「納豆ってカルシウムが多い?」
私たちはカルシウム不足。骨粗鬆症だけでなく子供の骨折も増えているとか。ふだんからしっかりカルシウムを摂って、強い骨を作りたいですね。
納豆はビタミン・ミネラル・たんぱく質・食物繊維と栄養豊富な食べ物ですが、カルシウム源としても非常に優秀。そこで、
- 納豆にはカルシウムがどれほど多い?
- 1パックあたりのカルシウムは?
- ほかの食べ物と比べると?
- 納豆だからこそのメリットってある?
などわかりやすくお伝えします。納豆の栄養を上手に活用して強い骨を作りましょう。
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カルシウムの1日の推奨量は?
カルシウムは、魚介類、海藻、野菜、豆、大豆加工品、乳製品に多く含まれています。
含有量の多いものをいくつか挙げると……
魚介類:鮭の水煮缶詰、さばの水煮缶詰、ししゃも、わかさぎ、しらす、干しえび
海藻:ひじき、とろろ昆布、わかめ、塩昆布
野菜:大根の葉、水菜、小松菜、白菜、ブロッコリー、切り干し大根、オクラ
豆類:厚揚げ、焼き豆腐、高野豆腐、木綿豆腐、枝豆、大豆、納豆、おから
乳製品:牛乳、アイスクリーム、プロセスチーズ、ヨーグルト、カマンベールチーズ
※枝豆は「野菜」に分類されますがわかりやすく豆類のところに表記しています。
そして1日に必要なカルシウムの量(=推奨量)はこちら。
カルシウムは1日600mg、というイメージをお持ちかもしれませんが、2020年版の食事摂取基準(厚生労働省)では上記のような量が推奨されています。
- 女性:650mg
- 男性:750mg
さて納豆1パックあたりのカルシウムは1日の推奨量と比べるとどのくらいなのでしょうか?
納豆に含まれるカルシウム
納豆1パックに36mgのカルシウム
粒納豆100g中のカルシウムの含有量は90mg。
粒納豆1パックを40gとすると、その中に含まれるカルシウムは36mgです。
ちなみに、ひきわり納豆1パック(40g)にはカルシウムは24mg。粒納豆のほうが多く含まれています。
納豆1パックで1日の推奨量の約5%
納豆1パック(40g)では、1日の推奨量の約5%をおぎなえる形ですね。
※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、 国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」
「たったの5%なの?」
と思われそうですが、1パック40g中のカルシウムの含有量で計算していますし、毎日飽きずに食べられたり料理不要で簡単に食べられたり、という点でも、頼もしいカルシウム源ではないでしょうか。
また納豆でカルシウムを摂るメリットがちゃんとあるのです。
そのメリットというのが……
納豆のビタミンKが強い骨をつくる
ビタミンDがカルシウムの吸収を高めることはご存じですよね?
カルシウムが腸で吸収されるのを促進したり、尿として体から排出されてしまうカルシウムを再吸収されるようにもはたらきかけてくれる栄養素です。
では、これはご存じですか?
骨を強くするためには「ビタミンK」が非常に大切だということを。
カルシウムが溶けるのを防いで骨を強くするビタミンK
骨はカルシウムだけでなく、マグネシウム、リン、コラーゲンなどが集まってできています。
そのなかでビタミンKは、
- コラーゲンとカルシウムを結びつける
- 骨からカルシウムが溶け出すのを防ぐ
というはたらきで骨を強く丈夫にしているのです。
役割分担をわかりやすく言うと……
ビタミンD:
あなたが食べた物からカルシウムをしっかり受け取って、骨の場所へと運ぶ。
ビタミンK:
運ばれたカルシウムを骨に「ペタッ」とくっつけて補強する。
納豆にはビタミンKがぎっしり!
このビタミンKがバツグンに多いのが納豆。
納豆は、大豆を煮て納豆菌をまわしかけて発酵させて作ります。そしてビタミンKは納豆菌によって発酵していく過程で作られる栄養素。
ひきわり納豆は、大豆を細かく砕いて、皮を取り除いて、煮て、納豆菌をまわしかける。
粒の納豆とくらべると納豆菌が繁殖する表面積も広くなるので、ビタミンKの含有量もひきわり納豆のほうが多くなるのです。
ビタミンKの多い食べ物はこちらで紹介しています。
ビタミンKの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
さて、納豆1パックのカルシウムの含有量は36mgとお伝えしましたが、ほかの食べ物と比べるとどうなのでしょうか?
そこで次はカルシウムが多いいろんな食べ物を「1食分あたり」の含有量で比べてみましょう。
納豆と他の食べ物とでカルシウム量を比較
カルシウムの多い食べ物は納豆のほかにもあります。
それぞれ「100gあたり」ではなく「1食分あたり」に含まれるカルシウムの含有量を比べてみました。
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1食分はあくまでも目安であり、食べ物によってその量はそれぞれ違います。
例えば……
- 鮭の水煮缶詰:90g
(一般的な缶詰の1缶の半分) - さばの水煮缶詰:95g
(一般的な缶詰の1缶の半分) - 厚揚げ:75g(1/2枚)
- 牛乳:200ml
- プロセスチーズ:
40g(2切れ) - ヨーグルト:
100g - 木綿豆腐:
150g(1/2丁) - 枝豆:65g
(冷凍枝豆1/3袋分が130gでさやを除いた可食部が65g)
1食分で比べてみても、納豆がダントツでカルシウムが多いということではありません。
とはいえ、毎日、鮭の水煮缶詰やししゃもや厚揚げを食べたりはしないでしょうが、納豆なら毎日食べることができますよね。
また、納豆に豊富なビタミンKがカルシウムの沈着をサポートして骨を強くするはたらきであったり、料理の手間なく手軽の食べられる点からも、カルシウムを効率的に摂ることができる食べ物ではないでしょうか。
納豆はカルシウムが多い?まとめ
納豆に含まれるカルシウムについてお伝えしました。
1日の推奨量:女性で650mg。男性で750~800mg。
納豆のカルシウム含有量は?:1パック(40g)に36mg。推奨量の約5%が補える。
ビタミンKが骨を強くする:納豆が発酵する過程で作られるビタミンKが骨を強くする。粒よりひきわりに豊富。
1食分でカルシウムが多いのは?:わかさぎ、鮭の水煮缶詰、さばの水煮缶詰、ししゃも、ひじき、大根の葉、水菜、小松菜、切り干し大根、厚揚げ、高野豆腐、木綿豆腐、枝豆、大豆、納豆、おから、豆乳、アイスクリーム、チェダーチーズなど。
手軽に食べられる納豆。強い骨づくりに役立ててみてはいかがでしょうか。