2つご紹介します。
ハチミツを混ぜる
6センチから8センチくらいの大根をおろすと、300g程度の大根おろしができあがります。
そのなかの100g程度が汁。そこへ、スプーン1杯から2杯のハチミツを加えてよく混ぜるだけ。
適度に甘くなってとても飲みやすくなります。風邪のひきはじめにもおすすめ。のどの炎症をおさえてくれますよ。
果汁100%のジュースを混ぜる
大根おろしの汁に果汁100%のジュースを入れる。たったこれだけでもグンと飲みやすく美味しくなります。
りんごジュースやぶどうジュースなど、お好きな果汁100%のジュースを加えて飲んでください。
大根おろしの汁の効果と飲み方:まとめ
大根おろしの汁の栄養、効果効能、おすすめの飲み方をお伝えしました。
- 大根おろしの汁には酵素・ビタミンC・イソチオシアネートが豊富
- ビタミンCは大根の皮や根に近い部分に多い
- イソチオシアネートは根に近い部分の大根おろしに多い
- 大根おろしの汁には、がん予防・動脈硬化予防・免疫アップ・抗酸化・解毒・殺菌・炎症の緩和・血糖値をおさえる・血圧をさげる・ダイエットなど効果が満載
- 大根おろしの汁は作ったら早めに飲む
- 空腹時はNG!食事をしながら飲もう
- ハチミツや100%ジュースで飲みやすく
健康効果が満載の大根おろしの汁。飲まずにはいられませんね。飲むタイミングに注意して、元気な毎日をお過ごしください。